2023/07/25 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区 大通り」にショコラータさんが現れました。
■ショコラータ > (平民地区の大通り。
並ぶ商店を横目に、たまにピンとくるアパレル店があると足を止め、冷やかして通り過ぎていく。
コクマー・ラジエル学院の制服のままだけれど、別に『寄り道禁止』とか無いだろう。)
「――うー――んン… デートか…」
(ボソリとアオハルな呟きを漏らして眉根を寄せる。
コクマーラジエルの教員たるコルボから『誘ったらどうする?』と迫られて、
どうもしないわよバカじゃないのと第一印象が最悪だった相手に返せるのは可愛くない反応なのだけど。
なんだか真剣に見えなくもなかった相手をつい意識してしまって。
デート、行くとしたらどんな所なのだろう、何着て行ったら良いのだろうと考えてしまう。
実際に誘われたら誘われたで反射的に断ってしまいそうなのが何とも言えないところだが。)
「――って高… い? くない?
いや高いのよねコレはだってこの前のアルバイト…
いやでもアレは安過ぎだったから、ううん…?」
(あまりお財布を持った事が無かったお嬢様は所々で首を傾げながら。
遠い異国の実家にものの数分で帰郷する能力があると『取りに帰ろうか』となるのだけど、
主に親族チョイスだったそれらの衣服は、この街で辺りを見回してみると、持って来ている物も含めて何か浮きそうというかダサいというか。
そういえば、シロマ… シロナ?のトゥネルソン… トゥルネソル?商会がこの辺だっけと、足は無意識に富裕地区へ向かっている高級志向。)
ご案内:「王都マグメール 平民地区 大通り」にヤシュムさんが現れました。
■ヤシュム > ■
夕焼けの空が美しい時間。
今日も良く晴れて、その日暮れともなれば少し眩しいくらい。
その橙に染まる夕焼けと同じ色をした、波打つ長髪。
良く磨いた翡翠を嵌め込んだに似た瞳。男らしい端正な顔立ち。
よく鍛えた腹筋を覗かせるハイネックノースリーブのインナーの上から羽織る裾がひらつくボレロ。
細やかな刺繍の入ったサルエルパンツに、歩く度にシャラシャラと控えめな音が鳴るサンダル。
褐色の肌をした上背のある青年は、一見すれば異国の旅人の様子。
けれど首につけたチョーカーについている娼館の名が刻まれたタグが、男娼身分であると示している。
「やあ、お嬢さん。何かお探しかな?」
その男娼が声をかけたのは、商店を渡り歩く学生服の少女。
同じ肌の色を持つから目に留まったようで、穏やかな微笑を浮かべて、ツーサイドアップにした揺れる金髪を持つ彼女を見下ろす。
「そろそろ日が暮れる頃合いだ、可愛らしいお嬢さんにとっては危ない時間だよ。
それともこれから遊びにいくのなら、俺の店にご招待したいけれど、どうだろう?」
学生を娼館に誘うのはどうかとも思われるかもしれないが、男が売るのは色だけではない。
とは言え、男娼だとわからない可能性もあるので、その場合は自己紹介でもしようかと考えている。
■ショコラータ > ――役者か何かだろうかと、
上背があり身だしなみに気を遣っている感のある美人は遠目にも目を引いた。
その娼館が男娼の首にチョーカーとしてタグ付けするなんていうしきたりは知らない話で、
鍛えられているようだけど戦士にしては垢抜け過ぎてやしないか、大道芸人にしてはお洒落志向が強過ぎる気がすると、
先入観バリバリな想像を巡らすけれど、それで声をかけに行くような興味の対象ではなかった。
すれ違ってお終いになりそうなその人から声をかけられ、
うん?と一度後ろを振り返るのは、なんとなくこの人が魔術だの学院だの冒険者ギルドだのといった自分の世界から違って見えて。
――案じてくれるのだろうかと思ったら、客引きか?
となると結構よと手を振って足も止めずに通り過ぎるところだけれど、多少なりと関心を持った相手に質問チャンスである。
ふむ?と伺うように見上げながら。
「――平気よ。そこら辺の酔っ払いなんて一撃でぺしゃんこだから。
…俺の店、ってのは何屋さんしてるの?
