2018/02/05 のログ
ご案内:「貧民地区 どこかの廃教会(過激描写注意)」にルナシイさんが現れました。
■ルナシイ > ――貧民地区。
治安が悪い所だったり、既にさびれた家が並んでいたり。
そんな場所で犯罪など起こしても、闇に消える事も多かった。
そんな地区で決して大きくはないが教会...だったかもしれない建物。
「...血が抜けすぎたかな。それに、寒い。」
この地区に相応しくないとても小さい少女がポツリと呟いていた。
見た目こそか弱いが、その周りには盗賊なのかごろつきなのか。
どっちにせよ等しく赤いプールになっていた周りで座っている。
こんな状況を見れば、少女は人間ではないと思えるだろう。
しかし...どこか寂しそうな顔をしていた。
■ルナシイ > 「自分で...決めた道なのに」
私は化け物だ。これは事実。変わらない。
それを望んだのも私。『自分』に言い聞かせるように心の中で。
何度も何度も。
寂しい思いはもう、しない。だって夫がいるから。
こんな私を受け入れてくれた彼がいるから。
でも、それでも...。
「そっか...怖いのかな、私。」
現にこの「プール」を作った張本人は私だ。
何故か...しつこく不定期に仕掛けてくる連中だったもの。
こいつらがいる限りは安心できない。堂々と貧民地区を抜けれない。
...一番の恐怖は、最近楽しさを覚えてしまいそうだから。
こんなんじゃ顔もむけれない...だから、ワザとすれ違ったりした。
「...せめて、普通に誰かと話せないかな」
人に限った訳では...浮気とかではなく...とブツブツ喋っている。
ご案内:「貧民地区 どこかの廃教会(過激描写注意)」にノーチェさんが現れました。
■ノーチェ > 仕事の合間の空き時間。
店で過ごすには懐が寒い。
外で過ごすには空気が冷たい。
そんなときは空いている建物に適当に上がり込むことにしていた。
本来は不法侵入に当たるだろうが貧民街ではよくあることで。
「…おいおい、なんだこれは。」
入り込んだ先にはチンピラの類が居たりすることもよくあるのだが、今日はいつもと勝手が違った。
チンピラと思われる連中が一人二人ではない数で倒れており、周囲は血だまりとなっていた。
その中に居る一人の少女。
とりあえず話を聴くことにしよう。
「えっと、何があったんだ?」
俺は少女の周囲に転がっている死体へ視線を向けながら訪ねる。
背後で木製の扉が閉まる音がした。
■ルナシイ > 何分経過しただろう。
考え込んでいても仕方ないか、でも――
そんな、無限ループにも思える様な思考を繰り返していた。
「コレの処理どうしよ...」
そう呟いた矢先。
――扉の音がする。同時に男性の声もする...一人。
戦闘直後だったせいで、音にはかなり敏感になっていた。
新手か。私は良く使う包丁を隠しながら戦闘態勢を取る。
「...だれ。...答えないなら。」
あいにくクロスボウの矢は尽きていた。
こいつ等と一緒の連中なら、同じようにすればいいのだ。
殺気を立てて、睨んでくる。
■ノーチェ > 「おいおい、物騒だな。
俺は通りすがりの貧民だよ。
別にそいつらの身内でも官憲の類でもねえから心配するな。」
やべえな、この惨状を作ったのはこの少女のようだ。
返答次第では俺もあそこに転がっている連中の仲間入りだろうか。
とりあえず、向こうが話の通じる相手であることを祈ろう。
少女の武器は恐らく刃物か何かだろう。
ひょっとしたら飛び道具の一つも隠し持っているかも知れないが。
俺はとりあえず両手を上げて敵意が無いことをアピールしてみせた。
が、言って聴かない相手ならどうにかする必要があるだろう。
■ルナシイ > 「...ほんとう?」
どうしよう。どう説明する。
完全に私が作った状況だと言わんばかりになってしまった。
いや、作ったのは私...なのだが。
翼や角は前もって隠した。まだ安全じゃない。
獲物は...剣の類。
服装は一般的な物だろう...。
それは問題じゃない。この人、勘だけど多分...強い。
場合によっては...ううん、穏便に済ませよう。
話合いを考えてはいるものの、警戒は取らずに近づく。
■ノーチェ > 「ああ、だからあんたをどうこうする義理は俺にはないし、
あんたが俺を攻撃してこない以上俺からも何もしねえよ。」
表通りならともかく、このエリアではこういった光景はそれほど珍しくなかった。
なので今確認すべきことは相手が敵かどうかだ。
そして、俺はこんな何も準備していない状態で得体のしれない相手に挑めるほどの腕も勇気もない。
「まあ、いつまでも上げっぱなしは辛いから下げさせてもらうぞ。」
少女がこちらに近づいてくる。
どうやら向こうもこちらを恐れているようだ。
とりあえず、俺は両手を下げてから血が飛んできていない長椅子に座ることにした。
「今日は寒いからな。 仕事が始まるまでここで時間を潰そうと思ってな。」
俺がここへやってきた理由を口にした。
■ルナシイ > 「...分かった。」
私は包丁を収める。向ける必要はない。
この光景を見ても驚かない様子だと、やはり手練れか。
それに、まだ相手の事を知らない。正体を明かすのは...。
「うん。」
確かに、ずっと上げるのはキツイだろう。
「...寒いのは分かる。他の場所があると思うけど...?」
かなり謎に感じる...。モノ好きなのだろうか?
