2018/09/17 のログ
ご案内:「九頭龍山脈 山中(過激描写注意)」にタマモさんが現れました。
タマモ > 九頭龍山脈、麓に近い山中に少女は佇んでいた。
その周囲、足元には絨毯のように広がる、少女の瞳のような真紅。
その身に纏う着物にも、僅かにそれは付着していた。

「ふむ…まぁ、現るに空いた間には少々見合わぬものじゃのぅ…」

その手、指先をも染める紅に、ちろりと舌を這わせ舐め取る。
久々に現れたのは良いが、変わらず人もそう現れぬ場所、それは予想出来る。
今の己へと変わるのを予見して、わざわざ移動をしたのだろう。
………まったく、気の利かぬ子だ。

それでも、偶然の産物であろう。
この付近を彷徨っていた冒険者…であろう、それに遭遇した。
その結果は、この状況を見れば言うまでもなかろうか。

「ふふ…しかし、人間としてはなかなかのものじゃった。
喰ろうて得た力も、悪くはない。
その点からすれば、少しは満足やもしれんな?」

くすりと笑い、指先から舌を離す。
軽い運動程度にはなったか、空きも少々は満たされた。
目を覚まし、再び眠りに付くまで何も無い事もよくあるもの。
それを考えるならば、まだ悪くは無い状況なのだろう。

タマモ > 「さて…」

少女は、ぐるりと視線を周囲へ巡らせる。
何かを探るような、そんな動き…それが、ある方向へと向いた時、ぴたりと止まった。

少女が得たのは、感知能力の一つだ。
向いた方角、ある程度の角度のみではあるが、その範囲内にいる生命反応。
その反応の大きさは、小さいものから、それなりの大きさのものが見える。
そして、その反応の大雑把な姿形か。
今、つい動きを止めたのは、反応の大きさが何かを理解してなかったからだ。
よく探ってみれば、四足歩行の何らかの動物だろう事はすぐに分かった。
…なるほど、これならある程度の危険は上手くすれば回避出来るだろう。
使い方次第では、隠れ潜む何者かを見付けるのにも役に立つ。

もっとも、ある程度の、だ。
それなりの力に対する対応ならば、十分に可能だろうが…
今回は、相手が悪かったと言えよう。
それを察知出来ようが、逃げれなければ意味は無し、である。

巡らせる視線への反応、それはある程度の条件を満たした生命。
まぁ…そうでなければ、反応が多過ぎて逆に意味を成さないだろうとは思う。
何がどう反応して視えるのか、それを何度も試すように視線を上に、左右にと向けてゆく。

タマモ > 巡らせた視線を戻し、一度瞳を閉じ…少しの間を置いて、開く。

「慣れるまで、少々必要か…さすがに、すぐに使いこなすには至らぬのぅ。
さてはて、次に眠りに付くまでに、到る事が出来るかどうか…」

こうして、新たな力を試す時もまた、少しは楽しめる。
その力をどう使うか、どこまで使いこなせるか…色々と想像し実行する事は、その力の可能性を引き出すに繋がるか。
達成感と言うものは、感じてそう嫌いでもないのだ。

とりあえず、この付近には何もない。
そう判断すれば、適当な方角へと視線を向け…次の瞬間、その姿は消えていた。

ご案内:「九頭龍山脈 山中(過激描写注意)」からタマモさんが去りました。