2018/04/15 のログ
ご案内:「宵闇の城キルフリート(過激描写注意)」にロザリアさんが現れました。
ロザリア >  
霧烟る、深夜のマグメール王国
今宵、城が出現したのは九頭竜山脈、その麓の小さな丘の上

重厚なる城門を抜けた先、暗闇に閉ざされた廊下
まるで死にかけの小鳥が鳴くような…か細く悲痛な声が響いている

取り落としたであろう松明は未だ僅かに灯った炎を揺らめかせ、
廊下にいる二人のシルエットを映し出している

ロザリア >  
冒険者…
年端の行かぬ少女のようにも見える顔は恐怖に引きつり、
自身の身体に巻き付き、棘を食い込ませて離れない蔦の中で藻掻いている

「蜘蛛の巣に掛かった蝶…とでも例えようか……」

そんな冒険者であろう少女を見下ろす、少女
その口から鈴の音のような声が降りかかる

「久しいな…貴様のような獲物は……良き血の香りがする…。
 ───生娘か? …くく」

少女の顎を、体温を感じさせぬロザリアの細指が持ち上げる
喉を鳴らして笑うその姿に、少女は確実に己に訪れるであろう死を感じたのか
身を震わせ、目を見開き───じわりと生暖かい液体で股を濡らしていた

ロザリア >  
「おやおや…」

その様子を見て、笑みを深める

血の味に拘るようになったのは、いつからか
交わりのない、汚れのない、無垢なる……
子供の血は実に美味、しかし深みが足りない
生娘、処女の血…月経を迎えた少女の血はそれ以上に格別である
そして更に、そこにスパイスが加えられる
それは恐怖…死の自覚といった、冷たく暗い負の感情

芳醇なワインも蔵で飲むよりは、素晴らしき夜景と共に頂くほうがより美味なものである

「頃合いであるな───」

少女の口を塞ぐように顔に蔦が巻き付きその白く細い首筋を露出させる

ロザリア >  
ぞぷ───

少女の悲鳴が止まるのと、ロザリアの小さな牙が突き立てられたのはほとんど、同時…
こくん、こくんと喉を鳴らし、少女の血を啜ってゆく
想像通り…若しくはそれ以上の味わい
潤いが満たされてゆく

──…悲鳴の止まった少女は死んでしまったわけではない
暴れさせていた手脚はだらりと投げ出し、時折何かに反応するようにぴくんぴくんと跳ね…
恐怖に染まっていたその顔は───まるで快楽に支配されたように蕩け、塞がれた口の端から犬のように涎を垂らして
その股座もまた、失禁したものとは別の液体が濡らしている

ご案内:「宵闇の城キルフリート(過激描写注意)」にルヴィエラさんが現れました。
ロザリア >  
静かに静かに、時が過ぎる

やがてロザリアは立ち上がり、その唇の端を白く細い指先が拭う
深く深く、吐いた息は熱を孕み、満足を得たそれであった

くるりとドレスを翻し、踵を返す…
直後、沈黙は破られ………

まるで壮絶な絶頂を迎えた後のように放心状態であった少女が苦しみ呻きはじめる
自身を縛る蔦はするりと引っ込み、自由になった手脚を苦しげに悶えさせて───

そして数刻、少女は冷たくなった身体を廊下へと横たわらせていた

「運んでおけ」

ロザリアが小さくそう呟くとガタガタと骨を鳴らしたスケルトンが数体現れた
少女を収めた棺桶を担ぎ上げ…廊下の奥、深い闇へと消えてゆく───

ルヴィエラ > (其の悲鳴が城の外に届く筈もなく、また、其れを聞き届ける者も居ない。
一人のかどわかされた娘が、一人の魔によって喰らわれた事実は
恐らく、誰にも知られることの無い話に為る筈、だったろう。
――ただ、今夜を除けば。)

―――……そろそろ、お邪魔しても良いかな?

