2023/08/03 のログ
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『神餐節』 >  
ノーシス主教の祝日の一つ。その起源は古く、1000年を遡るとも伝えられる。
初代マグメール国王の御代に活躍した聖人「マカリア」※の事績に倣い、ノーシス主教の司祭や修道女たち、その他敬虔なノーシス主教の信徒たちが至高神ヤルダバオートに数々の食物を捧げ、国家と国民の安寧を祈る。
本来であれば国王による宗廟社稷の繁栄を願う式典も行われるが、現在王位は空位であるため、当然ながら王による儀式は行われていない。

神の祭壇に捧げた供物はノーシス主教の各教会で調理し、無償で人々に振る舞われる。特に貧民街においては修道女などによる炊き出しが行われ、神餐節の特徴となっている。
王都では貧民地区や平民地区にて炊き出しが行われる他、王侯貴族は無償での祝宴を催すことが通例。
食物を振る舞う他にも、他人に対し施し・喜捨、奉仕などを行うことが奨励されており、王都や神聖都市ヤルダバオートはもちろん、マグメール全土でノーシス主教の敬虔な信徒たちによる自らを清貧とするための行いが繰り広げられる。

上記のような聖なる期間であるが、腐敗の途をたどる王国故にこの神餐節もその影響からは逃れられなかった。
神聖都市ヤルダバオートの教会群地下、巨大売春施設では神餐節に一部の修道女たちを用いた大規模な性的な宴が催される。
神と民への奉仕のためという名目でそれは行われ、利用者は教会に喜捨として金品を支払い、修道女(場合によっては修道士も)たちを自由に弄ぶ。
一部では更に退廃的な宴も行われているという。

修道女たちは自らの身体を用いて人々に施しを与え、その獣欲の受け皿となるということになるが、もちろんひどく曲解された神学解釈である。
聖人たるマカリアが元は娼婦の出であったという伝承に附会したもの。
なお、神聖都市における『神餐節』がこのように歪んだ形になったのは、ナルラート朝において神聖都市の名が「ヤルダバオート」に変化した時期と重なる。

この時期に教会に入ることとなった修道女は不運と言え、元の身分が平民であれ貴族であれ関係なく、地下売春施設の娼婦として働かされる事が多い。
『神餐節』は、神聖都市地下の売春施設の人員が増加する期間だと言える。
王都でもこれと似たような魔宴が教会や貴族の邸、王城地下で行われている。

また、平民地区はともかく貧民地区での炊き出し・施しは決して安全なものではない。
炊き出しを行う修道女などが襲われる事態なども多発しており、教会による対策は十分はものとは言えない。

『神餐節』の時期は神聖都市への巡礼者の数が増加する。

※マカリア
ノーシス主教における聖人の一人、女性。元は娼婦であったとも伝えられる。
王国民の尊卑を問わず非常な尊敬と信仰を集める存在。
初期ノーシス主教の神学の形成に大きく寄与したと言われる。
「清貧」と「施し」による神への奉仕を実践し、マグメール全土を巡りながら神を祭るための祭式を民衆に教化し教会を建て、神に捧げた供物を人々に振る舞い、飢餓から救った。
その最期は異民族に征服された村を救うために自ら異民族の虜となり、与えられる屈辱や凌辱に耐え抜き、殉教したと伝えられる。

殉教についてはナルラート朝に伝承が変化し、マカリアを死に追いやった異民族はミレー族であるとされ、現在ではこの説が一般的なものとなっている。
無論、王国民がこの改竄の事実を知ることは現在ではほぼ不可能である。
かつてはミレー族にも王国民同様食事が振る舞われたが、今はそのようなことは行われない。

マカリアを祀る聖堂・神殿はかつて王国の各地に見られたものの、ナルラート朝においてその大部分は至高神ヤルダバオートの聖堂・神殿へと作り変えられた。
当時、マカリアへの信仰が非常に高まっていたこともあり、救世主の如き扱いまでもなされていたため、その熱狂的な信仰をヤルダバオートへの信仰へと転換させるということが目的であった。
マカリアの行為の背後には至高神たるヤルダバオートの意思が働いているということにされたのである。
あくまでマカリアは「人」であり、「神」ではないことが強調され、現代においてもその解釈がノーシス主教の主流となっている。


◆PL向け情報

【期間】8/3~8/13
【場所】王都、神聖都市ヤルダバオートなど、ノーシス主教の教会のある都市ならば自由。ノーシス主教の司祭や修道女の設定でなくとも、貧民地区などでの炊き出しは行うことができる。

過去に行った簡易イベントとほぼ同様の内容となります(多少情報を追記しています)。
フレーバー的なものとしてご自由にご利用ください。

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