2017/01/01 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原)街道」にタマモさんが現れました。
タマモ > 年の明け、遠くに王都の灯りが見える街道。
周囲に茂る木々の上に少女の姿はあった。
少し高めの樹木の頂点、そこにバランスも崩さず立っている。

気が付いたのは、王都の中だった。
だが、年越しという時期の為か、無駄に騒がしい。
うっかり手を出してしまうのを避ける為に、こうして少し距離を置いた場所に来たのだ。
そもそも、そういった雰囲気を嫌っている、というのもあった。

「…どの世界であれ、こういったものは気に入らんものじゃ。
年が過ぎただけじゃろう、何を祝う事があるというのか…」

腕を組み、その光景を見詰めたまま、軽く溜息。

タマモ > ちらりと、足元へと視線を移す。
そこにはすでにただの肉の塊となった、何か。
ぐぢぐぢと音を立て、何十、何百とも見える小さな蟲が蠢いている。
…まぁ、単に運が悪かったのだ。
あんな状況に置かれ、離れざるをえなかった、それに対して気が立っているところに現われた…人間、だったか?
もしかしたら、他の種族だったかもしれないが、そんな事は今更どうでも良い。
特に大した力も無い相手に興味が向く訳もない、自分が相手をするのも面倒と大量の蟲をけしかけてやった。

少なくとも、何らかの力を持っていたり、楽しめそうな相手なら嬲ってやっただろうが…仕方ない。
こんな時期だ、そうそう他に、こんな場所を出歩いている者なんぞ居はしないだろう。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原)街道」にディン・タウロスさんが現れました。
ディン・タウロス > (とある目的の為にハテグ、戦場に行こうと街道を歩いていて、目の前に何やらあることに気付いて脚を止める)

「なんだ?ありゃ…って、死体に虫が集ってるのか…俺の捕食シーンも傍から見るとこんな風に見えるのかね?まぁ、折角だし…頂いちゃおうか。誰もいない、よな?」

(死肉に集る虫の姿にある意味良く見る光景だな、となんとなく和みながら左右を見回し、まさか上にいるとは思わず誰もいないと勘違いして。右腕から先をぼとりと落とし、腕の太さ、長さのミミズめいた触手にその腕を変えて。触手はそのまま這いずりながら死肉と虫に近づいていき、虫ごと死肉を貪り始めていこうとする)

タマモ > まず血の通う生暖かな肉を好む蟲が喰らい、死した後、死肉を好む蟲が喰らう。
今は後者、新たに現われた触手に反応をするかのように、死肉を貪っていた蟲達は逃げるように地面に落ち、潜っていった。
この蟲達には争う力は無い、ゆえに、外敵が現われれば逃げる事を生きる術としているからだ。
…もちろん、その光景は上からしっかりと見えている。

「………おやおや、久し振りの馳走じゃったのに、逃してしもうたのぅ?」

触手が蟲達の獲物を横取りした事に、そこまで気には掛けていない。
別に喰らう事を好むだけで、生きる為に必須という訳ではないのだ。
ふわりと樹木の上から身を翻し、音も無く、触手が喰らっているだろう肉の側に降り立った。

ディン・タウロス > (触手が近づけば虫達が死肉から落ち、潜るように逃げるのを見て少し残念そうに触手はしながらも死肉そのものには食いついてもぎゅもぎゅと食べており。そして、上から突然現れた見覚えは良くあるものの、纏う雰囲気の全く違う相手に驚いたように男の方は視線を向けて)

「タマモ…だけど普段のタマモじゃないタマモか。久しぶりだな、元気だったか?まさかこんなところで会うとは思わなかったからびっくりだよ。もしかして、これって獲物だったか?それなら悪いことしたな…」

(久方ぶりに会った相手に楽しげに挨拶をし、そしてこの死肉は相手の獲物だっただろうかと申し訳なさげにして。触手もまた食べるのを辞めて相手の方を向きぺこりぺこりと謝る仕草を)

タマモ > 興味を失った者、それは道端に転がった小石と同じ。
すでに肉となっている、その存在も変わらぬものとなっているだろう。
降り立った先に見える、触手の主。
覚えのある、驚いていた男に視線を向けた。

「ほほぅ、一目で見分けの付くものか?…まぁ、良いじゃろう。
今は年明け、ほとんどの者が祝い事に馬鹿騒ぎをしておると思っておったが…」

まだ降り立ち、顔を合わせただけだ。なのに、判別が付いている。
雰囲気の違いなんてものに気付いていないからだが、勘の鋭さかと考え、言葉を掛けながら軽く肩を竦めた。
楽しげな声に、むしろ、こちらは何を楽しそうにしているのかと訝しげに。
獲物の事を言われれば、ひらりと手を振った。

「雑草に見向きをする程、好奇心旺盛では無くてのぅ?
別に構わぬ、蟲共に久々の馳走をやっていただけじゃ。
悪いと思うならば、逃げた蟲共に謝罪でもすれば良いじゃろう。
まぁ…もう逃げてしまったようじゃが」

呼び戻すのは面倒だ。
食らいたければ、勝手に食べよと伝えておいた。

ディン・タウロス > 「そりゃ、俺に人肉を喰うのは控えろって言ってたのに、こうやって虫に死肉を食わせてたんだ。俺の知ってるいつものタマモならそんなこと、しないだろう?だから直ぐに分かったよ。ああ、祝い事に参加しても良かったんだけど、ちょっと戦場にでも行ってみようかと思ってさ。あそこならバレなかったら食べ放題だし」

(一目で見分けがついた理由、人肉食いに対してこちらに注意していた相手が死肉を喰わせていることに対する違和感と、以前にも会っているから、雰囲気も知っているからで)

