2022/08/08 のログ
ご案内:「タナール砦・地下牢」にダークロードさんが現れました。
ご案内:「タナール砦・地下牢」にリノさんが現れました。
ダークロード >  
「出さんかアホー!!」

アホー
アホー…
アホー……

さてさて本日は魔族の治めるタナール砦
そんな砦の地下牢に罵倒の声が響き渡る

「あ、あいつら我をなんだと思っとんじゃ…魔王ぞ!?」

鉄格子を両手でがっしりと掴みながら、わなわなと肩を震わせているのは見た目にも幼い、悪魔のようにも見える少女

事の顛末はこうだ
封印から中途半端に解き放たれた、力なき古の魔王
かつて自身を封印した人間の末裔を血祭りにあげてやろう
千年以上熟成された恨み節のためにまずは人間の国への足がかりを作らねばならなかった
どうやら現在は人間の国と魔族の国はとある砦が関所のように分断している、という話

どれどれとこっそり見物にでかけてみれば、砦は魔族が制圧している様子
ならばこっそりする必要もないわ、と
堂々と通り抜けようとしたのが運の尽き

迷子の魔族と間違われ激昂し、魔王であることを主張し無理矢理通ろうとしたものの門番にまったく刃が立たず
それどころか魔王を名乗る怪しいガキ、として地下牢にぶちこまれているのであった

あんまりにもあんまりである

「お、お…覚えとれよ…。
 我が力を取り戻したら絶対お前らにも復讐してやるからな!!!」

ガシャンガシャンガシャン
涙目の少女の怒号と、鉄格子を激しく揺さぶる音が木霊していた
 

リノ > カツン…カツン…カツン…

そんな怒号と鉄格子を揺さぶる音がこだまする中、地下牢の入り口の方から聞こえてくる規則正しい靴音。
特に急いだ様子もなく自然な音だが、看守の靴音にしてはやけに高く響く音。
まるでかかとが細い女性靴のような、この場にそぐわない音が響く。
そして程なく入口の方から見えてくる人影と、かかる声。

「あら、まあ、魔王様、何という事でしょう!こんな魔軍の最前線たる砦の地下牢にそのお姿をお見掛けするだなんて!」

どこか芝居がかったような声と言葉回し。
そして、影が灯りの元へと至れば、胸が、尻まわりがはち切れそうな黒のスーツに片眼鏡、そして同じ色のピンヒールを履いた青銀糸の男とも女ともつかない人物が鉄格子の所へとたどり着けば、
よよよ…と噓泣きよろしく鉄格子を挟んだこちら側で崩れ落ちる所作。

ここに来るまでに特に何かを弄したわけでもなく、ただ真正面から砦の中に用事がある、と告げて入ってきただけ。
砦を守る魔族は知らぬ仲でもないからというものでもあったのだが、本来の目的は説明していない。

事情が事情なので説明できない所もあるし、説明しても信じられない可能性もある。
そしてなにより、説明するのが面倒くさく、自分が仕える魔王が何かやらかしてくれた方が楽しいから、知られていない方が都合が良い、という魔王自身には秘密にしている事情もあったからだ。

「何より今日は、どうしてこんなことになってしまったのですか?」

崩れ落ちれば視線の高さがぴたり合う。
何をやらかしたのかは予想は作範囲内ではあるものの、あえて本人に説明させようとする辺りは、それなりにドSの片鱗が見え隠れ。

当然見える範囲の所作では、魔王本人へは恭しく、腰も低く、例え見た目がちんちくりんの子供であっても魔王として立てているのだが。

ダークロード >  
「貴様は!?」

近づいて来る靴音、そして程なくして姿を現すそのむちむちした姿にやや魔王の声色が高鳴る
それは魔王ダークロード配下が一柱を担う者の姿に他ならなかったからである
…一柱、などといって見ても長年の封印から目覚めた今となっては数える程しかいないのだが

「お見かけするだなんてってお前!助けに来たのではないのか!?」

一転、ガーンと擬音が背後に落ちてきそうな程愕然とした表情を浮かべていた
…が、それはそれ
助けが来たことには変わりないのである

「あいつらヒドいのだぞ!!
 我が魔王だと言っても耳も貸さずにこんな狼藉を働きおってからに!」

実際にはかなり食い下がったというか
相手したくないといった顔の門番に余りにもしつこくギャーギャー騒いだ結果なのだが…
そこまでは格好悪すぎるので言いたくなかった

ぷりぷり怒りを顕にしながら吐き捨て、鉄格子をガシャンと蹴り飛ばす
…痛かったらしくすぐに足を抱えてゴロゴロしていた

リノ > 「あら、牢にてお見かけしたという事は、当然お救いするという事でございますよ、
ええ、それはもちろん!
…ただ、旧知の知り合いに会いに来たら魔王様の気配を感じたからここまで降りてきた、
と言う方が正しいかもしれませんが、はい」

助けには来た。今、目の前にいるのだから当然だ。
そして、何かあってはいけないので、魔王がどこかで出かけた際にはこっそりと、気付かれないようについてきている。

でも、あえてそれは口にしない。
他にも仕える魔王は多々あれど、今のロード=アーリマンに仕えている一番の理由は、
『ウチの魔王様ってば、アホ可愛すぎてたまらない!』なのだから。

