2023/08/12 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区「BAR」」からキールさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にシァ・フゥさんが現れました。
■シァ・フゥ > 雲一つない快晴。降り注ぐ灼熱の日差し。時刻は日が落ちるにはまだまだ掛かる頃合いの大通り、から……
少し外れたところにある橋の端に、水色に派手に塗ったくった屋台へ『休憩中』の木札をぶら下げ停めておき、
桃髪店主は下にある遊歩道で休憩中。
設えられた花壇が並ぶその前に設置されたベンチは橋のおかげで陰も出来て足元には川が流れている。
日光に炙られているよりか余程マシな一席に腰掛け昼飯に露天で買ったバーガーへ大口開けて齧り付く。
「あっつ!」
外気が暑い事に対する文句、じゃなくて。バーガーのパテがあつかった。
出来立てのそれは噛んだら熱々の肉汁が溢れ出して口に目一杯に広がる。
美味しい、美味しいが口の中が火傷しかけた。
氷を目一杯に詰め込んだタンブラーにたっぷり淹れた桃の果実水を口に含んで口内を冷まして……
今度は程々に口を開けて肉汁に警戒しながらがぶりともう一口頬張り咀嚼すれば何とかいける。
うん、と、一つ頷きながらさらにもう一口さらに一口とばくばく食いながら、
偶に上にある屋台の方へと視線を向ける。
「……午後からはどうすっかなぁ」
お客さんは来てくれる。果実水とか果実氷とかを目当てにした。薬? 相変わらず売れない。
本日は生薬の素材も幾つか保管用のクーラーボックスに入っているため、
薬の売れ行きが良くないようなら早めに切り上げて冒険者ギルドなり他の薬師に売りに行くのも手だ。消費期限的に考えて。
どうしたものかなぁ、なんて首を傾げながら、また一口バーガーを齧る。
■シァ・フゥ >
昼飯を食べ終えて果実水も飲み干したら
包み紙を丸めてから近くのゴミ箱へポイ、
水筒の蓋を締め手荷物の帆布鞄へとポイ。
ご馳走様でしたと胸の前に両手を合わせて異国式の礼を一つ済ませて――
手帳と筆とを鞄から取り出して手帳を広げる。
「んー……」
前日に調合した薬や前々日に仕入れてきた生薬に皮革や果物類が本日どれだけ売れたかの忘備録だ。
これは売れてこいつ売れてなくて桃がもう品切れで梨が三つに葡萄が……云々、
後に帳簿にきちんと付けておくし今も正直覚えられる数なのだが忘備録は要る。
横線引いたり丸を付けたりとしていく中でふとまた目線が持ち上がった。
「白昼堂々とまぁ……」
筆を手帳に引っ掛けて筆を持っていた手指を組む。
小指と薬指は折り畳み、中指と親指の腹を重ねて、人差し指を立て、中空を一振り。
――ザクッ。
キャベツに包丁を入れて一気に引き切ったような快音が経つと同時に橋の上で男の悲鳴が上がった。
「ハハハハ。ビックリしたろー」
店主の姿が見えないことを良い事に屋台の品物に手を伸ばした盗人の腕に、切り傷。
どたばたと橋の下にまで響いてくる騒々しい足音が遠ざかっていくのに肩を揺らす。
縫うほど深くはないが暫く痛む程度の長さ、にしては、豪快な切断音、
ちょっとした痛みとデカい音で追い払った訳だ。
その気になればこのデカい音通りに腕を落とすも全身三枚下ろしも輪切りも自由自在だが、そこまでする事もあるまい。
「さて……」
そしてまた手帳に目を落として書き込みを開始する。
明日は何処で何出して、云々と。
■シァ・フゥ >
暫くして手帳を閉じれば筆と一緒に後片付け。後は橋の上へと戻って屋台を引く。
向かう先は先程商っていた大通りではなく冒険者ギルド。悩みはしたが大通りで捌くのを諦めてあちらに買い取って貰おうと向かっていった――
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からシァ・フゥさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 ギルド酒場」にエリビオさんが現れました。
■エリビオ > 壁を突き抜けんばかりの喧騒が轟く。
テーブル卓は全て埋まり老若男女が身分隔てなく酒を片手に過ごしている。
大人しく馳走が並ぶテーブルについて酒と会話を楽しむものも。
興奮過ぎて卓を引っくり返して乱闘に及ぶものも。
それらを背にカウンターで静かに嗜むものも。
等しく懐深いギルド酒場の家が包んでいた。
そんな中で一人。依頼書が張り巡らされた掲示板ににらめっこしている少年は
黒髪から覗く瞳を瞬き忘れて内容と金額を吟味し、顎先に指を添えて小さく唸る。
「もっと良い依頼、ないかな?」
重ね貼りされた依頼書を捲り、古いものまで目を通しては肩を落とし。
背後の騒がしさも聞こえぬように溜息を吐いた。
■エリビオ > どれもこれも満足のいく依頼がない。
背を丸めるほど掲示板とにらめっこしてるうちに背後から見知らぬ冒険者から相伴の声がかかる。
迷うように視線を巡らしながらも。
「それじゃ、俺もちょっとだけお酒飲もうかな。」
結局依頼は受けきれず、今宵も散財に終わってしまった――
ご案内:「王都マグメール 平民地区 ギルド酒場」からエリビオさんが去りました。