2022/11/18 のログ
ご案内:「鏡の迷宮」にミメシスさんが現れました。
■ミメシス > 天井も床も壁も何処も彼処も鏡でできた迷宮が存在する。
特定の周期に特定の場所で開くと言われている『鏡の迷宮』。
今夜はメグメール(喜びヶ原)自然地帯にある街道傍で発生した霧と共に入り口が解放されたようで、迷宮の入り口ではまだ森の木々の擦れ合う音や狼の遠吠え等も聞こえ、逆に迷宮の入り口から外へは眩い輝きが零れている。
迷宮に踏み込んでも扉が閉まることは無い。
中は壁も床も天井も全て鏡張り、割る事は難しい魔法の鏡は曇りひとつなく侵入者を映し惑わし、迷宮全体が真昼のように明るい事から余計に迷いやすくなっていた。
出没する魔物は主にスライムなどの不定形、ゴースト系などの不可視系と迷宮の異様さを際立たせ利用する魔物が多い、その中にミメシスと呼ばれる魔物も存在していた。
ぐじゅり、ぐじゅ、ぐじゅる、ぐじゅり
全てが鏡張りの世界で壁に張り付いた肉塊がミメシスである。
ただそのミメシスは表皮を周囲と同化、つまり鏡面状にし、薄く壁に張り付く事で多少歪に見えるが鏡の壁に擬態化している――…ただし、隠しきれず滲み出す粘液が不気味に鏡をぬらし、床をぬらし、明らかに怪しげだと言わんばかりの光景を作り出しているが、直ぐ傍には見るも絢爛豪華な宝箱がひとつ……。
■ミメシス > 僅かにであるが天井より魔物の皮膚から分泌された粘液がどろり……どろりと糸を引き滴り落ちて、地下迷宮の床に小さくもどろどろの粘液溜りを形成する。
そこより一層芳しく腐敗した果実の甘い香りが漂い、壁にかけられた光源の熱により蒸発し、更に迷宮の通路に小部屋に香りが広がっていく。
されど獲物は近づいてくる気配を魔物は感じれない。
すると次なる手として自分の喰らった冒険者の声を真似て、「タスケテ、タスケテ……。」と鳴くが当然聴く者はいない。
暫くはそうして獲物を寄せる努力を魔物なりにするのだが、諦める程度の知能はあったようで、天井をズリズリズリと這いずり、何かの這い進んだ痕跡を残しながら、次なる狩の場所へ迷宮の奥深くへと消えていくのであった。
残ったのはその足掻きの残滓。
甘い香りとヌルヌルの液体である。
ご案内:「鏡の迷宮」からミメシスさんが去りました。