2016/06/12 のログ
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道」にタマモさんが現れました。
タマモ > やっとものに出来始めてきた力の何と素晴らしい事か。
街道から外れ転落した馬車を見詰めながら、くすくすと笑う。
まだ触れなければならないが、上下だけだった重力の力を横への行使も可能としていた。
…あぁ、あの馬車は試すに丁度良いくらいに程よい物だった。
中に居た者達は無事だったみたいか、扉を開き這い出してくる数人の人影が見える。
各々、何が起こったのか理解をまだしてないようだ。
まぁ、いきなり馬車が横滑りに流れ落ちていったのだ、訳も分からないものだっただろう。

そういえば周りにも何か居たような気はしたが、払っておいた。
馬に乗った人間程度に試す力でもなかったから、適当に八つ裂きにして。
…少女は街道に立ち、街道の外れに横倒しになったどこかの商人の馬車を眺める。
ちらりと後ろに向けた視線は、護衛をしていた者達を一瞥した。

タマモ > 「ふふ…魔力の足しになるならば、喰ろうてやったんじゃがのぅ。
今日の者達は、その点でははずれといったところか」

やっと馬車から抜け出し、今の状況を理解しようと見回している者達の姿。
中に何人居たのかは知らないが、残ったのは3人のようだ。
魔力は…余り感じない。
ならば、別に生かしても仕方があるまい。
ふわりと身を舞わせ、馬車の落ちている街道の外れへと音も無く着地をする。
…親子だろうか?男女一組と、子供のようだ。
怯えた表情を浮かべ、いきなり現れた少女へと視線を向ける。

一歩近付けば、その分、退る。
恐怖を煽るように近付く少女に、面白いように反応する親子。
その様子を楽しむように、ゆっくりと追い詰めていく。

ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道」にエミリーさんが現れました。
エミリー > 「タマモちゃんの匂い~♪」

大好きな匂いに誘われて進む
なんでこんなに鼻が利くのかは分からない…けどまぁそれは小さな問題
もうすぐ会える~♪なんて鼻歌を歌っていたら…

「タマモ…ちゃん?」

何だか寒気がする
いつもなら抱き着きに行くのにそれができない
もう少し奥を見たら馬車が転がり女の子が泣いている
お父さんお母さんに抱かれながら…

「…ゴーさん、行って……」

ガッチャンガッチャンやかましく黒甲冑は家族の元へ
そして私は…

「久しぶりだね…誰かさん…?」

タマモ > ぴくり、と耳が揺れた。
やれやれ、上手い獲物にあり付けず、少々気分の萎えた時に何者が来たのやら。
追い詰めていた親子から、そちらへと視線を向ける。
視線の先に見えたのは…一度、目にした相手だった。
あの時、あの子の意識が強かったから見逃してしまった相手。
笑みを浮かべていた唇が、つり上がる。

「エミリー…じゃったな?
1度ならず2度も、妾の前に現れるとは…まったく、妙な縁もあったものではないのぅ?」

視線の端に見える黒い甲冑。
邪魔をするでない、ぽつりと一言呟くと、ゆらりと右手を振り下ろす。
その甲冑を中心に、親子に近付くのを阻むように、1体分の空間が数倍もの重力に襲われる。
上下だけならば、別に触れずともこれは可能だ。

エミリー > やっぱり怖い…
特にあの目、全然優しくなくて私に…周りに何も興味もない様な目

「私は…もう出てきて欲しくなかった。私のタマモちゃん返して…」

ゴーさんが倒れてる…いや、抑えつけられてる?
どっちにしても今はいつもよりたくさん考えないと
あの家族、こいつがこっちを見てる間にさっさと逃げてくれないかなぁ…

「貴女は何…?タマモちゃんの別人格……?」

一先ずこっちに意識を向けさせないと
タマモちゃんの身体で子供は殺させない

タマモ > 確か…生きた屍、楽しもうと思ったが、力が効き難かったのを覚えている。
…ただし、それはあの時の話だ。
こうして、また現れた時の事を考えて、それなりに細かい記憶は手繰り寄せてあった。

「ふふ…残念じゃのぅ?お主が望むとも、望まぬとも、こうして妾は現れた。
これはどういった意味があるんじゃろうな?」

そんな相手の言葉を嘲笑うかのように、薄ら笑みを浮かべたまま言葉を紡ぐ。
地面に倒した甲冑への重力はそのままに、一歩、また一歩とそちらへと近付き始める。
親子といえば…状況を理解し切れておらず、怯えたまま蹲っていた。
助けようとしているはずなのだが、見た感じは助けるというよりもただ近付いてくる甲冑、それがいきなり倒れた形だ。
はっきりと分かっていなければ、今のように怯えたままなのは仕方ないのかもしれない。

