2019/05/19 のログ
ご案内:「王都の古道具屋(過激描写注意)」にディメントさんが現れました。
■ディメント > 王都平民地区の一角。
なんということはない古道具屋の片隅。
店主の老人さえも忘れた様な埃を被った棚に、その匣は置かれていた。
それは――各辺が20cm程の漆黒の匣。
すべての辺も角度も精密に測られたようなそれ。
材質は金属にも似ているが、じわり――と温かみを帯びているようにも見える。
継ぎ目すらない表面を、まるで迷宮のような金の文様が走る。
カチリ――ドク――。
ふと、そんな音がした。
まるでその内側で、何かの装置が起動したような音。
あるいは、その内部で何かが蠢き始めた様な音。
ふわり――とまるで蟲を導く花の香のように仄かな魔の気配が漂う。
けれど、まだそれは動かない。開かない。目覚めない。
そこに誰か、相応しいものが来るまでは――。
■ディメント > ふと、店主の老人があまり整理していなかったその棚を整理しようと。
そう思って近付いてみた頃合いだっただろう。
まるで最初からなかったかのようにその匣はどこかへ消えていた――。
ご案内:「王都の古道具屋(過激描写注意)」からディメントさんが去りました。