2015/10/24 のログ
ご案内:「王都マグ・メール-郊外の小さな町」にロザリーさんが現れました。
■ロザリー > 夜の帳が降りてからのほんと僅かな時間
今日の仕事を終え、各々の家が灯りを灯し家族と夕食の歓談に興じる
そんな暖かな時間は今日は訪れなかった
月が昇りきる僅かな時間の間に、
小さな町からはほとんど灯りが消え、静寂に飲み込まれている
僅か数刻にも満たない時間、
王都から離れたこの小さな町はグールが徘徊する死都と化した
「………」
町の中央に位置する教会は破壊され、その前にバイコーンの引く大きな馬車が止まる
その馬車の上で、冷たい瞳を街に向けるのは吸血姫ロザリア
先日人間に滅ぼされた魔族の村の報復、というだけではない
アイオーンの加護に守られ、砦から先は攻められないものと高をくくっている人間どもへの警鐘もはらんでいた
■ロザリー > 並大抵の魔物ではアイオーンの加護の下で動くことができない
ならばと、ロザリアが動員したのは本来なら人間の街になど出てくることもないはずの最上位の悪魔とアンデッドの軍勢である
加護の影響を受けて尚、人間以上の戦闘力と魔力を発揮できる者達
グレーターデーモンの強襲により町の警備隊は一瞬で壊滅
リッチの吐き出す瘴気により殺された者達はグールとして蘇生する
……あとは早いものだった
守るべき者達が死喰鬼と化した町は一瞬で生きる者の住める場所ではなくなった
死した者達は瘴気にあてられ、リビングデッドとなり
人間の町を塗りつぶすようにその数を増やしていき…僅か数刻
「魔族に安住の地がないのであれば、人間どもに安住の地がある道理はない…。
王都の動きはどうなのだ、モーガン」
冷徹な瞳を、馬車の上で控える執事へと向ける
『早馬で向かった者はいるようですな。
とはいえ郊外も郊外、ましてや夜山、討伐隊が到着するのは明朝でしょうな』
■ロザリー > 「……ならば夜明けまでにもう一つくらい町をいただいておくか」
ぽつりとそう零す
『アイオーンの加護の下で討伐隊とやりあうのは懸命ではないかと…。
ロザリア様もデーモンとリッチの召喚で多くの魔力を割いておられます』
巨躯の執事は恭しくもそう指摘をする
しかし先日の魔族の村の惨状を目にしたロザリアは聞く耳をもたない
「お前の意見はわかった、魔鏡を使いさっさと城へ戻れ、耳障りだ」
そう言って馬車を降りてしまうと、執事は困ったような表情を浮かべるままにその意に従う
口煩いと思われてしまってはこれ以上進言することも出来ず、立派な馬車と共に魔術の扉を潜り執事たちはその姿を消した
ぽつりと一人残ったロザリアはゆっくりとグールひしめく夜の街を歩く
■ロザリー > 街の様子は、遠目には何も変わっていない
人間達に焼き払われた魔族の村とは違う
唯一破壊された建造物は中央の教会のみ、
あとは…全ての住人がグールと化しただけである
「人間達の侵略とは違い、静かなものであろう」
だれともなしにそう口にすると、広場の椅子にふわりと腰掛ける
静寂に包まれた町
しばらく肉と骨を咀嚼する音があちらこちらで響いていたものの、
グール達も食すべき相手がいなくなったことで何処へともなく姿を消していく
ここに人間が踏み込めば、また姿を表し襲いかかるのだろう
ご案内:「王都マグ・メール-郊外の小さな町」にヨゾラさんが現れました。
■ヨゾラ > 体が少し重い。アイオーンの加護とは、こういう事なのだろう。
生ける屍、精気の微塵も感じられない、死んだ街。
時折頭の悪いリビングデッドが襲いかかって来るのをピンポン玉みたいに蹴り飛ばしながら、
それでも一切の汚れがない和装に身を纏う化け物が、楽しそうに光景を眺めた。
「こんばんは。ああ…ロザリア、だったかしら。
お約束通り、貴方に会いに来たわ。…少し、出遅れてしまったみたいだけれど。」
腰を曲げて視線を落とすわけでもなく、座ったそちらを見るでもなく。
目線はどこ吹く風と言った様子だが、それでも確実にそちらが見えているかのように挨拶する。
「趣味が悪いわね。けれど、嫌いじゃないわ。」
シルエットで見える、夜の中で声とも言えぬ声を出しながら闊歩するアンデット。
もう街は、侵略され切ってしまっていた。
■ロザリー > 「お前は見に来るだろうと思っていたよ」
見知った、その顔が現れると目を伏せ、口元に笑みを浮かべる
「女子供を凌辱し尽くし、浚い、火を放ち焼き払う。
人間どもに比べれば幾分も情のある侵略だと思うがな」
肩を竦めてみせるその様子は、魔族の村の焼け跡で邂逅したその時と一粒の違いもない
そのドレスも美貌も変わらぬままだ
ただし決定的に違うのは、その身から感じる力の差
無限とも思える魔力はなりを潜め、おそらくは一般的な上位のヴァンパイア程度の力に抑えられている
もともとの力が大きければ大きいほどに、アイオーンの加護はその退魔の力を強くする
と、いっても
その程度の力であったとしても普通の人間にとっては脅威なのだ
事実、大した自衛の戦力がなかったとはいえど、わずか数刻で町が一つ堕ちてしまうくらいには
ご案内:「王都マグ・メール-郊外の小さな町」にオーギュストさんが現れました。
■ヨゾラ > 「寧ろ見に来ないという選択肢こそ在り得ないわ。…暇だからね。
それに、ちょっと迷ってたら、貴方の豪勢な馬車が見えたから、つい。」
くすりと小さく、作った笑み。
「さて、どうかしら。不死人となって長らく苦悩するのも結構なもんだとおもうけれど。」
ようやっと向き直る。概ね違う所はないが、内在的な物だろう。
美しいその外見は、といえば一目見て彼女だ、と分かる一種のシンボルであった。
「ふむふむ…成程成程。」
つまり、普通の街はと言えば、警邏もお粗末なもので、
ヴァンパイア一人攻め入らせたらこのザマになると言う事だろう。
一瞥。
じろじろ見ているわけでもないが、放射線が通って行くような気持ちの悪い感触がするやもしれない。
偵察の魔法。ただし、大分と強引で大規模な。
対象は、この町の今日一日の出来事と、存在している自分以外の生命全て。
無論、そのロザリアという存在も含めてはいるが、先程言った通り、データとして出力しようとしているのだ。
「義憤に駆られてここまでやるなんて、恐ろしいわね。
で?何。一仕事終えたところで、休憩、かしら。」
隣に座るわけでもなければ、あちらこちらの情景を伺う。
