2023/01/19 のログ
ご案内:「共同墓地(過激描写注意)」にアンナドーラさんが現れました。
■アンナドーラ > 動く死体・動く骸骨。
低級アンデッドの類は戦闘力自体は低く、低級冒険者でも心の平静を保てば充分に勝てる相手だ。
万一ヒヨっ子共に危険が迫っても、保険として後ろで控えている中堅冒険者がカバーに入り、聖職者の解呪(ディスペル)で散らすため、死亡率は低い。
だが、華々しい物語に憧れて冒険者となった若者たちは、この合同討伐依頼で現実を解らせられる。
悍ましき動く屍。粘りつく怨嗟の声。むせかえるような腐臭。
要は、冒険者に『向いている奴』と『向いていない奴』をふるい分ける関門である。
「……」
ぐしゃり、ぐしゃり、とメイスを振り下ろし、腐った死体を叩き潰していく少女が一人。
技量そのものは、周囲の駆け出し冒険者たちと同等にすぎない。
が、この状況で十全の力を振るい、作業のようにゾンビを減らしていく娘は、ある意味異質だった。
荒い呼吸、臭いに当てられて嘔吐する呻き声、「もう嫌だ、田舎帰る」と嗚咽する者までいる。
そんな中、その娘は自分の頬でうねる蛆虫……死体から飛び散ったのだろう……を指でつまみ、無感情にプチッと潰した。
『あいつ何で平然としてるんだよ』『心が昆虫か何かか?』
ドン引きした少年冒険者たちにも、反応する様子はなく、残敵を確認する。
ご案内:「共同墓地(過激描写注意)」にコルボさんが現れました。
■コルボ > 奮闘する、とは言い難い有様。
幸い実害はない、だが実害がないだけ。
大成する希望を打ち砕かれる駆け出したちの顔が歪む有様。
冒険者という”英雄候補”ではなく”都合のいい便利屋”という現実を突きつけられて切っ先が地面に降りていく光景。
「大体こんなもんか」
駆け出し達の後ろでその現実を眺めるのは、罰当たりにも墓石に腰かけ、片膝を組んで頬杖を突く監督役の中堅。
「ま、アンナの様子見れただけでも僥倖だな」
アンナがアンデッドを圧倒していく方面は心配ない。
だが、戦意を失った駆け出し達がいる方角はそろそろ助け船が必要だと見れば墓石から降りて、
一足飛びに前線に躍り込みながら腰裏のフセットに手をかけ
「伏せろ」
それだけ言えば逆手に構えたフセットを一閃する。
その軌跡を追おう白銀の光。
フセットの目盛に穿たれた聖銀がまばゆい光を放ちながらゾンビを引き裂いていく。
「アンナ! 2m前進! 敵陣営中央! 行けるか!」
先日肌を一晩中肌を重ねた駆け出しの性質を把握した上で、
端的に指示を出す。
従来の駆け出しであれば不可能な指示。
だがアンナであれば可能。
そう踏んで、なおかつ他の駆け出しに見せつけるように身を翻しながら立て続けに銀の軌跡で亡者を引き裂きながら道を切り開く。
「柄に巻け。潰しやすくなるぞ」
おそらく己に応えて躍り込むアンナの背中に己の背中を合わせ、
手短に告げながら護符を渡す。
「2分で片付けるぞ。そっち半分、いけるだろ」
答えを待つ前に、男はゾンビの群れに飛び込み、その半数を引き裂き、
駆け出し達の前で圧倒していく。
「お前等に足りないのは覚悟じゃねえ。準備だ。
どんな相手であれ、どんな方法であれ、依頼をこなす為の事前の準備。」
アンナを一瞥して
「こいつだけアリなのは、準備しなくても依頼を達成できる戦力があるからだ。
伝説の英雄がクソみてえな装備か!? 違うだろうが!
十全以上の準備仕上げてこいやひよっこ共!
逆を言えば、それさえ出来て実績重ねりゃ、お前等も美味い酒とイイ女侍らせられる英雄様になれんだぜ?
分かったか!」
駆け出し達に激を浴びせながら、アンナを一瞥して
「……もうアンデッドいないよな」
などと、下手をすれば自分よりポテンシャルは高いかもしれない”駆け出し”に声をかけて
■アンナドーラ > 指示に従い、身体を低く。
頭上を抜けて飛び、死者を薙ぎ倒していく聖光を確認。
「了解。行けます」
他の監督役・冒険者の手前。
先日とは違い、敬語を短く返した。
渡された護符を得物に巻き、背中合わせの状態から前へと。
確実に鈍器を振るい、一体ずつ、確実に。
光の刃を飛ばして敵を切り裂く彼のように鮮やかではないが、護符のご利益は覿面。
先輩の檄を受け、奮い立った……あるいは自棄糞になった……
駆け出し冒険者達とも連携し、少女の討伐ペースは上がっていった。
「目視確認。動体、ありません」
報告を返す。
■コルボ > 「前衛! 抑え込んだら一定間隔で姿勢を低くしろ!
