2023/08/20 のログ
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#3「鬼哭啾啾」(『王都から騎士団・冒険者等への緊急要請 「血の旅団」討伐依頼』)
「血の旅団」事件の勃発からしばらくの時が経ったものの、城塞都市アスピダの陥落は成らないままであった。暁天騎士団の出撃や甲冑だけで動く謎の「騎士」たちの働きがあるとともに、アスピダ側があくまで都市の守護に徹しており、王都やその他大都市への本格的な侵攻を行うことがなかったことがその理由である。
「血の旅団」の侵攻を防いだのは王国側の騎士等の軍勢がよく働いた証左でもあるが、「血の旅団」側は敢えて戦線を膠着させるような動きを見せていたことも事実であった。
アスピダ地下で観測された膨大な魔力反応による何かを「血の旅団」が成そうとしていることは明らかであったが、城塞都市の内部に入れない以上、王国側がそれを深く観測することは不可能であった。アスピダ地下での魔力の収集は王国の魔術とは異なる体系で行われているようでもあり、それもあって王国側は捉えかねていた。
王国側としてもアスピダ地下の魔力反応と同規模の魔力を蓄えるには時間を要し、アスピダに「何か」を行わせないために、城塞都市への攻撃を断続的に繰り返していた。お互いに時間を稼ぐ必要があったのである。
「血の旅団」は王国各地で行っていた略奪行為から手を引き始め、人員をアスピダ方面に集中させつつある。そのため、アスピダ方面での戦闘が加熱しており、かつて無名遺跡などで確認された魔導機兵『アンゲロス』と類似するような機兵がアスピダ側から投入され始め、猛威を振るい始めている。これもかつての『アンゲロス』のようにシェンヤン帝国式の「呪」がかけられており、あからさまなほどにシェンヤン帝国の関与が匂わされている。シェンヤン帝国の陰謀を疑う者もあるが、現在の所シェンヤン帝国の軍に動きはまったくない状態が続いており、シェンヤン帝国の関与を見せかけるものと捉える者も多い。
戦場に現れた機兵は「敵」と設定された王国軍を攻撃するように駆動する。しかし、かつての『アンゲロス』よりは能力的に劣っており、劣化版と言える存在である。アスピダの鎧のみの「騎士」と異なり統制された動きは見せていない。逆に、どこか「怒り」や「嘆き」のような感情めいたものに基づいて動き、恨み・嘆き・怒り等を有したまま死した亡者の霊を憑依させているのではないかとも目されている。
この機兵は王国側により「エイコーン」と名付けられた。アスピダ側では「泥の兵」「機兵」などと呼称しているものの、「エイコーン」という名が王国側につけられたことが広まれば、「血の旅団」も「エイコーン」の名を使うようになった。
王国内での活動目的は十二分に達したのか、「血の旅団」に占拠されていた村などは次々と解放されており、解放された村々への支援活動などという名目で、商人たちには新たな商機が生まれている。
「血の旅団」が王国内で収奪した「魔術鉱石」や魔導機械の類は「エイコーン」の製作やアスピダ地下で準備されている膨大な魔力の集積に用いられている。
王城地下における「ミレー族」を用いた魔力の搾取は続いており、結果的に戦線の膠着が長引いたことにより、かなりの魔力の確保が完了した。ミレー族や捕虜や奴隷などによる魔力の確保のほか、タナール砦等で捕らえられた「魔族」を用いての魔力搾取も積極的に行われた。
「魔族」を用いたことについても原則秘匿されているものの、すでに情報は「魔族」側にも漏れており、一部の仲間意識の強い魔族による同胞の救出行為もあったが、多くは王城にて返り討ちに遭い囚われた。その情報の流出もあってか、タナール方面では魔族の苛烈な攻撃が幾度か行われている。ただし、「魔族」といっても必ずしも同胞意識が強いとは限らないため、特にこの問題を気に留めない者も少なくない。
搾り出された魔力は極大の「魔術鉱石」に移され、王城地下に安置されている。
王城地下で開発されている魔導機械は複数存在するが、その一部は巨大な「砲台」であるらしく、この魔導機械についての情報は強く統制されている。王城に強力な魔導障壁を施す魔導機械の開発も進んでいるが、この魔導障壁を発生させる魔導機械は戦場には持ち込まれていない。王城の一部の王族や貴族が「血の旅団」による王城への攻撃を恐れており、この魔導機械を移送することに反対しているためである。上述した「砲台」はまもなく完成の見込みであり、計算上は王都近辺から用いてもアスピダの魔導障壁を破壊することが可能であるとされる。
王都よりの依頼によって集められた冒険者は、既存の騎士団で受け入れた場合少なからぬ問題が発生することが憂慮され、臨時の特別部隊を編成されることが多い。よく言えば個性が強い部隊、悪く言えば寄せ集めの部隊であり、それを統率するために現職の冒険者の内かつて「騎士」であった者や傭兵としての経験を持つものが部隊長に選ばれることが多い。
