2019/03/19 のログ
ご案内:「トゥルネソル家」にリスさんが現れました。
ご案内:「トゥルネソル家」にラミスさんが現れました。
リス > 此処は、トゥルネソル商会のマグメール店、店長、リス・トゥルネソルが住まう家である。
 その場所は、マグ・メール王国の富裕地区の一角である、貴族達の家と並んで立てられるぐらいには、資産があることを示している。
 しかし、貴族の家と違うのは―――家に住む少女は華美な装飾を好まないことである。
 なので、貴族の家に比べれば質実剛健であり、なんとも華のない家なのである。
 しかし、その建材は一級品のモノを使っており、さらに言えば一流の大工の施工であるから、家の価格自体で言えば貴族のそれと大差がない。
 そして、竜が住まうようになってから、竜たちが魔法でこれをこれでもかと強化しているので、下手な要塞よりも頑丈と来ている。
 まあ、屋根の上でお昼寝したいとかそんなレベルなのが、ちょっと頭痛いところ。

 それはさておき、そのリスの家、応接室には家主であり、商店の店長であるリスが座っていた。
 その手には、数枚の紙があり、それはとある人物の情報が書き込まれているのである。
 アッシェが愛人として迎え入れた女性、それが、商店で働きたいということなのである。
 アッシェの判断で見習いということで店で働かせていたのだが、その報告書と、彼女自身の遍歴が書き込まれているのだった。
 彼女自身での自己申告の遍歴と、リスが調べた遍歴と。

 そして、見習いの女性が、そろそろ来るはずである。
 その時を、少女は静かに待つのだった。

ラミス > 「なんというか、凄いな…この家…貴族の
華美さはないのだが、こう、装飾と言うかつくりと言うかが尋
常ではない気がする…」

(面接を行う、ということで呼ばれた富裕地区の一角の家。そ
の作りの頑丈さや色々なことに驚きながら面接を行う部屋へと
案内されていき、ドアの前で立ち止まり一度身だしなみを確か
めて。それからドアをノックする)

「…こういう場合、貴族だと呼ばれる前にドアを開けたり中に入
ると駄目なんだが…やはり同じで呼ばれるまで開けない方がいい
んだろうな、多分」

(緊張した面持ちで中からどうぞ、と声を掛けられるのを待つ。
果たして本採用をして貰えるだろうか、試用期間中は真面目に
働いたつもりではあるが、と不安な気持ちになりながら扉の前
に立っている)

リス > しばらく待っていたところ、ノックの音がする。少女は視線を紙から扉のほうに向けることにした。
 メイドであれば、すぐに開けてくるはず、と思ったのだけれど……と思うのだが、すぐに思い出した。
 メイド長は今は多分屋上で昼寝している時間だ、そして、次期メイド長である、シスカ見習いは、買い物をするように命じて、ドラゴンメイドと一緒にお買い物中のはずだ。

 ということは、ノックの主は消去法で一つにたどり着く。

「どうぞ、ラミスさん。」

 少女は、見ていた紙をおいて、彼女へと声をかける。
 扉を開ければ、部屋の中はやはり装飾は少なくとも質実剛健を旨とした、内装である。
 向かい合わせに置いてあるソファ、大きな一枚軒で作られたテーブル。
 そして、しっかりと作られた暖炉は、火が焚いてあり、暖かな空気を吐き出している。
 ソファには少女が座っていて、にこやかに彼女を見つめているのだった。

ラミス > 「失礼す…します」

(危うく騎士時代の言葉使いが出そうになったところで言い直し
て。ドアを開けて中へと入り、きちんとドアを閉めてから相手
の方に身体を向けて)

「本日、面接をして頂くラミスです。どうぞ宜しくお願い致し
ます」

(この部屋も質素ながら趣味がいい。ごてごてした装飾がなく
質実剛健で、騎士であった自分としてはこういう部屋の方が好
みだと思いながら、深く礼をして。それから頭を上げてにこや
かにこちらを見つめてくる相手を見る。思ったよりも若いとい
うか小柄で可愛らしい。それだからと言って相手に対して礼儀
を失するようなことはなく、気を付けの姿勢で立っている)

