2016/05/22 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にタマモさんが現れました。
タマモ > 目が覚めたのは、この富裕地区ではない、貧民地区だった。
そんな場所では望む物は得られない、ゆえに、それを得られそうなこの場所へと移動してきた。
…こういう時は、あの子の無駄な拘りに感謝すべきか。
いちいち化けずとも、この姿のまま動き回って問題の一つも起きなかった。

そして富裕地区、その裏路地へと到着した。
目的はいくつかあったが、いずれかを得られれば良い。
喰らって役に立ちそうな相手。
覚えたての力を試せそうな相手。
そして、遊び甲斐のある相手。
そんなところだろうか。
この裏路地は危険ながらも近道となる要素もあり、時折、何者かが通る可能性もある。
それは、この土地の地理を覚えているからこそ、分かる事だ。
のんびりと待てば、いずれ何者か来るやもしれないだろう。

ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にトモノさんが現れました。
トモノ > (元々、割と近くで調べものや買い物をしていた所だった。主の反応が近くに有って、最初は貧民地区に向かっていたのだが。それを追っているうちにこの辺まで来てしまった。ショルダーバッグを下げた少年は辺りを見回す。)

「えっと……たぶん。こっちか?」

(ちょっと治安の悪そうな裏路地。こんなところに女の子一人で大丈夫か?と言う心配は。たぶんタマモって結構強いんだよな。という認識で打ち消される。裏路地の曲がり角を曲がれば、目的の姿を見かけて)

「あっ……いたいた!……タマモ!!こんなとこで逆ナン待ち?邪魔なら帰るけど。」

(とか戯言を発しつつ片手を上げて存在を示せば。タマモのほうへとあゆみよっていく。まだ、いつもと様子が違う事には気づくわけもなく)

タマモ > そういえば、そんな存在が居たのだと…それは記憶のすみにあったもの。
まさか自分の気配で辿られているとは知らず、のんびりと待っているだけだった。

そんな中、待っていた何者かの足音を聞き取った。
ぴくり、と耳が揺らぎ、そちらへと顔を向ける。
現れたのは少年だ、不思議な事に曲がり角を曲がったばかりなのに、こちらの存在に気付いている様子だ。
軽く首を傾げ、少年を見遣る…記憶の中に、その存在があった。

「確か…トモノ、じゃったな?…式か、そうか、そんなものをのぅ…?」

少年の問いが聞こえているのかいないのか、浮かび出たその記憶を辿るように呟く。
この世界で呼び出した式神、しかし、どう見ても人間だ。
何を考えているのか…そんな事を考えていた。

トモノ > 「あれ?……人違い?……なわけないよね?名前呼んでるし」

(なんだか、相手のリアクションが。初対面の人を見るでものような、そんな感じがして。けれど、その姿は自分をこっちの世界へ呼び寄せた張本人。それと違いは感じられ無い。)

「そうそう、トモノ……タマモ、なんかあった?お腹でも痛い?」

(なんだか様子がおかしいというのはすぐに察する。そんなものというのは自分のことだろうか?ともかく、素直に心配して。タマモの頭を何気なく撫でようとする。主とはいえ、自分より小柄な女の子。ついついそうしたくなるのはサガだ。)

タマモ > 式神のはずだ、なのに、なんでこうも馴れ馴れしいのか。
使われるべき存在が、その立場を理解していない。
それには少しばかりの苛立ちを覚え始めていた。

「己の立場を理解させられておらぬようじゃな、トモノとやら。
主を呼び捨てにするどころか、誰の許可を得て気安く触ろうとしておるのか」

心配をしている少年の様子をまったく意に介した様子もない。
ただ、その馴れ馴れしい態度と、頭へと触れようとする手の動きに、鋭い視線が向けられた。
同時に感じさせるのは、気配を感じれない相手であろうと感じてしまう押し潰さんばかりの威圧感だ。

トモノ > 「……ッ…………。」

(気配を察知する、魔力を感じ取る。その辺の能力に長けた人材とは言えない少年でも、その威圧感に、頭を撫でようとする手を引っ込めることにはなった。)