討伐団が来るでもないし、兵団が向かってくるわけでもなさそうだが。
それでも、さっさと仕事を終えたのならトンズラした方が良いだろうと、思う。
思うだけで、口には出さないし、きっと彼女には言うまでもないだろうが。
■オーギュスト > 伝令は夜のうちに近くの狼煙台に到着。
あらかじめ決められた手順を元に、篝火で王都に向かい
「アンデッドによる侵攻」
とのみ伝えた。
それを見たオーギュストは、近くに居た神官3人を連れ強行軍で街に到着。だが、時既に遅かった。
「――ちっ!」
オーギュストは街のあまりにも静かな様子を見て舌打ちする。
街はどうやら陥落したらしい。
生存者を探すにも、部隊が到着しなくては流石に無謀だ。
だが、オーギュストにとってただ一つ幸運な事があった。
■ロザリー > 本来ならば、ロザリアには偵察の魔法などは通さないくらいの魔法防御があるのだろうが
生憎とこの加護の下ではそれすらも働かないらしい
「そうだな…このまま隣町にも手を出すか出さまいか、考えていた。
夜明けには王都から討伐隊も来るであろうが───いや思いの外、人間のほうが守りに対する意識は高かったようだな」
考えてみれば魔族に比べて弱者である者達がそれに秀でているのは当然だろうか
町の中に踏み込む気配を感じ、ゆっくりと立ち上がる
■ヨゾラ > 「隣町も…欲張りねぇ。」
呆れ半分に溢す。
データは取れた。バッチリと。
強行する様な偵察魔法、もとより魔法防御も出し抜く様なトリックはある。
あるが、必要なかった様だ。
「…んふふ、そうみたいね。お客様、かしら?」
数人の人間の生命。
その正体は知らないが、立ち上がるって事は大体彼女の想像通りなんだろう。
ついでだし、その戦いぶりも近場で見せてもらおうか、なんてちゃっかり考える。
■オーギュスト > オーギュストの幸運、それは、風上である街の北東に、武器庫があった事だ。
この武器庫の中には、行軍用の油が大量に保管されている。
つまり……
「か、閣下、本当に……!?」
「街にはまだ、生存者が居るかも……!」
躊躇する神官たちに一喝する。
「アンデッドに対する基本を忘れたかてめぇら!
数を増やさないようにする為だ、やれ!!」
怒号に怯えた神官たちが唱えた呪文。
ファイア・アロー……ごく初級の、魔法に携わるものなら誰にでも使える呪文。
その呪文は、武器庫の油樽を直撃し――
猛然と舞い上がった火の粉は、風に乗って街に飛び火し始める。
それを見ながらオーギュストは傲然と呟く
「さぁて、こっからだ。戦争ってもんを教えてやるよ」
■ロザリー > 「討伐隊と呼べる程度の編成ではないようだな、グールの餌食であろう …?」
ふと、爆音と共に北東の空がオレンジに染まる
流れだした油は次々と建物に炎を燃やし移していき、あっと言う間に天を焦がすような炎へと変わっていく
「…莫迦な。
生存者の確認もせずに焼き払うというのか…?」
蒼碧の瞳を見開き、その事実にただただ驚愕する
町の入口で把握できる情報だけでここ迄やるなど、
結果を見れば正しい判断と行動とも言えるが……
飛び火した炎は次々に建物を焼いていく
建物から炙りだされた元・住人であるグール達が街に溢れだした
■ヨゾラ > 「人間ってアレね。本当に燃やすのが好きみたい。馬鹿みたいね。」
この間の魔族の国といい、今日の村と言い。毎度毎度こうして白煙が上がる。
火の粉が舞い始める。物が、不死人が、焼け始める。
「んふ、ロザリア、あなた人間のこういう所が嫌いなんでしょう。何でもかんでも焼いて攫って犯して。
ゾンビだって可愛い子居ると思うんだけれどねえ。」
他人事のように問い掛ける。
「あーあー、何でこう乱暴なんだか。立ち話も出来やしないわ。」
呆れ半分に愚痴をこぼすが、それでも未だ観戦はする心算らしい。
ご案内:「王都マグ・メール-郊外の小さな町」にマリーさんが現れました。
■オーギュスト > これで相手の兵力の増加は止まった。
あとは虱潰しにしていくだけだが――
親玉が居て、統率されると面倒だ。
雑魚は一片に片付けてしまおう。
「――――」
オーギュストは自らの腕に傷をつけ、血を流す。
そして神官たちの「ウィンド」の呪文で、その臭いを街中へと流す。
好物である新鮮な血と、己の嫌う炎の無い脱出口。二つが合わされば、何かなければグールどもが殺到してくるのは時間の問題だろう。
■マリー > 「なんだよ、これっ……!」
待が燃えている。
それを聞いて、居てもたってもいられずに飛び出してきてしまった。
そこで見たのは……燃え上がる町、内部にはグールにされてしまった住民たち、外には討伐隊。
遅かった。いや、燃えているという話を聞いてから来た時点で遅かったんだ。
でも、自分で腹が立ったのは。
「(クソッ、クソッ……!あの軍人、やりやがった……!)」
対アンデッドの基本。被害拡大前に内部の人の生死を問わず面制圧で全滅させる。
内部の人の、生死を問わず。
それに強い怒りを覚える自分と。
「(でも、最適解だ……!)」
それが最適だと分かってしまう自分。
その葛藤が苛立たしかった。
この場で自分はどうするべきか。
内部に突っ込んでいくメリットは皆無だ。寧ろリスクばっかりがいくらでも考えつく。
だけど。
「放ってなんて、おけないだろっ……!」
最適でもなんでもなくても。
ただ「出来るなら助けたい」と言う甘い願いと共に、内部に潜入する。
「(誰か……誰か、生きててよっ……!)」
■ロザリー > 「ああ、嫌いだ」
かつては自身も人であったロザリア
しかしそれはもう見限り、捨てたもの
今の自分は死祖であり、魔族の城の城主だ
「丁重に、饗してやろうではないか」
ロザリアの周辺に数十の魔法陣が広がっていく
このやり方を見れば、人間達が相手をグールのみと高をくくっていることは理解る
ならば
加護の下で縛られた僅かな魔力を絞りだすように、召喚を続ける
「征け、尽く喰らい殺せ…!!」
爆炎の上がった方向へ、無数の魔犬が、リッチが、グレーターデーモンが向かっていく
……加護の下では、これくらいの上位種でなければまともに動けない
「………っ」
多少無茶をしたのか、ふらりと膝をつく
ご案内:「王都マグ・メール-郊外の小さな町」にロトさんが現れました。
■ヨゾラ > 「んふふ。………馬鹿なのは、人間だけじゃあないのかも?