■ノーチェ > 隠していた得物らしきものを隠した。
戦闘は回避できたようだ。
俺は白い息を吐く。
「この近くで夜に仕事があるんだけど、ちょっと時間が空いてしまってな。
家に戻るのは面倒だし、店で過ごすには金が要るだろう?
そういう時はこういうとこで暇を潰すことにしてんだよ。
たまに今日みたいなことに出くわすこともあるにはあるんだが、貧民街で暮らす以上仕方ねえし。
しかし、あんた強いんだな。 こいつら一人で片付けたのかよ。」
転がっている連中は武器の扱いに長けたわけでもないだろうが、手には一応刃物類は持っていた。
それを一人で殺ったとなれば相当の使い手だろう。
「それはいいとして、あんたこそなんでこんな所に?
ここはあんたみたいな可愛い娘が一人で来る場所じゃないぞ?」
■ルナシイ > 彼は何もしてこない。
とりあえずの、戦闘は避けれた様だ。
「...そう、なんだ。
私も、あんまり...お店には行かない。
一人で、「お掃除」したの。...そんなに、強くない。」
とって付けたような嘘を言ってるようにみえない。
私の勘もあってか、連中をコテンパンにする姿が想像出来た。
私よりずっと強さは上だろう。
「...探し物。これ以上は言えない。」
やっぱり怖い。この人はきっと人間だろう。
突き出すに決まっている...。
初対面だから、ではない。私自身の経験からだ。
質問を拒否した少女の顔は、まだ警戒している様子で。
■ノーチェ > 「おまえさんもあまり金がないって感じか?
貧乏は辛いよなあ。
いや、そこは謙遜しなくていいんじゃないか?」
戦闘を避けれたとあって俺の方は気を使わないことにした。
一人で時間を潰すことがなくなってむしろ楽しい。
「なんだよ。 あまり人には言えない感じか?
俺は何でも屋を生業にしていてな。
人には言わねえから話すだけでもしてみたらどうだ?
手伝えることがあるなら協力してやるしよ。
多少のことなら驚かないし、官憲に通報したりもしねえよ。」
これも何かの縁だ。
少し思いつめた様子の少女に耳を傾けよう。
■ルナシイ > 「...貴方の方が強い。」
少しだけ気を緩められそうな気がした。
悪い人でなければ、安心するのだが。
「...何でも屋。
話したら...貴方はどうする?
手伝う...?いや、ダメ...これ以上巻き込むのは。
え、あ...多少...う...」
混乱してきた。私の姿はまだ少女にしか見えてないのだろう。
...きっと、戦闘態勢を取る。
逃げる事はせずに、とどめを刺してくるかもしれない。
だが、小声で私は喋ってしまった。
「...わたし...人、じゃないから」
聞こえたなら。さっきよりも、暗い印象を受けるだろう。
■ノーチェ > 「そうか?
まあ、準備出来てておまけに不意を突けたら俺の方が強いかもな。」
てんで自慢にもならないのだが、ドヤ顔をしていたことだろう。
「どうするって、話は聴くだけだ。
勿論、俺が協力できる内容であんたが望むなら協力はするぞ。
巻き込むってなんだよ。 こんなとこ見せておいて今更何遠慮してんだ?」
椅子の上に両足を載せ、凝った肩を動かしていた。
「まあ、そりゃそうだろうよ。」
そんな小さな体系で屈強な男達を何人も始末できる人間である方が驚きだ。
少女の告白は想定の範疇であり、むしろ安心できる位だ。
「で、あんたは何者なんだ?」
■ルナシイ > 「...そう。」
ドヤ顔と、言うものだっただろうか。
やはり自信はある様子に見える。
「...う。
そんな...関わったら、良くない。
ぐ...全く、その通りだけど...。」
そうだった。正直に話してしまっていた。
その上でこんな光景をみせて、平然と帰ってくれるわけはない。
...想定する事が起きたら、その時はその時だ。
震える声で答える。
「...半魔。
ただ、の。...ばけもの。」
その上で、私は覚悟を決めて。
「...来るなら。本気でかかってきて。」
跳躍し、いきなり距離を取った少女には。
人には生えない黒い翼と角。定期的に動いている尻尾が。
殺気よりもそれ以前に、かなり混乱しているように見える。
■ノーチェ > 「何を一人でぶつぶつ言ってるんだ。
溜まってるもん吐き出してみろよ。」
少女が段々と様子がおかしくなる。
何やら思う所があるのか。
それとも何らかの衝動でも湧いているのか。
「そうか、別に驚く程ではないけどな。」
この国では人以外は幾らでも入り込んでいる。
隣近所がそうであってもおかしくないのだ。
「…なんだ? 俺にタイマンでもはれってのか?
