2021/05/08 のログ
ご案内:「◆港湾都市ダイラス 倉庫街(過激描写注意)」にロロさんが現れました。
ロロ > (概ね上手く行った。そう言って良いだろう。
先程まで行われていたのは、不許可な奴隷輸入の摘発である。

自身、それで育って来た身の上である為に。この国の奴隷制度自体を否定しよう、壊そう、などとは考えていない。
だがそれは。きちんと出来上がった制度下だからこそ…一定の約束と保証が存在するからこそ、であり。
先程保護された奴隷達は、異国から掠われてきたからでもあるのだろう。何とも酷い扱いを受けていたらしい。

直ぐにでも治療や施術の必要な者が優先的に搬送され。
次いで、空腹やひもじさを訴える者が保護されていき。
最後に、けたたましく喚く業者――なのかどうか。奴隷を捉え、或いは嬲っていた者共が護送される。
これで、一件落着と――――)

…なったら良いんだケド。どうだろう な、実際…

(ごたつく現場を尻目に。少女はもう少し、倉庫の奥を歩き回り探っていた。
まだ、奴隷が残って居るかもしれない。業者が全員掴まったとは限らない。

…それに。わざわざ安価で安全な、取り決められたルート。それを通らずに売り捌こうとしたのだ。
普通の密輸入だとは、どうしても思えなかった。

未だ何か隠されているのか。それを探して足取りは進む。)

ロロ > (――思い返すに酷いものだった。奴隷達の扱いは。
大半が女子供であり、彼女達は須くといって良い程…男達の餌食となっていた。
綺麗な侭で買い手の元に届けないのか、どころの話ではなく。
酷い場合は文字通り使い物にならなくなる程。快楽を度外視した嗜虐の餌食にされていた。
幼子すら容赦なく孔という孔を貪られ。それもまた違う意味で、この先を危ぶまざるを得ない。

女性に限らず男性すら、見目麗しい少年等であったなら、同じ様な目に遭っていたし…

最も解せないのは一般的な成人男性の奴隷である。
傷付けられ誰一人無傷の者は居なかったが。その傷を、自ら付け合ったのではないか、と。
そう思わされざるを得ないような。正気を失った荒れ方を見せていた。
獣のように喚き、暴れ、少女を含む女に飛び掛からんとして。
どうにかこうにか気絶させて、漸く運び出す事が出来た。

…あれは、もしかすれば。業者によるの陵辱など、お零れめいた些細な物であり。
女達の惨状は、あの荒ぶる男達による物だったのかもしれない。
何の為にと言われると、皆目見当も付かないが。)

…表に出せない実験台とか。 …何ちゃらっつー儀式とか。
何にしたって…ヤな感じ だ。

(取り敢えず証拠の一つ位は持ち帰りたい。真っ当な奴隷産業については、雇い主も一家言有るだろうし。

さ、て。現れるとすれば何だ。
…逃げおおせんとする業者か、未だ見ぬ黒幕のような存在か。
或いは、捜索を手伝ってくれる者でも居てくれないか。)

ロロ > (やがて見出すのは倉庫奥、一つの扉。
密閉された重い鉄の引き戸は、あからさまに不穏な気配を漂わせていた。
…うわぁ、と。少女の声音には露骨な程の。嫌悪と辟易の感情が乗る。
何せ、真っ赤な色合いが塗りたくられているのだ。
幾多の蛇が絡まり合ったかのような。訳の解らない文字だか記号だかが、所狭しと――
錆臭い、乾ききった血の色で描かれている。)

こいつはアレだ、絶対、ろくでもねぇよな ァ――

(嫌な事、というのを。思い出さざるを得ないようだ。
人に仇成す悪鬼怪異の類には。ほとほと嫌な思い出しか無い。

散々に痛めつけられ、傷もその侭犯され続け、打ち棄てられて――死にかけたり。
異界に掠われ、触手や化け物共に穢され尽くし――異形の赤子を産まされたり。
挙げ句、身も心も魔を帯びさせられた結果。人には戻れぬ身となってしまった。