(響かせる声は、骸骨が娘で在った者の身体を運び去って行った、後に。
室内に未だ姿はなく、まるで暗闇の中から届く様な其の音色。
けれど、もし彼女が、この城の主たる魔が許しを与えるなら
其のときは、まるで暗闇から浮き上がるようにして一人の男が姿を表すだろう

――或いは、もし許可が出なければ、其の儘、声だけが響く事に為る、が)。

ロザリア >  
「…今宵は客人が多いな」

翠の瞳を細め、闇を見つめた
その視線は敵意を孕んだものではなく…

「ここのところ礼儀知らずな客が多くてな…。
 些か突然でもある、城をあげての歓迎とまでいかぬのはまぁ許すがよい」

落ち着き払った少女の声が、闇へと向けられる

「吾は城主、ロザリア…。
 まずは名を聞こうか、お客人」

姿を現した男を一瞥し、その名を問うた

ルヴィエラ > ――有難う、何、突然の来訪に用意など求めないさ。

(――許しを得れば、影より現した其の姿。
城主たる彼女の前にて、居住まいを正し、ゆっくりと会釈を向ければ
穏やかな、其れで居て、少々の茶目っ気を含んだ微笑を浮かべ。)

私はルヴィエラ。
ヴァーンハイルの不肖の息子、と伝えた方が名が通るかな?

(何よりも先ずは、名を名乗る事で、来訪者としての礼を見せよう。
魔界へと篭っている魔族からの、己個人への知名度は然程高くは無いが
寧ろ、己が血縁たる魔界貴族――実の父親、その家名の方が通じるだろうか。
まぁ、もし彼女に知られておらずとも、別に構いはしない。)

本来なら、もう少し早くに挨拶へ伺うべきだったのだが…中々機会を逸してね。
丁度、城の気配がしたモノだから、こうして足を運んだと言う訳だ。

(ふふ、と、僅か首を傾けては、己の側は、彼女を知っていると暗に伝えよう
迷い込んだ訳ではなく、自らの意志で此処へ訪れたのだ、と)。

ロザリア >  
「ヴァーンハイル……。
 その名は知っているがルヴィエラという名を耳にしたのは初めてだ」

豊かな胸の下で腕を組み、視線を向ける

「挨拶とは、また殊勝なことだな」

本来魔族の国の辺境に位置する、宵闇の城
水晶の谷に囲まれたそこへ訪れる者など城下や周辺に住む魔族か、
それこそ気まぐれな魔王くらいのもの──
しかし続いた言葉に、納得を得たようにその眼を丸く開いた

「人間の国に現れた門から訪れたのか。
 ふ──ははは、魔族がわざわざそちらから入城するとはな」

───人間の国に常在しているのか、たまたまだったのかはわからないが

ルヴィエラ > ふふ、だろうね、私個人は生憎、名を広める様な事もしていない。
父の様に、此方側にまで名を知られるほどでは無い様だ、今も変わらずね。

(其れでも、家名を知って貰えている、と言うだけで十分ではある。
本来ならば、今の様に歓待なぞ受けず、追い出されていても可笑しくは無いのだから。
魔族の領地から訪れれば、恐らく苦にはならず、この城を訪れる事が出来るのだろう。
けれど、人の住む地から訪れた己にとって、時々無作為に開く『門』を探すのが
最も手っ取りばやく、そして、何よりも判りやすいのだ。)

私の様な、魔族からも変わり者と呼ばれるような輩には
生憎、此方側から門を潜るのが都合が良くてね。 さて…其方にとっては珍客やも知れないが
どうか、以後お見知り置きを、御願いしよう。

―――白薔薇の君。

(――そう、人の世に常在し、移り住んでいる己ですら知っている、其の名。
其れは決して皮肉ではなく、純粋にソウ覚えているのだと、あくまで礼をもって接すれば
――ふと、相手のそばに、まるで招くように、影で形作られた椅子を作り出して
どうぞ、と、腰掛けるように、促すだろうか)。

ロザリア >  
「──成程。此方のことはよく識っているようだ」

白薔薇の君、そう呼ばれればやや斜に構え、流すような視線を向け直す
長く纏められた髪の一房を指で弄び遊びながら、再び口を開き…

「名家の血統を驕らず、変わり者と呼ばれることも受け入れる…。
 はは、珍客も珍客であるな。よいぞ、その名を覚えておこう」

瞳を伏せ、静やかにそう言葉を返す
変わり者……
そう呼ばれる者は、この場に二人
少女もまた覇権に興味を示さぬ故、魔王達からはそう呼ばれる存在であった
故に、どこか距離の近い何かを感じたのかもしれない
無論そんな素振りはその表情にも佇まいにも現れはしないのだが──