既存の騎士団の中にはこの冒険者によって編成された部隊を卑下し軽蔑する者も存在する。なお、冒険者を受け入れる騎士団も無論存在する。
一人の能力が集団と同等であるような場合は、部隊に組み込まれること無く単身で戦場するような例も見られる。なお、アスピダでの戦闘に参加する冒険者に対する冒険者ギルドからの保障類は原則ないが、王都の王族や貴族からの依頼ということもありその報酬はかなりの額が提示されている。
「血の旅団」のこれまでの行為から、かつて存在した「血の旅団」とは全く別個の組織であり、盗賊集団としての性格は有しているものの、盗賊行為は王国への叛意、あるいは王国の破壊のための手段として用いられただけであることがわかっている。そのため、盗賊集団の盗賊として新生「血の旅団」に後から参加した者たちは脱走をするケースも増えてきている。
こうして、アスピダ方面の戦況は混沌としたものとなっていった。魔法障壁を破壊可能な魔導機械の情報は王国軍の高官たちには伝えられており、来るべき城塞都市内への侵攻に備え、兵力を休ませたい考えを持つものは多いが、エイコーンの出現によりそれもままならない状態が続いている。
【魔導機兵『エイコーン』】
エイコーンとは「像」を意味する語であり、ここでは「模像」の意味合いが強く、否定的なニュアンスが含まれている。魔導機兵アンゲロスの「模像」としてこのように名付けられた。
魔導機兵アンゲロスは光背・光輪を持つ白銀の鎧を纏った「鋼の巨人/騎士」の如き姿を持っていたが、エイコーンは黒曜石の如き「黒の巨人/騎士」としての姿を持つ。武器は槍や大剣が基本であり、魔力放射による「光線」も兵装の一つとして挙げられる。ただしこれはあくまで概ねこのような姿であるという程度のものであり、エイコーンの姿は個体差が大きい。
エイコーンの大きさはアンゲロスと似通っており、その全長は3メートルほど。大きい個体は5メートルに達するものもある。
九頭龍山脈やオリアーブ地方で採掘された「魔術鉱石」を取り囲むように黒曜石の如き「石」、そして「泥」が集まって機体を構成しており、各部位は無名遺跡で発掘された魔導機械を利用することで接合している。「魔術鉱石」がエイコーンを動かす動力であるため「魔術鉱石」を破壊することが即エイコーンの破壊に繋がる。そのため、工夫さえすれば大火力を要せずエイコーンを倒すことが可能である。
アンゲロスが現代では再現できない超古代の金属で作られていたのとは異なり、各パーツを接合している魔導機械をを除けば、エイコーンの殆どの部位は現代の王国で入手可能なものばかりである。魔術師が作成するゴーレムと近い存在であると言えるだろう。
アンゲロスが極めて機械的な存在であったのに対し、エイコーンはどこか「肉」的な側面を持ち合わせており、悲嘆の泣き叫びのような声を上げる様子が見られる。マグメール王国に恨みを持つような「死者」の霊・魂をエイコーンに憑依させ、エイコーンの行動に志向性を持たせていることが確認されている。この「死者」の霊を物質に憑依させ操るという術はシェンヤン帝国の魔術の一つとして有名である。
エイコーンは、アンゲロスと比べるとその能力自体は劣る。しかし、己が体の一部を変質させる能力を持っており、戦場で用いられた能力・武器・兵装を「模倣」することが可能。その能力は王国側によって「模倣の霊」と名付けられた。
魔導機兵エイコーンは、クシフォスと「血の旅団」の当代の首領が魔導機兵アンゲロスをモデルとして作り上げたものである。王国側ではその事実は知られていない。
アスピダ内では王国内から強奪してきた「魔術鉱石」や魔導機械を用いてのエイコーン製作作業が行われていることもあり、存在は当然知られているものの、エイコーンの詳細についてはクシフォスや当代の首領による情報の統制がなされており、「血の旅団」内部でも詳しいことは知られていない。エイコーンの出撃ついては、クシフォスより「血の旅団」首領の意向が強い。また、クシフォスはエイコーンの出撃後はアスピダ地下に籠もるようになり、団員たちの前に姿を見せていない。
戦場に投入されているエイコーンの数は多いわけではないが、王国側にとってその危険度は高い。数体が投入されただけでも戦況が変わる可能性があるため、エイコーンが出現した場合は優先的に標的とする必要があるだろう。
ただし、エイコーンによる王国軍の壊滅をアスピダ側が狙っているというよりは、アスピダ地下の膨大な魔力を用いての「何か」のための時間稼ぎとしての側面が強い。エイコーンが出撃している間は「血の旅団」の戦闘要員も休むことができるという側面もある。無論、エイコーンとともに「血の旅団」の団員が戦うようなケースも少なくない。
アイオーンの信仰を有したミレー族の古老の一部は、このエイコーンの話を聞き「偽なる天使」と称した。
能力:「模倣の霊」
