2022/09/14 のログ
■サシャ > (うわぁ……)
サシャは早速帰りたくなる。
己一人でこの会議を主催する魔王の娘を相手せねばならないのだ。
ネロの悪名は事前に調べる過程で聞き及んでいた。
これから過ごさねばならない時間にサシャは気が重くなる。
「いえいえ、将軍は来たがっておりましたが、何分前線は忙しいもので…」
実際は全くもって来たそうでは無かったが。
恐らく、このような状況を見越していたのだろう。
サシャは己の上司を恨んだ。
「えぇ、では座らせていただきますわ」
離れた場所に座ればますます不機嫌になるだろうか?
そう思って、サシャは一番近くの席に座る。
そしてネロに対し、改めて近くで見るととんでもない乳だなぁ、などと思いつつ、
「それで……本日は一体何からお話しますの?」
まぁ会議の真似事でもすれば満足するだろうかと、
ネロに発言を促した。
■ネロ >
「ふゥーん。来たがってた、ねー」
猜疑心全開の視線を向けるネロ
足を組み上げ憮然とした態度のまま、じろじろとサシャを見ている
淫魔女王の血を引く大変な胸部がより強調される姿勢だが、それどころではない
魔王の娘の背後では侍女悪魔達が不憫なものを見て慈しむような表情をしていた
「人間への攻勢、コッチ側も少しは足並み揃えた法が良いんじゃないの?って話
この人数で話しても意味ある?って感じだけど。第三軍だっけ?アンタんとこの」
他と連携とってやってんの?と、やや冷ややかな目線
「簡単に奪い返されたり、砦奪うだけ奪って維持する気もないヤツとかもいるし…
そんなんで魔族が人間なんかに舐められるのが一番キライなの!」
魔王の娘であるといえど個人の好き嫌いで展開される話は余りにも子供っぽいものであった
■サシャ > 「えぇ、とても残念そうでしたわ…」
ネロから目線を逸らしつつ、サシャは心にもない事を言う。
侍女悪魔達の視線に気付けば、そちらに怒りを込めて睨みつけて。
こちらだって好きでここに来ているわけではないのだ。
しかし、続く意外にまともな議題に、目を見開いてネロの方を見て。
「あら、意外に意見が合いますわね。私もそう思いますわ。
……まぁ、出来れば、ですけれど」
自身の所属する第三軍は、魔族の国それ自体に仕える軍団であると自身を規定している。
その分、他の魔族には協力的であり、以前より王国打倒の為方々と共闘していた。
しかし、その分だけ見えていることもある。
「足並みを揃えるとして…では誰が音頭を取りますの?
この地には魔王を名乗り己の軍勢を持つ者が沢山いますわ。
一体誰がリーダーをやりますの?」
そう、魔王を名乗る者達は、魔族の中でも一際自尊心が強い。
誰かの下につくことに耐えられる者は少ないだろう。
どう考えても、誰がリーダーをやるかで揉める。
「それに、得た領地や人間の奴隷はどう分配するのかしら?
公平を損ねれば魔族同士での争いの種になりますし、
公平にしたらしたで不平不満は溜まるでしょうし」
サシャはため息をつく。
元より、同じ魔族という緩い繋がりで連帯しているのが魔族の国なのだ。
ある意味、人間の王国よりもバラバラである。
「それに、意外と人間は手強いですのよ?」
前線で戦ったり、王国に潜入したりする身、
目の前の魔王の娘より人間の実力は分かっているつもりだ。
■ネロ >
「そんなもの、この国で一番強い者がやればいいじゃない」
誰がリーダーを、という言葉
恐らく一番の難題であろうという部分にあっさりと魔王の娘は答えを出した
余りにも明瞭簡潔、それが決められれば苦労はしない
しかし道のりを苦労など知らぬのが七光りというものである
「分配だのどうのこうのに関しては、そういった采配が得意な者が探せば何人かはいるでしょ?
