2023/07/09 のログ
■タマモ > 逃げるか、戦うか。
どうやら、選択として選んだのは、戦う、らしい。
まぁ、少し頭が働くならば、そうなるだろう。
前回のあれがあれば、己を疑うのも当然だ。
だが、時に、それはハズレクジとなる。
一応は出口があり、抜ければ、元に戻るのだから。
もっとも、その出口のヒントまでは教えないし…ただ逃がす、なんてする訳もないのだが。
ただ、戦うの選択肢を選んだ場合は…
「おや、そうくるか。
うんうん、なかなかに勇気ある行動じゃ」
一見、武術向けには見えないだろう、己は。
しかし、見た目で判断するのは、大きな間違いである。
…あぁ、いや、その武術の系統に関しては、見た目通りか。
さすがに、怪力を振り翳す力押し、なんて出来やしない。
ともあれ、己へと向け、掌底を繰り出す男。
しかし、鎖骨付近のような、手心を加えた攻撃は、仇となる。
攻撃が当たる…それを防ぐでも、避けるでもなく、身を僅かに退けて当たりを弱くしながら。
その手首を掴み、身を潜らせ、腕を抱えるような形にすれば。
そもまま身を落とし、自重と、男の攻撃のタイミングを合わせるような背負い投げ。
まぁ…体術は出来ているんだ、受身ぐらいは取れるだろう。
だから、投げるのに遠慮はしない。
投げに慣れておらず、受身が取れなければ、なかなかに痛い目に合うのだが。
■サウロ > (時には逃げるという選択肢も大事であることをサウロは知っているが、
目の前の少女が易々と逃がしてくれるとも思えない。それが、彼女への印象。
あるいは違った出会い方をしていれば、彼女の可愛らしい容姿と一風変わった言動も愛嬌があると思えたかもしれないが──。
今のサウロにとっては、その声や赤みを帯びる金の瞳が向ける視線、揺れる尾ですら、記憶の中の劣情を呼び起こそうとする。
危険なのだ。だから、この記憶ごと彼女を打ち負かさなければ、振り払えないと思っている。)
「っ、……ぐ、っ!」
(突き出した手を引きながら掴んで投げ技へと転換する少女の流れは非常に滑らかだった。
まさか体格差があるのに投げられたのは予想外だった。
体を引かれるタイミングと腕を掴んで投げるタイミングに合わせて咄嗟に受け身の姿勢を取り体を捻りながら体の側面を強かに床に打ち付けるのと、
彼女が掴んだ腕の手で、今度はサウロが少女の細い腕を掴む。)
「大人しく、しろ……っ!」
(すぐに軽く身を回転させ膝を引いて足裏を床につけ、体勢を整える。
同時に少女の腕を、男の力で強く引く。普段から重い剣盾を振るう身だ。
一般の同年代よりは、力強くもあるだろう。
しゃがんでいるような姿勢から、掴んだ腕を引っ張り床へと倒し、その背に腕を回して押し込もうとする試み。
よくある捕縛のための抑え込み技の一つだ。)
■タマモ > 一応、これでも武術の指南は受けている。
とは言え、相手と同じ、手心を加えていれば。
それを耐え、次の行動に移せるもの。
投げた後、腕を掴まれているのが、良い例だ。
だが、男は忘れている。
前に会ったあの時、己に何か出来るのは、己の身だけだとは限らない、と。
「いやはや、大したものじゃのぅ。
耐えられたのならば、妾を警戒するならば?
もっと確実に、打ちのめした後、完全に身動きを封じ、問えば良かった。
でなければ…ほれ、こうなる」
それこそ、腕が折れてしまう程に、力を込めて押さえ込まなければならない。
だが、この男にはきっと、そこまでの事は出来ないだろう。
そもそも、己の腕を封じ、何とか出来るつもりでいるのか?
そうした、色んな事を言いたくはあるのだが。
まずは、あえて抑え込まれる。
そこまでは、良いだろう。
しかし、そんな男へと、そんな言葉を投げ掛けた後。
ゆらりと、少女の体が揺れ、急に抑え込む手応えが消え失せた。
それと共に、また、この場の状況が変わり始める。
周囲に感じ始めた、誰かしらの気配。
少女が消えた事で、元に戻ったのか…それとも。
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■サウロ > 【移動します】
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