2019/12/19 のログ
ヴァレリア >  
山奥に佇む小さな集落
この場所を見つけたのは、たまたま

ちょうどお腹も減っていたし、一人や二人分の血じゃ満足できなさそうだったから、丁度良かった

わざわざ人里離れたところに住んでいた彼ら、彼女らは
きっと争い事を好まない稀有な魔族だったのではなかろうか

特に激しい戦火があがることもなく…村は静寂に包まれていた

夜も更けた村の中央で、魔族の少女の首元に牙を突き立て、喉を鳴らす白髪の女の姿があった

「──……♪」

こく、ごくん
喉を小気味よく慣らして、新鮮な血液を吸い上げ、飲み込んでゆく
吸血鬼に牙を突き立てられた少女は憔悴しきり、虚ろな視線を空へと向けていた

「……ぷは、…ふふ、ごちそーさま…♡」

紅い眼を細めて笑い、少女をとんっと突き飛ばすように身体を離す
ヴァンパイアの足元に渦巻くようにして集まっていた赤黒い触手が少女の姿を捉え、
何処に繋がっているのか定かではない血溜まりへと一瞬で沈み消えてゆく──

ヴァレリア >  
なるべく加減して、死なないように、死なないように…大事に弄ぶ
玩具の数は有限、運悪く壊してしまうこともあるけれど、その壊れていく過程が、この白髪の少女は何よりも好きだった

だからこそすぐには壊さないように、ゆっくりと、時間をかけて甚振る

魔族は人間よりも死ににくい、それだけの理由で、今日の遊び場を此方側に決めていた

「処女の子の血ってやっぱり素敵。
 犯しながら飲むと、途中から血の味が少し変わってくのも…ふふ、一度しか楽しめないからこそって感じ♡」

まるで血で酔ったように、上機嫌な表情を浮かべ、独り言ちる

辺りからは人の気配はなくなり、月明かりの下、ただずるずると、触手の這い回る音だけが響く
他にまだご馳走は隠れていないかと、少女の生み出した触手が村のあちこちを這いずり回っているようだった

ご案内:「魔族の国・山奥の集落(過激描写注意)」にシルヴァさんが現れました。
ご案内:「魔族の国・山奥の集落(過激描写注意)」からシルヴァさんが去りました。
ヴァレリア >  
──…一瞬の人影を感じ、振り返る
やっぱり逃げ延びていた獲物がいたか、と
極太の触手が高速で這い、気配のした方向へと走る

「……」

ふ、と小さく息を吐いて、まだ身体に残る吸血の余韻に身を震わせる

──人間の国にいる間は、なるだけ血を我慢している故に、今日は特に空腹だった
集落まるごとひとつ飲み尽くして、漸くと言ったところ…

食欲はそれなりに満たせた、あとは……
遊び道具でも、確保して帰ろうか…といったところ

ご案内:「魔族の国・山奥の集落(過激描写注意)」にラボラスさんが現れました。
ラボラス > (例えば、魔族の集落が同族に襲われたとて
其れを注視し、警戒や討伐に向かう者が居るだろうか。
元より同族意識の低い事が多い種、特に力を持つ者ほどに
弱き者を見下す傾向すら在るのだ。

此れまでに似た様な事が在ったとて、其れを咎める者が居ないのも当然か。

――だが、其れでも、全く持って皆無、では無い。
或いは、其れも唯の気紛れ程度の事で在ったとて
「其れ」が、現れた事は紛う事無き事実で在った。)

「――――……豪放だな、娘。」

(其の、声は。
まるで虚空より響いたかに、娘へと伝わる事だろう。
周囲に、生者の気配等存在はしない。 ――端から見れば。
だが、少なくとも、この村に居る筈の無い誰かの存在が
今、増えた事だけは、判るだろう)。

ヴァレリア >  
「……あら?」

虚空から響くような、男の声

思わぬ来訪者…というよりは気配に、くすりと唇が笑みの釣り上がる

同時に、それまで村のあちこちを、獲物を探して這いずりまわっていた触手達が
ずるずると少女の足元へと集いはじめる

「こんな山奥にも大物がいるものね。姿は現さないのかしら…?」

その声と存在の気配だけで、相手が一山いくらの魔族でないことは、理解できた

ラボラス > 「―――……偵察が目的だったのだがな。」

(姿を、と響かせた娘の声に応えた訳ではない
だが、最早隠れている意味も無いと、再び声を響かせれば
娘の左後方、其れまで無人であった筈の空間に、ゆうらりと陽炎の如く
黒き鎧に身を包んだ、巨躯の雄が姿を現すだろう。

