2021/06/21 のログ
ご案内:「ハテグの主戦場(過激描写注意)」にメイラ・ダンタリオさんが現れました。
メイラ・ダンタリオ > 加減を求められる 互いに奪っては奪われ 勝っては負けて
砦のイザコザと変わりはしないハテグの主戦場
それでも、槍働きを求められれば 敵方の活きの良い者を屠ってこいと言われれば
メイラは王の命令一つでどこへだって動く

―――巷で狂犬と呼ばれても構わない
―――巷で戦狂と蔑まれても毛ほどでも無い

たらふくに食も酒も飲み下し
たらふくに寝て過ごし
たらふくに首を獲り
たらふくに抱いて抱かれる

それらを繰り返すだけで、ダンタリオは此処にいる。
この立場にいる
だから周りは面と向かって言える者は少ない
そんな者は勇気や正義に塗れた騎士道被れか
聖職者にでもなったつもりの誰かか
それともメイラと友人の誰かかもしれない

現在はといえば―――

「空だけは恵まれた戦場ですこと 楽しくなりそうですわ。」

昼間の戦場 そこは梅雨時の中でも晴れ、水色の空と白い雲がいい塩梅に混ざり合う空
馬に跨ることもなく、自身の鎧一式に身を包んだメイラは長い黒髪を上に結わえた姿で見上げ、呟く
腰には真っ直ぐに伸びる片刃の剣を携え、今日もその口元で精巧に刻まれたギザ歯の歯列
それが三日月型にニィッと浮かばれたのなら、戦場を見て、より赤い瞳は悪魔的にゆがんだ。

メイラ・ダンタリオ > 適度な殺し合いを求められるこの場所で
受けた命は暴れるだけではない
手違いか 偶然の矢か 先日こちらの質の好い首が二つ奪われたこと
それが亀裂を生んだ

適度に駒と呼べそうな者達をすりつぶし合うだけでいいのならば、どうでもよかっただろう
けれども首の上の名前が通りの良い それこそ上の者らが記憶する首ならば話は違う

偶然といえど損失は大きい
ならばこそ、見合う首を寄越せ
手っ取り早く、最短で 確実に

「質の好い首ならば2,3個
 名無しなれど、後の名持になるばらな5,6個と言ったところでしょう。」

そういったメイラは、携えていた長い片刃の大刀
それを傍の者に鞘を握らせ、一息に抜き去った。

「これより敵陣に突っ込み、名持名無し構わず後の厄介者の首を獲りなさいっ!
 雑魚に構うことはありませんわっ! 王への貢献に成り得る首をっ!」

そう言って、馬乗りが 弩持ちが 槍持ちが 一斉にその穂先を掲げる。

「 逝 き ま す わ よ ぉ っ ! ! 」

開いたトラバサミのような口が、獣のように開いて猛りの声と共に
楽し気に正気のままで狂い向かう
女だてらにいい気にさせてたまるかと張り合う者が
狂兵の勢いに呑まれ、奔る同類の馬鹿が、突っ込んでいく

陣を構える其処へ向かって、一点に向かって真っすぐに。
先陣を切ってくる馬乗りの猛者が、その携える鉄槍ごと馬首人首槍首まとめて振り下ろしによって
鉄と肉と血潮の撃が鳴り響いた。

三つが散らばりながら、赤が視界に入り込む
次の槍が迫るのを続く返しの振り上げが槍事跨る騎者を叩き落とすように
戦狂いが前に出れば、皆が狂う。

「短槍 礫 投げてしまいなさいっ!」

言った傍から、礫が、短い槍が、革袋を使って投げ射られる。
ぶつかる音 突き刺さる声 怯む其処を、メイラと同じ両手剣が
両手槍が突き入れていく有様。

やりすぎだと敵方が言う
勢いが互いについてしまうと困惑する
足し引き勘定に乗っ取る首目当てに対し
差し出せるものは弓槍剣だけしかない者達は
弓槍剣をぶつけ合うだけでしかなくなっていく。

造りの良い鎧を 兜を 皆が狙っていく。
貴族か、武勲で贈られたか それを身に着けているほどその方向へと。

ご案内:「ハテグの主戦場(過激描写注意)」からメイラ・ダンタリオさんが去りました。