2022/12/27 のログ
ご案内:「平民地区/探偵事務所」にアッシュさんが現れました。
■アッシュ > 平民地区の一端、そこはかつて衛兵の詰め所だった過去があるらしい、二階建ての建物、その上階部分。
場所が貧民地区にも近いからか、事件が多い為に衛兵たちがまさに必要――だったからこそ面倒くさがって引き払われてしまったらしい場所だ。まともに治安を良くしようとする物達は少ない。
個人で探偵業など行っている男は、今はその事務所と化した部屋の中で、窓際に立ちじっと外の様子を伺っていた。
いや、外の様子を気にすると言うよりは。ただ窓の外に見える、ごちゃごちゃとした建物の隙間からその奥、わずかに見える遠くの景色を見ながら考え事をしているに過ぎない。
客が来ることは稀だったから、隣にあるキッチンの方から沸かし途中の火に掛けた湯の音がカタカタと鳴っているのが時折聞こえてくるぐらいで、部屋の中は静かなものだった。
少々冷えて来た気もするが、考え事をずっとしているからなのか、暑い寒いを全く気にする様子もなく、ただじっとしている。
隣でカタカタ鳴る音が大きくなったから、ふともう湯が湧いているのだろうとキッチンへ引っ込み。暫くして紅茶の入ったカップを手に、窓際に戻ってまたじっと外を見て何か考え事を続けていた。
■アッシュ > 「……ん? ああ、そうか。そうなんだな……」
ふと、何か考え事に一つ思い至る所があったようで。
じっと考え込んでいる間にだいぶ温度が下がっていたカップの中身に口をつけ、もう熱が殆ど無いのを知ると、一気に飲み干し。
空いたカップを片付けると、何の音もしなくなった部屋の中を、キッチンとの境目から暫し見ている。
何となく、二度とこの場所が騒がしくなることは無いような感覚が湧いてくる。
「いっそ引き払うか……?」
どこへ行こうか、それを時折考えることがよくある。
元々、解っていたことではあるのだから。
いつもは狭く感じることもある部屋の中が、妙に広く見えるのは嫌な感覚だ。さっさと寝てしまおう、と入り口に錠を下ろし、奥の自室へ向かう。
どこへ行くのかは、寝て起きてまた考えればいい、と言うことにして。
ご案内:「平民地区/探偵事務所」からアッシュさんが去りました。