2020/10/03 のログ
ノール > 月が随分高く昇った
うとうと、していた獣人ははっ、と我に返って身体を起こした
肘を立て、四つん這いでぐい、と周囲を見回す姿はサマになっている

「………」

何も変わってない。耳を倒し、一つ欠伸をするとそのままのそりと立ち上がる
傍らに落とした大剣を拾い上げると、腕が長く、それにしては足が短く歪んだ上背の歪な人影が伸びた
此方の姿の方が、何処か見ている側が不安になるほどの
そのまま、獣人は伸びをするとのそのそと、何処かへと歩き去った

ご案内:「◆街郊外(過激描写注意)」からノールさんが去りました。
ご案内:「妖しい公園」にタン・フィールさんが現れました。
タン・フィール > 王都の一角に存在するちょっとした林ほどの敷地の自然公園。
そこは普段からあまり人が寄り付かぬ物寂しさと、どこか入るのを躊躇わせる怪しげな空気で満ちていた。

其処は、過去に人にまぎれて潜伏していた魔族が、
様々な意味での「遊び場」として用意していたという、
知る人ぞ知る妖しき公園の成れの果て。

そんな噂はどこ吹く風で、薬草や薬用の花やキノコなどの薬の素材を集めに訪れていた薬師の幼子は、
最初は呑気に山菜狩りと散歩を楽しんでいたが、
奥へと進むたびに木々が生い茂って、道が曲がりくねって迷い込ませるような…
王都内とは思えぬ妖界めいた空気と、実際迷いかけている現状にわずかに汗ばむ体を冷やし始めていた。

「う~~…ここ、この公園、こんな深い森みたいにしちゃって、いーの?
…ちっちゃい子とか、迷子になっちゃうよ…。」

と、自分はその小さい子にはあたらないけど、とでも独り主張するかのように、
公共の場であるはずの公園の有りように文句をつぶやきながら、魔女の類でも現れそうな木々をくぐっていく。

ここには自然公園の木々の澄んだ空気感や、木漏れ日、小鳥のさえずりなどはない。
ざわざわと枝葉の擦れる音に、生い茂る枝と葉が影を作り、あっという間に夜めいた暗さになっていた。
そこをとぼとぼと、裸の幼姿に桃色のシャツを纏っただけの薬師が頼りなげに歩いて行く。

その姿は、本人の意志とは無関係に、広く入り組んだ木々の中で帰り道を見失った、心細い迷子の姿そのもの。

タン・フィール > 「―――うわ……センス悪っ」

思わず引いた声が、声変わりとは無縁な細い喉からのぼってきた。
歩き疲れはじめた少年の行く先に、公園の要素たる遊具の類が見えてきたのだ。

青白く寒色を思わせる木々の中に、突如として設置されたショッキングピンクのブランコや、
オレンジ色の滑り台、紫色のシーソー…。

そのどれもが、粘土をこねまわしたような前衛的な凹凸と奇天烈なデザインで構成され、
少なくとも王都で一般的な調度品に感じる美意識からはかけ離れたセンスである。

おまけに、シーソーやブランコ、滑り台の局面や、不可思議に生えた突起などは、
子供には奇妙なオブジェであろうが、大人の世界を知る者にとってはどうにも卑猥な連想をさせるものばかり。

やや頬を赤く染めながら、しかし数十分の徒歩の疲れは否めず、
おとなしく毒々しい桃色のブランコに座り込み、きい、きい、と独りで漕ぐ。

妙にこね回されたような座面は、座り込んだ男女どちらものお尻の割れ目を広げ、
その間にぐりぐり・ごつごつとした突起を押し付けてくる、なんとも奇妙な座り心地のもの。

「うーわ…これ、こんなとこにつくったひと…なにかんがえてんだろ」

きいこ、きいこ、徐々に反動をつけて座り漕ぎをしていきながら、
しかし一方で反動をつけるたびに股間やお尻や会陰に僅かなこりこりとした刺激があるのが、ちょっとクセになっていて。
言葉や態度よりは、ややこの遊具が気に入ってしまった様子。