リス > 「ふふ、ラミスさん。
 面接、とは言ってもそんな鯱張らなくてもいいわ?
 アッシェから色々聴いてるから。

 アッシェと、恋仲になったのでしょう?なら、あなたも家族だから。
 面接といっても、合否を決めるものじゃないわ。

 ただ、貴方とお話して、決めたいことがある、それだけのこと、よ。」

 すごくカチコチに緊張している様子の相手、少女は、彼女の誤解を先に否定しておこう。
 色々な書類があるのは彼女を知るためである。
 店で働きたいなら、店で働くのは全然問題ないし。
 仕事をしないでいたいのなら、養う位の財力はある。

 そもそも、嫁の恋人であるなら、自分にしても恋人だ。
 だから、気にしないで、と笑いながら、ソファを勧める。

「隣に座る?」

 それでもいいのよ?なんて、ポンポン、と自分のとなりを叩いてウインク一つ。

ラミス > 「っ…そ、それは、その、色々ですか?
こっ、恋仲と、その、ええと、言って貰って良いのか、と…そ
れに家族と言って頂けるのは嬉しいですが、勿体ないお言葉
と申しましょうか…ありがとうございます」

(恋仲と言われ、それをその夫である方の前で肯定していいの
か、どうなのか。そしてそこまで自分は思って貰えているのか
どうなのか、想って貰えていないとは思わない、けれど自信を
持ってそうです、とも言い難い。家族、そう言われると自身
は騎士を辞めた際に勘当された為、ほんの少し苦い笑みを浮か
べるも、素直にお礼を言って)

「私と話をして、決めたいことですか?それは一体…い、いえ、
合否を決めるものではないと言われましたが、やはり面接です
ので…こちらに座らせて頂いて宜しいでしょうか」

(隣を勧めてくれる相手には申し訳ないものの、面接は面接で
あると、正面に座る許可を求めて。面接のマナーも、この場合
はどこまで守るべきなのか、迷うところである)

リス > 「ええ、いろいろ………よ。
 愛人と言ってあげても構わないわ?
 だって、それを奨励しているのが私、だもの。
 私は、ハーレムを作りたいと思ってるし、それに関して、彼女らの好きを縛ることはしたくないわ。

 だから、私と愛し合ってハーレムに入った娘たちに、ほかの人と恋愛するな、なんて言わないわ。
 恋愛こそが、女の子をきれいにするんだし、それに……私から離れられないくらいに、私が素敵になっていくつもりだもの。

 だから、本気でアッシェと愛し合っていいわ?私から奪い取れるものなら、奪い取ってみなさいな。

 奪い取れたら、祝福してあげるわ。」

 軽く、ウインクをもう一度、二回はちょっとわざとらしいかしら、なんて冗談も。
 対面に座る彼女を眺めて、うん、頷き、それから、天井の方を見て、目を細める。
 すぐに視線を目の前の女性に移動しよう。

「簡単なお話、よ。
 ラミスさんのやりたい事を、聞きたかったの。
 だって、元々騎士様だったのでしょう?

 今まで武術をしていた貴女が急に商人の仕事をする。
 思い切りがよくて、好きではあるけれど、今までの経験が何も生かせなくなるわ。
 ずっとやりたかった事であるなら応援するしその為の、教育も惜しまないわ。

 でも、騎士―――爵位とかは私は貴族じゃないから用意できないけれど。
 剣士、とか戦士、とか、貴女の培ってきた経験を生かせる仕事なら、斡旋は出来るわ。
 だから、聞きたかったの。

 ラミスさんが、何を、したいのか、って。

 こういうのは、ちゃんと、心行くまでお話したほうがいいでしょう?」

 ね?と首をかしげ少女は問いかける。
 そして、こんこん、とノックとともに、赤毛のメイドが入ってくる。
 つり目で性格もきつそうな彼女、ずかずか歩いて入ってくる動きは、メイドの楚々とした動きではないのである。
 姫さん、お茶持ってきたぞ、お菓子も。と、メイドらしくない口調でお菓子とお茶を置いて、じゃーなー、と去っていくメイド。
 あれがメイド長なのだから、ちょっと頭が痛いの、なんて、少女は軽く行って苦い笑い。

