2016/06/23 のログ
■アマンダ > 「そう、教えてはくれないんだね。」
恐らくそれ相応の事情があるのだろう。 なのでそれ以上は踏み込まない。
とはいえ、気を緩めることが出来ない状況には変わりはない。
「…甘いよ、タマモノマエ。 僕が君の言葉に何も対抗できないとでも思っていたんじゃないかな?」
普段なら言われるがままに達して、支配を受けていたであろう。
それは少女が相手を信用しているからのことである。
しかし、今日は大人しく従うつもりはない。
少女の持っている剣の刃が光輝くと玉藻前が口にした言霊の効果を掻き消す。
少女の持つ聖剣には異能を消し去る力があるからだ。
「さっきの人もそれで殺したのかい? でも、僕には通用しないよ。」
■タマモ > 言霊の力が効いていない、その理由は少女の動きに目を向けていた事ですぐに気付く。
言葉を紡ぐと同時に、あの手にしていた武器が反応を見せた。
なるほど、あれが原因か…ならば、使えなくすれば良い。
「そうかそうか、妾がそれしかないとでも思うておるか。
………どちらが甘いというのじゃろうな?」
少女の知るいつもの存在ならば、いかに傷付けずに少女を堕としていこうかと考えるだろう。
だが、今の自分という存在は違う。
残念ながら、転がっていた者達を殺したのはそれではない。
…これだ、と思い知らせるように、目の前でその姿を消す…正確には、目にも留まらぬ動きで一気に距離を詰める。
認識の必要な力を使わせる余裕なんぞ与えはしない。
次の瞬間、手元に輝く閃きが剣を持つ少女の腕を襲うだろう。
使わせないにはどうしたら良いのか?使う為の腕を切り落とせば良い。
■アマンダ > 「そんなこと思うわけないじゃない、貴女はあまりに底が見えないからね。」
魔法が使えないとなったら、次に狙うのは直接攻撃による腕の破壊、もしくは心臓の破壊。
そうする相手は今まで多数居た。
なので次の展開は少女の予想の範疇であった。
だが、攻撃の早さが予想以上であった。
腕を切り落とされぬよう、手元にある刃を剣の刃で受け止める。
眼にもとまらぬ動きも培った経験で攻撃する場所の予測はついていた。
なので、目で見るよりも素早く対応できた。
剣が受け止めたと同時に腹部に蹴りを入れる。
鍔迫り合いになれば力負けする恐れがある。
蹴りが上手くいけばそのまま手を払いのけ、首元に刃を突き付けるだろう。
■タマモ > 「なかなかに面白い…が、そうか…天使と魔族か」
とりあえず、次の対処、更に次の対処と考える思考とは別に、少女に関する記憶を手繰っていた。
そこで見付かったのが、この記憶。
なるほど、人外同士の混血となればこの程度は出来るのか、と。
…まぁ、まだお手並み拝見、という感じである。
ちなみに、少女を襲ったのは手の先から伸びた鋼鉄をも容易く切り裂く爪。
もし受けたのが普通の剣であったなら、刃が削れていた事だろう。
…力負けするという考えは、正しいと言えるものだった。
ただ、なのに蹴りが通用するという考えは浅はかなものだ。
避けもしない、腹部と思われる場所へ与えた蹴りを受けながら仰け反りもしない。
伸びる手が少女の剣、その刃を無造作に引っ掴む。
「…大事な武器じゃろう、放すでないぞ?」
一言だけ少女に言葉をかければ、そのまま、掴んだ剣ごと少女を豪快に地面に叩き付けようとする。
別に体勢を整え足から着地をしようとすれば出来るだろう。
…そんな事をして、足がただで済むと思うならば、だが。
■アマンダ > 「出来れば貴女に剣をふるうことは避けたかったけどね。」
己に関することを口にする相手に、少女は深い息をつく。
少女は己が持っている剣に感謝していた。
並みの剣ならとっくに使い物にならなくなるような攻撃を刃こぼれもせずに耐えている。
どんな盾よりも強力な防具としての役割を果たしていた。
蹴りを食らわし、前へと押し込むように足の底に力を入れたがびくともしない。
彼我の力量差に驚いていると、剣の刃ごと引っ張られる。
「何を…。」
あまりの状況に面食らっていると、思い切り地面に叩きつけられる。
背中を強打し、衝撃の強さに咳込んでしまう。
剣を離すことはしなかったが、今の一撃で少女の身体はボロボロになる。
元々本調子ではなかったのだ。
「…くっ。」
剣の先を地面に突き刺し、それを支えになんとか立ち上がる。
だが、背中から受けたダメージは全身を回っており、動きにもキレがない。
正直、立つのがやっとの所である。
■タマモ > 少女の言葉を聞き、ぴくりと眉が動く。
表情は変わらないままなのに、空気を振るわせ、動きを鈍らせそうな程の気迫が少女に向けられる。
剣を振るう事を、避けていた。
つまり…全力を出すまでもなく、自分を相手に出来ると思っていたという事だ。
「………舐めるでないぞ」
一撃を与えた少女を前に、無表情となった顔を向ける。
本調子でない事なんて関係ない、どんな状態であろうと、自分がそこまで甘く見られた事に怒りを露にしていた。
「色々と確認をさせて貰った、お主、少々痛め付けても少しすれば治るんじゃろう?
さっさと終わらせておこうと思うたが…気が変わった。
徹底的に教えてやろうではないか…」
まともに動けなくなっているだろう少女に近付き、注意を手元に払わせながら…足払いを仕掛ける。
ぼろぼろとなった少女に避ける術があるかは分からない。
それで転がったならば、容赦なく自分がされたように腹部を蹴り付けるだろう。
それこそ、その手から剣が零れ落ちるまで。
■アマンダ > 「舐めてたら剣なんて抜くわけないじゃないか。」
露骨に怒り出す相手の怒りの分けが己にあるのだろうとは思ったが、どうしても加減をしてしまう。
それが余計に火に油を注ぐ結果になるとしても。
「僕の方は教わることなんてないよ。 弱いもの苛めなんてしないでくれると助かるんだけど。」
剣のおかげで漸く立っていた少女。
注意を払われるまでもなく、簡単に足が崩れてしまう。
ついに剣を手放し、相手の足元に転がり込む。
「ぐうぅぅ!」
腹部に強烈な痛みが加わると、反射的に両手で腹を隠そうとする。
その間、剣は地面に転がったまま。
最早少女に抗うだけの力はもうない。
■タマモ > 「まぁ、遠慮するでない。
…とは言うても、嫌がろうと教えてやるがのぅ?」
しゅるりと尻尾を伸ばし、地面に転がった剣を手元に寄せる。
言葉をかけながら、同じく転がっている少女を見下す。
…いつもならば、ここまですれば意識が沈みそうになるものだが…今はほとんど感じられない。
では、始めようか…そう呟きながら、その手が少女へと伸ばされていって…
ご案内:「北方帝国シェンヤン「八卦山」」からアマンダさんが去りました。
ご案内:「北方帝国シェンヤン「八卦山」」からタマモさんが去りました。