2021/07/12 のログ
ご案内:「◆王都マグメール 平民地区 大通り」にエインセルさんが現れました。
■エインセル > 「……おなか、すいた……」
日が落ちてもなお蒸し暑い夏の夕暮れの中、とある路地裏で少女はぐてんと野垂れていた。
それもその筈、魔女っ子ルックな円錐帽子と黒のローブが日差しを集めて暑いのだ。
お陰でローブの中は汗びっしょり。蒸しエインセルの出来上がりである。
普段ならばこの時間はどこかのお店の片隅で日が沈むまで待つのだが、今日は悲しいことがあった。
冒険を終えて街に戻ってきたら、なんとなけなしの金が入った財布がどこかに失せていたのである。
落としたのか、すられたのか。今となってはわからないが、どうせ返ってこないからどうでもよい。
唯一重要なのは、夕食を食べる金が無くなったということだ。ぐぎゅぅ。恨めしく、腹が鳴る。
「うーにゅ、動くやる気も出なぁい……」
もうすぐ夜がやってくる。そうしたらどうするか。せめて水分は欲しいなぁ。
呑気な考えだけが、頭の中で転がる。ぺふ。籠もった熱で赤らんだ頬が石畳を撫でた。
ご案内:「◆王都マグメール 平民地区 大通り」からエインセルさんが去りました。