私言ったわよねぇ、女の身なりで、人間の街に突っ込むなんて無謀だーって。」
からかうような口ぶりで、立ち上がったかと思えば膝をついたロザリーにくすくすと笑いかける。
夜とは思えないほどに明るい。炎の所為だ。
「デュラハンかケルベロスでも使えば良いものを。ああ、それとも即興で変異種のゾンビでも作ったら?面白いわよ。
なぁんて、今の貴方には無理でしょうけれど。」
つら、つら、と専門用語的な物を並べるが、もう彼女にそんな力がないと揶揄しているに過ぎない。
「あれが焼かれたら今度こそお終いねぇ…?」
じゃあ、私帰る準備しておくから。
そう言いたげに自分の逃げる分だけの時空魔法の八芒星を描く浮遊型魔法陣を用意すれば、
また悠々と観戦を始める。
全て見えているかのような口ぶりで、実際偵察魔法を張り巡らしているから殆ど見えている。
見えているが、何もしない。観戦だけが目的の心算だから。
■オーギュスト > ぎりっとオーギュストが歯噛みする。
予想よりも、相手の手駒が多い。
精々リッチかデーモンが2,3匹、あとはグールかと思ったのだが……
「構うな、やれ!」
神官たちが「ホーリー・ライト」をグール達に向かって放つ。
こちらも面制圧の対アンデッド魔法。グール達の行き足が止まり、もがき、やがて崩れ去っていく。もっとも数が多すぎて、崩れた仲間を乗り越え近づいてくるのだが。
ともあれ、神官3人で大量のグールは何とか捌けそうだ。後は、あの眷属ども。
オーギュストは剣を構える。
さて、どこまで持つか。
(くそっ、手が足りねぇ、せめて前衛を2,3人連れてくるべきだったか……!)
だが、戦場で後悔しても始まらない。所詮、戦争は手持ちのカードを如何に使うかなのだ。
カードを増やすのは戦略に属する事。そして、戦略レベルでは既に敗北しているのだから。
■ロト > 街が燃えている、それと魔族と人間が争っていると言う旨、
それに我が主君たるロザリア様が居られるらしい。ただ旗色は悪いらしいので…とそこまで聞いて
巨大な黒毛狼に飛び乗り急いで馳せ参じたのは遂先程の事。
…魔力云々は街の加護があるので、全開は程遠いのは承知している。少し体が重い程度。現場にこのまま突っ込んでもいいが、
少しだけ現状どうなっているのかを見定める為に少しだけ街から離れた所で狼の歩みを止めた。
街の生気が純粋なモノは数体、後はアンデットと…我が主君、魔族…偵察魔法の精度が微妙なもの。
「……さて、我は主君を探せばいいわけだ。…まさに戦場だの。」
此処からでも見える、人間が聖属性の召喚を放っているのは、主に光と気配と怒号の声と…。
そちらか、とあちらに突っこむか、とぽんぽんと狼の頭を軽く叩いで走らせ始めたー
■マリー > 「クソッ、こんな奴らまで……!」
中に入ると地獄だった。
住民の反応は現状無し、その代わりグールと、魔犬と、悪魔どもが闊歩している魔界のような場所になってしまっていた。
即座に念を込め、手のひらに雷撃を集中。
犬やグールの頭を、必殺の「鳴神」で消し飛ばしながら声を張り上げる。
「誰か、ボクの声が聞こえるかい!?いるなら返事をしてくれ!ボクはバウンティハンターのマリー!生存者がいるなら助けに来たよ!誰か、誰かいないのかい!!」
声が聞こえてくれと。
返事があってくれと。
雷撃を飛ばし、自分に迫る魔物を消し飛ばしながら、祈る様に声を張り上げる。
とは言え……ここで声を上げたら、先に魔物に襲われる可能性だってある。
電力を伸ばして探知を行いつつ、まずはこの場の制圧を図る。
にしても……
「(多すぎる、キリがない!)」
まるで、戦力が更に追加投入されているような……そんな絶望的な観測を、目を背ける様に振り払う。
「(駄目だ。ここで生存者を助けられるのは、多分ボクだけだ。だったら、くじけるなっ!)」
外の連中はこの村を捨てるつもりだ。
魔族はこの村を食い荒らしてる。
村の人を助けられるのは、自分だけ。
そう自分を奮い立たせ、祈る様に叫びながら敵を屠って行く。
■ロザリー > 「無謀?ふん…吾を誰だと思っているのだ…」
ついた片膝を立て直し、再びその周囲に魔法陣を展開していく
怒りに任せ、街中の人間をグールにしてしまったのはある意味では失策である
血の補給ができれば魔力を回復できたのだから
魔力が尽きたのであれば、その身に刻んだ魔術刻印までも使う
わらわらと湧いてくるグレーターデーモン達、
いずれ人間達もその発生地点が街中央の教会がある場所であると気づくだろう
それまでに終わらせるべく、魔物を生み出し続けてゆく───
本来ならば逃げを打っても良い
が、ヨゾラに指摘された通り…こんな真似をする人間が嫌いなのだ
■ヨゾラ > 術式の糸に何やらまた新たな大きな反応がかかった。
データ化、映像化の極々強引で大規模な術式が街一帯にかかっている。
レーダーというべきか、寧ろ魔法使いの水晶玉みたいなものなのかもしれない。
魔王級の魔力、こちらに向かってきている。
人間が数人増え、アンデットの数が減っている。
「んふ、何だか、賑やかになってきたわねぇ。ちょっと悪戯したくなってきちゃった。」
さて、どっち側に悪戯してやろうか。浮遊する魔法陣を浮かべながら楽しそうに笑う。
逃げる準備は万端、術式は展開したから後から回収するだけで良い。
加護の元でも気兼ねなく暴れられるという物だ。
「あー、あー。多いねぇ。何だっていうのかしら。」
次から次へと消えていく。不死者たち。
「ラプラスの悪魔」で把握したところ、それなりの手合いの雷の魔法使いまで居る様だ。
「んふふ。貴方が誰であろうと無謀は無謀。
ばかじゃないの?魔力の欠片も残りはしないわよ、それ。」
まだそんなところに魔力源を隠していたのかと思ったが、それはそれ、これはこれ。
「けれど、まだ楽しめそうねぇ?」
沸きだす中位、上位の魔物。
それらを見て、闘技場に招かれた客人のように笑う。
■オーギュスト > 今日のオーギュストはとことんついているらしい。
何者かの声……あれは、バウンティーハンター?