ラミス > 「そ、そうですか…あうぅぅ…聞いて
分かってはいた心算なのですが、改めて聞くと…奪い取るだな
んて、そんな…」

(相手の言葉に本当に聞いていた通りの女性なんだと言う事が
分かり、赤くなりながら混乱した頭をふるふると振って。自分
の認識がまだまだ色々と甘かったと深く息を吐いて)

「私のやりたいこと、ですか…はい、元々は騎士をしておりま
したので、それなりに腕はたつ、つもりでしたが…簡単に辞職が
認められて、ああ、私は自分が想っていたほど必要とされてな
かったんだなーと。そう思うと戦士や剣士としても大成できな
いんだなって思いまして。私が何をしたいか、ですか…その、リ
ス様の前で言うのもあれなのですが…アッシェ様のお側にいたい
と思います。その、アッシェ様の愛人な訳で、もちろんリス様
のハーレムに入るのは問題ないのですが、やはりアッシェ様の
側に、と…騎士を辞めたのもアッシェ様の側にいたいのが一番の
理由でしたし。なのでアッシェ様のお役に立ちたい、というの
がしたいことでしょうか」

(したいことを考えて、言葉を選んで、一番は側にいたいからそ
の為に出来ること、役に立つことがしたいと。もちろん、目の
前の女性のハーレムに入ることは説明もされているし、問題は
ないです、と。そして入ってきたメイドの所作に唖然としなが
ら見送って。そしてメイド長と聞いて更に目を丸くして驚く。
貴族のメイドがあのようなことをすればあっという間に失職、
下手をすれば主に恥をかかせたと処罰を受けても仕方ないこと
であるためびっくりした顔をする)

リス > 「ふふ、ほらね?聞いていたことでも、実際に見ると、違う感覚になってしまうでしょう?
 それに、同じ家に住まうんだもの、私とも仲良くして欲しいわ?
 でも、好きなら、それくらい本気でも、いいと思うの。

 だって、もともと女同士で愛し合うなんて、道から外れていることを望むのだしね。」

 初々しい反応に少女は、軽く笑ってみせる。
 話がそれすぎているわ、と、彼女のことに関して、話を戻すことにする。

「健気。
 でも、そういうの、大好きよ。
 いいわ、アッシェの元に居たいというのなら、叶えましょう。
 とはいえ、アッシェは、私よりも忙しい竜よ。
 あの人の元にいるなら、竜帝シュロス……酒造がメインになると思うわ。
 シュロスの場所は……いつも移動してるから、アッシェか竜雪、ラファル位、あとは行き来してる急便のドラゴン位ね。
 移動するときはいつでも、連絡してね、送り迎えはよこすから。


 あと。
 商会はね、いつでも人手不足よ。
 ラミスさんのように、腕の立つ人であれば、商会の荷物運搬の護衛依頼だって。
 私の護衛もお願いすることもあるわ。
 そういうの相談させてもらったりしても、いいかしら?

 貴女の力を、貸してほしいわ。」

 お願いします。
 少女は、すい、と彼女に頭を下げる。

ラミス > 「確かにそうですね。
ええ、それは、もちろん。リス様とも娘の皆様方とも仲良く出
来れば嬉しいと思っております。あぅぅぅ…はい。そ、それはそ
の、私は男が嫌いですので、寧ろ女同士の方が…」

(道を外れて、と言われるものの自分はその道しかないので
それこそが正道で。話がそれてる、と言われれば頭を振って
そうですねと頷いて)

「健気、でしょうか。我儘のような気がするのですが…酒造と
いうのは聞いたことがあります。竜帝シュロス…ですか。
はい、ありがとうございます、お世話になります…あの、送り迎
えというのは竜の方にですよね。
護衛ですか?はい、もちろん私程度の者でも宜しければお力に
なりたいと思います。
そんな、顔を上げて下さい、末端の私に頭を下げるなんて他の
者に示しが尽きません」

(自分よりよほど強いのではないだろうかと思いつつも、強い
からと言って護衛を付ける必要がないという訳でないのは分か
る為、勿論ですと頷いて。頭を下げる相手にトップが自分ごと
きに頭を下げるのは良くないと慌てたように顔を上げて貰おう
とする)