この扉の先にも。そういったロクでもない物が待ち受けているのかもしれないが。
同時に、過去の自分と同じ憂き目に遭っている被害者が、未だ残っているかもしれないともなれば。
…放っておく訳にもいかないか。

ぎぎ。ご。
錆び付いて固まった――なら良いが、恐らくは。
乾ききった血糊がへばり付いて固まった故なのだろう、重い音をさせ。
鉄の扉が開かれていく。)

ロロ > (途端立ち籠める血臭は――古く乾いた物ではない。
もっと真新しい、今正に滴り落ちている鮮血の物だ。
暗い室内を確認すべく、一歩、中へと踏み込んで――

  がご ん。 )

 ――!?っちょ、おぃマジか、 クソ――――

(背後でひとりでに動き始めた扉が。思わず上がった少女の声を、半端な所で掻き消して呑み込んだ。
閉ざされてしまったその向こうで、何が待ち、何が起こるのか。
少女当人以外には知る由も無く――――)

ご案内:「◆港湾都市ダイラス 倉庫街(過激描写注意)」からロロさんが去りました。
ご案内:「タナール砦(過激描写注意)」にタマモさんが現れました。
タマモ > ここはタナール砦、人間の国と魔族の国の境に存在する砦だ。
ある時は人間が、ある時は魔族が、目まぐるしく占領する者が変わっている。
まぁ、場所が場所だ、それは仕方無い事だろうが。

今は、どちらが占領している場所だろうか?
そんな場所に、ふらりと現れたのは、一人の少女だった。
異国風の着物を纏い、狐の耳と複数の尾を持つ、その姿。
知る者がそれを見れば、油断してはならない相手、と考えるであろうが。
国の外を詳しく知らねば、そう知られぬ存在、それが出来るかどうか。

どことなく、面倒そうな表情を浮かべ。
少女は、砦に向かい、真っ直ぐに歩みを進めて来る。

「やれやれ、勝手に面倒事を引き受けた上に、妾に丸投げか…
やってくれる、本当に、やってくれるのぅ」

そんな事をぼやきながら、軽く肩を竦める。
細かい理由は、面倒だ、と一切説明無し。
とりあえず、一時的に、この砦から人間も魔族も追っ払え、との事らしい。

まぁ、唯一の救いは、これが頼まれ事と言う事と、やり方は任せる、との事だ。
つまり、自分がしたくて、そんな事をしている訳じゃない。
そんな、大義名分を利用して、好きに出来る。

せめて、何かしら、愉しめると良いのだが。
そんな事を考えながら、そろそろ、見張りが居たら気付かれそうな、そんな距離まで近付いてきた。

タマモ > 少女は、歩みを止めはしない。
前を見据える瞳が、軽く揺れ、ぴたりと砦へと確かに向けられれば。
赤味を帯びる金色の瞳、その赤味がずずず、と増してくる。

「たっぷりと、畏れさせてやろう。
その感情もまた、妾の糧となる。
大丈夫、大丈夫じゃ、その命までは、取りはせんからのぅ。
………あー…ある意味、人生?魔生?は、終わるやもしれんがな?
それは、妾の責任ではない、恨むならば…」

と、誰に言うでもない、言葉を紡ぎながら。
少女を中心に、ぶわっ、と砦に向かい、何らかの力が広がっていった。
魔力は感じられぬ為、ほとんどの者達が、それを感じられない。
が、精神に影響する力を持つ者ならば、軽くとも違和感を感じる事だろう。

「………妾に、それを頼んだ者を、恨むが良い」

そう言葉を締め括る、と同時に、広がる力は砦までもを覆い尽くした。
強制的に意識を緩ませ、与える刺激に対する感情を、引き上げる。
要するに、精神の抑制力を減少させ、心を無防備にし易くさせる、そんな力だ。

欲に駆られ易く、感情を抑えられず、そんな心乱れ捲くる状態。
まともに抗う術なんてものは、これで無くなった事だろう。
まぁ、抵抗する者が居るならば、それはそれで、愉しめる。

その力が、しっかり広がった事、それを確かめれば。
とん、と地を蹴って、駆け始めた。