「気を使わせたな」

一言そう零し、促されるままに影が形造る椅子へとゆったりその腰を下ろして

「茶の一つでもと思ったが、この場所でも構わぬのか?」

渡り廊下、暗い雰囲気ではあるものの蜘蛛の巣一つ埃の一粒としてそこにはない
自らが噛んだ者達を僕とし、その数も多数…綺麗好きな城主の元、城の手入れは行き届いているのだろう

ルヴィエラ > ハハ、貴族の放蕩息子が比較対象には為るまい?
少し世間様の知識が在れば、其方の名を聞いて感じぬ者は居ないだろう。
嗚呼、とは言え、美辞麗句で御機嫌を伺いに来た、と言う訳では無いのだが。

(訪問の目的は、決して必要以上に他意の無い挨拶に在る、と。
そんな事を付け足しながら、礼節を弁え、けれど其れで居て堂々と相対する。
己が作り出した影の椅子へ、相手が腰掛けるのを見れば、ゆっくりと詰める距離
相手と、小さなテーブルでも囲める程度の距離にて
己もまた作り出した椅子へと腰掛ければ、軽く脚を組み。)

嗚呼、私にはお構いなく。
私は場所を選ばぬ性質だが、移動が必要で在ればその様にしよう。
何、疚しい話しをする訳でもない…勿論、そう言った話がお好みならば吝かではないがね。

(ここは、彼女が領地、彼女が城。 故に、彼女の権能が最も強く振るえる場所だ。
手入れの行き届いた城内、其の間取りを己が把握している訳でも無く
もし、廊下でのやりとりが意にそぐわぬのならばと、相手の意向に合わせる所存で)。

ロザリア >  
「放蕩息子、か。
 しかし貴様の親などは名こそ知っているが吾に挨拶など訪れていない。
 その時点でルヴィエラ、貴様がヴァーンハイルでもっとも吾が評価する男となった。
 必要以上に自分自身を安く語るのは打算か?それとも性分か」

自分を指し放蕩息子などと語るルヴィエラに優雅な笑みを向ける
なかなかに面白い男であると、そう思ったのだろう
椅子の上で姿勢は緩やかに崩し、尊大な物言いもどこか固さを感じなくなってゆく

「何、此処はいわゆる通路でな。
 この時間、門は開放しているからな。人間のハンターなぞが闖入してくるやもしれぬ、と。
 そう思ったのだが、ふむ……それも一興かもしれぬな」

逆に、こんな場所に鉢合わせる侵入者がいたとしたら…
それは恐ろしく運の悪いものということになるだろうか

「吾も饗しの場を用せぬ、立ち話も同然とあらば気取ったことなどは言わぬ。
 クク、疚しい話? 好みかどうかは想像に任せるが、久しく人目を憚るような会話を交わした記憶がないな…」

吸血姫ロザリアのエメラルド色の瞳はまるでそれ自体が発光しているかのように、
暗い廊下口でもはっきりと見て取れる。そんな視線を、男へと真っ直ぐに向けていた

ルヴィエラ > おや、其れは随分と嬉しい評価を頂けた物だ。
ふふ、自己評価など下げて置く方が何かと良い物でね。
自尊心の高い貴族連中は…おっと失礼、虚栄心が満たされて機嫌が良くなる輩も多いのだよ。
どうやら、貴女は違う様だが。

(まるで、思わず失言が飛び出してしまった、と言う態で口元押さえて見せるが
こう言った丁寧な物言いこそが、道化の仮面で在ると言う事を、先んじて相手に伝えよう。
一種の社交術の様な物であると説明しながら、先刻よりも、多少砕けた笑みを向ければ
今度は相手から紡がれる、この城の委細に納得した様に頷きを見せて。)

……成る程、其れは確かに。 私は、そう言った輩も割合楽しんで迎える性質では在るがね。
だが、疚しい話と為ると、迷い人が無事に帰れる保障は無くなってしまうかな?

(――どれだけの腕を持つ狩人だとしても。 迷い込んだ時点で、其の命の灯火は風前に等しい。
己が手を下さずとも、城主たる彼女へと、其の刃を煌かせる事さえ至難だろう。
もしも実際に居たとて――先ず、この場へ辿り着けるかさえ怪しいのだが。

ふと、何処か虚空から、一枚の紙を取り出しては、彼女へと放る。
風に乗り、ひらりと其の胸元へ辿り着くだろう其処に記されているのは
己が「人の街で」経営する、人も魔も問わず入り乱れる、娼館の事
形こそ違えど、そして、目の前の彼女にこそ及ぶ物ではないにせよ
其れが在る意味で、己が城の様な物だと、そう簡潔に説明を紡いでは。
暗闇の中、己を見据えるエメラルドの色合いを、此方もまた、ルビーの如き瞳で受け止め、見詰め返し。)

―――そんな場所を、人の街に作ってから少々経つ。
何、私個人の趣味と趣向、其れに居心地と言う物に合わせて好きにしているだけだが。

白薔薇の君は、こう言ったものには、余り食指が動かぬ性質かな?