そうか、賞金稼ぎ……
その叫び声に、魔犬や悪魔が群がっている。
こちらへの注意が一瞬逸れた。
「ありがてぇ。死んだら弔ってやるし、アンデッドになったら丁重に葬ってやるよ」
小声で物騒な礼を言いながら、アンデッド達の「元」を探す。
先ほど、一瞬で戦力が「増えた」。
なら、まだ親玉は居るはず……!
元を辿り、徐々に教会の方へ向かう姿がロトには見えるかもしれない。
■マリー > 電気による探査。
これによって生存者は見つからなかったけど……魔物が出てくる中心点は、分かった。
「あっちか……!」
目的地は教会。そこに走って、走って、走って行って……。
バンッ!
と、ドアを蹴り開けた。
中には、見たこともない奴と……
「……前は世話になったね、ロザリア=Ⅳ=キルフリート!」
先日自分が挑み……敗北した相手が、立っていた。
■ロト > まさに戦場 まさに地獄 まさに魔族の国か ここは、と
色々と錯覚させる賑やかで殺戮的な凄惨な現場だ。
街に本来居た筈の住人の生気が感じられそうにない。
代わりに居るのはグールと悪魔と魔犬等のアンデットとかの群れ。
その中を疾走する人一人が乗ってもびくともしない黒毛狼に乗っている。
「…収集つくのじゃろか、これ。主君…が心配。」
いやいや、つく可能性が低い気がする。それ位この現場 殺戮過ぎ。
額をぐりぐりしてから辺りを見渡し、主君ロザリアが居られる場所までもう少し。
…確認した。では、出助けにもならないだろうが、アンデットとは別口の者を召喚しておこう。
狼を小走りさせながら 前方に数個の召喚陣を展開、瞬く間に陣を経由して出てきたのは子鬼と甲冑を着た鬼、それぞれ槍とか剣とか持って、
神官とかを率いるオーギュストの方へと「襲う」様に指示しその後はロザリアの居る方へと急ぐ。
程無くして辿り着くのは時間の問題、下手したら見えるかも知れないが。
「…引っ掛かってしまったかもしれん」
隠してもいないのだ、魔力の高さは。隠すとかそんな器用な事は出来ていない。何者かの偵察魔法というか察知魔法に引っかかってもおかしくないが、浮遊している魔法陣に何か気づいたが、どうにもしない。
オーギュストの前に教会に突撃したのも確認見て取れた。
間違いない あそこに主君が居る、ならば、と狼から飛び降りると狼は闇に紛れるようにいなくなって。
教会の窓を走りながらー入り口は賞金稼ぎが居るので、と言う意味で道なき道を文字通り―
ガシャーン!
と叩き割って入って見せた、受け身も取り立ち上がり
「…お待たせ致しました、我が主君」
と声をかけつつ、今現状をざっくりと見ようと視線を向け
主に主君の状態と陣営と…ざっくりと。
■ヨゾラ > 誰か来た。…これは、かの電気使いの気配と一致している。
そちらを見向きをするでもなく、
「んふ。お客様みたいよ。…暴れていたねぇ。貴方に御用みたいだけれど?