「なるほどなるほど。
魔王様に非礼を働いた挙句、こんな地下牢に閉じ込めた、と
それは誠に非礼な事でございますねぇ」

うんうんと頷いて、魔王の主張に共感を示す。
示した上で、本当に悲しい事だが、というような表情を向けて

「なれど、在りし日の魔王様のお姿を存じ上げていない者はおらずとも、
今復活なされた魔王様の真実を知るものは非常に少ないのです。
非礼な者どももいずれは魔王様の臣民となる魔の者たち
いざ、ご復活の暁にはきっと伏して今日の非礼を詫びることでしょう!」

最後の方は朗々と歌い上げるような仕草と共に。
現実を突きつける一柱もあるだろうが、
目の前の、欲情の悪魔は問題を先送りしつつ、魔王を気分良くさせようと常々動いているのだった。

「…あ、ちなみに今の魔王様にとって、黒鉄のこの鉄格子、骨が折れるほどではないですが…」

鉄格子を蹴ろうとする直前に言葉をはじめ、すぐに止めずに回りくどく説明を向ければ、
蹴飛ばした後、足を抱える様子に顔を両手で覆いながら

「痛いですよねぇ。
あぁ、在りし日は雑草を払うかのように断ち割れたといいますのに」

なんとおいたわしい…と、持ち上げるのか、叩き落すのか分からない言葉を紡ぎつつ、
両手で隠した顔はもう、このアホ可愛さに見悶えるような笑顔だった

ダークロード >  
「ぐぎぎ…し、しかしじゃな!
 人を見た目で判断するなと今の魔王どもは教えておらんのか!?
 まったく、これだから最近の若い魔王は……」

痛い足を抑えながら石畳に座り込んでぶつぶつと愚痴を零しはじめる
見た目はともかく言っていることは立派な老害に他ならないが

「そう!非礼も非礼じゃろい!?
 ぐぬ、いずれ我に傅いたとてキックの一発でも見舞わねば気が済まんわ!」

下僕にやってしまえ、と言わない辺りはミソッカス程度のプライドが感じられる
しかし現実問題、今の魔王には人間の子供程度のパワーしかないわけで…

「いずれその力も戻って来よう。
 ほれ、さっさと牢から出すのじゃリノ。
 クッションも何もないのだぞ此処…尻が痛くなってしまうわ」

牢屋にクッションどころか椅子すらあるわけがない
助けに来たのだとしっかり口にした配下にさっさと出せ、とやや気が抜けたような表情で伝える

リノ > 「ええ、人を見た目で判断するなと教育する別の魔王もいるでしょう。
ただ…魔王様?流石に下々の魔族どもは、感じられる力で強さを判断しますので…
ああ、でも私は魔王様の偉大さを存じ上げておりますよ?当然」

やれやれ、と両腕を広げて頭を左右に。
人間の子供と同じパワーでは、流石に分かりませんて、と言う仕草
その仕草のあとで、魔王のためにならないフォローをしているのだが

「魔王様、非礼は非礼ですし、今のお気持ちは分かりますが傅いた後は度量を見せてあげましょう?
力が戻った後での魔王様のキックは、確実にこの次元から消滅させてしまいますもの」

子供をあやすかのような物言いにはなっているものの、
将来的にはその方がいいとなだめていて
そして、牢から早く出せ、と言われれば、
もう少し楽しんでいたかったけどなぁという表情をほんの一瞬だけ浮かべた後で

「ええ、当然でございますね。魔王様と語らっているとつい…
…はい、どうぞ」

先程魔王が蹴飛ばして、足を抱えた鉄格子を、
特に力を込めた様子もなく、綺麗にひん曲げれば、どうぞ、と促した。

ダークロード >  
「はー、我が封印されておる間に木っ端な魔族はそこまで落ちたのじゃな、はー」

拗ねた子供のようなことを言いつつ、偉大さを存じているという言葉には気をよくしたのかうんうん、と頷いていた
あまりにも単純な思考回路をした魔王である

「…なんか今一瞬もうちょっと見てたかったみたいな顔しとらんかったか?」

アホのくせに鋭い魔王は一瞬の表情の変化を見逃さなかった、が
数秒後にはまいいか、と捻じ曲げられた鉄格子を潜るようにして牢屋から出……

「──!?」

絶妙な開き具合、絶妙な狭さで腰から下が通らず、引っかかっていた

「リノ、リノ!もうちょっと広がらんかこれ、ぬぐぐ…むぎー!」

胸が薄いので胴は身を横にすれば通ったものの尻はそうもいかず、大変な苦戦を強いられていた

リノ > 「…え?
いえいえ、そんな。魔王様がお困りですのにそのようなことはございませんよ、ええ」

一瞬の表情を読み取られれば、そんな風に取り繕いつつも、
鉄格子から出ようとした魔王が鉄格子に引っかかれば

「あら?魔王様が通り抜けられる程度にはひん曲げたはずなんですが…」

本気で破壊せずに曲げた結果、絶妙にドジることになる魔王。
あぁ、なんてかわいいんだろう、とちょっと自分の肩を抱きしめて身悶えて。
だが、そのままにしておく訳にもいかないので