其れまで、村中を蹂躙し尽くしていた触手達が一斉に集い始めるのを
静かに眺めながら、ふ、と僅かに唸り。)

「其れだけ貴様が暴れたと言う事だ。
幾ら辺境の地を狙ったとて、手口が似通えばな。」

(其れが、同一の者による被害だと、推測するのは容易いと
告げて、そして歩みを進めれば、少しずつ娘の下へと距離を詰めて行くだろう)。

ヴァレリア >  
「フフ、ちょっとやりすぎたかしら…?
 目立たないようにしていたつもりだったけれど…」

あーあ、とまるで悪戯がバレた子供のように、笑ってみせる

目の前に現れた巨躯の黒鎧
只者でないのは一目瞭然
そんな、恐らくは魔族──が、歩み寄る様子にも少女は動じた様子は見せず

「もしかして貴方の領地でもやらかしちゃったカナ…?
 そうだったら、フフ…ちゃあんと守りを置いておかなきゃ…♪」

ラボラス > 「村一つが半壊してみろ
目立たぬと言う方が無理が在る。」

(無論――実際に被害にあった集落は、其れに留まらない筈だ
塵も積もれば、と言う事。 其れでも尚、誰かが本腰を入れて
この娘に対応する、と言った気配が皆無な辺り、魔族と言う種の性質が垣間見える。)

「……フン…俺に護るべき領地等無い。
ただ、腰の重い連中に代わり、"少し見に来た"だけだ。
貴様を討伐するかは…貴様の出方次第だがな。」

(余りにもあっさりと、己が現れた理由を告げる。
討伐の可能性を含めた偵察、戦意を否定せぬと答えながら
既に、人気も、或いは真っ当な生気も無き村の様子を一瞥してから
娘の姿を見下ろした)。

ヴァレリア >  
「別に村を壊そうとしてやっているわけじゃないのよ…?」

勘違いをしないでほしいと
悪意はないのだということを、切に訴える、そんな表情を見せる

「その証拠に死んじゃった人なんて殆どいないもの。
 ちゃあんと生きたまま、素敵な思いをしているだけ…。
 そりゃあ…たまに加減を間違えて…なんてこともあるけど……」

まるで虫を捕まえて遊んでいるような、言い分
少女がそんな言い逃れにもならない言葉を紡いでいる間に、
村を散策していた触手は少女の足元へと集まりきったのか、うぞうぞと主の命令を待つようにうごめいていた

「動かない魔王達に変わって見回りだなんて、優しい魔族なのね…?
 ごめんなさい、って謝れば、許してくれるのかしら……」

ラボラス > 「如何やら其の様だ。
吸血種が血を必要とするのまで否定はせん。
――だが、貴様の其れは少々加減を間違えたな。」

(確かに、死んでは居ないのやも知れぬ
だが、死なずとも壊れて仕舞った連中は
果たして、どれだけの数に上るだろうか。

全てが戯れの延長とでも言いたげな言葉に、僅か双眸細めつつ
――だが、口元は、娘を見下ろしながら、何処か愉快そうに僅か吊り上り。)

