2022/11/10 のログ
ホウセン > (この支所の利用頻度は、そう高くない。
故に、問い掛けた従業員とは初対面。
必要な人員が集まらない時に、手間賃を払ってでも募集の範囲を広げる為に使うというのが専らの取引の形態ではあって。
裏を返せば、台帳入りという結果を聞かされた依頼は、他所のギルドでも苦戦を強いられているということだ。
無念という心情と、やはりという得心戸とが混じり合い、ほぅっと小さな吐息を漏らし、薄っぺらい肩を心なし竦めて。
相手が脚立から下りるのを待って視線を合わせるも、何をどうやっても身長差は覆せず終い。
物問いたげな視線を向けられたことは承知していたから、素性を明かす所から始めよう。)

嗚呼、儂はその依頼主じゃよ。ホウセンという。
正確には、店主の代行であるがのぅ。
然し、嗚呼、ここでも直ぐに喰い付いてはくれなんだか。

(シンプルに報酬を上乗せするだけでは、喰い詰め者か、荒事にしか向いていない輩ぐらいしか現れないのではないか。
それでは積み荷の安全が怪しくなるやも…等と。
袂に両手を突っ込んで、眉間に皴を寄せて思案顔。
幼いながらに整った顔立ちは、一応の様にはなるかもしれぬ。)

見たところ、お主も冒険者としても生計を立てておるきがするのじゃが、試みに訊いておきたい。
基本報酬を2割増すとしても、恐らくこの分では結果はおぼつくまい。
もし自身が依頼を受けるか受けぬか検討するとして、もう一声…とするなら、報酬の幾許かの前払いと、成功報酬の金一封の追加と、どちらが食指が動くじゃろう?

(メイド服というおおよそ冒険者らしからぬ服装である女に、問いを投げ掛ける。
然し、あてずっぽうで人選した訳でもなく、その露出部分の大きなメイド服のお陰で観察できた肉体の其処彼処から素性を察したようで。
小柄で華奢な妖仙とは異なり、女性らしい肉付きの下に息衝く筋肉。
其処まで意識が及ぶと、人集めの算段と並行して、碌でもない思考を無垢そうな面の皮の下で始めるのだ。)

シンディ・オーネ > ええまあ、アスピダとなるとなかなか…
連絡員がさっき来たところですから、他の支所で受け手が見つかっているという事も、
あまり期待できないかと思います。
ただこういう依頼は、ちょっとアスピダの様子を見ておきたいとか、
そういう動機を持ってる人がさらっと受けていく事もありますから…

(子供の困っている仕草には、何だか少し息苦しくさせられる。
 しかしバイト職員なりの速読で確認した依頼内容は何一つ子供っぽものではなく、
店主代行と名乗ったこの子がただのお使いではないのだろうと思えば、同情含めて子供扱いは控える事にする。
 それにしても綺麗な子だなと、少し冷静に思案顔の相手を見つめて。)

――おっと、さすが未来の店主さん。ええ、私も冒険者登録しています。
そうですね… 私はすぐに支度金が必要という事は無いので、成功金一封で額が大きい方が魅力的に見えます。
成功しないといけなくなるので、その方が確かな人を集め易いと思いますが…
緊急で頭数をという事なら、おすすめは前払いです。

(こちらの素性を見破った少年に、子供扱いはすまいと思った矢先の褒めてあげる姿勢。
 脚とかで見て取ったのかなと、ゴツイのかなとちょっと自分を見下ろすが、まあいい。
 思考はホウセンと同じ方向。
 ただ前者には相応の金額が必要になるわけで、悩みますよねと一緒に思案顔。)

ホウセン > (他の支所からの朗報がないというのは、ある意味予想の範疇となっていた。
だから、今更のように、更に肩を落とすようなことは無かったが。
それでも不本意は不本意だ。
だからこそ、仕事を受ける側のコメントに、うんうんと頷きを返して納得の仕草。
決して艶のある唇の外側には吐き出さないことだけれど、実のところ採算性はあまり考えていない。
発端からして、鎮圧に奔走している軍務の有力者から乞われてのもの。
多少の損は、コネクションを強化するためのコストと割り切れるのだ。
だから、実績作りが最優先…の一方で、不自然な高値を付けたら付けたで不審がられるし、同業者から浮いてしまう。)

成程のぅ。
儂としては輸送の成就こそを最優先と考えておるから、お主の助言に従うなら前金払いであろうか。
されど、それでは質が確保できるか怪しい故…

(組んでいた腕を解いて、裾からほっそりとした指の半ばまでをちょこんと覗かせ、おいでおいで。
加えて、右手の指を揃えて指先を上に向けた俄か扇形にしたなら、内緒話に誘っているのだという意図は明白で。
背丈の差があるから、女に屈んでもらうか、妖仙が爪先立ちをする必要はあるけれど。)

お主の知り合いで心当たりのある者に声をかけて貰えるのなら、幾許かのチップを渡すのは吝かではありゃせんよ。
それに、前金が必要ではないというお主には、成功報酬で色を付けることもしよう。

(依頼そのものはギルドを通して手数料を納入するから、上前を撥ねる行為ではない。
ただ、そのテコ入れとして、目の前の女冒険者に労を負ってもらいたいという個人的なオファー。
そこまでなら、物事を円滑に進める為の下工作の範疇に収まるだろうし、同様の話を持ち掛けられることは間々あろう。
されど、この子供にしか見えぬ存在の図々しさは、シレっと仲介役として女自身を巻き込もうとしていること。
既定事実という程に真正面から喧伝せず、話の流れの中に報酬形態について差し挟んで。
仮に疑義を呈されたとて、黒く大きな瞳で真っ直ぐ見返して、コケティッシュに小首を傾げて”何か問題があろうか”なんてツラをするだろう。
商売人としての地に足についた発言と、ふわっとした子供らしさを使い分けて、外堀を埋め道中に連れ出そうという魂胆を拒絶できるだろうか――)