リス > 「別に、責めてるわけではないわ?
 私も、女の人の方が好きよ、ハーレムを作ってる時点で白状しているようなものだけれど。
 ラミスさんとだって、愛し合いたいわ?精神的にも、肉体的にも……ね?」

 うふふ、と笑って見せる少女は、情感を込めた視線を彼女に贈ってみせるけれど。
 今はそんなことをしている場合でもないわね、と、残念、とつぶやいた。

「ん?健気だと思うわよ、少なくとも私はそう思ったし。
 そんなラミスさんの手助けをしたいと思ったもの。

 愛する人と一緒にいたい、その人の助けになりたい。
 我侭だとしても、私は、良い我侭だと思うわ。

 ええ、竜に。ドラゴン急便の竜の子にお願いすると思うわ。

 騎士として過ごしてきた貴女が、程度、という言葉を使うものではないわ?
 充分あなたは強いのよ。」

 自分が頭を下げたことに慌てる相手。
 少女は頭を上げてから、彼女の目を見て、小さく首を横に振るのだ。

「ラミスさん、私たちは家族よ。
 それに……人として、お願いをする時にはお願いしますというのは、礼儀だし。
 頭を下げるのもまた、礼儀よ。
 偉いから頭を下げる必要はない、それは勘違いだと思ってるわ。
 私たちは人である限り、対等なのよ。
 偉くなればなるほど、それを忘れがちになるけれどね。

 あと、トゥルネソル商会のトップは、私の父親であって。
 私は一店長よ?
 そんな偉いわけでは、ないわ。」

 先輩風を吹かせられる程度でしかないわ?と、軽く笑う少女。

ラミス > 「そ、それは、その、宜しくお願い致します…」

(自分とも、という少女の言葉と視線に頬を染めてしまい、残念
と呟かれると更に頬を主に染めて。健気だとそう思うと言われ
ては、はにかんだように、そして自分を手助け、と言われると
混乱した様になる。なんというか、今まで騎士として生きてき
たせいか、理解がまだ及ばない…いつかは理解できるようにな
るだろうかと、いや、理解できるようになろうと決めて。
ドラゴン急便、そう聞かされると竜に乗れるということにわく
わくしてしまう。そして自分を卑下しているのは良くないと言
うように注意されれば頷いて)

「ありがとうございます。見込んで頂いた腕、商会の為にもリ
ス様の為にも奮わさせて頂きます。す、すみません。どうもま
だ騎士の習慣と言いますか、考え方が残っておりまして。
そうですね、か、家族、なのですしお願いするときに頭を下げ
るのは、礼儀、ですよね…王族の皆様の側にいたせいか、軽々に
王族が頭を下げてはならない、というのがありまして。そうい
うのをお止めすることもありましたので…すみません。
ふふっ…先輩風ですか…」

(国のトップに連なる王族が頭を下げる、というのは対外的にも
宜しくない、それは国が頭を下げたことになるからだ、と教え
られていた為、その習慣が出て。現在は王は空席であるものの
王族もまたそういう対象だったものでと頭を下げる。
そして先輩風、と言われるとつい、とばかりに笑みを零してしまう)

リス > 「こちらこそ、よろしくお願いします、ね?」

 頬を染めている相手に、今すぐ手を出したくなるのだけれど我慢我慢。
 流石に今日は其のつもりではないし、アッシェともお話をしておきたい。
 とはいえ、彼女から既に許可が出てるのだけれど、気分である。

「有難う。
 私たちは、王族でも貴族でもないわ、ただの一般市民でしかないの。
 確かに、商売をして、うまくいってお金持ちになってはいるけれど、ね。
 だから、そんなに気負わなくてもいいの。
 王様が頭を下げてはいけないというのは聞いたことあるけれど、それとこれとは違うもの、だもの。