「はてさて…お主は何だと思う?」

肩を竦めながら、おどけたように問い返す。それによってどう反応するか、見詰めながら。
この程度の空間認識は軽いものだ。
意識は目の前の相手に向けているものの、倒れた甲冑、親子の位置はしっかりと把握している。
…その内の、どれに何をしてやろうか?そう考えていた。

エミリー > 「………」

意味、か…
正直に言うとどうでもいい
タマモちゃんの身体で好き勝手する奴なんて知らない
別人格でも大きな理由が有っても私のタマモちゃんは只一人
けど、敢えて考えたら…

「タマモちゃんが危ない…?」

ゴーさんは動けない
あっちに行けとジェスチャーもできないほど縛り付けられてる
どうしよう…あれが近付いてくる

「貴女とタマモちゃんは別、貴女はタマモちゃんじゃない。
勝手に憑りついた寄生虫じゃない…?」

ハッキリ言ってみる
正直見てるだけで気味が悪い
早くタマモちゃんから出てって…
出てけ、出てけ出てけ出てけ!出てけ!出てけ!!
……ダメ、しっかりしないと
沢山考えなきゃ

タマモ > 「意味なんてものは、どうでも良い…そう言いたげな感じじゃのぅ?
そう、そんなものはどうでも良いのじゃ。
お主がどう思おうと、今は妾であり…お主の思うあの子ではない」

いつもと同じだ、相手に馬鹿正直にすべてを語る事はしない。
半端に物事を伝えてやれば良い、勝手に己の都合で想像を浮かべるものだ。
前に使った馬車を押し潰す程の重力はかけていない、それでも、あの甲冑には十分効果はあったようだ。
さて、守り手も失ったこの女子が、次はどうしてくれるのか…
こちらから近付いている中、大きな動きは見られない。
そのまま何もしないのならば、手を伸ばせば触れれる程にまで距離を縮める事だろう。

「………さてはて、本当はどちらが寄生虫なんじゃろうな?」

実際はそういったものではなく、力の継承と共に与えられた記憶の断片であるはずだ。
だが、この目の前の少々気に入らない相手に少し悪戯をしてやろう。
言葉遊びのように紡ぐ言葉は、少女の言う寄生虫とやらのような存在がどちらに当て嵌まるのか、それを考えさせるように与えられる。
本当は、どちらもそんな存在ではないのだが、わざとそう思わせる。
必死な願いを知る訳も無いのに、その様子を見詰める瞳は、まるで楽しんでいるように映る。

エミリー > 「だから出てって、タマモちゃんに貴女は要らない」

小馬鹿にされてるのは分かってるが言い返さずには居られない
ゴーさん、今は我慢してね…
もう距離も近い。いつもだったら抱き着いちゃう距離

「貴女だよ、寄生虫」

どちらが寄生虫?そんなのお前に決まってる
私の大好きなタマモちゃんにへばりついてるだけの癖にタマモちゃんを寄生虫なんて…
今すぐに目の前から消したい
でもこの体は…

「タマモちゃんの身体から追い出されたくなかったら、永遠に大人しくしてて。」

身体を傷つけずに中身を弄る
そんな手段…多分有る
私がこうして動いて話してるのがその証拠なんだから
死なない老いない私だったら、今は無理でもこいつを消せる筈

タマモ > 余程あの子が気に入っているのだろう、それは、手繰り寄せた記憶から分かっていた。
そして、今まさに見せている、目の前の少女の態度からも。

「ふふ…もし、あの子の方がそれに近い立場にあったならば…お主はどうする?」

だから、こんな問いを与えてみた。
目を細め、じっとその表情の変化を確かめるように。
後一歩の距離に立つ、まだ少女は動かない。

「ほほぅ…妾を、追い出す?
それは面白い、やれるものならば、やってみてはどうじゃ?
もし上手く出来たならば、妾を追い出せるやもしれん。
もっとも…その結果、あの子がどうなるかは分からんがのぅ?」

自分を追い出しさえすれば、何もかもが上手くいく。
そんな都合の良い事がある訳もない。
ちらつかせる、不安を少しでも湧き上がらせる言葉。
それを与えながら、ゆっくりと、空気に乗せて少女へと力を流していく。
もっと色々と考えさせてやろう。
そして、その体を楽しめるものへと変えてやる。
少女は興奮を増せば、意識が高まり…低かった体の感度も高まると記憶している。
そのまま力を受け続けていけば、じわじわと少女の体の血の巡りが早まっていく事だろう。