2020/03/06 のログ
ご案内:「魔物の巣の跡」にタン・フィールさんが現れました。
■タン・フィール > 数十年前までは、近隣の村々からは恐れられた洞窟。
様々な目撃例や被害届の出ていた、魔物の巣とされる郊外の洞窟…。
けれども、ここ数年はぱったりと、それらの情報は途絶えていて、
近々、冒険者ギルドが、調査隊を組んで派遣されるのではと噂されていた。
薬師の少年は、そうした集団にあれこれあらされる前に、
薬の原料となる、魔物の抜けた体毛や牙、糞尿、食べかすなど、
魔物の残滓と痕跡を求めて、先んじて単独潜入に乗り出し…来た道も往く道も見失い、見事に迷った。
「うぅ…魔物が出ないのは助かるけど… 出口、見失っちゃった…」
情けない独り言を漏らしながら、頼りなげな瞳を照らすのは、これまた心もとなく揺れる松明の光。
こつ…こつ…と慎重な足音が、洞窟に響き渡る。
少年の歩んだ跡には、回復薬…精力剤…お茶に果実の甘酸っぱさ、媚薬の後を引く香、
様々なモノを惹き付ける香りが残滓として宙を漂っていた。