 少しずつ、慣れていけばいいのよ。
 ラミスさんは新しい世界に、来てるのだから。

 ええ、先輩風。
 ピューピュー吹かせちゃうわ?」

 なんでもわからないことは聞いてくださいな?なんて、胸を張って言って見せてから、ふと視線を向ける。
 じぃ、と彼女のことを眺めて、うんと首をかしいで。

「ラミスさんは私のことをどれだけ、アッシェに聞いたの?」

 この少女が人間ではないこととか、いろいろ聞いているのだろうか。
 どこまで話をしたのだろうか、と、気になって聞いてみた。

ラミス > 「一般市民、ですか…一般、市民…。
ええと、そう、ですね。気負い過ぎるのは良くないですし早く
慣れるように頑張ります。ええ、警護騎士として城勤めしてい
た時には知らなかったこと、知ることが出来なかったことが
毎日あって、毎日が新鮮ですし。それじゃあ、その風に吹き
飛ばされないように頑張ります」

(竜の奥さんがいる人が一般市民?と思いながらも余り深く考え
無い方がいいかなと考えるのを辞めて。騎士であった頃には知
らないことがたくさん知れて楽しいと微笑んで。
そしてどれだけ聞いてるか、と聞かれると、ぼんっと真っ赤に
なってしまう)

「あ、え、あー、そのー…とってもエッチ、と。アッシェ様に
そう言わせるくらいだから、凄いのかな、と…その、余り深くは
聞いてません。会えば分かるし、教えられるより直接聞いた方
がいいと。娘様が3人いると言うのは聞いてます」

(自分から聞いてびっくりするより、相手からびっくりする方が
より面白い、寧ろびっくりさせる楽しみを奪うのも、という訳
でもないだろうけれど、深くはまだ聞いていなくて)

リス > 「ええ、一般市民、よ?
 権力も何もない、ただの小娘、だもの。
 
 ………なんか、含みありそうね?」

 一般市民という認識が食い違っているようにも見える。
 少女の言っている一般市民というのは、貴族とか、そういう権力者ではないこと―――つまるところ、町人という意味での一般市民である。
 彼女の言っている一般市民というのは、一般的な人という意味でのものなのだと思われる。
 そういう意味で言えば、人間ではない少女は一般人ではない。

「うん、それは間違いないわね。
 でも、アッシェ自体、発情期じゃなきゃ自分から言ってこないし。
 そもそも、気分がのらなければ発情期でも言ってこないし。
 
 アッシェは自分が言うほどえっちな子じゃないと思うのよね。

 じゃあ、ここは伝えておいたほうがいいと思うわね。
 私は、元は、人間だったの、今は、人竜……人の姿をした竜よ。
 シュロスに所属してる竜たちからは、アッシェの伴侶ということ、で姫と呼ばれちゃってるわ。
 で、竜なんだけど……もともと人間だったし、商人でしかなくて。
 喧嘩したことないの。
 だから、さらわれたりしないように、護衛を付けてるわ。」

 護衛を頼む理由は、この娘、竜になっても弱いのである。
 確かに、竜のチカラで、強くなっているのだ、しかし、もともと町人であり、商人であり荒事と無縁なお嬢様なので、喧嘩ができない。
 そのへんのチンピラに睨まれただけで泣いてしまいそうになるのだ。
 戦いに向いてないというのが正しいだろう。
 だから、彼女のような強い人に守ってもらわないといけないのである。
 護衛が必要なのだ。
 多分彼女にしてみれば、これは驚きに入る部類ではないだろうか。

ラミス > 「ああ、いえ、そういう意味でしたら確かに
一般市民ですね。平民と言う意味的に…いえ、まぁ、竜の奥方
様がいるのに一般市民、と考えてしまいまして、申し訳ありま
せん」

(含み、と言う程のものではないのだけれど、そういう意味で
なら確かにと思う。そして理解をしていなかったことを謝罪し
て頭を下げる)

「…そう、なのですか?そ、そうですか、そうなのですか…ふふっ。
えっ?…やはり、アッシェ様の旦那様ですね。私はまだまだの
ようです。
元は人間で今は竜、ですか…アッシェ様の旦那様なのに姫です
か、アッシェ様がリス様の旦那様扱いされてるのですね。
そうなのですか?!そ、それは確かに護衛をつけなくてはい
けないですね。力はあってもその正しい奮い方を知らなければ
力とは言えないですし、リス様は荒事に向いているようには見
えませんし。ならば、このラミス、リス様の護衛の任も是非に
させて頂きたく存じます。アッシェ様の大切な方を守るのも
アッシェ様のお力になることですし、お任せ下さい」