中衛以降、アーチャーと術師は間隔を待って掃射!
仲間同士じゃなくても簡単な動作の繰り返しだけで急場の連携は取れる!
いつもベストコンディションで戦えると思うな!
準備八割即応二割、英雄ってな抜群の準備とアドリブの化け物だって覚えとけ!」
己の激とアンナの奮闘、同じ駆け出しとして手柄を独占されては敵わないと血気逸る駆け出し達。
それでも心中はどう動けばいいか分からないひよっこ達に、
従えばそれだけで戦果が発生する指示を出す。
壁と支援。
全ては総じてアンナと言う八面六臂の突起戦力を活かす振り分けでもあり。
「おっし。今月の駆除はこれで終わりだな。
お前等喜べ。この国はクソッタレだ。
クソッタレだからここの墓地は毎月こいつ等が発生する。
終わりなんかない、毎月だ。
どういうことか分かるか? 安定した食い扶持が発生する、美味しい仕事ってことだ」
ニタァと笑いながら。
「今日ろくに戦えなくて悔しいボンクラひよっこ共は毎月ぶちのめしに来い!
ここで慣れりゃ町の外のアンデッドなんざかかしみてえなもんだ!
冒険者なんざいくらいても足りねえんだ!
明日の食い扶持と美味い酒とイイ女のために気張れよ!」
と、そこまで言って言葉を切って
「あ、ちなみに俺、今回お前等引率した報酬で明日デカいケツとデカい乳の女二人侍らします。
どっちも抜群の美女です。だから受けました。
うらやましいか? うらやましいだろ?
とっととひよっこ卒業して中堅に昇ってお前等も役得にあずかれよ! じゃあな!」
などと言う男は、アンナ同様に切り裂いた見返りに浴びた腐肉腐汁を浴びたまま平然とした様子で。
アンナと二人して中堅に上がる過酷さを目の前で示しながら、
まだ動いてるゾンビの頭を踏み潰す。
「アンナ、サンキュな。……この後、俺からの”特別報酬”があるけどどうする?」
などと、暗に宿場通りの方角を親指で指し示し
■アンナドーラ > 作戦終了が宣言されても、ところどころで聞こえる嘔吐と呻き声はまだ収まらず。
引率役の有り難い訓示に答える余裕のあるものは、ほとんどいなかった。
一部根性のある、というか少々頭足りなそうな輩には
『マジすかぁ!? オレ頑張ります! いい女はべらします!!』
と宣言する猛者もいたにはいたが……まぁさておき。
メイスから護符を外して、彼へと返却する最中、かけられる言葉。
実際の撃墜スコアを考えれば、『特別報酬』とやらに否の声をあげる者はそうないだろう。
その『内容』は先日の件もあり、指し示された方向も相まって娘は大体察してはいたが。
「ありがたくお受けします、コルボ先輩」
腐汁ドロドロなのはこちらも同じまま、武器を腰にマウントして一礼を。
■コルボ > 「むしろあいつ等のほうが見込みあるな」
嘔吐して墓場を更に汚す”常識人”にはもはや一瞥もせず、
男が見ているのは目先の女に奮起する猛者達。
結局成すのは動き続ける者であり、ここで立ち止まった者にはいっそ別の道を示すのも優しさであろうとさえ。
「よし、じゃあ各自帰ってしっかり体洗えよ!
買えたら出費覚悟して石鹸買いな! アンデッドの臭い舐めんなよ!
明日からモテなくなるぞ!」
などと言ってから、明日の夕方以降に報酬の受け取りに各自ギルドに向かうようにと通達してから解散して、
「んじゃ、俺達も行くか。風呂付の一等級予約してたけど、来るのがアンナとはなぁ」
などと言いながら宿に案内する。
ただし足を踏み入れるのは裏口。アンナを連れて、あらかじめ話をつけていた従業員に誘われて
二階の一番端の部屋に向かう。
「風呂一緒でいいだろ?」
と言いながら、二人きりになれば返事を聞く前に身に着けてるものを脱ぎ始めて
「あ、特別報酬、ここもだけど今日の晩飯と明日の朝飯全部奢るから好きなもん食っていいぞ。
その代わり一晩相手してくれよ」
などと、都合の良い穴に破格の待遇を投げかける。
■アンナドーラ > 【移動します】
ご案内:「共同墓地(過激描写注意)」からアンナドーラさんが去りました。
ご案内:「共同墓地(過激描写注意)」からコルボさんが去りました。