2021/07/16 のログ
ご案内:「会員制闘技場(過激描写注意)」にイスルスさんが現れました。
■イスルス > アケローンを真似て作られた富裕地区の闘技場
土地の広さを少し取り、一階分掘り下げれば地下は武舞台と化しているそれ
唯の試合だけでは目が肥えてしまっている観客を
この人を選ぶ過激な場所が持て成す
草と血潮でハイになっている者らが、声を張り上げている
金を膨らませる楽しさか それとも 目の前で殺り合う惨状か
皆が楽しく見るのは、皆がそれが見たいからこそやってきているから
男も 女も 老いも 若さも 何もかもが関係ない
柔らかい席へ腰を下ろし、狂気に浸る
その一角 護衛が一人 メイドが一人を連れたカタギではない身形に身を包む男
葉巻を咥え、メイドの注ぐ発泡ワインの泡と回る酒の音がワイングラスにかろうじて聞こえる中
それを持ち上げて炭酸で冷えたものを煽る
『どうだ イスルス お前の好きそうな場所だろう。』
メイド イスルスにそう声をかけるボスのやや 優しい声
イスルスは、無言でハイライトの無い瞳でジッと闘技場を見つめると、注いでいるボトルを両手で携えるまま
従うボスへとコクリと動作で肯定を示す。
■イスルス > ダイラスで拠点を構えるボスが、王都の友人を訪ねた後
紹介による会員制の闘技場はアケローンに比べて品があった
イスルスは、周りの熱狂は、富も貧しさも関係がない
しかし代わりに垢や汗 革と金属の匂いとは違うものがある
甘ったるい香水の匂いや清潔なオイルソープの匂いがする
それが少し鼻に付くかといえば違う どちらかといえば
ボスやアジトの匂いに少し似ている環境と思えた
故に水で冷やした布地で包んだ発泡ワインを時折注ぎながらも
沈黙という 言葉を持たないイスルスは、そんな上品な周りと苛烈な中心
それに無表情のままで、ジッと見つめ続ける 殺し合いはいつだって理由がある
目の前の理由ある殺し合いを見るのは、楽しい。
無表情でも心はあるイスルスに、ボスは傍へ呼ぶとカチューシャをつけたままの
イスルスの頭部へと手を置き、髪の流れに合わせて撫でる。
人狼相手への、犬コロのような愛で方
それにイスルスはなんら拒否はない
「……グル ……グルル。」
仕えるべきボスの掌を感じながら、目を閉じ、喉で応える
それは獣の表情がなくとも、表情はあるというかのよう
『よしよし お前もあそこで遊ばせてやろう
ダイラス以外の味も知りたいだろう?』
友人に出会い、王都酒に舌を打ち
ボスの機嫌はとてもいいようだ イスルスは、黒い瞳を向ける儘
後悔も 憐憫も 何も持たず ただ其処に 牙を打ち立てるだけの
そんな無垢な瞳をボスから闘技場へと向けて見せる それが応えだった。