2021/05/31 のログ
ご案内:「九頭龍山脈 山中~露天風呂(過激描写注意)」に銀天狗さんが現れました。
銀天狗 > 山脈山中
税金を払うことが出来ず、野良の中で奪うことで生計を立てる山賊
そんな一般的なイメージがある中、獣も化生も住まうこの山脈の中は湯が豊富
髪も髭も整え、衣服を洗い乾かし、垢を落とす

ここの山賊は身綺麗な者が多い
そうすることで偽装することもできる
この山事態が、山賊という存在を常に住まわせる理由にされていた

「だから、好いんですけどね。」

黒髪 和洋折衷 黒い両翼
携える長ドスが東の国やシェンヤンのような空気を感じさせる銀天狗
山の中に入り込む姿は、笑みを浮かべこれからのことに思い馳せていた。

一つの山賊がつぶれても、また別の山賊が起きる
この山と麓はどれだけの血と悲鳴があがったのだろう
無限に続くならそれは一種の呪いではないだろうか

恐れる山のようにも思えるこの山脈の中、器用に獣道も、藪の中も
その一本歯で支える下駄で カ ァ ー ン カ ー … ン
伸びた音を立てるそれ

獣も斜面も、適当な木々や岩を中てにして、歯が蹴り上げると身軽に体を跳ねさせている
そうしてたどり着いた場所は、鉱泉の湯気匂う 漂う山中
街道やダイラスがよく見える程度まで来たところだった
昼間の山からの景色は、それは好いものだった

「いい場所ではないですか。」

ただ、潜ましく入るわけでもなく 怪しげな下駄歯の音を立てて
ここにいるぞといるような、熊が避けるような足の音
それを以ってたどり着いたからには、山賊の反応も様々だろう

様子を伺うようにするか
女が入り込んだと様子を知らせるか。
中には元狩人もいるかもしれない。

銀天狗 > 赤い一本の下駄歯 和装
手に持つ鍔も拵えもない片刃一つ
目的が湯治か物見遊山かもわからない

こんな呪われていそうな山の中
化生も釣瓶も降りそうに思える どこぞで花が色づき咲きほこれば、そこには何が埋まっているのかと。
そう思わせる山の中だ 獣が掘り返し、自然に返し切っていればまだマシだろう

しかし弓を得意とする山賊の一人
藪の中から、矢じりに塗りつけた豆毒の効果
それを期待して矢を引き絞る 静かに ゆっくりと 風も自然と山の中 こちらに向かって吹くような場所

ゆっくり、ゆっくり やがて右に携える矢が弦を限界まで引き寄せる。
狙う視線に対し、銀天狗 ダイラスを見下ろすがまま、翼を畳んだ姿のまま
弓手の山賊が、狙いを定め、呼吸を止めた
体のブレがなくなり、静止した瞬間

               ビンッ

その音と共に押し出される矢が弾ける
銀天狗に狙い定まり、吸い込まれる中、銀天狗の足元 その土が弾けた。

『ぇ』

片足が弾き、矢の向かってきたそこへ飛び込むように
体を廻すようにして、もう片足が薄く薄く飛び蹴った間合い詰め
ガシンッと踏ん張る下駄の音

藪が横一文字に斬れると同時に、潜む二人の首も同じくゆっくりと落ちる
藪葉に赤が散る中で、抜き様の廻し切りを終えた銀天狗
赤琥珀色の鞘に、血を振り払った長ドスがゆっくりと納められ カチンッと納刀の音。

「一人、二人。 あと三人ですか。」

証拠も必要とされている。
それとなるものを、一つ二つ手に入れるならば、住処と思える場所
それを探して、人間の匂いを 音を辿ろうか。

銀天狗 > 三人 四人 五人
銀天狗の脚を用いたそれ 山賊の住処 山賊の場所
事が始まれば全てを斬るまで終わらない
長ドスの腹から切っ先ですり抜ける儘に体を廻し斬りにさせたそれ

首を 脇を 肩を

全てを斬り終えた感触と満足感と共に、血糊が飛び掛かる最中、真っ直ぐに後ろへと伸ばすようにしていた両翼
黒い羽毛で包まれたそれが血糊で塗れた姿
体には一滴も掛からずにいられたというのに、バサリと広げると油ぎった感触が伝わる。

「さいっあくですね。」

最後の最後で、残念な感じになってしまった仕事
過程には満足して、結果に満足できなかった そんな結末の中、一人ドスを収めるのなら証拠を三人分集めようか。
数を確かめ、終わったのなら、道中歩きながらも温泉地帯へと向かう

湯気や匂いが目測範囲で収まっていた故にか
其処へたどり着くころには、周囲に残りの山賊がいないことは知れている。
衣服を脱ぎ、飾りを外し、ドスを一刀
傍に置いたまま裸姿で深さや温度が一定の 獣も利用しそうな野良露天
其処へと身を沈めていった。

