2022/12/23 のログ
ご案内:「戦場近くの村」にクレイさんが現れました。
クレイ >  
「……こりゃひでぇな」

 戦場に出た。一時的にタナール砦を抑えた……しかし周辺の反応があまりに無かったので偵察に出たらこの様だ。
 魔族がこの村に襲撃をかけたのだろう。弄ばれた死体があちこちに散乱している。死体だけじゃない、精神を破壊された者、弄ぶだけ弄ばれ裸で転がされた者。様々だ。
 中にはこの村にお楽しみ目的で来た傭兵もいた事だろう。だがそれらも目を見開きあんぐりとしたまま固まっている。それほどの惨状だ。
 腰に手を当て溜息を吐く。

「生き残りを探すぞ。魔族が潜んでる可能性もある。気を付けろよてめぇら」

 傭兵仲間にそう言えば自分は離れて歩き出す。下手に下のランクの奴らと歩き回るのは危険だ。
 強化魔法は全開で発動している。聴覚も嗅覚も通常の人のそれをはるかに上回るようにしている。
 そうすれば猶更聞こえるのはうめき声や悲痛な声。
 香るのは濃厚なまでの血の臭い。

「無事でいるのは難しいだろうな」

 この状態で無事だったら幸運にもほどがあるレベルだろう。とはいえ、偶然ここに滞在していた冒険者等ならば生き残った可能性はあるし、商人等も荷物を犠牲に無事にやり過ごした可能性もある。勿論、幸運な可能性もある。
 とはいえ可能背は低い。ならば1番警戒するべきは逃げ遅れた魔族。こちらに歯向かってくる存在だ

クレイ >  
 というか、そもそも無事というのは土台難しい。自分は戦場がホームだ。宿にいる時間より戦場にいる時間の方が長いし、正直この惨状に近い状態など見慣れてる。
 しかし普通は見慣れない。傭兵や騎士でも経験の浅い者は慣れない。実際傭兵仲間の内何人かは青い顔をして物陰に走っていった。何をしに行ったかなど明らかだろう。
 戦場にいる傭兵ですらその様だ。例え魔族に何もされなくてもこの惨状でやられる可能性がある。

「……」

 そこまで考えを巡らせたところで思考を止める。
 何か音がした。生存者か、敵か。気が付かれたと思わせては逃げられる。襲い掛かってきた所を返り討ち。それが1番やりやすい。
 生存者だとしても剣を手にすれば怖がらせる。どちらにしても立っているしかない。

クレイ >  
 しばらくそうしていたら物陰から獣が飛び出して何処かへと走り去っていく。
 どちらでもない外れ。肩をすくめる。
 そうして、しばらく村を探すが、無事な者はおらず、生きてはいるだけの者を治療する為に彼らをとりあえず砦まで送り届けた。

ご案内:「戦場近くの村」からクレイさんが去りました。