「私、肉体派ではございませんで、力任せはあまり得意ではなく…
なので、こちらから引っ張りますねー」

そんなことを言いながら、魔王を掴んで引っ張り始める。
その内程なく抜けるだろうが、これは、痛い。
引っかかっているのがちょうど腰骨よりほんの少しだけ広くなっている程度の場所だから、
尻肉が思いっきり引っ張られ、挟まれて、無茶苦茶痛い。
でも、魔王を思いっきり引っ張った。

ダークロード >  
「え?今さっき割と力も入れずに曲げた気がしたが?
 あっ、ちょっ、待て、待てて!!」

少女体型の割にお尻はちょっと大きめ
しっかり鉄格子に食い込んで引っかかって

「いだっ!いだだだ、いたい!!待て待てアホ!引っ張るなー!!?」

ぎゃあぎゃあ涙目になりながら喚く魔王
しかし引っかかっているのはお尻のお肉
思いっきり引っ張れば痛いながらも一応抜けそうにも見えて…

「あふんっ」

やがて引っこ抜けた魔王は石畳に顔を打ち付け情けない悲鳴をあげた

「う、うぐぐ……ちぎれるかと思った……」

弱々しい声をあげながらむくりと上体を起こし、尻を撫でながら牢屋を睨みつける
あの門番がこんなところにいれなければ、こんなことには……

やはりキックくらいはぶちこまなければ気が済まない

リノ > 「えー?魔王様のキックでびくともしなかった鉄格子ですよ?
気のせいですよー」

私ー、非力ですからー、とちょっとぶりっ子めかして返す言葉も、
引っ張る力は大分強い。
多分、全力疾走してくる闘牛を、パンチで軽々とKOできる
そんなパワーで引っ張られて

「でもほら、もう少しで…もうちょっと。もうちょっとですってー」

喚く魔王にもう少しだからと言い続け、無理やり引っこ抜いた。
上体を起こした魔王の尻を、なでなでしつつに

「こんなに真っ赤になっちゃってー…痛かったですよねー」

自分でやっておきながらどの口が言うかという所もあるが、
痛い目を見て真っ赤に、少し敏感になっている所を撫でている。
だが、欲情の悪魔の撫でまわしである。ちょっとエッチな手つきかもしれない。

「魔王様、門番に仕返ししようとしてますね?
帰りは私が抱っこして門をくぐりましょうか?
一応、私は『ロード=アーリマン』の臣下として知られてますし」

それならさっきよりはマシになるはずだけど、と少し首をかしげて問いかけた

ダークロード >  
「尻の肉がひきちぎれるかと思った…──ひょあ!?な、なな撫でるな!!」

妙にえっちな触り方にぞわぞわっ、としたものを感じて声を張り上げる
牢屋だというのに一々騒がしい魔王である

「当たり前じゃろ!
 牢屋なんぞに入れられなければこんな痛い思いをすることもなかったんじゃい!!」

ぷりぷりと怒り心頭の魔王
どう考えても逆恨みに近い思考だが、続く言葉にはスン…と真顔になり、首を傾げる

「…抱っこの必要性がわからん」

至極まともな疑問を、尻をさすりながら返していた
なぜ抱っこ…?配下として背後に引き連れ歩くのはダメなのだろうか…
魔王はアホなりに考えを巡らせていた

リノ > 「魔王様のお尻が痛いかなぁと思いまして、痛いの痛いの飛んでけ的な?」

撫でた理由を説明するものの、えっちな触り方なので趣味だろう、これ。
そう言いたくなるのは間違いないだろう。

それでもえっちなのは自分の本質だから仕方ないのである。
そう自分に言い訳しつつ、心の中では魔王様成分を摂取出来てちょっと満足。

「…抱っこの必要性は、その門番を見下ろすためですよ。
なので、なんなら、肩車でもオッケーです」

真顔の魔王に真顔で返す。
自分をそのように使えるんだから、自分より上の存在であることを証明できるし、
何より自分は『魔王様、魔王様♪』と騒がしいから魔王である事が宣伝できるだろうと付け加えた。

しかし、その実は『魔王様鬼可愛がり計画』の一環であり、
単なる個人的な欲望である。
そんなことはおくびにも出さず、真顔で言いきっているのだが、
『単なる個人的な欲望』である。

ダークロード >  
「まことか…?」

じー、怪訝な眼
あの手付きはまさにえっちだった
けれどそんなことも まぁいい と捨て置く
この切り替わりの速さは実に器が広く、悪く言えば考えなさ過ぎる

そして抱っこの必要性を聞けば

「…成程な」

うむ、と納得していた
確かに立って歩けば小憎らしいあの門番を見上げることになる
それは確かにどこか悔しい、見下ろしてやるに越したことはない
そして確かにこのリノを従えているということのアピールにもなろう

「よかろう、我を担ぐ許可を与える」

あまりにもちょろいのだった