2016/03/05 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原)森林地帯」にタマモさんが現れました。
タマモ > 日の光も月の光も差さない、そんな森深くにある穴倉。
そこは穴場の一部であり、少女とて滅多には入ってこない場所。
僅かな狐火の灯りだけが灯された小さな空間で、少女はただじっと座っていた。
目の前には、なにやら印が描かれている。
これは、穴場へと足を踏み入れてしまった相手をこの穴倉に取り込む法陣。
ここは、時折抑えきれない衝動が起こった時に、こうしてじっと耐える為と決めた場所。
もちろん、獲物がかかれば容赦なく…その衝動を発散するだろう。
…溜まりに溜まった鬱憤が、たまたま引き金になったらしい。

あわよくばかかった獲物を喰らう。
そうでなくとも、ここでじっとしていれば、いずれは収まるだろう。

タマモ > この空間は僅かに灯りがあろうと、少女の目は閉じられている。
別に耳を済ませている訳でもない、そんな事をせずとも、この場所に入り口らしい入り口は無い。
逆に言えば、この場所に取り込まれたら、逃げるような出口も無い。
何者かが現れるとしたら、目の前の法陣である。
耳を済ませるまでもなく、何者かが現れれば簡単に気付けるのだ。

ここに来てから、そう時間が経っている訳でもない。
だが、この何も無い薄暗い空間は、ゆっくりと荒れた心を鎮めていく。
一応、そういった施しもした場所なのだから、当然なのだが。
それでも、もうしばらくは居た方が良いだろう。

タマモ > …少しずつだろうと落ち着いてこれば、そこから徐々に、思い出してくる事が出てくる。

そういえば、そろそろ受け取るべき物は…まだ宿はとったままか、それは心配ない。
服の件も、これは結局は誰か居ないと駄目っぽかった。
穴場の整理は…これも後回しか。
まだあの場所まで入れるのは一人の少女だけだが、整理までは教えてない、でも荒らす事も無いと思う。
王都内の散歩、いまだに道を記憶してないからか、よく迷う。
ちなみに、とってある温泉宿もたまに見付けるのに一苦労だ。
…これも、また機会があったらちゃんと覚えないといけないだろう。
とはいえ、地図とかある訳でもないし…これも、誰かに任せた方が良いか?

そんな感じで、少しずつ考えが浮かんでは答えを出していく。
こうなってこれば、幾分かもう大丈夫だろう。
ふぅ…深々と深呼吸。
それでも、まだしばらくは留まるべきだと思う。

タマモ > とはいえ、こうして思考が上手く働き始めれば…余計な事も考え出す。
座ったままの格好でずりずりと法陣に近付き、指をあて、ちょいちょいと何かを書き足した。
大した事ではない、引き摺り込む範囲を大きく広げたのだ。
森の中だけだったのを、適当な影に隠れた位置を、ここから王都までもの所々に。
…十分に大した事のような気がする。
ぶっちゃけて言えば、抑え込むのに余裕が出来て暇になってきたのだ。
それでも、引っ掛かる可能性は高くはない。

それが終われば、ずりずりとまた元の位置に戻る。
再び自問自答を繰り返し始めた。

タマモ > さて、可能性は高くはないとはいえ、気になるものは気になる。
反応の無い法陣の側に、ちょくちょくと近付いていく。
自分の転移はお手の物だが、こういった取り込む類は…完璧とは言い難い。
式神を呼び出すのは成功はしたものの、これはまた別のものなのだ。

「無いとは思うが…まぁ、失敗をしておるとかは…無いよのぅ?」

ちょんちょんと法陣を小突いては、首を傾げながら確かめる。
そもそも、これで取り込まれた物はどうやって現れるのだろう?
もしかして、この上に寝転んでいたりすると潰されるか?
そんな馬鹿げた考えも浮かび始める辺り、もう結構な余裕も出てきているか。
…いや、さすがにそれは試したくない。
試すなら他人で試す、が、その試させる他人がここには居ない。
なんだか段々と普段の調子が戻ってきたようだ。

タマモ > ふっと少女の頭に何かが過ぎった。
何ヶ所かに入り口を作ったのは良い、それは良いのだが…
あくまでも出口はこの目の前の法陣一つだ。
もし、同時に入り口に何人かの者が取り込まれてしまったら、どうなるのか?
次に少女の頭に過ぎったのは、その者達の融合の光景だった。

「いやいやいや、それは無い…それは無いじゃろう」

自分の考えに、自分でツッコミをいれていた。
タイミングがずれれば取り込まれるのは一人だけだろう。
タイミングが合った場合は…まぁ、同時に出てくるにはスペースが足りない、弾かれる…だろうか?

これも、あんまり試そうとは思えなかった。
最初に浮かんだ想像通りになったら…怖過ぎる。