2020/08/07 のログ
■フィリ > 少なくとも積み重ねる事が出来るし、そうしようとする意思は……強い。
学べない故の愚かしさは改善出来得るが、学ぼうとしない故の愚かさは、多分どうしようもない。
故に最低限そういう愚昧にはなるまいと。今からきっぱり、それこそ自信を持って言い切ってみせるだろう。
とはいえ流石に。例え重要なのだとはいえ、いざ、戦場でも学んで来い等と言われると。躊躇してしまうかもしれない。
怖い物は怖いし、痛い物は痛い。そういう事を好き好めるとは思えない。
…そも、少女は。彼女と同等かそれ以上に、穴蔵に引き籠もるのが大好きなのだから。
「――幸ぃ私は。良き、師に…ぉ会ぃ出来ました。…はぃ、師でぁると思われるの――です。竜胆ぉ姉様の事を。
…急ぐつもりはなぃのですが。…先程もそぅ、でした。過程を飛ばして結果に至ってしまぅの、です。私の…ぁの言葉は。
ですので、せめて頭の中でだけでも、如何なる過程を差し挟めば、より良ぃ結果に昇華出来るのか――大事です。きっと。
……幼ぃ事は、それこそ自覚してぃるのですが――それで、仕方がなぃとは、考ぇられなぃ……考ぇたくなぃ、かなと。
その、まぁその、何と言ぃますか――少しだけ――甘ぇたくはなるの、ですが。……はぃ…」
少しばかり面持ちを下げて。いつになく長く続く会話が、幾許かのみトーンダウン。
それこそ先程話した通り、自覚云々は有るのだが。甘えているなぁ…などという自覚も、同時に孕んでいる為に。
改めて自分の幼さという物を、想像してしまうのだろう。仮に覗き込まれたのなら。きっと頬を赤らめていた筈で。
ただし、幸い。恥ずかしさに塗れる時間は、そう長く続かなかった。
宙にて掻き消えてしまう、瞬間的に蒸発気化してしまう紅茶に目を丸くして。
…少し考えてみると。熱というのも波動の一種――分子の、揺らぎだ。ならば彼女が熱量を操作出来るのも、当たり前なのだろう。
小さな応用ではあれ、それは間違い無く、彼女の語った発展の具体例。
それを実にさり気なくこなしてしまい、目に見える形で教えてくれる…きっとこれが。大人の対応なのだろうと。
「――…ぁ。そぅ、ですね。…リスぉ母様が産まれたのは…ぉ婆様が、ぉ爺様と結ばれたからに、他有りません。
きっと其処に……ぇぇ、それこそ物語のよぅな出逢ぃが在ったと――想像してしまぅの、です。
…そして。其処から先に。変化でしょぅか?…変革?変異?…ともぁれ、ぉ姉様方――が。
どれだけ混じり合って。細分化して。…それでも、竜は竜。人は人。その何かが、受け継がれる……
ゎゎ、ゎたしが、ど……ぅなるのか、どんな――殿方と、む…すばれるのかは。……流石に想像出来ません、が――っ。」
遠い過去、或いは未来、想いを馳せるかのように上げた瞳が。
地に脚を着けざるを得ないような、自分自身の事へと、話が転がった為に。大慌てで正面へと向け直される。
始めは顔の前で両手を振るい。それから、その両手で頬を包んで。噴き零れそうな熱さを押さえ込もうと。
つい先日。とある一件を経て初潮を迎えた…有る意味女に一歩近付いた少女にとっては。
誰かと結ばれるだの、誰かの子を育むだの。意識せずに居られない話題…だった。どうやら。
ついでにそのまま。頬の熱を伝導させられ、少々熱い掌を包まれ、撫でられ、などすると。
どぎまぎとしてしまうのは仕方ないだろう。愛だの恋だの色だの欲だのは。有る意味竜の言葉より、御しきれない物なのだから。
……こほん、と小さく咳払い。
熱暴走しがちな思考を、改めて、現実へと引っ張り戻せば。
「――硬ぃ、と。…それには…僭越ながら。一家言有せてしまぅの…です。
傷付けば付ぃたで、それも――はぃ、魔術ではなぃ力で、治癒に向かってくれますし――」
触り程度ではあるが、折角のタイミング、此処で触れておこう。もう一つの力に関しても。