ロザリア >  
「…クク、どうかな。吾も今の地位にはそれなりに執着もある。
 無論、媚び諂う言葉に優越を覚えるような安い精神を持ち合わせてはおらぬが」

言葉を交わし、少しずつ見えてくる相手の男の性格
その出自をたどればどう育てばこのような後継が育つのか興味すら抱く
今宵それを彼が語るようなことは、ないのだろうけれど

「何、疚しい話を立ち聞きせずとも吾が城に踏み入れば無事帰る保証などない。
 此処は蜘蛛の巣、いや食虫植物の腹を言い換えても良いな…」

古の城そのものが吸血鬼である宵闇の城キルフリート
この城を手懐けたのは随分の過去のこととなるが、此れもロザリアの面白い玩具の一つである

「──ほう」

揺らぎ送られるその紙を中空で捕え、視線を注ぐ

「…くふふ、吾は出不精である故な。
 ふむ、こうやって城を構え、人の中で生きているのだな。
 ヴァーンハイルの他の者は、口煩くはないものなのか?」

むしろ興味を惹かれたのはそちらだった
放蕩息子と事象する男であれ、血を継ぐものには違いがない
名家であるならば連れ戻されてもおかしくはないものだ

ルヴィエラ > なぁに、地位に執着を持つ事を、断じる心算は欠片も無いがね。
問題は、其の執着の仕方が少々安っぽく感じるか否か、だ。
王、城主、領主、上に立つ者は皆少なからぬ責務を抱く物だ、僭越ながら私もそうだからね。

(だが、其の地位を、自らの立場を再確認し、再認識して優越感に浸るにしても
多少なりの品性と言うものは、持ち合わせていて損は無い、と言った次第。
この話は内密に、と、人差し指を己が口元に押し当てて、軽くウインクして見せれば。
一度彼女から視線を外し、廊下ひとつ、されど荘厳な造りの建物を一度、ゆるりと見回して。)

一度捉えれば出る事叶わず、ゆっくりと融かされ、やがて養分と為る。
なるほど、吸血の姫に相応しい、まさに魔城と言った所の様だ。
其れに比べれば、私の居所は聊か俗っぽさに塗れているやも知れないがね。

(――この城ひとつが、単純なる物質ではなく、巨大な力を持った生き物。
吸血城、とも呼べる其の中に入って、普通の人間が無事で居られる筈も無い。
素直に、簡単と賞賛を覚えるのは、そんな強大な城と言う存在を、主として認めさせている彼女にだ。)

―――……幸いながら、我が敬愛する父君も、昔から放蕩で有名だった物でね。
本人がまだまだ現役だと言うのも在って、私は気侭に過ごしていられるのさ。
まぁ、家臣や周りの者は、色々と言いたい事も在る様だが。

(ヴァーンハイル家は、少なくとも今の所は、己の不在でも揺らいではいない。
ただ、そんな己の自由さを許容しているのは、他ならぬ当主である父であり
父がそうで在るからこそ、他の者も一切口を挟まぬのだろう。
――ただ、そんなであるから、己はもう、暫くは故郷へと帰っていないのだが)。

ロザリア >  
「人の世に在るモノであろう? 俗に濡れて然りであろうよ」

そう行ってクスクスと笑みを返す
どこか人間を見下した物言いをするのは魔族且つ一城の主である故か、はたまた…

「成程、父君譲りということだ。
 敬愛する、ということはいずれは同じ道を歩むのであろう?
 そうなった暁には、互いによい関係でありたいものだな」

他所の魔王や魔貴族なぞついぞ相手にする気もないが、
こうやって律儀に挨拶しにやってくる者ならば、話は別だということだろう

ルヴィエラ > はは、だがそう言った連中と会話を交えるに至って、学ぶ事も無くは無い。
例えば…こうした挨拶回りが、如何に疎かにしては為らぬ物か、とね。

(魔族の中にも、其れは通用し得る話しだ。
人間よりも余程、個人の力と言う物が重視され易い中で
所謂横の繋がりと言う物が、存外疎かになる事は多い。
己が父の場合は、単純に其れが自分にとって必要か
其れとも不必要かで、はっきりしているだけでは在る、が。)