戦場で敵対した者の能力や武装・兵装を「模倣」する能力。「魔術鉱石」を用いた魔術をエイコーンが用いることで、自身の機体の一部を変化させるのである。姿オリジナルの能力・武装・兵装の完全再現には至らず、模倣したものは必ず「劣化」することが確認されている。また、何かしらの霊的な能力によりこの力を発動させているのが確認されている。
必ずしも対峙している敵の能力を模倣するわけではなく、戦場で用いられた能力・武装・兵装をランダムに模倣していることが確認されているため、エイコーンの戦い方はかなり幅広く注意が必要である。
本来は、アイオーン時代の古代の初期ノーシス主教の創世神話内に見られる用語であり、現在用いられているような意味合いとは異なり、神の創造を真似て不完全な創造を繰り返し悪しき霊を意味する。なお、ナルラート朝以前からほぼ失われていた伝承であり、本来の意味を知る王国民はまず存在しない。
古代の石碑からわずかに読み取れた「創造を模倣する霊」という語のみは知られており、それが今回エイコーンの能力名の仮称として用いられた。
指揮能力の高い元騎士などの「血の旅団」の団員にはエイコーンのある程度の操作権が移譲されており、エイコーンの「魔術鉱石」に魔術を用いることで簡易な指示が可能である。
能力:「鬼哭」
鬼哭とはエイコーンに憑依していると考えられる亡者の霊の嘆きや恨みの声を指す。凄まじい恨みの響きであるため、この嘆きの声を受けた者は精神的なダメージを受けることが多い。
「模倣の霊」の能力はエイコーンに憑依した者の魂からも「模倣」を行うことができるため、死者の能力を模倣し戦うことが可能である。歴戦の騎士クラスの死者の「模倣」が行われた場合は、エイコーンの戦力は大幅に増強されることとなるだろう。
エイコーンに憑依している者たちはナルラート朝以降のマグメール王国への強い恨みや憎しみを持ったまま死んだ者たちであることが多く、現代の王国への敵意は深く、それはエイコーンの行動にも反映されている。死者の霊との意思疎通は原則不可能であり、「血の旅団」の首領の術により王国への恨みの感情の側面が強められている。
なお、ミレー族の死者の霊の憑依をさせることはできないようで、原則ミレー族の霊がエイコーンに憑依されることはない。アイオーンの加護を強く受けた者の霊も同様である。
【PL向け情報】
*本格的に戦況が大きく変化するのは9月以降を予定しています。9月に入ってすぐの更新とはならないと思いますので、ごゆっくりお遊びいただければ幸いです。
*本イベントの参加は任意です。非参加を強く明示したい場合はPC名簿などに記載していただくようお願いします。また、そういった意思表示をしているPCに本イベントの話を振るというようなことはないようにお願いします。
*戦闘が主体となるイベントになりますが、PCの設定・設定上の強さ如何に関わらずPC同士の戦闘になる場合はお互いが楽しめるような形で遊んでいただくようお願いします。戦闘を楽しみたいPCが、全ての攻撃を無効化されたりなどという行為を受けた場合、楽しめるはずがないということはいうまでもないことです。
ただし、本サイトの世界観やエロール中心という性格上、勝利・敗北前提の戦闘ロールプレイを行いたいという場合もあると思いますし、そういった嗜好も本サイトでは当然認めております。そのため、「戦闘ロールプレイをしっかり行いたい場合」、「勝利・敗北後のエロール前提とした戦闘ロールプレイを行いたい場合」はそれぞれ明確な意思表示を行っておくことをおすすめします。
PC名簿に記載する、チャットの補足欄に記載する、ささやきで相談するなど方法は問いませんが、お互いの意図がすれ違わないようにしていただく工夫をしていただければ幸いです。
*以前の告知にて「魔力鉱石」という言葉が登場しましたが、これは表記ゆれとなります。正確には「魔術鉱石」となります。
*魔導機兵『アンゲロス』については以下の『機兵討伐 ――神代よりの使者――』関係通知をご確認ください。また、本イベントに登場する魔導機兵『エイコーン』については、上述した情報をもとにしつつお好きに描写していただいて構いません。「模倣」された能力の演出もご自由にどうぞ。
かつて登場した『アンゲロス』より弱体化している設定ですので、倒していただくのも自由ですが、それでも基本的には強敵という扱いとなります。一撃で倒すというような演出は想定しておりませんので、その点を酌んでいただけば幸いです。
https://mag-mell.undo.jp/chat2/011ad/showlog.php?date=2018-09-02
https://mag-mell.undo.jp/chat2/011ad/showlog.php?date=2019-03-24
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