「ふむ……。」

(しかして、少年は。言葉を察する能力には長けていた)

「立場はそれなりに理解したつもりだったんだけどね?
【僕の知っているタマモ】は、許可を得なければ触っては行けないとは言ってなかったぜ?」

(一歩、下がる。目の前の相手は、何か違う。これは、自分の知っている呑気な狐少女ではないと。)

「逆に質問して悪いんだけど。貴女は誰だい?どう見ても姿は、僕の知ってるタマモなんだけど。貴女の言葉は、どう聞いても……タマモじゃない。」

(威圧感に振るえて、逃げ出してしまいたい気分になるけど。それを何とか隠して、両手をひらっとさせて降参のポーズをとる。争う気はないけれど、気になるんだから問いかけくらいは許せとばかりに。)

タマモ > 少年は手を引いた、それは、立場を理解したというよりも、威圧感に怯んだといったところだろう。
己の問いに、その答えを語る少年。その言葉にさえ苛立ちは増していく。

「立場を『それなりに』理解しておる、じゃと?
仮に立場を理解しておるならば、言われずとも主に対して馴れ馴れしい態度を取るものではない。
式でありながら、そんな簡単な事も理解し切れておらんのか?
………呆れたものじゃ、一体、どのような条件で式を呼んだのか…」

ふぅ…言葉の通り、呆れた様子で深々と溜息をついた。
視線は相変わらず鋭く、余計な動きをすれば、その身を切り裂かれるような…そんな危険な感じを孕んでいた。

「式如きの問いに答えてやる必要はない。あの子の式ならば、今は妾の式じゃ」

相手の震えはよく伝わっている、恐怖に怯える姿は、何者であろうと心地良い。
すっぱりと問い掛けを斬り捨てはしているが、その言葉からほんの少しは情報を得られる事だろう。
降参を示し手を上げる少年へと、ゆっくりとした足取りで近付いていく。

トモノ > 「じゃあ理解してなかった。説明が無かったものでね。
条件なんか知らないよ、なんせよばれるまでの記憶がないんだ。」

(相手の物言いにわずかにムッとした表情を浮かべるけれど、相手の視線と威圧感に動けず)

「あの子の式?……てことは、あれだ。二重人格……って感じかな?
身体はタマモだけど、人格が……違う?正解?」

(あくまで口調は軽い物。けれど足が動かない。こういう意味では、立場を理解しているともいえるのかもしれない。)

タマモ > 「愚か者、使役する為に呼んだ者に、何の説明が必要あると言うのじゃ?
ただ黙って妾の言う通りに使役されておれば良い」

馬鹿馬鹿しい、そんな思いをありありと見せる態度を取り、投げ付けるように言葉を吐く。
が、軽く考えるような仕草を取った。

「………まさか、式の何たるかを考えもせずに呼び出したのではないじゃろうな…?」

あの子の性格ならば、ありえる。本当に、九尾としての自覚が足りぬ…困ったものだ。
もしそうであるならば、この者がそれを知らぬ、自覚も無いのは分からないでもない。
だが、これでは余りにも式として使役出来るものでもないだろう。
そういった考えに至れば、幾分か身動きも取れぬ程強かった威圧感も僅かに緩んだ。

「………妾は玉藻前、先代が九尾狐じゃ。覚えておくが良い。
理由は分からぬが、こうして表に出れておる」

知らぬ者に、幾ら求めたところで出来る訳がない。
面倒な事を…そう考えながらも、仕方なしと教えてやる。

トモノ > 「式神が使役されるために呼ばれるっていうなら、なんで僕みたいな普通の人間を呼び出したんだろうね?それこそ、僕の方が疑問が尽きない。」

(【何たるかを考えもせず】たぶん、その案が正解なんだろうな?とか思いつつ。自己弁護の言葉を吐く。とりあえず、威圧感が緩んだおかげで、呼吸ができる。さっきから息苦しかったので、両手を上げたポーズから胸をなでおろすポーズへ)

