2023/05/25 のログ
ベルナデッタ > 「……」

歩きながら、ベルナデッタはあることに気付いていた。
先ほどから、何者かが己を尾行している。

(…ボロを出したつもりはないんですけどね)

絶対にバレないとまでは言えないが、こうも早く疑われることはないはずなのだが。
しかし、考え方を変えれば、これはチャンスだ。

(向こうから接触してきてくれたわけですから…)

ベルナデッタは尾行に気付かぬふりをしながら、少しずつ、少しずつ大通りを離れる。
人気の少ない道を選び、それとなく尾行者を伺いながら歩いて行く。

ベルナデッタ > つかず離れずの静かな追いかけっこ。
しばらく続けるうちに、辺りに人影はなくなっていた。

(そろそろ頃合いでしょうか…)

ベルナデッタは曲がり角を曲がる。追跡者もまた、その後を追おうとし…呆然と立ち止まった。

『……!?』

彼女が歩いた先は行き止まり。修道女の姿も無い。
慌てる追跡者に、背後から声がかけられる。

「少しお話、よろしいでしょうか?」

にこやかな顔でそう訊ねるベルナデッタの手には、短剣が握られていた…。

ご案内:「とある地方都市(過激描写注意)」からベルナデッタさんが去りました。