ソイツにやらせればいいのよ。それで不平不満が出たところで、そいつの首一つで済むんだから」
所謂中間管理職
そういった首切りがあるからこそ誰もがやりたくないポジションである
世間知らずな魔王の娘からすればそれすらも知ったことではなく
結局のところ
難題ゆえに議論されず手のつかなかった部分
それがなぜ難題足り得るかを知る由もない故
議論すら行われないことを怠慢であるとか、覇気のなさに転じて受け止めているのだった
「こんなに簡単に答えが出ることを誰もやらないなんて情けない。
それに人間が手強い?あんなもの手練手管凝らさなきゃ何もできないウジムシでしょ。
それを簡単に踏み潰すこともできないようなクソザコは魔族にはいらないわ」
ふん、と鼻息荒く捲し立てる魔王の娘
そもそも人間を足元以下にしか見ていないためその実力を図ることすらしようとしない
気位ばかりが高く世間知らずの魔王の娘
悪名をそのまま形にしたような少女であった
■サシャ > 「一番強い魔族をどうやって決めますのよ?内戦でもするのかしら?」
その答えを聞き、やっぱり噂通りか、とサシャは落胆した。
誰が魔族を率いるかで必ず争いが起こるだろう。
下手をすれば、誰もが弱り切ったところを人間に逆に侵攻されかねない。
ただひたすらに愚かな提案だ。
「ネロ様の仰っていることは非現実的すぎますわ。
貴女は人間と戦う前に魔族同士で戦いたいのかしら?
そもそもネロ様自身が自分より強い相手に潔く負けを認めて従えるのかしら?」
この国で最強の魔族が誰だか知らないが、彼女で無いことは確かだろう。
彼女の父は強大であるが、それより強い魔族もいるかもしれない。
誰かの下で働くことを、彼女は考えているのだろうか?
「前線ではそうやって相手を見下して油断する魔族から死んでいきますのよ…。
人間には神の加護もありますし、魔導機械もある。
魔族と力で渡り合える人間も当然いますわ」
貴女は運よくそういう人間と巡り合わなかっただけでしょうと、そこまで言い終えて、
サシャは自分が言い過ぎているのではないかということにようやく気付く。
「…………と、私達の軍団長が言っておりましたわ」
苦し紛れに、そう口にして。
■ネロ >
サシャの一言一言、現実的な返答を魔王の娘は黙ってただ聞いていた
…黙っていただけで、その表情はより不機嫌さを増していたが
「その軍団長、是非次の機会に出席して欲しいものね」
なんて名前か知らないけど、と
冷静な言葉口調ではあるものの、その眉間がピリピリと引き攣っていた
「アタシが誰かに従うとか意味がわからないし、
そうやって何かと理由をつけて何もしてこなかったから
こんな各々やりたい放題になってるんでしょ。情けない」
そしてそんなことを宣う
その辺りで気づくことが出来るかもしれない
そもそもこの問答の中、このネロという魔王の娘自身がその範疇に入ることはそもそも考慮していないのだと
彼女自身がやりたいことはただ人間に対しての虐待と殺戮のみ、であり
その他雑多なことは周りの連中がちゃんとやって場を整えておけとでも言わんばかりの我儘なのだということに
■サシャ > 「…………」
ネロの言葉を聞いて、サシャはようやく彼女の真意を理解した。
そして……心底ムカついた。
この会議とやらも、結局は彼女が偉そうなご高説を披露するだけの茶番なのだろう。
他の魔族が代理人すら寄越さないはずだ。
もういいか、サシャは好き勝手にすることにした。
己の敬愛する将軍は、どうせ笑って許してくれるだろう。
彼女の父親を怒らせたところで、将軍にとっては交友のある魔王の一人にすぎないのだ。
「ほんっとに、噂通り口だけは達者な世間知らずの我儘娘ですのね?」
サシャは頬杖をつきながら、だらけきった態度でそう口にする。
呆れた態度をもはや隠そうともしない。
「人に何もしていないと言う割に、貴女自身は何かしたのかしら?外野の立場で喚いていただけでしょう?