んふふふふ、可哀想ねぇ貴方、こんな状況で人間に見つかっちゃうんだもん。
だから言ったじゃない。無謀だ、って。」
焦るわけでもなく、憐れむでもない。ただただ笑って馬鹿にするような口調で、
次から次へと配下を出して、大凡魔力を尽かしているだろうロザリアへとくすくす笑いかける。
大凡この化け物が勝手に話を進めているだけなのだが。
「あら、今日は客が多いのね。
何だか私寂しいわ。皆貴方に用事でだぁれも構ってくれないんだもん。」
そして、魔王クラスの魔力もこちらに集まった。
割れた窓を見るでもなく、独り言をぼそりと呟きながら、
やっとここに集まった全員に視線を遣って、拗ねたようにロザリアに言う。
■オーギュスト > 「だぁっ、キリがねぇな!」
リッチ、グレーターデーモン、魔犬、それに鬼ときた。
あのバウンティーハンターを囮にしようと思ったら、真っ先に教会に突っ込んでった。無謀な事を。
「――とはいえ、俺もまぁ、そこに用があるんだがな」
3匹目の鬼をようやく潰す。
かなりダメージは受けたが――
あとは、如何に強いとはいえ速度はそれほどでもない。
オーギュストもまた、教会へ向かう。
■ロザリー > 「………」
廃教会とも思しき、崩れかけた教会の扉が蹴破られた
その先にたっていたのは、予想もしない顔
「…お前は……お前が、火を放ったのか…?」
向けられるその蒼碧の瞳は、以前やりあった時とは違うもの
疲労の感じられるその表情もかくや、眼光は鋭い
それは、侮蔑を含んだもの
やがて魔法陣も消え去った頃、ステンドガラスをブチ破って入ってきたのは…配下の暗黒騎士だ
「ロトか…よく馳せ参じた。
…しかしアイオーンの加護の下だ、無理はするでないぞ」
言葉とは裏腹にその表情には安堵が見られる
魔力ももはや尽きかけていた
「ヨゾラよ、寂しいのであれば貴様も加わればよかろう?」
ふ、と疲労の息をついてそう言葉をかける
ご案内:「王都マグ・メール-郊外の小さな町」にエドガーさんが現れました。
■マリー > ゴーグルをかけ、きっと睨み付ける。
……その言葉は、聞き捨てならない。
「そんなわけないだろ。火を放ったのは討伐処理に来た奴らだ、ボクは生存者を探しに来たんだよ。
……まさか、オマエに会うなんて、思ってなかったけどね」
バチチチチ、と両手に雷光を輝かせ、怒りを込めた声を投げ付ける。
状況は……ロザリアは疲弊している。が、他に魔族が二人。多分上位魔族。
手に余るかな……とは思うが、今、外は「火事」だ。
最強無敵を自負するマリーの切り札。それを使う条件は多分整っている……ならば、それを使えれば、上位魔族三人を狩れるかもしれない。
「……よくもやってくれたな。町一つ、グールタウンにするなんて。
ボクの電気探査でも生存者は確認できてないよ。ここにいた人たちはほぼ全員、死肉喰らいのグールだ。
生きてたのに。
単なる端っこの小さな町の、日々を頑張って生きてた人達なのに。
そんな人たちを、死肉喰らいのグールになんて変えやがったな……!」
それに、勝算以上に。
こんな外道共を、放置なんて出来るもんか……!
■ロト > 主君の現状 魔力枯渇気味。この方吸血鬼だった筈。
然し血液の補給先たる人間は…街に居た筈の人間は全てグールと言う有様。補給先がありませんな、と突っ込みたくなる。
四方や、ロザリアの前に対峙しているマリーとオーギュストから
…考えられそうにないのでその案は即捨てた、無かった事にする。
…鬼では牽制にもなかった、仕方はない。オーギュストに斬られた鬼は遺体となって転がる事なくざぁっと霧となって四散した。
「…魔力枯渇為さっておいででは?血液補給…此方をお飲みください。補給血。」
異次元収納…能力から取り出したのは血液がたっぷり入った瓶。少しは足しになるかも知れないと数日前に保管しておいた代物。
それを場が場なので ずいっと主君に差し出す所存。
…めんどいのが居りますな。
それも主君に仇なし怨恨深そうな少女ー(マリー)。
視界にも向けなかっったが、漸く向けるとため息を吐いて
もう御一方のヨソラさまにはその場に居られるのであれば 会釈程度に頭を下げよう、場の雰囲気微妙だけどお構いなし。
■ロザリー > 「…勇ましいものだ。
端に位置する小さな町、ささやかに生きる者達を蹂躙する…。
お前たち人間がつい先日、魔族の村でやったことと何が違う…!」
その視線は憎悪すらも感じさせる
射抜くようにマリーを見据えた
ただふらりと揺らぐ足取りで一歩下がり、前を自身の配下、ロトへと任せるようにして
「…加護の下で召喚を使いすぎたな、助かるぞ、ロト」
血の入った瓶を受け取り、礼を返した
■ヨゾラ > 「んー、加わってあげても良いのだけれど。まぁいいかしら。
なあんかやる気みたいだし。可愛いし。」
赤毛の少女、マリーを見遣るでもなく、言葉と違って少し気怠そうに一言。
「アッハハハハ、恨まれてるじゃないロザリア。
あー、この件は私は関係ないからね。そこの吸血鬼の御嬢ちゃんの仕業だから。
まぁ、私の時空偵察魔法でもここに居る魔族と人間以外みぃんな死んじゃったみたいだけれど。」
半笑いながら、何処か楽しそうにロザリアとマリーに言葉を掛ける。
「あらあら、全く皆楽しそうねぇ。なあに?人間と魔族でパーティでもするの?
私だけ仲間外れにしてパーティだなんて、やだわやだわそういうの。」
他人事の様に語るが、それゆえに口からは冗談が止まらない。
「何よもう。モテモテねぇロザリアちゃん。」
会釈するロトに手をひらっと振る程度に留めてご挨拶。
何やら彼女等は主従らしい。魔力補給までしてくれる気の利いた味方が居るのだから少し羨ましいか。
■オーギュスト > 「そういう事だ。
火を放ったのは俺だよ」
ふらりと教会に入ってくるオーギュストは目を細める。
まったく、何だここは。
上位魔族が3人。それも全部魔王クラスと来たもんだ。
命が幾つあっても足りゃぁしない。
――が、出会っちまったもんは仕方が無い。
「ついでに言うと、あの村を襲ったのもな。
あんたの領土だったんだなぁ、城主殿」
男はくくっと喉奥で嗤った。
■エドガー > 「やぁ、ロザリア君。昨日言った通り、見に来たよ。盛況のようじゃあないか。
あぁ、君も来たのかね?ヨゾラ君。 どうだね、戦況とやらは。」
割れたステンドグラスからひょっこりと顔を出してロザリアへ呼びかける男。
そのまま緩やかに空中を浮遊して、教会の中へと入っていってはロザリアから少し離れた場所へと着地した。
先に来ていたらしいヨゾラへと問いかけてみては
「まぁ、此処に来るまでに見た通りなのだろうがね。
いやはや、地獄絵図だったねぇ。」
そのまま何かに寄り掛かるような体勢になりながら、教会内を見回してみる
■ロト > 主従である以外ほぼ関係がそれだけ。
魔力補給の間は ほぼ前衛向きな己は ロザリアの前にいよう。
「…お気を付け下さいませ、やり過ぎは退路を断ちます」
主君たるロザリアにそう言い返し、じっと黄金瞳で持ってマリーを見定めて。…魔眼で見ているのだが、効果はないようだ。
どうも主君とマリーの間に何かがあったらしい。
その時その場所に傍に居なかったから存ぜぬが、主君に手を上げるのなら容赦せぬ、と傍からしたら丸腰の魔族は対峙中。
…もう一匹 追加。あれが火をつけた犯人らしい。
ついでに言えば あれが居るとしたら、あれを襲うように仕向けた鬼は全滅と言う事に為るのだが…はぁ。
溜息もつきたくなる。
…誰かがやって来られたようだ、ちらりと見えた。どうも主君の知り合いらしい。ロザリアの前にて陣取っているので挨拶もままならない。
■マリー > 「……!」
魔族の村の蹂躙。
人族からすれば「討伐戦」であり、そして……魔族からすれば、蹂躙になるのだろう。
ぐら、と僅かに自分の中の正義が揺らいだ。
と言うかこの堂々と自分がやったって言い出した奴をどうしてくれようかと思う。この野郎、お前が原因か。
でも、それだって元々は魔族が好き勝手やったからだ。
「……そもそも、お前ら魔族が人の世界に手を出すからいけないんだろ!