「てことは、タマモのお母さん?
先代だとして、表に出てくるとして。」

(さて、割と情報が引き出せた。これで少しは、戯言と軽口で戦えると、そういう意味でも胸をなでおろした。)

「やっぱり、割と優しいんだねぇ、僕なんかにも色々教えてくれるし。
タマモ前さん?でいいのかな?
娘が心配で心配で仕方なくて、表に出てきたってところかな?」

(ふっと笑みを浮かべて、命知らずも良い所だろうか、少しからかうように言ってのけた。)

タマモ > 「まったく、困ったものじゃ、本当に困ったものじゃ。
こんな人間を式として呼び出してしまうとは…」

まだ別に使える者も居るだろうに、なんで人間なんてものを呼び出したのか。
本当に理解し切れていないのだろう、額に指を当てて思案するような仕草を取る。

「あの子には母様と呼ばれておる。
人間として考えるならば、そうと呼べるじゃろう」

そこまでは、別に否定するまでも無く、これ以上の苛立ちもなく受け答えはしていたが…
次の言葉、そして…特に少年のその表情に対して、再び身動きが取れぬ程の威圧で制する。

「いい度胸じゃ、トモノとやら。
その無駄に軽い口を、二度と利けぬようにしてやろうか?
お主が今、目の前にしている相手を分かっておらぬようじゃな?」

気が付けば、少女の姿は少年の眼前にあった。
右手がゆらりと揺らぎ、その爪先が伸び、ぴたりと少年の首元へと当てられた。
僅かに、すっと引く…ただそれだけで、ちくりとする痛みが走った。
多分、薄皮一枚程度の切り傷を付けたのだろう程度には分かるかもしれない。

トモノ > 「ホントだよ、それもよりによって。
何の力も無い僕みたいな底辺人間をねぇ。」

(これに関しては心底同意する。特殊な体術が使えるわけでもなければ、魔法なんか使えるはずもない。そもそも、人間の身でタマモ達のような、人外の者に追いつこうってのがそもそも無理なのだ。)

「ね?怒るでしょ?……言葉が通じる知能さえあれば、僕は何とか。
生き延びられるんだ。」

(すでに身体は準備をしていた。相手が怒ったその瞬間に身をひるがえして逃げる算段を。それでも、首の皮が一枚切れたことに気づいて、流石に驚愕。準備してなかったらもう逃げられなかったんじゃないかと。だからこそ、思いっきり全速力で駆けだしながら遠吠えだけは忘れない。)

「バーカバーカ!……【式神ごとき】の言葉にちょっとイラっとしてやんの!?タマモとは友達だよ!!文句あるならタマモに言ってくれ!」

(わざわざ相手を煽るような捨て台詞を残して。逃げ切れば首が繋がっていることに安堵するんだろう。)

ご案内:「王都マグメール 富裕地区」からトモノさんが去りました。
タマモ > どうしたものか…役に立たぬ式神ならば、消してしまおうか、そんな危ない考えも浮かんでいた。
だが、そんな事をすれば、あの子にばれてしまう。
そんな中、こちらの苛立ちによる行動の隙を縫って逃げられた。
小賢しい…追おうと思えば、簡単に追い付ける。
だが、今、感情的になっている自分が何をしでかすか分からない。
そう考えれば…この仕返しは、次に回してやろうと考える。
ただし、こうはさせて貰おう…

『妾とのトモノの記憶は、妾の前でしか戻らぬ。
妾から離れた時、その記憶は失われるじゃろう』

力ある言葉を、声無き声で少年へと向けた。
距離を置けば、こちらが追っていない事に少年は安堵する。
だが、その次の瞬間から、少年にはその時の記憶を失ってしまうだろう。

ご案内:「王都マグメール 富裕地区」からタマモさんが去りました。
ご案内:「九頭龍山脈 山中」にタマモさんが現れました。
タマモ > 前に目覚めた時には、結局は試したかった事は試せなかった。
そのまま意識は沈み…気付けば、今度は九頭龍山脈だろう山中に突っ立っていた。
…最近、妙に目の覚める感覚が短くなっている気がする…
そう考えてはいるも、それはそれ、己の動ける機会が増えるのだから気にしない。
せっかくだ、この場で色々と試させて貰おうと、そう考える。