そりゃまぁこんな会議誰も来ませんわ。貴女と話し合っても何の益もありませんもの」
小馬鹿にするように、サシャは笑う。
魔王の娘が何だ。サシャは彼女にも、彼女の父親にも仕えていない。
「聞きましたわよ?私達が砦を攻略した三日後にのこのこやってきたとか。
観光しに来たのかしら?お嬢様は優雅な趣味をお持ちですわねぇ~」
赤い瞳がニヤニヤと、ネロに見下しの視線を向ける。
■ネロ >
「………は?」
場の空気が一瞬にして張り詰めたものへと変わってゆく
慌てたように、ネロの背後に控えていた侍女悪魔達がネロに駆け寄るも──
不可視の力に跳ね飛ばされるようにして、全員が壁に叩きつけられ気を失う
「アタシが何もしなくてもいいように、ちゃんとするのがアンタ達の役目。
それがなっていないから、呼び集めてお話"してあげよう"としたの。
でもダメね。結局誰も来やしない。魔王といっても自分勝手な連中ばっかりなんだから…」
はぁ、と呆れたような溜息を吐くネロ
去勢や演技などではなく、本気でそう思っているらしい語り口と、態度だった
傲慢、自分本位、唯我独尊、自分以外の全てを見下す支配眼
ネロのそういった性格を彼女の父たる魔王は、それもまた強大な魔王に相応しい素質であるとして野放しにしていた
流石に親ばかがすぎる、と言われるのも仕方のないところで
「誰か一人現れたと思ったら、貴方みたいな物分かりの悪い鳥が一羽。
次はちゃんと軍団長に越させなさい。鳥ならお使いくらいはできるでしょ?
…その時にたっぷり、アンタの無礼な物言いの責任もソイツにとってもらうことにするから」
呷るような言葉と視線に対し、あくまで冷静を装うような返答を返す
…既に部屋全体が小さく鳴動しつつ、長机が軋みをあげている辺り、相当お冠なのは間違いないようだった
周りの侍女悪魔達はネロが暴れはじめると思い止めに入ろうとしたのだろう
■サシャ > 「その年で未だに自分が世界の中心だと思ってるなんて、えらく幼稚ですのねぇ?
誰も来ないってことは、貴女に仕える気はありませんって事じゃありませんの?
ま、精々一人で癇癪起こしてなさいな」
侍女達が全員酷い目にあっているのを見ても、サシャは態度を変えない。
どうせ彼女達は戦闘が得意な魔族ではないのだろう。こんな少女に仕えているぐらいだし。
サシャは自分でも少し品が無いなと思いつつ、己の脚をどかりと机の上に。
「私物分かりの悪い鳥ですので、どこぞの牛娘がモーモー言ってても何も分かりませんわぁ?