さて、其れは其の時に為って見なければね。
慎ましやかとは言え、私も居を構えている身だ、其の時、居心地の良い城に身を置くのが自然とも思うが
そうなるやも知れぬ、と言う可能性は見据えている。

其のときは、また改めて挨拶に参じるとしよう。

(自らの都合だけで声を掛けて来たとて、他者は動かぬ、動かせぬ。
其れを判って居るからこその、こうした挨拶周りでも在るのだ。
そして――其れを踏まえた上で。 彼女が手にした娼館の紙を示しては。)

――もし、此方側に用が在るなら。 或いは、何か困り事が在れば。
恐らく、人の世については、私が力になれるだろう。
必要なら、おいで頂ければ、丁重に持成させて貰うよ。
勿論、ただ、興味本位で訪れてくれても大いに歓迎、だがね?

ロザリア >  
「いずれ来るやもしれぬ…その時を見据えつつ、か」

楽しんで生きているのだろう
そういう雰囲気が伝わってくる
陽の当たる世界で、夜闇の存在が生きる
自分自身には、考えもつかない世界である

「ほう」

そして投げかけられた言葉
人の世において、力になれること───

「…前向きに、考えさせてもらうのも良いな。
 何、引き篭もっているにも些か飽きた。散歩も良いものだ」

興味は尽きない
こうやって待っているよりも良き血が溢れている場所なのだから───

ルヴィエラ > 私達の様な存在にとって、人の存在は必要不可欠。
ならば、見聞を広め、人の世を見る事に得こそ在れど、損は無い。
――父が私を放任しているのは、そんな理由も在るのだろう。

(だが、其れはあくまで、己が未だ「放蕩息子」で居られるからだ。
彼女の様に、既に地位を持ち、率いる立場となれば、中々そうは行くまい。
――だが、だからこそ。 だからこそ…己の側からは、誘うのだ。
放蕩するのも、悪くは無いぞ、と。)

其れなりに人の世で、財も立場も得ているのでね。
入用であれば顔が利くだろう、或いは、私の店で在れば気軽に出入りして貰って構わない。
ふふ、貴女ほどであれば心配無用かも知れないが、有事には駆け込んで貰えば対処しよう。

嗚呼、ただ娼婦達への意地悪は、程ほどに御願いしたいがね?

(くすくすと、あくまで戯言めいて、では在れど、それだけは伝えて置こう。
己が店の娼婦達、少なからず其の中には、己が血を繫がった娘達も混ざっていると。
純潔では無いにしても、己が血を受け継ぐが故に、吸血したとて眷属には堕ちぬだろう
――逆に言えば、そう言う目的で訪れても、対応は出来る、と言う事でも在るのだが)。

ロザリア >  
ルヴィエラの言葉には、羨む面がいくつもある
だが彼と自身の大きな違い……それは、ロザリアは人間を憎悪…嫌っているという点だろう
放蕩するにも魔族の国に中だけでは庭を散歩するのとそう大差はない
新しく見聞を広めるなど───

「く、はは。吾が求めるものとなれば血となってしまうからな。
 それ貴様のものを横取りする形となる、礼を払う貴様のこと、そのような真似はせぬ」

戯言めいた言葉には笑いをもって返す
──そしてそれを進言するその雰囲気から…言葉に力もまた、感じた

「こうやって挨拶にきてもらったのだ、そのうちお邪魔させてもらうとしよう…手土産でも持ってな。
 ──そういった間柄のほうが、望ましいであろう? それとも───」

どちらかがどちらかを支配する、魔族然とした間柄も好まぬことではないのだろうか

「無粋であったな。今はそれでよいか」

ルヴィエラ > (必要であるからこそ、同胞たる魔族と等しくして、人を愛している。
とは言え、其れは人間たちが一般的に考える愛とは異なる形だが。
ただ、其れを相手に強制する心算も、押し付ける心算も無い。
己はあくまで、そう言った場所が在ると、彼女に友好的で在ると示すだけ。)