「小賢しい演技は止めて置け、娘。
性根から謝罪するような輩が、此処まで豪胆に村を壊す物か。
其れ以上続けるなら、この俺の癇に障った罪で切り捨てるぞ。」

ヴァレリア >  
「ひどぉい…。
 血が必要なだけじゃなくて、不死者には娯楽も必要なんだからね?」

演技、などと言われればむっとした表情で反論する
少女にとってはこの村で行ったような凌辱、虐待こそが単なる娯楽、なのだろう

「こんなに可愛い女の子を斬り捨てようだなんて、
 そんなに短気じゃ嫌われちゃうのよ…?」

ちゃんと謝るのに、と不貞腐れたような声をあげ、
その足元で無数の触手が鎌首を擡げた

「それに、壊したくてやってるんじゃないってことも、言ったじゃない」

弁明の言葉、その言葉を口にした時には、再び口元に笑みを讃えている

ラボラス > 「だから言った筈だ。 目立ち過ぎたとな。」

(其処に正義が在るか否かなぞ、大した問題ではない
もっとこっそり、見つからぬ様に出来なかった事こそが
娘の失敗なのだと肩を竦めて見せたなら――

弁明に、果たしてどれだけの意図や理由が紡がれようと
まるで警戒めいて鎌首を擡げた触手を、気に留める事も無く
何時の間にか、手に携えていた黒き刀身の剣
其の切っ先を、喉元へと突き付けてしまおうか。)

「……愉しんだのだろう?
なら、貴様が愉しみの為に狩られる事も、不思議は無い筈だ。」

(くつり、喉奥でくぐもらせた笑みと共に
娘の瞳に映し出すのは――獣の如くに釣り上がった、愉快げな、口元、か)。

ヴァレリア >  
「あん、もう……。
 こんなに弁明してるのに…冗談とかも通じないタイプ…?」

喉元へ刃を突きつけられ、僅かにその姿勢を正す
周囲の触手は、相変わらずその鎌首を擡げたままで…

「どうしても私の遊びの邪魔をするのね…。
 まだまだ私は満たされてないの、愉しみ足りないの!」

少女の瞳が紅く輝く
同時に、大人の腕から丸太ほどまで、様々な胴回りの赤黒い触手がラボラスめがけ、襲いかかる
その触手の力は人間と比べて遥かに強力、オークなどの魔物と同等以上──
それらが巨躯の黒鎧の手足をそれぞれ絡め取ろうと、動く

ラボラス > 「――――――……下らん。
其れでは何も"愉しくない"。」

(――嗤う。 嘲笑の意味を込めて、嗤う。
弁明も冗談も何の意味が在ろうか、自由に、自らの欲の儘に生きる魔族ならば
言葉遊びで誤魔化す必要など欠片も在るまい――正直に、独白せよ。

己が、態々とこんな辺境の地まで足を運んだのは、其の為だ
弱者が束に為ろうと叶わぬ圧倒的な力の主
立場上、迂闊に同胞と争う事が叶わぬ己が、"問題無く"叩き潰す事の出来る相手

――そう、己もまた遊興に来たのだ。
正義感も義務感も在りはしない、全てが己が欲の為に。)

「俺は貴様を狩りに来た。
"命までは奪ってやらん"
だが――壊れてしまっても、知らぬがな」

(鎧へと、一斉に絡みつき始め殺到する触手によって其の巨躯は
一瞬、押し潰される様にして姿を消すだろう。
だが、次の刹那、まるで触手達を強引に力で捻じ伏せるかに
数匹を纏めて振り払い、数匹を地面に叩き落しながら、一歩、また一歩
娘の方へ、歩みを進める姿が、直ぐに確かめられる筈だ)。

ヴァレリア >  
触手のいくつかが地面に叩きつけられると僅かにその眉を顰める
キリ…と音が聞こえそうな程に、牙を剥いて、表情を変え、睨めつける

「私だって愉しくないもの、邪魔なんか、されたらっ」

更に無数の触手がラボラスへ向け、飛びかかってゆく
一瞬覚えた違和感の正体は探ろうともせず、
丸太ような触手がしなり、叩きつけ
次々に巨大な鞭のように、その歩みを止めんと、黒鎧を叩き潰そうと襲いかかってゆく

「私は命を奪うもの。
 私の楽しみの邪魔をするなら、簡単に!」

ラボラス > (黒き鎧を叩き潰そうとする触手の打撃は
決して侮る事の出来ぬ威力であったろう。
現に、上から叩きつける其の一撃を受け止めれば足元が沈み込み
横薙ぎの一撃を受け止めれば、其の衝撃と風圧で砂煙が舞い上がる程
だが、其の一撃一撃を、敢えて交わす事無く、鎧にて受け止めながら、一つ一つ正面より叩き潰し、制して行く。

進行を緩める事こそ出来るだろうが、止めるには至らない
明確に、敵意を其の瞳と牙に乗せ、向け始めた娘に
獰猛な、獣の如くに子を描いた口元と、爛々と光る金の瞳を向けたなら
一際大きな触手の鞭を、両腕で受け止め、逆に捕らえては
娘を巻き込むように、其の触手を振り回して放り投げ。)

