2023/07/03 のログ
ご案内:「無名遺跡(過激描写注意)」にアグラットさんが現れました。
アグラット > 無名遺跡のとある一画。
薄暗い通路を、一人の男が必死の形相で走っていた。

『はぁ…はぁ…ひぃっ…!!』

男はいかにも冒険者という身なりであり、軽装なことからおそらくスカウトなのだろう。
その手に握りしめたダガーは、一人でこの遺跡を探索するには頼りない。
当然、彼には仲間がいたのだ。先ほどまで。

『な、なんだよ…魔族がいるなんて聞いてねぇ…ッ!!』

未発掘の魔導機械があるらしいとの噂を聞き、一攫千金の為に訪れたダンジョン。
しかしたどり着いたのは、密かにここに築かれた魔族の拠点。
そこで出くわした女魔族に、最初は全員で斬りかかるも一人、また一人と仲間を殺され、
彼は残り一人となった仲間を見捨て逃げ出したのだ。

『くそ…くそっ!!はやく逃げ出さねぇと…』

「どこに行く気かしら?」

その時、”前から”聞こえてきた声に、男の背筋は凍った。
暗がりから歩いてきたのは、仲間を次々殺した魔族の女。
その手にした大鎌からは、赤い血が滴り落ちる。
先回り、されていたのか?

『は、ひ、ひぃぐへぇ!?』

「まぁ答えなくていいわ」

そして彼女は、男が何かを言う前に走り寄ると、頭から真っ直ぐ大鎌を振り下ろす。
肉の斬れる鈍い音。切断面から噴き出る血。
あろうことか彼女の大鎌は、男を”上下に”真っ二つに割っていた。
そして男は二つの肉塊となり、崩れ落ちる…。

「…冒険者なんて所詮こんなものね。他愛もない」

その様を見届けた女魔族は、興味が失せたように目線を逸らすと、
彼の死体を踏まないように避けながらゆっくりと歩き出す。

「他にも誰か来てるかしらね…骨があるヤツだと嬉しいけど」

魔族、淫魔のアグラットは笑みを浮かべながらダンジョンを歩く。

ご案内:「無名遺跡(過激描写注意)」からアグラットさんが去りました。