2022/10/01 のログ
ご案内:「王都 平民地区」にホウセンさんが現れました。
ホウセン > 王都の平民地区。
今日も今日とて人の世に紛れて過ごす人外は、その小さな身体を方々に駆け回らせていた。
自身が店を構えた区画から、三つ四つ離れた先。
一日の予定の大部分を消化して、最後に向かうのは馴染みのある冒険者ギルド。
港湾都市に向かう隊商を編成するにあたり、御者や護衛の求人を行う為である。
未だ羽織を肩に掛けるには聊か早い頃合い、小柄な体を猫のように丸めて寒さをしのぐ必要もない。
緩やかな足取りで、とてとて。
無防備そうに見える毛並みの良い子供の一人歩きとは不用心にも程があろうものだけれど。

「嗚呼、遠回りをしても良いことは無かろう。
今日の所は、少しばかり時間を短縮…と。」

北方帝国辺境に由来を持つ異相だが、この辺りの街並みは熟知している。
正直に大通りを行くよりも…と、身軽に路地裏に足を踏み入れ。
急速に治安の悪化している王都では、軽率の誹りを免れられぬ所ではあろうけれど。
無事に目的地に辿り着けるか、道すがら何事かに出くわすかは、妖仙とて知り得ぬ事情だ。