未だ、包まれている両手を。彼女の掌の上で、握ったり開いたり、くり返しつつ。
核心じみた問い掛けに、暫く。思案の様を見せ――やがて。
「――確証とは言ぇません。けれど、少しは自分で、識ろぅともしたの――です。
死ななぃ、癒ぇる、それは。生命が芽吹く所に、近ぃからで。
……後は…お伽噺、物語…ぃぇ、先人が、竜という種と関わった記録達も。読ませて頂きました。
きっと、私は。……地に根ざしてぃるの――です。」
こくん、と頷きながら。それは未だ人間達だけと暮らしていた時期に調べた私感でしかないが。
此処に来て竜達と関わりだしてからは。何となく、間違いではないと。漠然とだが感じつつある。
ついでに…泳げませんし、高い所怖いですし、と。小さな声で付け足してみせた。
此処だけ聞くと冗談めいているが。あらゆる可能性を考慮せんとする故の、大真面目な見解だった。
■竜胆 > それで好い、と竜胆は笑う。彼女は、知を求め、知を目指す存在となる。学ぶことの大事を知り、喜びを知る。
悩む事の良さを知り、それを求めるものである。
だからこそ、教え甲斐があり、教える方としても楽しくなる。
あと一つ、彼女が穴蔵に引きこもろうと、躊躇おうとしても、この竜は知れっと言い切る。
嫌いたいなら、ちゃんと知ってから嫌いなさい。と。戦場の空気も、戦争の愚かしさも、じかに見て、肌で感じた上で、嫌いなさい、と。
それも経験のうち一つなのだ。
「師とは言わないわ、私は未だ、未達の物だもの、精々先輩止まりがいい所ね。
私を師と呼びたいのなら、ええ。もっと私が貴女を導けるだけの知識と経験を得てからにして欲しいわね。
だから、今はお姉様とお呼びなさい。竜胆お姉様、と。
ええ、確かに、イメージは大事ね、どういう言葉が、どんなことを起こす、それを知るのは大事。イメージ通りに言葉を作る、それも意識したほうがいいかもしれないわ。
甘えるのは―――いいのではないかしら。貴女の権利よ、フィリ。権利は、沢山使わないと。」
彼女は、未だ赤ん坊だ、甘えて何が悪い。人間の赤ん坊など泣いてわめいて意思疎通などさせぬ勢いであり、甘えてくるではないか、と。
ちゃんとしてほしい事を云う甘えは、甘えさせやすい物よ、と。
ポンポン彼女の頭を優しく撫でて言葉を紡ぐ。
「―――確かに、竜と人。海竜と、海の男………出会いも普通ではなかったはずね。どっちからの告白だったかしらね。
それは、その時の気分で当てはめればいいわ、変革だろうが、変異だろうが、継承だろうが。
只……形あるもの、無い物、何かしらは受け継がれるのでしょうね。
それは、まだ早かったかしら?でも、『そうは見えない』けれど……ね?」
かわいらしい姪っ子、父と母の馴れ初めを想像してほんわかしていると思えば、自分の方に向けられるその言葉にあわあわする。
からかうのも楽しいわね、とほんのり思う。
すでに、雌の匂いがするので、屹度経験済みなのだろうという事は察した故のからかい
唯々、良くも悪くも、避けては通れない話になろう。なぜなら、孕んで生んで。それが命のサイクルなのだから。
赤く成り、慌てている姪の頬をそっと撫でて、手を放し、その様子を眺めて微笑んで。
その表情が引き締められる。その前に、少しわざとらしい咳払いに、楽し気に目を緩ませる。かわいい。
「成程。大地の息吹、大いなる地の力。
地竜とも、アースドラゴンとも。そう言った方向性の、竜ね。
有名どころでいえば―――べへモス。ベヒーモスとも。そういう類の竜ね。
それはまた、すごい所に来たわね。」
大地。それは、世界を構成するために、一番大事なものである、自分たちが立っている地面そのものだからそれと一体化する竜。
成程、と女は言う、固さもそうだが、何よりも、生命力。彼女の言うとおりに、彼女が地竜として覚醒するならば、大地を破壊しつくすような一撃以外では、彼女を屠れるものはない。