俺はそういうのは苦手なんだけどな。
仕方ない。 やばくなったら途中で逃げるから期待するなよ?」
どうやら少女の求めている物は闘争のようだ。
俺は正面きっての戦闘になってしまった事実に溜息をついてから
腰の独鈷を取り出す。
先日、退魔の力を持つとしてわざわざ北の帝国まで出向いて手に入れた品だ。
両手で持ち、力を込めると神性を示す光の剣が姿を現す。
「怪我してもしらねえからな。」
俺は長椅子から飛び上がると、後方へ跳躍した少女の元へと駆け寄った。
まずは小手調べと少女の目の前を掠る程度で右から左へと薙ぎ払う。
かかってこいと言う割には殺意は感じられず、それ以前にまともに体が動くかも怪しい少女。
少女が動けなければ、服を少し切る程度で済むことだろう。
■ルナシイ > 「...う。」
最近、戦闘直後は体がおかしくなる。
望んでもいないのに。
ああ、どうしようか。
「...驚かない、んだ...ね。」
予想はしてた。強い人なら、尚更。
そんな連中と一杯会ってるはず。
国としても珍しくはない。
「...!」
つい、ついだったのに...もう、ダメ。
これじゃあ私は戦闘狂だ。
収まるまで、どうにかしないと。
...何かすごそうな剣だ。受けちゃいけない。
「...っ...はや...っ!?」
思う様に動けず、それでも抑えられない。
薙ぎ払いを避けようと動く。
私はとっさに腕をクロスして剣を受け止める。
服は切れて、両腕の隠していたガンレットが見えてしまうだろう。
その直後に、崩れ込むような形でしゃがんでしまう。
■ノーチェ > 「この国でこのエリアだぞ?
人外の連中もそこら中に居るものだ。
今更一人や二人見つけても驚きはしねえよ。」
俺の関心はそんなことよりも彼女の不安定な言動だ。
さきほどまではこちらを恐れていたと思えば今は逆に血を求めるようだ。
魔族としての一面が表に現れているのか、それとも別の要因か。
血まみれで転がっている連中もこんな状況でやられた結果だろうか。
「おいおい、下手に動くなよ。」
光剣は魔の者を容赦なく切裂く。
下手をすれば彼女の両腕が吹っ飛ぶかと思われたが。
両腕に仕込んでいたのであろうガントレットが剣を受け止めていた。
彼女がその場で膝をついたので、剣を消し独鈷を腰へと差し直した。
「大丈夫か?
怪我とかしてねえだろうな。」
俺もその場にしゃがみ、彼女の顔を覗きこむ。
「あれか、人を見ると切りたくなるタイプかあんた。」
■ルナシイ > 「...」
そんな事は、私だって知ってるんだ...。
驚かない事だって...でも...。
私はそれでも化け物なんだ。
何も言い返せないまま黙り込んでしまう。
「...ふつうの、じゃ、ない...ね...」
いずれ交換せねばと思ったが、ガンレットが外れて落ちる。
その剣の一撃を受けて、壊れてしまったようだ。
「怪我は...してない...。」
大きく横に首を振り。
「...怖い、だけ。」
■ノーチェ > 「とりあえず、そのガントレットに感謝だな。
無ければ腕が斬れてたぞ。」
再生能力がある者もいるだろうが、少女がどうかは分からない。
足元に落ちたガントレットは金の音を響かせた。
少女も怪我はないようだ。
この場を双方無傷で納めれたことに俺は喜んだ。
「何が怖いんだ?
言ってみろよ。
ここまでどっぷり関わったんだ。
知らんぷりはできんだろ。」
■ルナシイ > 「...新しいの...考えなきゃ」
これまでずっと使っていた装備だったのに。
一撃でぶっ壊されるなんて思わなかった。
剣もそうだけど...この人も十分おかしい。
壊れたガンレットを投げ捨て、白い肌がちらりと見える。
肌自体には、傷一つないようだ。
「...ひとが、こわい。
その連中も、追手として、来たの。
何人も...返り討ちにしたのに、諦めてくれない。
私はただ、静かに暮らしたいだけなのに。
...力が要らないとは言わないけど。」
吹っ切れた様な口調で、説明する。
戦闘をする気はもう無い様に見える。
「優しい人がいるのは、わかるんだけど...ね」
■ノーチェ > 「金さえ用意してくれるなら俺の方で
新しいガントレット仕入れてくるぞ。」
流石にタダで用意できるほど懐に余裕もないが。
実戦投入は初めてだった独鈷が思わぬ威力を示したことに顔には出さないものの驚いていた。
とにかく今は少女が傷つかずに済んで良かった。
「それなら、元を絶たないとな。
それとも別の場所に住むことだな。
お前さんが望むのなら引越しの手伝いはするが。
いっそのこと魔族の国に移ればどうだ?