昼も最中で、湯にたっぷりと浸かり、黒羽の血糊を落とす
贅沢な気分にさせられるそれは、先ほどの結果を晴らすことはできただろうか。

「ふぅー……。」

湯の中で両翼を揺らし、血が渇かぬうちに羽の根まで汚れを落とす。
体を浮かせ、羽の動きで自動背泳ぎのようにしてゆらりゆらりと漂いながらも
白く濁った野良露天 匂いも悪くないそれは肌に染みてもなんら嫌悪はない。

ご案内:「九頭龍山脈 山中~露天風呂(過激描写注意)」から銀天狗さんが去りました。
ご案内:「悪夢の淵(過激描写注意)」にハイディさんが現れました。
ハイディ > ――――――まただ、と、直ぐにそう思った。

盲いた娘も夢を見る、其れはしばしば悪夢である。
いつか遠い日の現実が、小さな頭に刻みつけた爪痕なのか、
其れとも植え付けられた罪悪感が、夢に残酷な彩りを添えた結果か。

何時でも、夢は、真紅に染まった褥で始まる。

己には理解出来ない言葉で喚き散らす、悪鬼の如き形相の男。
傍らで下半身から夥しい量の血を流して、蒼白い顔で事切れている女。

銀色の髪を振り乱し、部屋の中を猛獣の様に歩き回っていた男が、
此方を振り向き、血塗れの両手を伸ばしてくる。
其の手の爪は黒々と、鋭く、既に血を滴らせていて。

引き裂かれるのだと思った、からだを四つ八つに裂かれて、「核」を取り出されるのだ、と。
抗いたくとも、逃れたくとも、己に其の術は無い。
何故なら、此の身は生まれたばかりの赤子であるからだ。
透き通った眼差しに、初めて映したほんものの闇が、己に牙を剥こうとする、
其の瞬間を、繰り返し、繰り返し――――――目覚めは、未だ遠い。
夢の中の悪鬼が、此の程度の恐怖を与えた位では、決して満足しないからだ。
何処から切り裂かれるのか、どう痛めつけられるのか、
無力な赤子の眼の侭で、己はただ、震えながら身を縮こまらせているよりなく。

ご案内:「悪夢の淵(過激描写注意)」にルヴィエラさんが現れました。
ルヴィエラ > (悪夢とは、其の人間が心の奥底に降り積もらせた記憶と経験の残滓
降り積らせた物が厚く重い程に、其の夢は強固となり、時に夢の主をも殺す
大抵の者は夢へと縛られている。 抗う力を持つ者など一握りだ。
もし放って置けば、娘も又何時終焉を迎えるとも知れぬ悪夢の輪廻へと
只管に怯えながら沈んで行くのだろう、目覚めの時まで

ただ――其の夢は、僅かに異なった。 常とは違った。
娘と、亡骸と、狂った男と。 其れだけしか存在しなかった空間に
もう一人、確かに、居たのだから。)

「―――――………それにしても、随分と業の深い場面だ。」

(小さな独り言、めいた言葉が零れる。
されど、狂った男には其の言葉は届いておらぬかに反応を示さない
先刻から幾度も繰り返される同じ場面の中で、唯一娘の意識と
本来居ない筈の男の姿だけが、異物のように光景を観て居た)。

ハイディ > 罪を罪で上書きし、血塗れの手で掴もうとした幸福が、幻に終わった瞬間。
其の果てに残った娘が決して、幸せにはなれない様に――――――
忘れられない様に、いつか夢に押し潰されてしまう様に。

真紅の悪意を塗り込めたのは、父親だったのか、母親だったのか、
或いは無造作に生命を刈り取られた、母親の夫になる筈だった誰かか。其の内の一人とも限らない、一人だけであるかすら不確定事項。
此の世の明るく正しく美しい部分からは、生まれながらに隔絶された己だが、
其の程度ではとても足りぬ、憎悪を宿す者が、少なくとも一人は居たのだろう。

例えば、今、赤子の己の首根っこを掴み、深く爪を立てようとしている男だ。
彼はかつて激しい恋慕を抱いた、相手は正式な婚儀を間近に控えた身だった。
好いた女を無理矢理奪い、憎まれる事は耐え難かったのだろう。
だから、男は別の手段を用いたのだ。
――――――其れが単なる凌辱よりも、余程残酷な手段だと知りながら。

そうして生まれた娘が、少しでも母親に似ていたのなら。
男は狂わずに居られただろうか、――――――今となっては、知る術は無い。
己は声にならない声で、誰にも聞こえぬ筈の悲鳴を上げる。