(人でなく竜であること、喧嘩したことがないと言う事に驚きな
がらも、それならば確かに護衛は必要だと頷いて。
もともと護衛騎士をしていたのだから、護衛業は慣れたもの。
昔、と言う程昔ではないものの杵柄という奴で、自分が得意な
ことで貢献できると分かれば嬉しそうに胸をどんと叩いて任せ
て欲しいと)

リス > 「……………」

 ちょっとばかりすごく泣きそうになってきた。
 さっきから、旦那旦那を強調されているのだ。
 知らないから仕方がないし、納得もできるけれど。
 それでも、傷ついてしまう。

「あのね、ラミスさん………」

 ぐすん、とちょっと泣きそう。
 でも、ちゃんと言わないといけないから少女は、彼女を見やる。
 空色の目がうるうると何かを言いたそうに見つめているのだ。

「確かに、アッシェには、旦那扱いされてるけれど。
 確かにね、私は、ふたなりでオチンチンあるけれど。

 ――――心も体も、女の子なの。
 姫扱いに驚かれるのは、悲しくなるわ。
 アッシェも女の子だし、私も女の子だし……。
 伴侶とかのほうがいいと思ってるわ、まあアッシェ自身が私のこと旦那扱いしてくるし。
 ちょっと話し合うわ……」

 いずれは直面する問題であろう。
 ハーレムの主をするのだし、確かに男扱いになるかもしれない。
 でも、身も心も女の子のつもりなのだし。
 丁度いい機会だと思うことにした。

「……話を戻そうね。
 普段はアッシェ付きの秘書として、彼女は大雑把だし、彼女のスケジュールの管理をお願いね。
 で、状況とかによっては、護衛、して欲しいの。
 頼めるかしら?

 装備とかに関しては、必要なら……用意するわ。
 アッシェにおねだりすれば、彼女きっといいのを作ってくれるわ。」

 ぐすん、いじいじ。
 そんな状態でも、仕事はちゃんとするのは少女が骨の髄まで商人だから、であろう。

ラミス > 「あ、はい…なんでしょうか?」

(目をうるうるとさせて見つめられるとどきっとしてしまって
そして心も体も女の子、そう聞けば確かに先ほどからの態度は
男主人に対してものであったと感じ、まじまじともう一度相手
を見れば確かに小柄で可愛らしい少女であって。話し合うと
聞いてまずいことをしてしまったかなぁと頬をかく)

「申し訳ありません…リス様。私はアッシェ様と、そのぉ、肌を
重ねましたので、どうしても子供を為されたというリス様を男
性側に見てしまっておりました。
この失態、どのような罰でもお受けいたしますので、どうかお
ゆるし頂きたく…」

(深々と頭を下げ、先ほどまでの非礼を詫びて。申し訳ありま
せんと謝罪する。
そして秘書、そして護衛を言い付かればもちろんです、と頷い
て、お任せ下さいと胸をどんと叩く)

「装備に関しましては、私がアッシェ様から頂いても宝の持ち
腐れになってしまうでしょうし、自前のものがございますので
それで大丈夫です。お気持ちはありがたく受け取らせて頂きま
す」

(自分にはもったいない、そう言って装備は今自分の手持ちで
大丈夫と笑って。いじけている少女に困ったように笑っては
そっと手を伸ばして撫で撫でと頭を撫でようとする)

リス > 「いいえ、いいえ。
 確かに、間違いではないのでしょうね、先程も言ったけれど。
 私にはペニスがあるわ、子供も孕ませることができる。
 だから男性だ、そう言う意見が出てきてもおかしくないわ?
 両性具有というのは、ドッチもある性別なのだから。

 だから、ラミスさん。
 私は、自分のことを女だと思ってるわ。
 でも、貴方から見た私を否定はしないから、ゆっくりと見たうえで……貴女の結論を出して頂戴。
 あと、罰とかそんなこと考えてないわ。」

 両性具有の時点で、彼女の反応も間違いではないのだろう、女の子扱いして欲しいというのは自分のわがままである。
 イジイジといじけてみても、自分をどう見るか、は相手次第なのであるのは確かなのだ。
 頭を下げる彼女に、怒ってないわ、と苦い笑いを浮かべてみせる。

