2022/10/10 のログ
ご案内:「看板の無い店」にヨリさんが現れました。
ヨリ > そのおっとりとした面差しの魔女は、店の奥の広々とした来客スペースに独り、居た。
毛足の長い絨毯が敷かれ、中央には足の低い厚ガラスのテーブルが置かれている。
テーブルを挟んで、クッションが柔らかい上等の横長ソファーが一つずつ。
魔女が座すのはその内の一つ。適度な弾力の背凭れに体重を預け、ゆったりと足を組み。

店の出入り口には魔術が施されており、無意識の内に波長が合ってしまった者は、
ふらふらと入口を潜り、商品陳列エリアを通り抜け、奥の来客スペースへと入室するだろう。
一種の洗脳の効果が店自体にかけられているのだ。そして、魔女の餌食となる。
魔術の抑制が効かない危険な者が入って来る事も有るが、滅多に有る事象ではないし、
とタカを括っている。永い時を生きた人ではない種族特有の増長と言えるだろうか。

店の洗脳効果を察知し、洗脳されずに踏み込んで来る輩も、稀に居るのだから──

ご案内:「看板の無い店」からヨリさんが去りました。
ご案内:「空中庭園「水晶庭」」にユーダリルさんが現れました。
ユーダリル > 街で聞いた噂を頼りに、辿り着いた先は空中に浮かぶ庭園―――……水晶庭。
季節問わず、様々な種類の花が咲き誇り、広がるのは幻想的な風景。
硝子細工のような箱庭に、足を踏み入れた青年はパッと目を輝かせ、喜色満面。

きょろきょろと好奇心赴くままに、辺りを見回し、
草花の香りと足に伝わる土の感触を暫し、楽しむだろう。

やがて、高揚が少し落ちついた頃には、白いベンチに腰かけて。
麗らかに咲く花と同様に、硝子細工の外―――……王都を一望する。

ユーダリル > 「なんだか、とっても贅沢な気分」

ぽつり、と呟く柔和な面立ちの青年の双眸には、黄昏色の王都が浮かんでいる。
時折、水晶庭に咲く花々の花弁が舞い落ち、王都を彩っていく。
静謐でのどかな時間。

そして、誰も居ない。気配もない。
首をゆっくりと巡らせて、人の姿・形が充分、目に映らないことを確認した青年は……。

ベンチ脇に生えた綺麗な花を一輪、そっと摘んでは……。
そのまま、静かに服へと編み込んでいく。
編み終わると、一輪に飽き足らず。

むしむし、あみあみ―――……、と。
他者が見ても、気付かれない程度に花々を数本、拝借もとい、頂いている。
ベンチに座りながら行われる、青年の行動。
果たしてこれは、何罪になるのだろうか……。

ユーダリル > 訪れた当初よりも、青年の格好は幾分、フラワァ…になっている。
なんか、首元がわさわさ、ふわふわしている。
―――……水晶庭の花である。

ベンチに腰を降ろしたまま、目を細め、どこか達成感と満足気な表情の青年。
何本摘んだのだ。

やがて、日も沈み、月光が王都を包み出した頃合いには。
ベンチから腰を上げて。

見咎められ、現場確保される前に。
青年は通常よりも、2倍ほど俊敏な動きで。

花を服に纏わせて、その場を立ち去るのであった―――……。
その後、水晶庭にじょうろを持った青年の姿が、ちょくちょく見かけられたとか。

ご案内:「空中庭園「水晶庭」」からユーダリルさんが去りました。