勿論、そう言った顧客も居ない訳では無いのでね。
気遣い頂ける事には感謝、だが、万が一餓えた時には、御遠慮無く。
娘では物足りぬと言うのなら、男手も用意させて貰おう…気が迷われたら、私でも。

(ふふ、と、また戯言めいた語調でそんな事を告げるけれど。
相手が何れ、と言葉を携えるなら、改めて座った儘ながら、会釈で礼を示すだろう
――其の、最後に連ねかけて途切れた、言葉の先は。
顔を上げた其の刹那、悪戯っぽい微笑を向ける事で、ひとつの応え、と。)

先の事は誰にも。 ただ、今は城主で在る貴女への敬意を、館の主として。
――個人的には、是非口説き落としたくは在るのだけれどね。

(最後に、其れまでの社交的めいた言葉ではなく――もっと砕けた、軽い調子で
城主へと向けて、この城の中で、そんな言葉を紡いで見せるんだろう)。

ロザリア >  
「──クク、同族の血というのも甘美ではあるのだがな」

さて、戯言の応酬にも聞こえるがその真意は見えも隠れもしない
とはいえ、こういった流れになればそれを突っついてみるのも面白いが……

「吾を口説こうとするならば、魔族の中では貴様が初めてであるな」

愉しげに、笑ってみせた
それは口説かれることへの期待というよりは、どういう趣向を凝らしてくるのか…
そういったものへの好奇心からのようにも思えるだろうか

ルヴィエラ > 私の血が美味か否かは、私自身には判断しかねるのが難しい所。
何せ、吸われた経験は無い上に、味を評価された事も無いのでね。
なので、其の時は是非、忌憚無き意見を頂ければ在り難い。

(――其処に忌避感は無い。
其れは、奪い、貪り、同時に与え交わす、夜魔としての性質も在るのだろう。
ふと、椅子から立ち上がり、相手の傍へと歩み寄れば、其の傍らへと片膝を付く
背丈だけで在れば、其れで凡そ座る彼女と同じ位の目線と為るだろうか、其の中で。)

―――何せ、私は夜魔…インキュバスと言う存在で、目の前に美しい相手が居るのなら
其れは寧ろ、声を掛けねば嘘という物。 ……そう言えば白薔薇の君、参考までに、求婚された事は?

(演技めいた、真面目腐った視線を向けた後で、のんびりと表情崩す差。
ついでに、とばかり此方から、今宵初めて問いかけた相手への言葉が
口説かれた、と言うよりも、もう少し踏み込んだプライベートな話に)。

ロザリア >  
「恐れはしないのだな」

噛まれること───
同族では効果が薄いことはあれど、グールと化したり、理性を奪われる例がないわけではない
興味本位でそんな言葉を投げるこの男の血は、それだけの存在強度をもつのだろう
名家の血筋は伊達ではないということか

……立ち上がり、自らの側へ寄り膝をつく
その所作を翠の視線が追い眺める

「成程、夜魔…淫魔と呼ばれる類の者であったか。
 ──さて、長き時の流れの中で忘却しているのでなければ、吾の眼鏡に叶う者はいなかったな。
 人で在った頃の心も停止した時の中で凍てついている。人の子のような暖かな感情を持つことも、あるまい」

ルヴィエラ > えぇ、ですが、傲慢で在る心算は。
貴女に捧げる事、それ自体は寧ろ、光栄な事でも在るのでね。

(――眷属として、自らを制圧され、変質させられる。
彼女が、吸血鬼が吸血鬼たる所以でもある其の力を、見縊った事は無い。
己が其の影響を受けない、と言うのは、己にとっては幸いな事なのだ。
其れが、己の中に在る「与える」部分を満たしてくれるのだから。

――彼女からの返答を、聞いて、一度頷けば。
両掌を舞い上げ、それから、叶うならば相手の掌を包み込もう
己が掌の温度を、其の指先に、手の甲に伝えては。)

―――……なら、其の凍てついた心を融かす事…是非、目指す事としよう。
眼鏡に叶わなければ、あっさり却下されてしまうかも知れないが、ね。
それだけ、貴女は『揺さぶってみたい』魅力に溢れている。