「そうか?それならありがたく頂くけどな。ふふ、しかし雑草か…俺の知ってるタマモとは本当に違うんだな?多重人格なのか、何かに憑依されてるのか、面白いな、タマモって。たまにちっちゃくもなるし」

(構わない、と言われれば再び触手はもきゅもきゅと死肉を食べ始め。自分が知る少女とは全く違う面の相手に楽しそうに笑って、本当に色々な面を持った面白い相手だなと)

タマモ > 「………誰も彼もに甘いところを見せよって、だから舐められるというものを…
力を継いでまだ短くも、まったく未熟さが抜けておらんな。
ふむ…食わねば生きられぬ、ばれねば、という事は…まだ人間を主張しておるんじゃのぅ?」

くくっ、と喉で笑いながら、目を細め男を見る。
滑稽な姿を嘲笑う、そうした仕草を隠そうともせずに。

「虫けらよりも害になっておらん、むしろ、蟲共の馳走となって役に立ったからのぅ?
ふん…あんな未熟者と同じに見るでない、妾こそが正真正銘の九尾狐じゃ…いや、じゃった、か。
小さくしたのは妾じゃ、なるほど…その時のあの子と何かあったようじゃな」

多重人格、憑依…まぁ、正解は後者が近からず遠からず、だろう。
こうなった原因はいまだに分かっていないからか、苦笑を浮かべた。
面倒な説明をする気は無い、己が本物である事と、男の前で起こったこの体の変化の原因を伝えておいた。

ディン・タウロス > 「人間の中で混ざって暮すんだったら甘い面もないと暮らしていけないだろ。まぁ、確かに舐められるというか、可愛がられてるのは間違いないけどな。ふふ、あれでまだまだ未熟なのか、それなら完熟したらどうなるのか怖いもんだな。一応、身体的にも倫理的にも人間としては不適切なことをしてるけど、まだ人間の中で暮らしていけてるからな、人間だよ。言葉も話も通じない獣や魔物じゃないんだし。まぁ、人肉を喰わなくても本当はいいんだけど、山賊退治と触手の食事を一度に終わらせることが出来るんでな、どうしてもそうなるってだけだよ」

(笑われると憮然としたように、まだ人間を完全に捨ててないし人間らしさもあると反論をして。そして正真正銘の九尾狐だった、と言われて尻尾の数をつい数えようとして)

「その馳走を横取りした形になってるんだけどな…ふふ、今のタマモは別に人肉食いを否定しないんだな?んー、じゃった、ということは今は違うってことか?つまり、本来の本性は今のタマモが一番近くて、普段のタマモは本性が大分薄まってる感じなのか…ん?ああ、ちっちゃくなったタマモと、まぁ…美味しかったよ。しかし、あの子、っていう言い方をしたりするとなると…別人の意識が憑依してる、って感じが一番しっくりくるってことか」

(相手の言葉に色々と考え、おそらく本性としては今の相手が本来のもので、普段の相手と入れ替わったりするのは原因が不明、ということなんだろうと。小さい時の相手と何か、と言われれば少しだけ視線をそらし、頬を掻いてとぼけてみる)

タマモ > 「そもそも、人間如きと混ざろうという考えが理解出来ぬ。
喰らわれるだけの存在から、何を甘い面とやらがあるものか…
ふふ…言葉では何とでも言えるもの、心は人間だから、人間であるなんて事は詭弁じゃ。
………食らわずとも生きられるのに、それを放棄して、理由を付けて食らっておる時点で理解をするんじゃな」

人間は自分にとって食料であり、暇潰しの玩具。
男の言葉に理解は不要としているのは、感じ取れるだろう。
言うまでも無く、尻尾の数は9本である。

「いちいちすべてを説明するつもりはない、理解せよ。
妾は玉藻前、お主のよく知る存在ではない事だけは教えておいてやろう。
………さて、思ったよりも時間を食らってしまったのぅ。
語るはここまでじゃ、お主は運が良い」

考えてみれば、王都で目覚めてから移動をするまでに結構時間が掛かってしまった。
それからの蟲共の食事と、男との会話、仕方がないか。
とん、と地を軽く蹴れば、そんな軽い動作とはまったく違い樹木の上へと一気に身を舞わせ。

ディン・タウロス > 「まぁ、そこは相容れぬ考え方だし、俺が口を挟むことでもないからなぁ。ま、楽しいからだろうよ。人と一緒に過ごして得る色々が。ふふ、ま、俺も全部を話してる訳じゃないからな。一応、俺は山賊とか条件を満たしてる相手しか、基本的に喰ってないから、見境なしに食ってる訳じゃないぞ?尻尾、ちゃんと9本あるな」

(理解するべし、という相手にくすくすと笑みを浮かべて。まぁ、こちらが話していないことを相手に分かって貰う、というのも難しい訳だしと。そして尻尾が九本あれば、じゃった、というのはどういう意味だったんだろうかと首を傾げ)

「ああ、この足りない頭で頑張って理解できるように考えてみるよ。タマモノマエ、か…確かに俺の知ってるタマモとは違うな、いつものタマモと話すのも楽しいけど、今のタマモ…いや、玉藻前と話すのも面白いよ、普段のタマモとでは出来ないような話が出来て。ああ、そろそろお別れの時間か…ふふ、どう運が良かったのかは分からないけど、幸運に感謝しておこうかな。それじゃあ、また次に会うときはどのタマモか分からないけど…会えるのを楽しみにしてるよ」

(軽やかな一歩で樹木の上まで上がっていく姿に確かに普段の相手とは色々と違うなと頷いて。取りあえず相手を見送り、戦場に行こうかと思っていたものの、やはり辞めておくかと、また街へと戻っていくことに)

ご案内:「メグメール(喜びヶ原)街道」からタマモさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原)街道」からディン・タウロスさんが去りました。