此処よりは安全に暮らせるだろう。」
命を狙われているようだ。
これまでも何度とかやりあっているらしい。
となると、この街に滞在している以上また狙われることだろう。
そのうち更に強い刺客が送り込まれることになる。
「優しい奴なんざどこに行ってもいるだろう。
そういう奴を探せばいい。」
■ルナシイ > 「だ、だいじょうぶっ...」
慌てて、断る。彼に迷惑...既にかけているが。
これ以上は良くないだろう。
「...だ、ダメ。
事情があって...ここにいなきゃいけないの。
本当は、引っ越しもしたいけど...。
とにかく...だめ、なの...。」
信用していい人かどうかはともかく。
私の...あの人の事は言っちゃいけない。
目がきょろきょろしていて、落ち着いていない様子。
「それに...ま、まだ名前聞いてない。」
■ノーチェ > 「何が大丈夫なんだよ。
そんなに不安定な状態ならいずれ殺されるぞ?
俺程度の腕前ならいくらでも居るんだしよ。」
腕を組み、口を尖らせる。
今更何を遠慮すると言うのか。
「なんだ、誰か仲間でもいるのか?
それなら今後どうするかそいつとも相談した方がいいぞ。
ま、落ち着いて対応すればお前さんの腕ならどうにかなるだろうけどな。」
今はどうにも揺れているが、本当の彼女はもっと強いだろう。
自分のペースさえ保てれば。
「それもそうだな。
俺はノーチェ。
この区画の宿に居る何でも屋だ。
予算さえ積んでくれれば大抵のことは請け負うぞ。」
まだ色々と隠しているようだが、俺の方だけでも開示しよう。
俺は己の名前と、常駐している宿の名前と位置を教えた。
これからは用事があれば宿に取りついてもらえば接触できるだろう。
■ルナシイ > 「わ、私は...。」
怖い。人が怖い。
だから、抑えてきたんだ。
普通に...暮らせるように...でも使わないといけない。
...「私」は、だけど。
「...」
全くその通りだ。
ずっと、返り討ちの状態は出来ないかもしれない。
一緒にいるためにも...一回。
「...ルナシイ。
ノーチェ、さん...ありがと。
お金は、全然ないけど...ね。」
彼の名前と宿の場所まで教えてくれたのだ。
名乗っておく事位は、した方がいい。
少し、和らいだ表情になった気がする。
■ノーチェ > 「よくわからんが、お前さんが大人しくしていても追手はやってくるぞ。
今すぐ移るのが無理なら躊躇せず戦え。」
何か事情がありそうだが、今はその事情を考えている場合ではないだろう。
少なくとも、彼女を取り巻く環境がそれを許さない。
「その仲間が男か女か知らんが、
あんたが傷つくのを望んではいないだろう。
ちゃんと向き合うべきだな。」
今日は余計なおせっかいを随分としている。
だが、こんな状態ではいさよならもできない。
「金が無いってんなら他のやり方で返してくれても構わねえぞ?
後払いでも承るし。
俺はいつでも仕事を引き受けるから用が出来たら宿にでも来てくれ。」
さて、もう少しルナシイと話を続けたい所だがそろそろ仕事の時間だ。
「じゃあな、ルナシイ。
仕事に戻るよ。」
角の生えた少女の頭に手を載せてから、俺は教会を後にする。
■ルナシイ > 「...そう、だよね。」
彼のセリフはまるで見透かされているような感じだ。
反論なんて、できない。
「...うん。」
家に戻ったら、話してみようか...。
「え、えっとっ...。
あ...うん、分かった...。」
紹介してもらったの事だし、一応...後で尋ねてみよう。
「バイバイ...ノーチェ、さん。
『次は、私の方で相手をするからな』」
手を乗せられてちょっと顔が赤くなる。
...手を振りながら、少女は別れの言葉を喋る。
その後のセリフは...何か別人の様に聞こえたかもしれないが。
見えなくなるまで手を振った後、少女も飛んでどこかへ消えてしまった。
ご案内:「貧民地区 どこかの廃教会(過激描写注意)」からノーチェさんが去りました。
ご案内:「貧民地区 どこかの廃教会(過激描写注意)」からルナシイさんが去りました。