2018/09/08 のログ
ご案内:「仄暗い洞穴」にセスさんが現れました。
■セス > 洞窟内に、少女の声が木霊する――
「あ~あ、最悪だわ。まさか雨に降られるなんて、ったく……」
時刻は夜。宿を持たぬ流浪者の彼女は寝所を探していた。
人目につくまいと探した先は、茂みに入り口を秘された仄暗い洞窟。
あまりの暗さに、視界は殆ど無いものと思って良い。
何かの死体でも転がっているのだろうか。決して弱くはない腐臭が立ち込めていた。
「こんな所で寝る事になるなんて……ま、天井が在るだけマシか。今日はツいてないわ」
やれやれと首を振ると、手探りで洞窟の中を進む。
少しひらけた袋小路の空間に辿り着き、冷たい地面に腰を降ろした。
「……はぁぁぁぁぁぁ……」
げんなりとした少女の長い長い溜息が、洞窟内に響き渡る。
■セス > 「なんか、視線を感じる様な……気の所為かしら……」
少女は周囲を警戒しつつ、己の傷の手当てを始める。
野党の野営道具を盗もうと試みた際、不手際で負った負傷だ。
■セス > 自己修復の権能を持った彼女とは言え、負傷からの再生には時間を要する。
脚に負った矢傷は存外に深く、今は飛び跳ねる事はおろか、走る事さえ困難だろう。
壁伝いに移動する事は叶ったが、この日はこの場から動く事は不可能だろう。再び、長い溜息が漏れた。
「ニンゲンって本当卑怯よね、道具使ったりなんかして……
そもそも、何?あんだけ色々持ってんだから道具の一つや二つで騒ぐなっつーのよ……」
既に止血は済んでいる傷だが、じんじんと滲むような痛みを感じる。
静かになればなる程に苛立ちが増す様で、座したままブツブツと愚痴の様なものを漏らした。
時が経ち、暗闇にも少し目が慣れてきた。辺りには何某か動物の骨が散乱している。腐臭の主はこれで間違いないだろう。
「これはこれは、ご愁傷様。どうせ死ぬなら食べられる肉くらい残しておいてよ、ねっ!」
足元に転がっていた骨を蹴飛ばすと、乾いた音が空間に響いた。
無残な亡骸、カランと跳ねるを眺めて、少し機嫌を良くする少女。
低俗な生活を続ける少女は、より弱く、醜く、惨めな姿を見る事で悦に浸る。それが、数少ない彼女の嗜好なのだ。
■セス > 地面へと寝転び暫く経つと、思考も感情も捨て、瞼を閉じる。
身体を休ませ、明日もまた生きる為。今は、疲弊した身体と傷を癒そう――
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音も立てず、地中より這い出る夥しい数の亡者の群れ。
ひらけた空間には、無防備に寝息を立て、寝入る少女。
亡者達の血走り泥の様に濁った眼が、少女へと目を凝らす。
芳しく香る、幼き肢体。瑞々しく、柔らかく、甘い肉。
舐メタイ シャブリタイ 吸イタイ 咀嚼シタイ 喰イタイ 喰イタイ 喰イタイ
垂涎する食欲の化身。続々と群がり、這い寄り、少女へと両腕を向ける。
四肢へ 太腿へ 会陰へ 腹へ 乳房へ 首へ 頬へ 頭へ……薄汚い手が伸び、そして――
ご案内:「仄暗い洞穴」からセスさんが去りました。