そして、今、少女は目の前の男を見下ろしていた。
一面に広がるは赤、転がる幾つもの死体、そして、破壊された荷馬車の姿。
別に、こんな場所を通る馬車を普段気にする事はなかった。
なのだが、今回は違う…試したい事があった。
得られたばかりの力と、魔力の程度を試す、これだ。

周りにどうやら鎧を纏った者達が居るが、それも気にする事はなかった。
護衛の者達と、荷馬車を塞ぐように道を塞いだ。
当然、邪魔な少女を退かせようとするだろうが、結果は…

満足のゆく結果だった。
どんな相手だろうと、重力を失い浮かされれば無力。
護衛の者達は興味も無いので切り裂き、逆に潰すような重力はどれくらいいけるのか荷馬車で試した。

そんな中、たまたま通りかかったのだろう、男がその光景を見てしまう。
…まぁ、そして、今のこの状態であった。

タマモ > あの子の見知った者ならば、消しては拙い、せいぜい記憶を弄って解放しなければならない。
だが、そうでない者ならば、そんな事は不要である。
まだ力を持っていたり、興味が湧いたりするならば、生かしてやるものだが…

「………残念じゃが、お主の不幸を嘆くが良い」

男に手を翳し、集中する。
這い蹲ってでも逃げようという姿勢を見せていた男、その体がゆらりゆらりと地面から離れて浮き始めた。
その場から逃げる事の出来なくなった状況に、男の怯えの色は深まった。

…今のところは、まだ重力を上か下かにしか使えない。
教わった魔族の話しによれば、方向も変えれると言っていた。
それはつまり、上下だけでなく、別の方向にも出来るのだろう。
もっと色々と試さねばなるまい、どうせ、試せる者は掃いて捨てる程居るのだ。

タマモ > 地面から浮かせた男を見遣り、少女は考える仕草を取る。

「このまま、高々と上空に放り出してやろうか?
それとも、あの馬車と同じ重力を与えてみたらどうなるか試すのも良いじゃろう。
部分部分の重力を変えてみたら、引き千切れるかどうかを試すのも良いのぅ?
ふむ…上下だけじゃと、やはり試せる事も大してないか…」

その考えを口に出して呟けば、男はひたすらに助けを乞うた。
男のそんな姿も楽しくて、どれを実行してやろうか?と言わんばかりに、伸ばす手で男に触れる。

ふと、思い出したように動きを止め、顔へと視線を向けた。

「ふふ…お主、冒険者とやらか?こんな場所で1人で居るのじゃ、腕の立たぬ訳ではないじゃろう?」

そんな問いをかけられ、男は、答えたら助けてくれるのか?と問いかける。
少女は問いに問いというものを受けるつもりはない。
目を細め、2度は言わぬと男へと囁きかけた。
その言葉に、男はびくりと肩を震わせ…少女の問いに答える。
少女の思っていた通り、たまたま通った冒険者である、と。

「そうか、ならば…それも喰わせて貰おう」

立場は色々とあって損はない。
あそこに転がっている、護衛の何人かも頂くとしようか。
無理なく腹が満たされる程度に。
触れる手が、男を力強く握り付ける。

そして…男の絶叫が山中を響き渡り…消えていった。

タマモ > ぐちゃり…滴る血の赤が、地面をより赤く染め上げる。
男であった肉片の、最後の一欠片まで貪り喰らう。
自らも真っ赤に染まりながら、ごくり、と喉を鳴らし飲み込んだ。

「美味とは言わぬが…まぁ、悪くはなかろう」

ゆらゆらと、少女は揺れ歩き、転がっている護衛だった者の側で立ち止まる。
屈み込めば手を伸ばし、鎧に覆われた体の一片一片を拾い上げる。
指先で器用に肉片を取り出し、喰らう。
その繰り返しだ。
2・3人分だろうか、喰らい終えれば、満たされたのか手が止まる。
…まだ、何人かの死体が残っているが、もう必要はない。