「―――――やってみろ、娘。
俺を殺せ、俺を倒せ、俺を愉しませろ…。」

(――一瞬、娘が感じた違和感。
其れが、触手によって黒鎧が打ち据えられる度
少しずつ強くなるのが感じ取れるやも知れぬ。
其れは、本能的なものやも知れぬ、が――
途中で、理解出来るだろうか。 態と、攻撃を受けている事に。
其れこそが何よりも、罠であると言う事に

そして何より――其の時には、最早手遅れだと、言う事にも)。

ヴァレリア >  
「なんで貴方を愉しませなきゃ…!
 私は、私が愉しみたいだけなの…っ!!」

残る触手が少女の背後でぐるぐるとうずまき、巻き付いて一本の巨大な触手へと変化する
一気にカタをつけてしまおうと、大木のようなそれを振り下ろし──

「──ッ!?」

放り投げられた触手が少女の胴へと直撃する
力こそはあるものの、闘争に慣れていない
少し攻勢に出ればその隙に、ラボラスの放り投げた触手が少女の華奢な体躯を打ち据えていた

大きく"く"の字に折れ曲がった少女が弾かれるように集落の地を転げ、その身を横たえる

「かは…っ……」

恐ろしく脆い、と感じるだろう
事実強力な不死性と強大な力を有しているだけで、少女の耐久性自体は、一般的な魔族と比較しても脆すぎるものだったのだから

ラボラス > 「そうだ、貴様が愉しむように、俺も愉しむ。
何も可笑しな事は無い、其の相手が、偶々貴様だっただけの事だ。」

(――偶々目をつけられた、この村の人々の様に。
娘も己も、其の行動原理に何ら違いは無いと謳いながら
目の前で、寄り集まった一本の触手による一撃を、至極愉快げに見上げた、が。

――ひとつ、拍子抜けであったのは、己が投げた触手を
娘自身が、避ける事も出来なかった、と言う事だ。
強大な魔力と、其れを操るだけの才を持ち合わせながら
余りにも容易く、余りにも華奢に地面へと転がる姿に
――漸く感じ取るのだ、娘の歪さを。 其の、極端なまでの脆さを。)

「―――――貴様。」

(――触手の動きが、今だ己を狙うならば、其れに応じながら
けれど、一つ確信めいた問いを、娘へと投げる。)

「………貴様、不器用だな。」

(――僅かだけ。 毒気を抜かれたような声音が響くだろう。
余りにも脆い本体に、余りにも戦いに慣れていない、其の様相に。
そうして――何時の間にか、娘が再び立ち上がるよりも前に
其の眼前へと、ざ、と佇み、其の姿を見下ろせば。

――娘の、其の抵抗次第では在るが。
其の体躯を、ゆっくりと捕え、抱え上げようとする、か。
黒き剣は、何時の間にか失せて居る其の両掌で
まるで赤子でも扱うかに、ひょい、と)。

ヴァレリア >  
「げほっ…、う…っ…」

ダメージを受け、制御を失った触手は全て血の塊となって大地に落ち、染み込み消えてゆく

一方でその身を激しく打ち据えられた少女は咳き込み、
なんとか立ち上がろうとするも正垣で手足が痺れ、満足にそれも出来ぬ様子

そうこうしているうちに、歩み寄った巨躯の黒鎧──ラボラスに容易く抱き上げられてしまうだろう
木っ端のように軽い痩身、と感じるかもしれないその細身は悠々と抱かれ…

「五、月蝿い……戦い、なんて…滅多にしないんだもの…!」

まだ呼吸が満足に出来ないのだろう、跡切れ跡切れに、声を零す
少女が、如何に弱者のみを弄んできたか、がよく理解る言葉でもあるかもしれないが

ラボラス > 「………貴様の不幸は其処か。
誰にも真っ当に"構って貰えなかった"様だ。」

(本能的に、殴り方を、蹴り方を知っている者等居る筈も無い
それらの術は、経験によって、身に着けてゆく物だ。
娘に、自らの身を護る術が備わっていないと言う事は
護る必要すらなかった、と言うのが大きいのやも知れぬ。
其の圧倒的な魔力によって、弱者を蹂躙するだけで全てが終わる。
ならば当然か、覚える機会なぞ無いのだから。