【お父様】

【御願い、もう、やめて】

【赦して、お父様――――――】

血の滴る褥の足許で蹲り、赤子を屠ろうとする父親の姿を盲いた眸で見つめ、
嘆く己の姿はいつも、誰の眼にも映らない。
此れまでは、いつだって――――其の、筈だったのだが。

ルヴィエラ > (赤子であった娘の中に、これ程までに深く刻まれた記憶
――否、これは最早記憶と言うよりも呪いに近しいのかも知れぬ
誰かの念によって、最後に残された娘自身を蝕み引き摺り込む
皮肉にも、その娘自身が有り余る生命の力に溢れていると言うのに

――幾度繰り返しても、変化は無かった。
生まれたばかりの赤子を、娘を、手に掛ける其の瞬間を
何度も繰り返す様は、控えめに言って――悪趣味にも程が在る
そうして、再び其の爪が、指が、赤子の喉元に向かおうとする辺りで

すっかりと、「飽きて」仕舞ったかに肩を竦めて。)

「――――――……赦される必要は欠片もあるまい?」

(ぱちん、と指を弾くと同時。 男の動きも、その喚く声も、止まる。
そうして、決して届かない許しを請い続ける娘の、其の背後より歩み寄れば
其の身を、柔く抱き捕らえる様に腕を伸ばし、其の耳元に唇を寄せれば。)

「――――――……全ては、この男の浅はかさが元凶だ。
一時の感情に囚われるだけでなく、自ら破滅の道を歩んだのだからね。」

(故に――赦される必要なぞ、欠片として存在しないのだと。
そう、囁き掛けたのは。 其れも又、娘の瞳に移る、別の、そして本物の、闇)。

ハイディ > 現実の結末は――――――或いは、噂程度には広まっているのだろうか。
翌朝、偶々訪れた親類が目にした、凄惨な現場を。
「両親」の亡骸と其の血溜まりの中、不自然なまでに傷ひとつ無く、
一人、元気な泣き声を響かせていた赤子が、己だ。

けれど、夢は現実から乖離して、悪意に満ちた結末へ向かう。
幾度と無く目にしてきた、己自身である赤子が迎える終焉を―――――

「――――――――――――――、っ!?」

不意に、眼前で展開する地獄絵図が切り取られ、制止した。
背後から己を抱き竦める腕は、強かで、しなやかで、―――――やはり、黒い。
まるで凝縮された闇其の物に抱かれている様な、囁く声音は鼓膜すら凍てつかせる様な。
ふるりと小さく身震いして、乾き切った薄紫の眸を見開いて、

「―――――――い、や………。
 私……私は、悪魔の、言う事など、聞かない、わ……。
 見えているのよ、私、知っているの………貴方、貴方は、
 ――――――――貴方だっ、て、……私を、滅ぼすつもりなのでしょう?」

腕の主の顔は、此の体勢では見えない。
振り返ったところで、見えるものだろうか。
相手の本質が「闇」ならば、己に見えるものは―――――己を破滅に導く、
深く昏い闇、でしか無い筈。
其れを確かめる勇気は、今の己には無かった。

ルヴィエラ > 「―――悪魔とは、久方ぶりに呼ばれたものだ。
うん、確かに、何も間違ってはいない。
人でない存在を、恐るべき存在を悪魔と纏めて呼称するのならば、私は確かに悪魔だろうね。」

(恐れる娘の声音とは裏腹に、柔和でしかないその声音は、娘の鼓膜を通り抜ける
視覚と言う物が存在せず、悪意と闇のみを映す娘の盲目が捉えるのは、感じるのは
紛う事なき闇、其の物の凝縮。 ただ、余りにも綺麗に人の形をして居ると言うだけの気配。

滅ぼすという言葉に、くすくすと可笑しそうな微笑が零れた後
娘の首筋に、柔らかな唇の感触が一度、戯れの様に触れて。)

「――――――……変化の事を、滅びと呼ぶのかな?
ならば、私は君を滅ぼすのだろうね。 だが、私の表現で言うならば、其れは愛情と何ら変わらぬのだよ。
それに――彼と一緒にされたくはないねぇ。」

(それは少々不本意である、と、示したのは目前で爪を立てる狂乱の男。
そして、するりと片掌が娘の腹を柔く撫ぜれば、其の下胎を圧するように沿い
其の奥を、緩やかに意識させる。 ――其処に、在るモノを)。

ハイディ > 怯む気配は無い、己の物言いに激昂した風も無い。
多少特殊なものを宿しているとは言え、たかだか小娘一人。
激情の侭に虐げ、嬲らねばならぬほどの価値も、彼には見出せないのだろう。

けれど其れは翻って言えば、己にとっては紛れも無い脅威。
そもそも、見えはしても退けられはしない。
抱き竦められた腕を、渾身の力をもってしても、振り解くことも叶わない。
黒々とした闇に、捕われ、呑み込まれてしまう恐怖に、悪夢を彩る真紅すら色褪せ始めていた。
首筋へ触れた柔らかな感触にすら、ひ、と短く声を嗄らして。