最初に蹂躙したのはお前らだ、最初に踏み潰したのはお前らだ!
それに……お前らをここで倒せれば、このループも終わるのかな……!」
バチチチチ、と雷光を迸らせ、闘志を内から燃え上がらせる。
……そうしないと、手が止まってしまいそうだったから。
■ロザリー > 「そうか、貴様があの村を…。
我が城の二階からまんまと逃した時点で、吾の失態であったようだな…」
瓶の血液を喉に流し込み、口元を拭いつつ場に揃う者達を見渡す
「つまり、お前は報復を正当だとするのであろう?」
冷たい目をマリーに向けてそう呟き…
「殺せ、この場に人間など必要ない」
再び魔犬を召喚、オーギュストとマリーへとけしかけた
■ヨゾラ > 「あら、誰だったかしら貴方。ん?戦況。吸血鬼の御嬢さんが馬鹿やらかして、
んでその従者が助けに来て人間が駆け付けたーって所ね。ま、データは取ってるんだけれど。
戦況はまぁまぁよ、まぁまぁ。」
見向きもしないが、見えているかのように、そして実際見えていて。
兎も角新しくやってきたエドガーにはそう答えた。
「で、何よ。キルフリートコンビが炎放った人間に感動の復讐劇ですかそうですか。
おまけに人間まで熱くなっちゃって。はあ、やだわやだわこういうの。
私だけやっぱり置いてけぼりなのよねぇ…。」
概ね熱くなっているのはロザリアとマリーだけの様だが。
「ねー、私もそう言ったんだけれど、結局この吸血鬼の御嬢さん、
無謀な事して魔力使い果たしてこれよ。笑えちゃうでしょ。」
ついでにロトの諫言に乗っかる様にロザリアに一言。
表情はからかっている半笑い。今一つ緊張感がないのは、この状況で尚緊張する要素がないと思っているからだ。
■オーギュスト > 「だからお前らはなぁ――」
はぁと溜息を吐く。
そうか、この吸血鬼もまた……
「そんなだから、何時までたっても勝ちきれねぇんだよ、手前ぇら魔族は」
大剣を使い、魔犬の相手をする。
この結界の中だ。動きも鈍い、魔犬程度に遅れは取らない。
「この戦争に、正しいとか弱者への配慮とか、んなもん求めてんじゃねぇぞ『ロザリア嬢ちゃん』よぉ!」
叫びながら魔犬を両断する。
もう、城主殿などと呼ぶ必要もないだろう。
オーギュストにしてみれば、ここに居るのは「圧倒的な力を持つ小娘」だ。
■ロト > マリーと主君の怨恨の深さは知らんので手は出さない。
ただ、手を出されれば全くの別であり、主君からの命があれば屠っても仕方はないと割り切っている。
人間は面白いものが居ると言うのは理解もしているし 友人もいるので全てではないと思うが、
敵意を持つものや魔族を傷つけるものは別 あれは命で持って贖えと。
後ろに居る主君からの命が下りた、つまり。
「御意 拝命給わりました、殲滅に移行します」
何処までも冷たい対応、淡々としている。この姿での武器は必要ない、あっても無駄。身一つでどうにかする。
「そこで笑ってはいけません、えと、ヨソラさま。でしたか。
私はロードと申します、きちりとしたご挨拶が出来ずに申し訳御座いませんが後程 改めてご挨拶申し上げます」
ヨゾラに向けて冷静に挨拶だけは述べて置く。言葉だけは礼儀作法に則りきちりとしておいたが如何だろうか。
■マリー > 「結局、ボクらは殺し合うしか出来ないんだ……!」
覚悟を決める。
雷光を増幅し、魔犬を「鳴神」で蹴散らしていく……中で、ちらっと割れた窓から外を見る。
良し。
「……お前、こいつらを外に誘導出来る?一網打尽に出来る切り札があるんだけど」
戦いの中でオーギュストに接近し、小さな声で告げる。
自分の切り札は室内では使えない。屋外、そこで更に条件が整ってやっと使えるジョーカー。
だが……その分、威力には絶対の自信があった。
■ヨゾラ > 「えぇ、夜霄《よぞら》よ。…あら?御存知なの?私はあなたのこと知らないんだけれどねぇ。
ええ、ロードね。覚えられたら覚えとくわ。…御丁寧にどうも。」
そんな懇切丁寧にせずとも良いものを。上位魔族なんだからと内心で思う。
それと、何でこちらの事を知っているのだろうかと思うわけだが。
まああの魔王もヨゾラの事を知っていたし、何かしら知る方法はあるのだろう。
不思議と名前だけは知られている。
「でもねえ、笑うしかないじゃない?ほら見て。召喚獣が一太刀で斬り伏せられちゃって。
だから無謀だって言ったんだけれどねぇ?」
やっぱり観戦気分な言葉で、オーギュストと魔犬のやりとりを指差してまた笑う。
無礼極まりない行いだった。
「はあ、どいつもこいつも。ま、皆まとめて私の智慧になるから良いのだけれど。」
相変わらず強引に創られた偵察魔法が強硬に街のデータをインストールしている様子。
元が安上がりな偵察魔法なのでそれ程魔力を食うわけでもない。最も、アイオーンの加護の下とは言え多生食ったとしてどうってことはないのだが。
■エドガー > 「はっはっは、エドガーだよ。
まぁ、こんな老いぼれの名前など覚えておいて貰わなくても構わないがね。
ふぅむ、まぁまぁかね。ただまぁ、魔力を使い果たしたという点は、頂けないねぇ」
ヨゾラから伝えられた戦況に成程、と頷く。
魔力を使い果たしたという点に関しては、両手を広げて肩をすくめた。
此方をちら、と見たロザリアの従者らしい騎士には、手をひらひらと振って挨拶をしておいた。
「おーおー、勇ましいねぇ。
まぁ…この結界だ。並み大抵の魔族では駄目なのだろうね。
あぁ、身体が重たくて困るねぇ…魔法が使えるのが救いというものかな?」
さっさと魔犬が蹴散らされていく様を見て、ぱんぱんと手を鳴らす。
肩を揉む様な仕草を取りながら、ロザリア達がどうするのかを眺めていた
■ロザリー > 「…獣に喰われたほうが些かマシだったと、死の淵で後悔しておけ」
腹が血で満たされる
僅かではあったものの、その身に魔力が戻り…
前に立つロトを援護するように、
一瞬で具現化された鋭い先端を向けた無数の銀の燭台が発射される
男とマリーは特に仲間というわけでもないらしい、連携を気にする必要もないと、魔法の燭台は雨のように降りそそぐ
■オーギュスト > 「ははっ、図星を突かれて反論もねぇか!
