2015/10/20 のログ
ご案内:「宵闇城キルフリート・最下階」にロザリーさんが現れました。
ロザリー > まるで無音、その闇の中に青白い、魔力のランタンが灯りを灯す
石造りのその大部屋には何もない、ただただ広い空間が広がっている

「久しぶりであるな、キルフリート」

中央に立つ少女が誰にともなしに語りかける
石造りの壁が、一瞬揺れ動いたように見えた

「ふふ、餌をもってきてやった故、機嫌を直せ」

少女の後ろから、ウェアウルフ達に捕まえられた人間が数名
その誰もがこの城に挑み、そして囚えられた冒険者だ

ロザリー > 「腹は満たされないかもしれんが…」

キラリと魔力の粒が手元に光ると、その手に小さな黄金のナイフが握られ、
くるりと振り返ったロザリアはそのまま、青い顔で命乞いをする少女の首を刎ねる

シュウッと鮮血の吹き出す音が地下室へと響き、血飛沫が壁と天井を汚していく

「喉を潤すくらいはできるであろう」

目の前の惨劇に悲鳴をあげる他の囚人達の首も、次々に撥ねられていく
天井も、壁も、そして床を満たすほどの鮮血が地下室に溢れる

───まるで部屋全体がその血液を飲み込むように、血は石畳に染みこんでゆく

ロザリー > 宵闇城キルフリートはその城自体が巨大な吸血鬼化した建造物
こうやって人間の血を吸い上げることで魔力により損傷箇所が復元されるのだ
先日の騒動で二階の一部が損壊した
そのために血の補填を行ったのだ

ウェアウルフ達が首のなくなった遺体を更に解体し、辺りに血を撒き散らしてゆく

血の匂いの充満した地下室は人間であればその場にいることすら苦痛を伴う空間と化している

ロザリー > わざわざ地下室に赴いた理由はそれだけではない

「もて、モーガン」

そう言葉を発すれば、巨躯の執事が敬々しく一冊の本をその手に現れた
その本を受け取り、再び部屋の中央へと立つ

「血の触媒は十分であろう…いくつかの禁呪を復元する」

再び魔力の粒が収束しその手に現れた黄金のロッド、
それで自らの足元をカツンと叩けば、部屋中に広がる巨大な魔法陣が光を放った

ロザリー > 白い指と黄金のロッドが踊り、その巨大な魔法陣に一節一節、式を書き加えてゆく

『…随分と大掛かりでんな。…ですな』
ンン、と咳払いしつつ、執事が言葉を正す。

「力ある人間も魔族もちらほらとその姿を見せてきたからな。
 【貴金属魔法<ジェネロサ・メタレイア>】はあくまでも格下との遊戯に使うもの…。
 吾自らも更なる魔力と魔法を得なければならぬであろう?」

幾つかの式を書きおわると、描かれた魔法陣が更に一つ増える
陣が積層構造に変化し、部屋全体を覆うほどの立体魔法陣として魔力を収束しはじめた

ロザリー > 「特に、あの忌まわしき古の怪物、ドラゴンどもも動き始めているようであるしな…」

カツン

再びロッドで床を、魔法陣の中央を叩く
幾何学的な紋様がゆっくりと回転を始め、魔術式が読み込まれていく

復元する禁呪体系は3つ

【滅竜魔法】【魔王殺し】【悪魔召喚儀礼XXX】

馬鹿げた魔法防御を持つドラゴンを撃ち落とすことを想定して組まれた超高位魔法、
そして魔法式を超限定的にすることで魔王を蝕むことを可能にした魔王殺し
最後に、公爵級のデーモンまでのサモンを可能とする儀礼術式の解凍

ロザリー > 「これで良かろう」

みたび、ロッドで魔法陣を叩くと集積していた魔力は霧散し、再び闇と血の匂いが部屋を支配していく

『城へデーモンを放つのですか』
渋い妙に良い声で尋ねる巨漢の執事

「アンデッドどもだけでは、対応する連中も出てきたようであるしな」
カツ、ぴちゃ、と血に濡れた石畳を歩く

「悪魔どもは吾の言うとおりに人間を殺さず捕らえる、などという高尚な真似はできぬかもしれんが、
 なぁに、それはそれで、二階より上に配置させれば良いだけのことだ」

ロザリー > 「策を講じること、手を隠しておくことに関しては度がすぎるということはない。
 キルフリートよ、残る血液はすべて啜り尽くすがいいぞ」

カツカツと石畳を叩く音と共に、城主が地下室を去る

やがて完全な闇に閉ざされた地下室では、血を啜り、肉と骨を咀嚼する音だけが響いた

ご案内:「宵闇城キルフリート・最下階」からロザリーさんが去りました。