2017/02/19 のログ
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道」にタマモさんが現れました。
タマモ > 気が付いたのは、見覚えのある街道だった。
ここ最近は何かあったのか、なかなか出る事は無かったが…まぁ、久し振りだ。
片方は進めばそう掛からずに港湾都市に、もう片方は王都に、一本道なので当然ではあるのだが。
どうしたものか、そう考えた結論は…

街道に、馬車が一台止まっていた。
なかなかに見た目から豪華で、富裕層が使っているものだとは予想出来る。
向いている方向から、王都へと向かう途中のものか。
ただ、御者は意識を失っているのか、前部で倒れていた。
そして、その中に乗っていたであろう者は…そこには居ない。

止まっている馬車から少し外れた場所、そこにその者は居た。
身に纏う衣服から、確かに富裕層だと窺い知れる。
が、その衣服は乱れ、何かから逃げるように馬車から離れる方向へと移動していた。
その足取りは重く、表情は熱に浮かされたようなもの。
…と、その身を打ち震わせ、がくりと膝を折る。
それと同時に、くすくすと笑い声が響いた。

「…また達したか?これで3度目か…残り2回じゃのぅ?」

タマモ > まぁ、別に大した事ではない。
結論を言えば、街道を通る馬車を奪い、そちらに向かう。

結果、通ってきた馬車を止めさせ、動かす者は残す。
中に居る者は不要が故に、軽く遊んでいる…という訳である。
居た者は2人…男女、番いだろう事は簡単に予想出来た。
…今居るのが1人、もう1人は少し離れた所で事切れていのはすぐ気付けるだろう。

遊んでいる内容は簡単だ、自分に追いつかれたら、殺す。
途中で5回達したら、死ぬ。
軽く力を流してやり、感度を少々跳ね上げてやるおまけ付きだが。

緩やかなペースで歩いてやっているのだ、追い付く、という事はなってない。
死に至った者…転がっているのは女だが、その者には外傷はない。
言葉の通り、途中で5回達した途端に心臓発作で倒れたのだ。
それに何を感じる余裕もなく、男は逃げ続けている。
感じれたとするならば、怒りか?恐怖か?
正直、どちらでも良い。負の感情というものは、何とも心地良いものなのだから。

達して、だが、それに耽っている場合ではない。
力が抜ける体に鞭打つように、そこから移動を続け始める。
こちらがわざと起こす、足音から逃げるように。

タマモ > 「ふふ…さて、後1人はこちらじゃろうか…?」

逃げる男が立てる音は、聞き逃す事なく簡単に捉えている。
落ち葉を踏み締め、茂みを掻き分け、いちいち音を立てて追っていく。
わざと呟き、自分との距離を相手にも分からせる。
その距離は、そう遠くは無い。

逃げなければならない、なのに熱を持ち、感度も上がる体は衣服が触れるだけでも刺激となっている。
下手に急いで逃げ様とすれば、そう掛からずに達するだろう。
かといって、休んでいては追い付かれる。
まぁ…どちらも良い結果は迎えない、逃げるのに必死にもなるものだ。

高まり続ける負の感情、今一番は恐怖だろうか?
そろそろ、限界も近いだろうし…飽きた。
思考がそう向いた途端、少女の姿は不意に消える。
追っていた足音が急に消えてしまい、戸惑うも、逃げ続ける男。
気になったのか、一度視線を後ろに向け…とん、と正面にあった何かにぶつかった。
慌てて視線を戻す、その視線の先には追って来ていた少女の姿。

「おや…残念、追い付いてしもうたな?」

笑みを浮かべる少女、男にはどう映っているだろう?

タマモ > 一気に高まる死の恐怖、男のその感情に、ぞくりと身を震わせる少女。
恐怖と共に死を迎える、それは喰らう魂を美味とさせるものだ。

少女が軽く右手を振るい…とさり、と何かが地面に落ちる音。
何が起きたのか、それをすぐ理解なんて出来ない。
だが、男の視線がそこへ向けられれば…そこに落ちている1本の腕に、理解はすぐ出来るだろう。
恐る恐ると視線が次に向けられたのは、男自身の手のあった場所。
言うまでも無い結果が見て取れる。

響き渡る男の叫び声だが、それに、また次の叫び声が続いた。
失った腕を見ている視線の中で、今度は片足が地面に転がるのを見せたからだ。
せっかくなので、男の目にも捉えられる程度で斬ってやった。

心底可笑しそうに笑い、ぺろりと血の伝う爪を舐める。
さぁ、次はどこを切り落とそうか?その様子は、そんな雰囲気を感じ取らせるだろう。
ますます高まる恐怖、これだから…人間を弄ぶのは止められない。
同じ調子で、残った腕も、足も、斬ってしまう。
ここまでくると、さすがに意識が薄らいでしまっているのだろう、感情は逆に弱まっていって。
…終え時だろう、そう考える。

タマモ > 「…すべてを喰らうのは、1人で良い。お主とはお別れじゃ」

目を細め、ゆっくりと右手を振り上げて見せる。
向けられた視線に見え易く、その腕を男の頭部へと振り下ろした。

「さて…後は、あの者を喰らうて、ゆっくりと王都へと向かわせて貰おうかのぅ。
たまには、旅行気分で揺られるのも悪くはなかろう」

赤に染まる地面、5つに分かれた肉塊を一瞥し、呟く。
先に死を向かえた女、その存在を喰らい、利用し、馬車を向かわせるつもりだ。
濡れた地面を気にする事なく踏み進み、馬車のあった場所へと向かっていく。

タマモ > 所詮、人間なんてものは自分にとっては食料か玩具。
そして、たまにこうして便利な道具となれば良い。

こちらでは十分楽しめた、次は、別に楽しめれば良いが…
戻る途中に女を喰らい、馬車へと到着すれば、軽く考える。
御者はまだ意識を失ったまま。
馬達は恐怖に暴れる事は無く、大人しいものだ。

他の者達が来て面倒になる前に、さっさと目を覚まして欲しいものである。

タマモ > 単に気を失わせただけだ、そう時間は掛からない。
御者が目を覚ましそうなタイミングを見、その身を従わせていた女のものとする。
そして、男は最初から居なかった事としておいた…この程度の記憶ならば、弄るのは簡単なものだ。

後は、馬車は何事も無かったかのように、王都へと向かいだす。
後々の事は、またその時に考えれば良い。今の自分は富裕地区に住む住人の1人なのだ。
適当に利用し、後は捨て置けば良い。

ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道」からタマモさんが去りました。