抱え上げた娘の身体、魔族故に、人間の其れとは違うだろうとは言え
余りにも、本質的にすら華奢な体躯に、僅か双眸細めれば
今だ苦しげな其の声音に耳を傾け、ふん、と小さく鼻を鳴らし。)

「………貴様、名は何と言う?」

(――僅かばかり考えた後。
唐突に、其れまで唯、獲物であるばかりだった娘へと、名を問うた。
吸血種たる娘が、今の戦闘で失った血液はどれ程か。
今だ、抵抗にまで到れぬ其の身を、今度は片腕に、軽々と抱え込めば。)

「―――――……強者で居たければ、強く在る事だ。
今宵は、貴様を獲物として連れ帰る。
…代わりに、解放するまでに貴様が望むなら、戦いに必要な術を教えてやる。」

ヴァレリア >  
「勝手に人を不幸にしないで欲しいんだけど…」

漸く、浅い呼吸が整う
身体も動くだろうが、抵抗する気はもはや失せているようだった

「…ヴァレリア。
 戦いの術なんていらないわ。
 面白くないもの、戦いなんて」

拗ねるように視線を外して顔を背け、素っ気なくそう答えを返す

ラボラス > 「貴様ほどの力が在りながら、其れを生かせぬのなら
其れを不幸と言わずして何と言う。」

(無論其れは、強さ、と言うモノに価値を置く己故の。
娘自身が必要ないと、其処に価値を感じなくとも
ふん、と小さく嗤うかに音を響かせれば
まるで子供のように視線を背ける様子を見ながら。)

「――俺はラボラス。
戦い其の物が貴様にとって無価値でも
強く在るなら、"愉しみ"を奪われる機会も減る。
貴様が強ければ、俺に容易く邪魔をされずに済んだ。」

(――無論、最終的には娘自身が決める事。
何れにした所で、娘を、己が城砦へ攫う事には変わらない。
片掌が、ふと、娘の頬へと指をそえて、其の顔を此方へと向かせれば
顎先を引き上げ、拗ねたその表情を覗き込みながら、愉快げに口端を吊り上げ。)

「―――連れて行くぞ、ヴァレリア。
貴様は、暫し俺の物だ。」

(告げる言葉と共に、其の唇を柔く奪えば。
ゆっくりと、其の場の惨状なぞ、興味を持たぬかに歩み出す)。

ヴァレリア > 「(まぁ、邪魔されるのは嫌いだけど、奪われるのは別に嫌いじゃないというか…まぁいっか)」

ふと思い立つ素っ頓狂な考えを口には出さず
どこまでも満たされず、刺激を渇望する少女にとってはそれはそれで…といったところだったらしい

「はいはい、ラボラスね…。
 ……そういうことするなら獲物としてじゃなくて、女の子のお客様として扱いなさいよね…?
 戦いなんか愉しんでるような人ってみんなそういう配慮に欠けるのかしら…」

唇を奪われた後も不平不満を垂れ流すヴァンパイアの少女は悠然と歩み去るラボラスに抱えられたまま
その日凌辱が行われた集落をそのままに、その場から姿を消すのだった

ラボラス > (享楽を何に求めるのか、其の差。
娘が望まぬのならば、無為に戦いの場へ引き摺り出す事も在るまい。
何よりも先ず、娘に与えられるのは獲物としての役割

――とは言え、だ。
人間の女を連れ帰るよりも、其の扱いは悪くは無い。
捕虜と言うよりは、客人と言った程度の自由は与えられるだろう
元より、同胞には違いなく、何より己には処罰の権限なぞ無い
娘と共に、蜃気楼の如く所在を定めぬ自らの城塞へと招けば
漸く其処で、ラボラスと言う名前と共に、自らの肩書きも明かす事となろうが

――娘が其れに興味を示すか、否かは。 他の誰が知る由も無く――)。

ご案内:「魔族の国・山奥の集落(過激描写注意)」からヴァレリアさんが去りました。
ご案内:「魔族の国・山奥の集落(過激描写注意)」からラボラスさんが去りました。