シンディ・オーネ > ――どの程度の事態に見舞われるかによりますが…
ギルドを通して依頼を受ける登録冒険者であれば、そこまで質的に大きく劣るという事は… ない、かなと、思いますが…

(質について悩む少年に、ギルドをフォローするように言おうとするが、
それで失敗したら目も当てられないので歯切れは悪くなった。
 護衛とは保険で、保険は外れて嬉しいギャンブルだ。
 必要経費の膨張を嫌う依頼主は逆に削って削って薄利多売を達成しようとしたりする。
 事情は様々あろうけれど、そういった意味では少年の態度が真摯に見えて――
 なんだか手慣れた仕草には眉根が寄るが、ちょいちょい招かれれば耳を寄せる。)

――ギルドでアルバイトしている冒険者ですよ?
冒険者として一流ならここには居ませんし、私の知人の能力を私が担保するのは、
ギルドへの登録よりも信頼度の低いものだと思いませんか?

(美味しい仕事にギルドの事務方が手を出すのは慎重を期さないといけない。
 信用問題だと杓子定規に首を振るが… これは別に美味しい仕事ではないのだ。
 期限切れ間近とかで、ちょっとお小遣い稼ぎ出来そうな仕事をそっと貰って帰るのは実はいつもの事。
 それはもう役得ってやつで、売れ残りの処理なら誰も不幸にならない。
 だからここで諫めるように言うのは、ただ私を信用しても良いのかという確認。
 実のところある程度乗り気ではあって、報酬へのオマケにも反応してしまう。)

…私がお手伝いするとしても、同行を頼むのではなく、ただ紹介するだけです。
報酬に差があると気まずいので、私にオマケしてもらえる分は全体に上乗せしてください。

(性分に加えて、それこそギルド員としておかしな事は出来ない部分。
 お金は欲しいけれど、ただでさえちょっとした噂の付きまとう我が身を思えば、クリーンに頼みますと頷いた。
 …困っている依頼主からの提案に乗る、という体なのだから、
その依頼主がこの条件によって何かを画策しているとまでは考えられていない。)

ホウセン > (営業トークなら、百パーセントの保証が出来ずとも荒唐無稽の範疇に至らなければ、問題無いと言い切ってしまうのが定石だ。
だが、それをせずに、やんわりと諫言をしてくるのは、生真面目な性根が透けて見えるようで。
そういう意味では、己の人選は中々にいい塩梅に転がったと自画自賛する心情が無いでもない。
依頼面においては、前のめりなお調子者に声を掛けるより心労が格段に少なかろうと。
別の面では、この堅物っぽさが見え隠れする女冒険者を崩したら、どのような様子を示すのか楽しみだと。
後者は、例によっておくびにも出さず。
――斯様な姿で不埒なことを考えていると、想像するのが難しいという要素はあるにしても。)

呵々…!斯様な考え方をするのなら、信頼度は加点となろうぞ。
それ以外の条件は、委細承知じゃ。

(必ずしも希望する人員が集まりきるかは保証外。
それでも構わないと首肯し、即決をすることで当人が参加しないという退路を塞ぐ。
裁量権を持つ者の強みを、遺憾なく発揮するのに躊躇が無い。
口元と耳元を隠す内緒話ポーズを解除して、背筋をまっすぐ。
相変わらず、こぢんまりとしている体躯は変わりようがない。)

ギルドでの手続きはお主に一任するとして…
依頼の中身について、もうちっと詳細を伝えておいた方が、話を持っていく相手を選び易くもなろう。
二階の部屋を借りる故、ちぃとばかりお主の時間を貰えんかのぅ?

(二階の貸宿部分を使って、更に詳細を詰めようとの提案。
実際、荷馬車の台数やら行程やらを引っ張り出して、彼是と実になる話もするのだろう。
きっと、会話の七割程度の率で。
残りの三割といえば、時折混じる雑談に乗じ、女冒険者の素性を聞き出す事に充てられて。
予定の出発時期まであと幾許か。
旅先で何が待ち受けているのかは――)

シンディ・オーネ > ――まあ、ええ、確かに私は、成功報酬を希望しますので。

(即決してくれると、私を冒険者と見破ったこの子の人を見る目なのだろうと肩をすくめた。
 あまり自分を売り込むタイプではないが、謙遜し過ぎる事もなく。
 私はお買い得なんじゃないですかねと、少し胸を張る。
 どうしてもお姉さんに任せろって感じになるのは否めない。)

ええ、是非お願いしないといけませんが仕事中です。
上がる頃にまたいらして頂くか、改めて伺わせてください。

(手続きを進めるのはもちろんだけど、今必要な情報は依頼書の中にある。
 これ以上は仕事を受ける冒険者として聞く話で、ギルド事務員の業務時間は割けない。
 改めての機会には、自分の事ももちろん話すだろう。
 隠し立てする事ではないので、自分の魔術についてはもちろん、
振られれば勇者を夢見る恋人とこの街で同棲していて、だけど別々に冒険者をする事になっている話も容易に聞き出せる。)

ご案内:「酒場『輝く白狼亭』(設定自由部屋4)」からホウセンさんが去りました。
ご案内:「酒場『輝く白狼亭』(設定自由部屋4)」からシンディ・オーネさんが去りました。