後、その質量か。
質量―――彼女のスタイル。成長の余地、在りね、と。
「泳げないのは、ただ単に泳ぎ方知らないだけではないかしらね。伝承のベヒーモスは、リヴァイアサンの番―――よ?」
衝撃の一撃。高い所に関しては、知らない。そもそも巨大なのが地竜、それも慣れてないだけ、じゃないかしら、と
■フィリ > 当人が学ぶ事を能動的に求めてみせるだけでなく。此処には、その知識欲に応えてくれる要因も揃っている。
したいという願いを、実現出来るというのは。結構な幸福なのだろう。世の中どれだけ欲しても叶わない者も多いのだから。
改めてひしひしと。近縁に集う多くの人達…もとい竜達に感謝しつつ。
もし。もし、万が一戦場へと赴く事になってしまったら。何が出来るだろうか。
言った通り余程の事では死なないから、盾だの囮だのにはなれるかもしれない。
もっとも、赴くとしたらそれこそ。大きな決意と、それをさせるだけの理由が必要となる事だろう。
例えば――彼女の言葉だけでなく。冒険者を目指す異母姉に、付いていく事になるだとか。
「――先輩とぃぅのも。それはそれで、素敵な響きだと…思われます。私には。
…そのよぅに言われてしまぅと。…どれだけ私が追ぃ掛けても。その都度、先へ先へ、進んでおられるのだろぅと――
想像してしまぅの、です。…それは、とても良ぃ事なのですが。
……はぃ。はぃ、是非とも。竜胆ぉ姉様には甘ぇさせて頂ければと――既に、今日はかなり、甘ぇてぃるのですが。
逆に。言葉が、単語が、どんな…イメージを持つのか。私自身が、どんなイメージを抱くのかも。多分大事になるのかと…?」
思案は尽きる事が無い。考えたい事もごまんと存在し、考えるのに必要な事柄も、次々と挙げられる。
つくづく。師であれ先輩であれ、これと見込んだ彼女との邂逅は。間違い無く正解だった。
今日一日だけでも随分と…気が楽になった、そんな気もするのだし。
頭の上へとおかれる手に。ほんのりと頬を上気させつつ頷いてみせ。
「またダイラスに行った時。是非とも教ぇてぃただきたぃ――ですね。興味が尽きません。
人の恋路は、はぃ、蜜の味と言ぃますか――私自身に関しては。……ぁぁ、ぇぇと、その…まだ、ぁまり。
一時のそれではなく、どなたかを伴侶に、将来を誓ぃ合ぅ等というのが…それこそ、祖父母のよぅな事が、想像出来ませ――ん。
勿論、ぃつかは。…大人になれば。私もぉ母様方のよぅにと、想いはするの――です。けど。」
親から子へ、子から孫へ、あらゆる要素を受け継いでいく。それはとても大切な事だ。
種の保存は人間だろうと竜であろうと、多くの生物にとって最重要事項である筈だから。
とはいえ其処に、純粋に尊さを見出すだけで終われずに。色恋を重ねざるを得ないのが…幼さ故か、感情を持つ故か。
特に、少女なりの知識の中に、恋愛物だの発禁物だのといった物語が数多含まれている為に。まだまだ目先に意識が向かわざるを得ず。
…頑張って、真面目な表情を取り戻そうとするのだが。相応以上に時間が掛かってしまった筈。
「――名の有るよぅな、とは限りません。…気質的に、多分そぅ、なのかなと…
複雑な気分ですが、討伐物等に目を通せば。過去にはそぅぃった力を持つ竜と、人が戦ったとぃぅ例が…幾つも、有りますので。
ぃ、一応。私に想像し得る上での、推論なの――です。今の所は。まだ。」
一応とは言いつつ。多分これで正解だとは思っているが。
地。それが生命の繁茂に繋がっている事は、誰にでも理解出来る筈。その生命力と繋がっているのだ、死に辛いのは当然だろう。
…ただ、弱点としてきっと。大地の恩恵は、その大地に在ってこそ得られる物だと思う。
泳げない。泳ぎたくない。飛べない。飛びたくない。それは本能的に、大地を離れる事を恐れているのではないか…多分。
後、豊穣という大地の顔が、少女に何ら繁栄されていないのは。…それこそ幼い為なのだと思いたい。
