2017/02/23 のログ
ご案内:「◆王城、シャーロットの私室」にシャーロットさんが現れました。
シャーロット >  
王城、貴族達が住まう部屋が並ぶ廊下に面した、その一部屋

客室としてフェルザ家が使うことを定められたその部屋は、
『知っている貴族』ならばノックをすることすら躊躇う
そんな一部屋として、王城の中では比較的有名だった

そんな部屋の中、シャーロットは一糸まとわぬ姿で華美なベッドに身を横たえる

側には二人の侍女が敬々しくその手に香油をとり、シャーロットの肢体にマッサージを施してゆく

「──舶来物だって話だけど、ふふ、なかなかいいものじゃない…?
 次にあの行商人が来たらもうちょっと買ってあげてもいいかもねー♪」

上機嫌なシャーロットの声に安堵の表情を浮かべる侍女達
それもそのはず、機嫌を損ねようものなら、と
手元を狂わせるわけにはいかない、繊細で危険な奉仕の途中である

シャーロット >  
普通の神経をしていれば来客のことも考えてこんな真似はできない
──が、生憎とシャーロットは普通の神経をしていない

誰かが訪ねてこようが待たせればいい
待てないのなら入れれば良い
こうやってマッサージを続けさせながらでも会話はできる
その程度にしか考えていない

「あん♡いいきもち、そうそう上手よぉ~」

その香油一つで貧民街の人間ならば数日は腹をふくらませることができるだろう
それを贅沢に使い、美しい肢体の糧としてゆく
金の力で作られた最高の身体
それもまたシャーロットの自慢の一つ

シャーロット >  
コツコツ、とノックの音が響く
続いて聞こえてきたのは『軍議の日取りにつきましてご連絡を…』という兵士らしき声

「いいわよ、入れて~」

執事が了解の一礼をし、扉を開ける
おずおずと入ってきた兵士は部屋の中の様子にぎょっとした様子を見せる…が、
鋼の精神、なんとか要件を告げて出ていった

「ぷっ…なぁにあれぇ、王都の兵士って免疫ないのかしら」

その様子を滑稽だと言うように嘲笑う

羞恥心だとかそれ以前に、下々の者に見せて恥ずかしいものが何もない、という強烈な自負心があるのかもしれない

理解が及ばない、といったように従者たちは表情を曇らせる
…あくまでも気づかれないように

シャーロット >  
緩やかに流れる時間

その終わりは、急激に訪れた
陶器の砕けるような音と、悲鳴

物音を発したのは、香油の入った陶器の瓶
悲鳴を発したのは…侍女の一人だった

額から赤い血を流し、怯えきった表情で部屋の壁へと逃げようとする侍女

──ほんの僅かな気の緩み
マッサージしていた、手元が狂って……シャーロットの肌にほんの僅かに爪がかかった

それだけである

次の瞬間には香油の瓶が侍女の頭に叩きつけられていた

シャーロット >  
「そんなに怯えなくてもいいのよ?
 別に私、怒っているわけじゃないの」

一糸纏わぬ姿のまま、侍女に詰め寄るシャーロット
その表情は無垢な笑みを浮かべているが、それが逆に恐ろしさを感じさせる

「でもね、下々の者が、私の世話係をするっていうことはぁ、そういうことなの。
 …完璧に役割をこなせる子以外、いらないのよね」

───

続く音は殴打、悲鳴
シャーロットが手に取った、懲罰杖がしなり、叩きつけられる
杖といっても金と鉄を混ぜた重く頑丈なもの

手足の骨は砕け、目は潰れ、顎を叩き割られ

しばらくもしないうちに、悲鳴すらもそこからは聞こえなくなる

シャーロット >  
悲鳴がなくなり、
ただただ肉を打ち続ける音だけが響く
それを目の当たりにしているもう一人の侍女は青ざめ言葉もでない

「──ふぅ」

ようやく一息ついたシャーロットが杖を放り投げる
赤い染みを作りながら転がる杖を執事は拾い上げ、淡々とその血を拭き取る
このようなことが、日常茶飯事でもあるかのように

「汗かいちゃった。
 やっぱりたまには運動もしないとダメね♡」

壁際で見るも無惨な状態になった侍女を顎で差す

「あんなの部屋にあったら汚いし、捨てといてね」

白い肌に点々と朱色を散らすその姿に
もう一人の侍女は必死にそれを遂行するしかなかった

シャーロット >  
『邸宅のほうで湯浴みの支度をさせておきます』

執事が一歩前に出てそう進言する
当然、気を利かせての言葉だったのだろうが……

「えー、王城の浴場使えばいいじゃない。
 王族達も別に文句言やしないわ」

気にいらなかったらしく、執事は『畏まりました』と素直に後ろへと下がる

ドレッサーの上に用意されていたローブを羽織る

「早めに用意させてね。
 あともうちょっと綺麗な子いない?
 侍女にするにももう少し器量がよくないと、なんだか私の品が落ちちゃうわ
 …壊すときもそのほうが楽しめるし♪」

くす♡
と笑って付け加えた言葉のほうが本心なのは重々承知
執事は一礼し部屋を出ていった

シャーロット > やがて湯浴みの準備が整えば私室を後にする
軍議は明日

おそらくは例の遠征に関する費用捻出の最終交渉だろう
シャーロットの考えは決まっている

あの約束は当然のこと
もちろん、面白くなりそうなほうを選ぶのだ───

ご案内:「◆王城、シャーロットの私室」からシャーロットさんが去りました。