「ちなみに、アッシェも私のことを孕ませてるんだからね。
 三人のうちふたりは、アッシェが私を孕ませて私が産んだの。」

 たぶん。三人とも私があっしぇを孕ませて産ませたんだと思っているのかもしれない。
 それも正しておくべきであろう、ちゃんと判断してもらう為に正確な情報を。

「手持ち、何を持っているのかはわからないけれど、大丈夫ならいいわ。」

 いらないと言うなら無理に進める必要もないか、と思い返しての言葉。
 そして、撫でられる頭。
 見れば彼女は自分の頭を撫でている。
 子供扱いさたようにも思えて、ぷく、とほほを膨らませる少女。
 でも、跳ね除けるのも大人げないかしら、とか考えて、撫でさせていたりする。

ラミス > 「はい、心得ました。それでは
これからの御付き合いの中でリス様を見て、考えて結論を出さ
せて頂きます。そう、ですか?主人に非礼を働いたのですから
罰があってしかるべきと思うのですが…リス様がそうおっしゃ
るのでしたら、温情ありがとうございます」

(自分の意見を否定するのでなく、これから見て考えて結論を
出して欲しいと言われれば素直に頷いて。罰は考えてないと
言われると、それでいいのだろうかと思いつつも感謝する)

「えっ!そ、そうだったのですか…それは失礼を…」

(実際、3人とも産んだのはアッシェと思っていた為、あれ?と
言うように首を傾げて。自分としたときは付いてなかったけど
とやや混乱して)

「私用で遠出するときに仕立てた武器と防具です。使い慣れた
ものですので、壊れるまでは使おうと。ふふ、そうしていると
本当に見た目相応の可愛いお嬢様ですね、リス様は」

(頭を撫でる、良く考えると先ほどの話の内容からして二児の母
である相手にこれはどうだろうと思うものの、膨れた顔が可愛
くてついつい頭を撫でてしまい、想う存分撫でてから手を離し
ていく)

リス > 「知らないことに起因する勘違いを非礼にしたら、何でもかんでも非礼になってしまうわ。
 誰だって失敗やミスはあるの、大事なのは学習してその次に生かすこと、だと思うわ。
 罰は罪に対するものであるものよ。」

 失敗を罪にしたら、何もできなくなってしまうし、先程も言ったとおりに、非礼は罪ではない。
 貴族の凝り固まった因習は、彼女を縛っているのね、と思う少女だった。

「あの子は、生やせるのよ、生まれつきの私と違って。」

 本来は、アッシェは女の子である。
 自分とするとき、彼女は生やして挿してくるのだ、彼女の反応に、やっぱりね、と少女は思う。

「修理とか修繕だったら、腕のいいドワーフさんと契約してるから、いつでも言ってね。

 ふーんだ、いまさら言っても遅いのよ。」

 ぷいす。
 ほほ膨らませて、不機嫌ですアピール。
 言うほど不機嫌ではないのだが。

「さて、あとは、お給金とかのお話、ね。」

 じゃれていても仕方がない、話すべきことはまだまだあるのだ。
 だから、少女は彼女と、彼女の役割についてまだまだ話し合うのであった――――

ラミス > 「確かにそうですね、失敗してもミスをしても次が
あるのならそれに活かせばいいのですし。ありがとうございま
す、リス様」

(貴族社会に生きてきて、王族の警護騎士という礼節や賞罰に
厳しい世界にいたせいで、いまだにまだその考えが抜けておら
ず。これも時間をかければ抜けていくだろうけれど)

「生やす…ですか…なるほど…」

(生々しい話を聞いてしまったと思うものの、なんだろう、なん
だか酷く背徳的で淫靡な世界だと頬を染めて)

「はい、そのときはお願い致します。ふふ、そういう仕草はと
ても可愛らしいです、リス様。はい、それではそちらの方も詰
めて参りましょう…」

(細かなことを取り決める為に話し合い、いつしか時間は過ぎ去っていって……)

ご案内:「トゥルネソル家」からリスさんが去りました。
ご案内:「トゥルネソル家」からラミスさんが去りました。