2022/01/03 のログ
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イスルス > 外人内狼
四肢を持つ人型が杭だけで

手足を砕いた末に 刺殺 拷問 間接砕き 血液溺死 眼球破壊
それを見せつけた上で、イスルスの体は草の匂いと土の汚れ そして少なくない血の飛沫が
そのドレスの黒と白に 放たれた痕をつけて残る中で イスルス 無言 無表情のままで
まだ温かい躯の前で寝そべりながら、音を潜める

その瞳のサメのような黒 それは、この曇り空 霞がかる月の輪郭だけがぼんやりと見えた中では
瞳の色なんて、もはや充てにならない 瞳は濡れたように光らないそれを躯の上で胸元が押しつぶれるほどに乗せたまま
まだ温かいうえで身を低くしたまま、灰色月明り髪の中から ピンッと両耳を立てる

生き残りの把握 血と動かない匂い
躯の位置 動く誰かを検索していく

もうだいぶ、闘争の音は聞こえなくなった。

息を潜め 狩りを実直に行う者らだけが その息遣いと動と静を向こうで伝えるままに
ステイレットを瞳から抜き取り 顔面横から抜き取り、腰に収めなおす

そして、その男のナイフのグリップを口元へと ガチリと咥える音だけが映像記録から見えるだろう。

「……。」



――――――――デス・イベント 観客席にて

『なんか聞こえないか?』

『なんかって?』

『なんかこう 風つぅか 喉笛?』

――――――――――――――――――――――

「コロロロロロッ……。」

イスルスは、咥えているがゆえに、唇は閉じず、その隙間から確かな喉のうなりを小さく聞かせている
狼の確かな 喉を転がすような音を。

ご案内:「港湾都市ダイラス 自然地帯 獣草原」からイスルスさんが去りました。