服を見に来たんだけど、なんかだんだん分からなくなってくる。
まだ別に必要とも決まってないし、冷やかしだしね。
何屋さんでもきっと良いお客にはならないわ。」
アパレルで足を止めていたのを見ていたかと思えば、そういう業界の人のようにも見えてくる男。
期待しないでね、とお仕事に対して答えつつ、どういう人なのとじっと見つめて。
■ヤシュム > ■
その男娼は元傭兵。
広い視野を持つからこそ見つけた少女がこちらを一瞥して、しかし通り過ぎようとした矢先。
声を掛ければ足を止め、見上げてくる勝ち気そうな表情と台詞。
頭から足先まで見れば、細身で小柄ながら鍛えられているのが分かる脚。
男は微笑を浮かべたまま、穏やかな表情、低い声音ながら聞き取りやすい声質で、言葉を返してくれた少女へとさらに続ける。。
「なるほど、ただのお嬢さんではないようだ。
俺の店、といっても俺が経営者なわけではないけれど」
富裕地区にほど近い平民地区の歓楽街にある店の名を告げる。異国の言葉で楽園の扉を意味する。
その歓楽街の娼館通りにある店だが、学生である彼女が知らなくても不思議ではない。
誰かに聞いた事があるのであれば、冒険者の女性とかも利用する主に男娼が女性をもてなす店だ。
「────俺はヤシュム、と言う。その店で男娼をしている者だ。
お嬢さんは洋服を探していたのかい?
わからなくなってくる、ということは、普段使いするものではない特別なものかな?
となると、ああ、もしかしてデートとか、お見合い?
それも初めての体験だろうか。誘われるのを待っているとか? いいね、可愛らしくて」
彼女ぐらいの年齢なら、男女の初々しいお付き合いが始まっても不思議ではない。
幼さはあっても利発さが伺える顔立ちや目元から、それなりに自尊心も高くあるのだろうか。
顎に手を当てながら色々と考えて、そんな風に告げてみる。
「まあ、良いお客さんになってくれるかは俺の腕次第だからね。
なんにせよお見知りおきいただけたら幸いだ。
もしお悩みなら、相談役にでもなるし、デートの予行練習にも付き合える。
勿論誰にも言わないし、望まなれない限り手は出さない。
どうかなお嬢さん。
もし興味を持ってくれたなら、俺に教えてもいい"名前"を一つくれると嬉しいよ」
娼婦や男娼に彼女がどんな印象を抱いているかは分からないが、軽く体を前に傾ける。
男の肩ぐらいまでの背丈しかない彼女の目線に近しくなるよう合わせて、甘く誘う。
その名前は勿論偽名でもいい。
男娼が彼女を呼ぶ名前をくれるなら、彼女はお客様になるし。
興味がないというのであれば、名を告げなければよいだけだ。
■ショコラータ > 「コクマーラジエルの魔術科生よ。
魔術科だからって皆荒事対応なわけじゃないし、
制服色々だから、これで分かれってのも無理な話よね。でも私は平気。」
人によっては銃火器携帯しているようなものなのだ。
こういう手合いがいるから、市街での武装に制限をかけたりする意味も薄くなってしまう。
トクベツなのよと小さな体が胸を張るのは、場合によっては人の危機感を煽るけれど気にかけるチャンネルを持たず。
――店について聞くと、あるいは世間話でその名を知っていたのなら、娼館に誘ったのかと狼狽えた。
「だんしょっ… ちょっ、ちょちょっと待った学科とか分からなくてもコレ学生服… ああいや微妙なのかしらね、こんなの多いもんね。
でも客層としてどうなの? こんなの来る…? から、声かけたのよね…」
状況を見れば自己完結出来てしまう質問しか出て来なくてブツブツしてしまうけど。
単純に信じられずに褐色の顔をなお赤らめて、そうか、この街ではやはりそうなのかとドギマギした。
「…デートなのかな、よく分かんないわ。
もう嫌いじゃないんだけど、第一印象最悪な痴漢で女たらしで… じゃなくて、客引きでしょ?
時間の無駄よ、コクマーラジエル生だけど身分混合クラス。
物価分からなくてアレだけど、その… そういうお仕事って、安くはないでしょ。
だからきっと対象外。
…あの、あなたがダメで言ってるんじゃないからね?
いやお金で人を買うってのは結局ムリかもなんだけど… ショコラータよ。」
男娼と言っても必ず肌を重ねるわけではなく、そういう付き合い方もあるのだなと意外に思うけど、
いずれにせよ高級というか高額なサービスという認識はあって、自分の懐事情にはおそらく荷が重く、
また価値観的にも男娼の「お買い上げ」はまだハードルが高いと、甘い誘いにごめんなさい。
…しかしごめんなさいされる事も多いお仕事だろうと思えば、
私が買わないとしても男娼の仕事をとやかく言うつもりは無いし、
生理的に受け付けない的な逃げ口上でもないわよと、求められた名は名乗っておいた。