2017/03/26 のログ
ご案内:「とある館」にリズリーさんが現れました。
リズリー > とある館にて、物静かに侵入者を待つ女性が一人。
街では様々な噂が流れている。
富豪の古屋敷で地下室には宝が眠ってるとか、夜中に行くと不気味な声を聞くとか、一度入ったら出てこれないか、出てきても人格が変わるくらいの悲惨な目にあったとか。
噂は真実か否かはさておき、ここは冒険者だけでなくいい大人やや近所の子供達が肝試しで訪れる事もあるホラースポットとなっていた。
一応、上位レベルの冒険者により安全性は確認されているが、それはまだ古屋敷に誰かが住み着く前の話。

女は噂を利用して今日も侵入者を待つのである。

ご案内:「とある館」にシャルロットさんが現れました。
シャルロット > 「ここが、例の屋敷ですか。ふむ、古いですが造りは悪くありませんね。」

と、そんな屋敷に女が一人。

コルセットドレスにしなやかな黒いタイツ――両方とも、
おちついたデザインながらも平民には一生身に着ける機会のないほど、
上等な生地を使ったオーダーメイド品。やや東洋風の血が入っているのか、
細く、アーモンドのように鋭い瞳に、赤紫の艶やかな長髪を靡かせるその女は
一目見て、どこかの貴族であろうと察しが付く。

「幽霊の噂のある洋館、ですか。ばかばかしい。」

既に、冒険者によって安全も確認されているのに。
と、ヒールで埃をかぶった床板を叩きながら中へと入ってくる。

女の名はシャルロット・タールハイム。

断絶寸伝の名家タールハイム家を不可解な経緯で相続した疑惑の女当主。
今回、この屋敷を訪れたのは新たな別荘を見繕うための視察のためだった。

リズリー > 古びた大扉が軋む音、そして聞こえる足音と声。
その数から女性が一人で入ってきたと、屋敷の奥で寛いでいた女は察した。
読んでいた古文書を閉じて小さく笑うと、部屋の外に出て二階の踊り場からそっと顔を覗かせる。

「ふふ、可愛らしい子猫が迷い込んだわね…少し脅かしてあげましょうか」
自分の正体が見られないように、隠れながら魔法を行使する。
シャルロットが屋敷の中に完全に入るのを見てから、扉をゆっくりと閉める。鍵がかかり、強固な封印が施され少女を閉じ込める事だろう。
そして一瞬だけ影を見せてから屋敷の奥へ誘導するように挑発しながら消えて行く。

踊り場に、電撃の罠を仕掛けておき、そのまま単純に挑発に乗って魔方陣を踏んだら、足元から激しい電撃が巻き起こり、全身を痺れさせながらも秘部と胸に甘い刺激を送る捕獲罠だ。

シャルロット > な……!?」

完全に、屋敷内に足を踏み入れたその時。
背後で、入り口の大扉が独りでに閉じた。一瞬、風の仕業かと思ったが、
それなりの重量がある扉が風程度で締まるとも思えず、さらにはがちゃりと音を立てて鍵さえもかかれば、
何らかの異常が起こった、と理解しないほうが難しい。

「い、一体これは……っ……!?」

と、その時部屋の奥に一瞬ではあるが、何者かの影を見つけた。

「チッ……いたずらか? 少し懲らしめてやらなければならんようだな。」

しかしながら、既に魔物などがいないことは確かめられていると聞いていた女は、
うかつにも、近所の子供のいたずらかなにかだと考え、軽率にその影を追った。
女には簡単ながら魔術の心得があり、たとえ乱暴目的のチンピラや浮浪者がいても、
その程度ならいなせるという自信からだった。

しかし――女の魔術の腕前はほんのかじった程度。
護身用の術が使えるというレベルで、本職の魔術師などとは比べるべくもなく……。
設置された魔術トラップの感知など、できるはずがなかった。

「え……? あ――。」

不用意に、踊場へと足を踏み入れた女の足元で魔方陣が起動。
淡い光が一瞬瞬いたかと思えば、そこから立ち上った激しい電撃が女の体をしたたかに痛めつけた。

「あ゛あ゛あ゛あ゛――!!!!」

その場で、ピンとつま先までを伸ばし気を付けをするような体勢で電流に体を焼かれ。
数瞬後には、状態を反らしながら、ぺたりとそのばに尻もちをつく。

ご案内:「とある館」からシャルロットさんが去りました。
ご案内:「とある館」からリズリーさんが去りました。