「――ぅ゛、ぅ。それは、その通りではぁるの…ですが。
……ベヒーモスとバハムートは、同じ所に端を発するとか。…時にバハムートとは、巨きな魚でぁったとか。
そぅぃった物語も、存在します――それでしたら、ぉ姉様は。水にもぉ強いのではないかと…期待してしまぅのですが。」
当てつけではない。反論でもない。そういえばと思い出して、それならばと期待している…純粋に。
大先輩と仰ぐ事にしたこのお姉様ならば。きっと、その程度朝飯前に違い無いと。
■竜胆 > 彼女が学ぶことを求めるなら、知識を欲するなら、竜胆だけではない、様々な教師というものがいるだろう。
人の学校に行くのもいいし、ラファルと同じように、家庭教師をつけるのもまた、良いはずだ、むしろ、外回りの勉強はかの御仁も良いかもしれない。
人だけではなく、竜だけではなく、様々なものが、存在が、教師となるのだろう、竜胆は、彼女を見てそう思う。
竜胆の視点としては、彼女が何ができるか、ではない、何も出くなくても良いのだ、その場に立ち何を思うのか。
大事なのはその部分なのだ。戦争に、戦場に何を感じるのか、何も感じないのか―――。
「ええ、先に生まれ、先に知識を求めたものとして、後輩に追いつかれるのは、屈辱ですからね。一層勉学に励まないとと。
ふふ、頑張りなさいな、フィリ。判らないことがあれば、相談為さい、知っている事なら教えるわ。
―――甘え方、足りないわ。もっと甘えなさい、やりすぎだと思うぐらいが、良いのよ。
言葉とは難しい物よ、イメージをちゃんと伝えるためにどの言葉を選ばないといけないのかが判らないのだから。
だから、貴女の言うとおり、自分のイメージも、大事よ。
そうね、お菓子と聞いて、何をイメージするか。
例えば、私がお菓子と言う魔法でイメージしたお菓子と。
フィリがお菓子と言う魔法で、イメージして出すお菓子。同じではない筈よ?」
お菓子と聞いて、何を思い浮かべるかが違うから。
同じ言葉でも、意味が変わってくることがあるから、確固たるイメージは、大事だと、女は伝える。
後でお菓子食べましょうか。と、紅茶ばかりでは飽きるわね、と。
「恋愛や結婚などに関しては。貴女の思うとおりに為さい。
でも、見習うならそうね、私の父や母……貴女の祖父や祖母の方にしておきなさい。
リスは、私は、見習わなくていい例。」
そもそも、姉のリスはハーレムを求めているし、作る気満々である。
竜胆はハーレムと言うのは別にどうでもいいが、好いたら手を出す。
その辺りは、彼女には教育上宜しくないだろうと思う、自己分析は出来ている。
「可能性と言うだけでも十分よ。フィリ、先も言ったけれど、竜とは何か、を調べてその次に自分を当てはめてみなさい。
当てはまらなくてもそれはそれでいい事だから、貴女と言う個性が強いというだけよ。
推論でも、メモをして、後で見返す様にしてみなさい、全部ではなくても有用なところ、有るはずだから。」
流石に、幼いころから豊穣を体現するボディだとしたら、それはそれですごいことになりそうだ。
年相応というものは必要だ、これからだと思うと言い。
「ええ、そう言った伝承もあるわ、だからこそ、バハムートは、竜の神としてあがめられている、私たちの家では。
あと、魚のような姿も、確かにね。同じ存在でも、言い方ひとつで別の名前になるわ。だから、もしかしたら、フィリと私は同じ種族なのかもしれないわね。
受け継ぐところが違うだけで。
――人並みには泳ぐことは出来るわ?」
溺れたら格好悪いし、一応、海の男の、娘だからね。と。
翼を使ったりして泳ぐこともできる。むしろ、泳ぎなら、妹か。
それは兎も角、だ、彼女の期待自体には、答えることができたか。
ご案内:「竜胆の部屋」からフィリさんが去りました。
■竜胆 > 継続します
ご案内:「竜胆の部屋」から竜胆さんが去りました。