この戦争は、所詮種の生存闘争だ。そこにルールなんざ、あるわけねぇだろうが!
んな事も分からず領主なんざやってたのか!」
ロザリアを挑発しながら、ロトと呼ばれた女騎士へ大剣を向ける。おそらく、白兵戦ではこいつが一番やばい。
「あの女騎士だけは引き受けてやる。他は挑発せず、ロザリアだけおびき出せ」
マリーへ囁き返す。
魔族、それも高位の魔族は主従関係が無い限り、そうそう連携は取ってこない。あくまでオーギュストの戦闘経験だが。
ロトと呼ばれた女騎士へ斬りかかる。おそらく、その防御を貫けはしないだろうが、徐々に教会の外へ誘導しようと切り結ぶだろう。
が、おかげで燭台への防御は手が回らない。
ダメージは蓄積されていく。マリーの切り札とやらに期待した方が良さそうだ
■ロト > 上級だろうが何だろうが上下関係なく敬語。ただし少し古い喋り。
何故ヨゾラの名前を知り得たか、ロザリアとヨゾラの会話を聞いて覚えたともいう。単に単純な事だった。
「私の事は 知らなくても然程問題では御座いません、魔族の国にほぼいない放蕩公爵でありますので。つい最近で御座いますが、こちらのロザリア様の配下に為りましたので」
…外に出ると何かが起きるらしい。しかしこの教会ほっといても崩落すると思うが。マリーの言動は気になるがー意識を向けるに止め。
エドガーの方には現状 会釈と言うか目礼程度しか出来ず。
では、始めます、と誰に向け向けたものではない呟きを残すと、
身一つでマリーの元へと接近する様に近づこうと動く!
特に魔法が如何こう使っていない、まだ丸腰気味の魔族と言う所。
結界が如何こう、加護が如何こうは大差ダメージにもなっていない。近づきながらも拳に、所々身に闇の波動を纏って―マリーの前にオーギュストが出てきた、目標変更。
「…暗黒剣 発動。」
能力で、何処からか手にしたのは、何の変哲もない鋼の剣。それを持ってオーギュストに向けて挑み直したり。
■マリー > 「ちっ、まあやるしかないか……!」
ならば、とここでターゲットをロザリアに固定。
奴は大規模な魔法を使うし、何より使い魔で大量の数を用意できる。
なら閉所での戦いは好まないはず。魔犬を処理しつつ雷撃を飛ばし、燭台を叩き落とし……そして、じわりじわりと外に離れていく。
「ふん、犬をけしかけるだけで自分は引きこもりかい!城主なんて大層なもんじゃなくて、ドッグブリーダーにでも転職したらどうかな!」
なんて、挑発しつつ。あんまりいい挑発ではなさそうだが、取り敢えず意識をこっちに向けられれば上等だ。
■ヨゾラ > 無論と言うか、場所の状況は全て把握している。
アイオーンの加護があれ、体質までは無効化できまい。
概ね人間側が何を考えてるかだとか、外側にどれだけアンデットが残ってるかだとかも観じている。
といっても、それをどうこうは言わないが。
「ああ、エドガーエドガー。いえ、何だかんだ貴方の名前、聞いていなかったからね。
それと、私はヨゾラで良いわ。…おいぼれなのはお互い様でしょうよ?
ま、訂正するけれど魔力を使い果たしたってわけでもなさそうね。
後まぁ、気の利く従者さんが回復してくれたんだとか。」
にんまりと笑いながら話に頷く。チラチラとキルフリート主従の一同を見遣ったり、魔犬を見たり。
ついでに呼称に対して訂正を一つ。
「んふふ。ま、どうってことないんだけど、あの吸血鬼の御嬢さん、忙しそうだわ。」
で、エドガーと同じ様に戦況を眺めるにとどまった。
何で魔法で燭台を降らすんだろうかとか、その辺は突っ込まない方が良いのだろう。
「一手くらいなら手を貸してあげても良いけれどー?」
なんて、またからかうように、面白そうに戦闘する一団へ向けて言ってみた。
一種の暇潰しだ。どうせ暇だし今も暇だ。須臾に退屈が続くので、適当に身を振る。
「いや、ロード、貴方の事は知らないってば…あれよ。私も最近こっちに来た者でね?