「あ、くま………触らな、いで、いや、やめて、やめて、っ………!
 貴方の、愛情なん、て、要らな、い、欲しくない……わ、
 ――――――お父様を、悪く、言わない、で……… あ、あ!」

右手で己を抱く黒い腕を掴もうと、引き剥がそうと抗いながら、
左手は無駄と知りながら、静止画と化した父親へと伸ばす。
男性にしては細く、滑らかに動く指先が、己の下腹へ這い降りて、
―――――――其の指を覚えている、生命の源、核たる器官を探り当てられるや、
腕の中の矮躯は、更に激しく藻掻き始めた。

「いや、………変わりたく、ない、いや、いやっ、やめて……!」

呑まれてしまう、衝き崩されてしまう、瓦解してしまう。
其れは慣れ親しんだものとは違う、あまりにも鮮烈な、新たな「悪夢」の予感だった。

ルヴィエラ > 「―――――"アレ"でも、君にとっては父と呼ぶに値する男なのだね。
ならば其の思いは尊重しよう。 だが、彼の犯した行為が愚かである事だけは紛れもない現実だ。
君に愛情を注いだ瞬間すら無く、祝福よりも先に呪いを突き立てた彼に
――何故、君は縋る?」

(下胎を捉えた指が、愛でる様に肌の上を幾度か滑った後
押し揉む様に、ゆっくりと奥を揺さぶって行く
藻掻く娘の腕力では、細い腕に見える男の腕を、引き剥がす事は叶わぬだろう
娘にとって悪夢其の物である光景の静止画を前に、呑まれて行く悪夢の気配

――そう、あくまでこれは、夢でしかない、其の筈だったろう。)

「だが、少なくとももう遅い。 元の儘の君には既に、戻れぬのだからね。
私と出会い、攫われ、そして君の存在が私の興味を引いた時点で。
―――何故、君の悪夢に私が居ると思う?」

(――夢の中、娘だけの空間に、居る異物は己だ。
されど、なぜ当たり前のように娘の夢へと這入り込んで居るのか
思い出してごらん、と、そう耳元で告げた後で、其の首筋へと柔く突き立てた、歯
まるで毒を流し込むように、其の頸動脈へと微かな痛みを走らせれば、其の瞬間から
娘の下胎へ、どくりと、異様な熱と混じりけの無い鮮烈な快楽の気配が
背骨を伝い、脳髄へと這い上がるのが、感じられるだろう。

――夢に沈む前。 果たして娘は如何していたか。
其の身が如何蝕まれていたのかを思い出させる様に、現実と夢との感覚を繋ぐ
蹂躙され、”愛でられ続けている”子宮が――もう、取り返しの付かない目覚めを、迎えている事、を)。

ハイディ > ――――――――何故、だなどと。

其れが己を生み出した、世界の全てであるからだ。
愛されたいと願った事は無い、寧ろ、其れは恐怖しか生まない。
行き過ぎた恋慕が、愛情が、どんな血腥い結末を導いたか、
己はもう幾度と無く、見て、感じて、味わってきたからだ。

だから、懸命に抗おうとする。
己を取り込もうとする、己を慣れ親しんだ悪夢から引き剥がそうとする、
より鮮明な闇色の腕から、逃れようと暴れるけれど。
いつの間にか素肌を、苦も無く暴き探り当てていた指先が、
逃れ様も無い残酷な現実へと、覚醒へと、己を導こうとする。

「ぃ、……いや………知らな、い、貴方、なんて、知らない、知らないわ、
 やめて、私に、這入って、こない、で、――――――――ひ、っ、あぁ、あ……!」

首筋へ、最も太い血管の這う其の場所へ、歯牙が甘く沈む感覚。
紛れも無い現実の痛みが、最後の逃げ道を塞いでしまった。
即ち、――――――馴染みの悪夢に逃れ、意識を深く沈ませて遣り過ごす、唯一の防御を、打ち破られて。

其の瞬間を形容するに相応しい言葉を、己は知らない。
然し、抗えぬ強大な闇の手に「核」を握られ、嬲られ、玩ばれていたからだは、
ずぶずぶと際限無く引き込まれ、溺れ、跡形も無く蕩け落ちる。
行き着く先は、目覚めという名の仮初めの救済すら望めない、
女という性に生まれついた以上、二度と逃れ様の無い――――――
背徳を縦糸に、快楽を横糸に編まれ閉ざされた監獄の、淫らな虜囚たる現実だった。

ご案内:「悪夢の淵(過激描写注意)」からハイディさんが去りました。
ご案内:「悪夢の淵(過激描写注意)」からルヴィエラさんが去りました。