2019/11/03 のログ
ご案内:「深夜のダイラス(過激描写注意)」にマリーさんが現れました。
マリー >  
日が沈み、暗い雲が月の明かりを疎らに散らす
とっぷりとした闇に包まれた、深夜のダイラス
女性が独り歩きするには少々…というどころではなく危険があるだろう
そんな街中を、白い髪を揺らしながら少女が歩いていた

「──…」



血が足りない
魔族の国での、先日の体験は実に刺激的かつ甘美な被虐であったけれど
もげた手足の再構築に随分と血を使ってしまった

──最近"此方側"では夜遊びをしていなかったし、少しくらい人がいなくなっても問題ないだろう…と
目立たぬ夜のうちに足を運んでみたが……

マリー >  
「──ダメね」

街の広場へと差し掛かる頃、はあっとため息をついて、ベンチへと腰掛ける
流通の要となっている港町だけあって、この時間でも召還通りなどはまだまだ人の気配を感じるものの

「目立っちゃうものね」

どうしたものか、と足を組み上げ、その上に肘を置いて頬杖をつくる
ちょっとくらいなら騒ぎになるのも面白いけれど、あまりやりすぎると商工会を動かしづらくなりかねない
人間として潜伏し、商売を取り仕切るのも案外楽しいもの
それができなくなるリスクは、なるべく冒したくはない

他の街、という選択肢もあるにはあるが、王都などは余計にといった感じであるし、
王族のお得意様がごっそり抜けてしまうのは避けたい……
そうなれば、魔族を相手に遊ぶのが一番ノーリスクかつ現実的となってしまう
それでもたまには、人間の血を啜りたいもの──

マリー >  
嗜虐、被虐ともに欲求はそれなりに満たされている
そうなると食欲が顔を出してくる

「安物娼婦の一人や二人、いなくなってもわかんないかしら…でも、当たり外れが大きいのよね…」

再び小さくため息
安価な食べ物で妥協するならば、味の質も当然妥協することになる…
ただ生き繋ぐだけならば別に今更血が枯渇した程度で滅ぶ肉体でもない
そうなればどうしても、グルメ志向になってゆくのだが

マリー >  
無論、食事の候補は男だって構わない
けれどここ、夜のダイラスにおいては…
商売のために肉体を磨く娼婦と、
酒や薬、煙草に染まったそれを買う男達
どちらの血が美味かといえば、議論は不要だろう

美味な男の血が欲しければやはり王都
よい食事、よい環境で育った美しい王族の血はさぞ芳醇に香ってくれようというもの…

「──やっぱり、王都に出向こうかしら。
 なんだか私の正体はバレていなかったみたいだし……」

マリー >  
ばさりと黒朱のマントがドコからともなく表れ、それを羽織る

「ついでに新しい顧客も得られるかもしれないし、そうしようっと」

僅かな月明かりに照らされていた広場が、厚い雲に遮られ闇へと沈む
薄ぼんやりと赤く輝く瞳の少女は羽織ったマントを蝙蝠の翼のような形へと変えて、そのまま闇夜へと飛び去り姿を消した──

ご案内:「深夜のダイラス(過激描写注意)」からマリーさんが去りました。
ご案内:「◆森奥の洞穴(過激描写注意)」にノールさんが現れました。
ノール > 深い森
湿った空気、高い木立の下暗い空間
苔むした岩場の影にその洞穴はあった
獣臭い空気が充満する狭い穴倉ではあったが、居心地は悪くない

「…………グルゥ」

ノール、と呼ばれるハイエナに良く似た狗頭を持つ種の獣人がそこに棲み付いた
以前、ここを使っていただろう熊は既に彼の胃の中だ
雑に剥がれた毛皮が地面に敷かれて、僅かに腐臭が漂うがノールに取っては香気でもあった
暗闇で紫色の瞳が光る
全身を僅かに暗い陽炎のようなオーラが包んでおり、呼気も荒い
呼吸に合わせて蹲った、身体がゆっくりと上下に膨らむ