そんな話はどうでも良いかしら。兎も角、貴方達は主従なのねぇ。それだけ分かればオーケーね。」
立ったまま退屈そうに教会の崩れた壁に背中を預ける。
自身が異界人であることをロトに仄めかしながら会話を続ける。
戦闘態勢に入っても尚、話をする辺り、他人の事を考えていない上に、凄く暇なのだ。
「んふふ。皆派手にやるわねぇ、猿も悪魔も、愚かなものだわ。」
■エドガー > 「あぁ、そうだったかな?それは失礼したね…はは、なら老いぼれ同士仲良くしてもらいたいものだ。
さて、この戦い。どうなると思うかね?ヨゾラ君。」
今のところ、戦いを傍観しているだけのヨゾラへと問いかけてみる。
魔法で無数の燭台を振らしているロザリア、それを挑発している少女。
そして、至近距離での剣の応酬を繰り広げている騎士二人。
「おやおや、君も退屈そうだね。
まぁ、どうせ要らないと言われそうなものだから、私は今は見てるだけにしようかな。
最高なタイミングで最高の横やりを入れてやろうじゃないか」
くすくすと面白可笑しそうに笑う男は、何もしないでいた。
■ロザリー > 「………」
人間二人の動きに違和感を感じる
何か、誘き出すような
「何を企んでいるかは知らんが…、
お前たちが相手をしているものが誰か、今一度思い出させてやらねばならぬようだな」
燭台を降らせる魔法を剣へと変える、同時にその左手が踊れば、教会の入り口を塞ぐように無数の魔法陣が現われ、グレーターデーモンが召喚される
同時に2つの魔法を行使することなどは造作もない
ただし、最上級の悪魔を呼び出したところで力が抑えられてしまうのは仕方のないところか
「ヨゾラ、エドガー、観戦も程々にせねば巻き添えを喰うぞ」
そう言葉を発するロザリアの周囲には立体型の魔法陣が浮き上がり、魔力を集積させてゆく
大魔法を行使する準備段階だ
本来ならば片腕を振るだけで出せるような魔法も、大々的な陣を必要とする
まったく憎らしい加護をもたらす神である
■オーギュスト > 燭台のせいで脇腹から出血している。
正直、痛い。
が、どうする事も出来なくこの騎士と打ち合うが――
「……やべ」
ロザリアの雰囲気から剣呑さを感じ、慌てて窓にその身を打ちつけ、転がって教会から脱出する。
もしあのバウンティハンターが死んだら、一目散に逃げよう、そうしよう。
正直、相手が悪すぎる。
しかし、奥の手はまだ使わない。
どうにも勘が、分水嶺はここではないと思わせるのだ。
■マリー > 「ああ、クソッ!」
狙いがバレていたか。と言うかまあ、バレバレだった気がする。
入口はグレーターデーモンに塞がれ、外に退避するプランは消滅。
だけどここは教会、しかも度重なるダメージでボロボロのハズ。なら、作戦プランBに移行だ!
剣を「明らかに人間の反応速度を越えた反射」で回避しつつ、隙を見てぽいっと天井に小さなボールを放り投げる。
……爆発(イクスプロージョン)の魔法が込められた、簡易の爆弾だ。
ロザリーの攻撃も、基本的に下……地に立つ自分とオーギュストに向けられたもの。
ならば上は手薄。そのまま爆弾は着弾し、屋上を粉砕する。
丁度オーギュストは無理に外に逃げた。なら、この瓦礫はあのロザリーの術式妨害にもなるはずだ。
「これでも喰らって押し潰されろ!」
言いながら、また人ならざる速度で外へと退避していく。
■ロト > 「…こっちに来た者?…? はい。」
ヨゾラのこっちに来たって魔族の国ではない?ではどこから…なぞは尽きない。
然し 此れから人間と戦わねばならない状態なので 質疑は後程、としたくなってきた、というか会話がままなるまい。
ただ、視界と言うか気配的にエドガーとヨゾラは傍観者らしい。
では今この場で動いているのは ロザリア、マリー、オーギュスト、私 と言う事に。場把握。
…手助けしておこう。
ロザリアが教会の入り口にグレーターデーモンを召喚した。
ならば、と剣を持つ手とは逆の手を振るい、大きさは微妙だがそれよりは小さい全身甲冑を纏た上位鬼族を一体召喚する。
召喚した鬼にグレーターデーモンの補佐をするよう、と念を込め後は意識を向けない。
意識を向けるのは最優先で オーギュストだ!
奥の手どころか 武断派な少女は 脱出していくオーギュストを追って教会の外へとー破れた窓を経由して出た。
「 逃 が さ ん 。」
■ヨゾラ > 「んふふ。結局ヨゾラ君っていうのね。えぇ、結構結構。仲良くしましょう。年寄り同士、知識も交換したいものだわ。
ううん、そうね。ロザリアの御嬢さんが捕まって慰み者になっておしまい。って思うわ。
エドガー、貴方はどう思う?」
観客の仲間が出来た。そんな感じで割と柔らかな声でエドガーの問に答えて、問を返す。
同じ魔族であるが故に、実に酷い予測だった。すっかり実況者気分。
けれど、別にキルフリートの二人に聞こえていても気にしない程の声で、隠しもしなかった。
「えぇ、とても退屈だわ。…あら、美味しいとこどり?貴方も随分狡い奴ね。
老獪っていうのかしら。でも美味しい所は私が貰うから。ごめんなさいね。」
そこは譲らんとばかり、同じく笑いながら冗談半分に返した。
そして、エドガーと同じ様に何もしない。
「…だ、そうよ。あー、おっそろしい。どうでも良いんだけれど。
巻き添え?ねぇ、怖い怖い。…ま、御忠告は感謝しておくわ。」
もう時空魔法を発動する用意段階は出来ている。
今更何が飛んで来ようと恐るるに足りぬ。
一応集中すれば「ラプラスの悪魔」の稼働威力を意図的に上げておく。それだけで結構。
後は何が飛んできたって避けられる。変幻自在たるこの体、避ける必要もない攻撃が大半なのだが。
「ううん。魔族側が優勢?まぁ…あれねぇ。皆頑張ってる。手助けも要らんみたいだし。
おねーさん退屈しちゃうわ。もうこれ帰ってもいいのかしらね?」
何を野次馬しに来ておいてと言われそうだが。
「あー、まぁ戦闘に集中するわよね…えぇ、こっちに来た…ああー。」
そのままロードお話を続けるわけにもいかず、結局持て余す事になる。
次から次へと魔族側は魔法と召喚、人間側は剣と魔法。
頑張っている様だ。ただ、表情は凄く退屈そうなのだ。こうなるなら最初からちょっかい出せばよかったろうか。