(――其れを、相手が望むか否かは別だ、が。
凍てついたと言う其の心に、僅かでも熱を灯せたなら…実に、愉悦だと思う。
頭を垂れ、ゆっくりと口付けを寄せるは、其の手の甲へ
何の変哲もない、唯の口付け。 けれど、其れがもし触れたなら
其の刹那、其の肌から肩の辺りまでを這うような痺れが――遡る魔力が
ほんの少しだけ、彼女を驚かせる、やも知れない。

それが、僅か一瞬駆け上った其れが
悦、であると認識できるかは、判らないが)。

ロザリア >  
光栄である、心を溶かす───
面白いこと。そう思えることを次々に言葉として投げかける目の前の男
それも夜魔としての嗜み

「揺さぶる……ふふ、面白いな、貴様は…」

重なった手、ロザリアの手は死人の冷たさを思わせる
ゆっくりとゆっくりと、その手の熱を奪ってゆく、白雪のような

「今までそうやって吾に触れようとするものなどいなかったぞ」

口吻すらも受け入れる、冷たい冷たい、その手の甲に

「……ッ ……?」

ぞくり、と感じるそれを不可思議なものとして、僅かに眼を丸くする

ルヴィエラ > そう思って頂けるなら僥倖。
面白い、今の私には此れ以上無い褒め言葉だ。

(――触れた掌は、まるで凍えた様な冷たさ。
初めこそ双眸細め、けれど、直ぐに己が体温を分け与えるのだろう
奪われるのではなく、己から捧げる、のだ。
其れが白雪であるならば、ゆっくりと、時間を掛けて溶かそうとする様に。)

他と同じでは面白みもないだろう?
……なら、せめて私が、させて貰おう…最初に、ね。
貴女の中に、少しでも私を残せるのなら、其れこそ本懐と言う物だ。

(――そっと、口付けを触れさせたばかりの箇所を、親指で撫ぜる。
其処に微かに残る感覚を、馴染ませる様に円を描き
それから、此方を見やるエメラルドの瞳を見据え、ふ、と笑ってから。
再び、ゆったりと口付け、今度は、先刻よりも長く唇を触れさせ。

――其処から、今度は先刻よりも確かな。
肌を這い登り浸食する様な――確かな、悦が。
全身に巡る魔力回路を道筋に、其の腕から徐々に広がる、か。
もし、口付けを続けさせ、受け入れ続けるなら、手の甲から全身へ伝播する其れが、其の果て
胎の奥底にまで到達せん、と)。

ロザリア >  
「───っ、む……待て───?」

甘い痺れが訪れる

同時に感じる、成程名乗った通りに、彼は

「少々、好奇心が過ぎたようであるな…。
 悪いが今宵はここまで、だ……」

届いた快楽信号は少女の薄腹の奥深く
───ずくん、と一瞬疼く身体を震わせる

「………っ……」

頬に僅かに朱が差したような───翠の瞳がゆらりと揺れる

ルヴィエラ > ―――……ええ、待ちますとも。

(紡がれる声音に、口付けは素直に離れる。
先刻よりも深くまでを侵した快楽の残滓を、先よりも其の身に余韻として残しながら
再び、彼女の、其の顔を見上げて――楽しげに、ふふ、と笑んだ。
僅かに震えた身体、其れが包み込む手指に伝われば、其れだけで今宵は十分だ
其の掌を、そっと離しては、ゆっくりと立ち上がり。)

―――……それでは、今宵は此処までに。
悪戯が過ぎましたら、御許し下さい、白薔薇の君。
また何れ――次は、私の住まいにて。

(紡ぐ声音は、一礼と共に。
反して、故意犯の如き其の表情は、全く反省している様子は無かったけれど
ともあれ、其れ以上の「無礼」は働くまい、今宵は挨拶なのだから。
此れで終わりだ、と、今宵の終幕を伝えたならば
そっと、己が座っていた椅子を影へと溶かして――其の儘、ゆっくりと闇に向けて、歩みを進める、か)。

ロザリア >  
「───う、うむ…」

僅かに上擦った声
小さく上下する胸
少しだけ『普通ではない』──そんな状態を晒して……

闇に背を向け、消えてゆく
──夜魔、ルヴィエラ、凍りつくこの身に火照りを与えた男の背中を見送った───

「………っ、ふ……」

息づいた、その吐息は僅かに色めき、熱の籠もったものだった…かもしれない

ご案内:「宵闇の城キルフリート(過激描写注意)」からルヴィエラさんが去りました。
ご案内:「宵闇の城キルフリート(過激描写注意)」からロザリアさんが去りました。