何か言いたいなら自分の足で直接言いに行きなさいな。ちょっとぐらい運動した方が良いのではなくて?」
明らかにその角と乳を馬鹿にする物言いを、サシャはネロに投げかける。
相手が怒っているのはありありとサシャにも伝わっているが、
彼女はあえて火に油を注ぐ。
「あら私、貴女より無礼な生き方はしてなくってよ。
雑魚相手にイキってる小娘よりは謙虚に生きてますわぁ?」
そうは言っても年はあまり変わらないのだろうが。
■ネロ >
「………」
嘲るような言葉を受け、漸く魔王の娘は椅子から立ち上がる
蒼い光を宿す瞳が射抜くようにサシャを睨みつけていた
「気が変わったわ」
「お使いはもう結構
──代理の者が帰ってこなければ、何かしら言って来るでしょ」
部屋の鳴動はより激しくなり、軽微な地震を思わせる程にその空間が震え始めていた
「身の程知らずの鳥が、誰にそんな口の聞き方をしているのか思い知らせてやるわ…!!」
最早その怒りの形相を隠そうともしない、魔王の娘が力を解き放つ
どれだけ横暴を行おうと、我儘を散らそうと
窘められることが殆どないのは彼女の父親が魔王であるから…だけではなく
しっかりとその資質と力をその身に引き継いでいることも理由の一つなのだろう
彼女の言葉通り人間の兵隊が軽く踏み潰してしまえる蛆虫でしかない、その程度には
「謝るなら今のうちよ。…絶対に許してなんかやらないけどね」
怒髪天を衝く勢いのネロははち切れんばかりの魔力を放ち、一歩一歩部屋を崩壊させながらサシャの元へと歩み寄る
■サシャ > 「そんな口の聞き方って、こんな口の聞き方かしら♪」
怒りを隠そうともしない魔王の娘にも、サシャは慌てることは無かった。
ふわりと立ち上がったかと思えば、椅子から飛び上がり、彼女と十分な距離を取る。
そして、歌いだす。
「私と一曲、付き合ってくださる?」
広い会議室に響く、この世のものとは思えぬ美声。
鳥の魔族らしく、ハーピーも歌が得意である。
そしてそれは、知らなければ抗えない精神魔法をかけることができる。
一度聞いてしまえば、催眠、催淫、思いのまま。
「ほら、踊りましょうお嬢様♪」
楽し気な歌声が響く。
それを聞いてしまえば、勝手に手足が動き、
己の意志に関わらずネロは踊り始めるだろう。
抵抗魔法をきちんと習得しているか、己の耳を塞ぐかしなければこれには抗えない。
普通であれば、魔王の子供ともあろうものにハーピーの歌声など効かないだろう。
きちんと真面目に魔法を、戦い方を習得していれば、の話であるが。
「それとも…貴女、そんな恰好しているものね?
イイコトのほうがお好きかしら♪」
サシャの歌声に艶が混じる。当然、催淫の歌だ。
聞けば当然、身体は熱を持ち、淫らな衝動が次々沸き起こるだろう。
しまいには、集中して魔力を練れぬほどに。
サシャは楽し気に歌いながら、ネロに近寄っていく。
「どうかしら?これが手練手管ってものよ?」
すすす、とネロの肌を指先で撫でながら、サシャは勝ち誇った笑みを見せる。
■ネロ >
「──ふん、愚かな鳥…!
ハーピーやセイレーン如きの呪歌が魔王の眷属に効くとでも思っているのかしら!!」
魔性の美声が会議室に響く中、ことさらネロは不機嫌そうな表情を浮かべていた
一種の種族特性とも言える呪力の無効化
細やかなレジストマジックなど修めずともその歌に惑わされることはなかった、が──
「───!?」
ぞわっ…と肌が粟立ち、魔王の娘は歩みを止める
サシャの歌声が切り替わった途端…そう、催淫の歌へと変わると─
ネロの身体に流れる淫魔女王の血が耐性とは無関係に反応する
剥き出しの下腹部に刻まれた刻印が歌の持つ魔力に反応し、薄ぼんやりとした光を灯していた
「あ、ああ…そう……。
わざわざこんな気分にさせるなんて、そういう目に合わされたいのかしらね…?
そう、そう…できの悪い鳥にはそういう躾が必要、ってコト…!」
近寄り肌に触れるサシャの手首を捕まえ、勝ち誇るような顔を見上げ嗜虐的な笑みを浮かべる
丁度良く催淫の部分だけが掛かってしまい、沸々とその身に性的な支配欲が湧き出していた
■サシャ > (…何か予定と違いますわね…これでも一応魔王の娘ってことかしら…)
手首を掴まれ、サシャは己の歌声が何か予想外の効き方をしていることを察する。
催眠は効かなかったが、催淫は何か効いたようだ。
そして、彼女の身体から発する香りを間近で嗅ぐと…サシャ自身にも、ムラムラとした気持ちが沸き起こった。
下腹部の刻印を見ると、その衝動はさらに増していき、息が荒くなっていき…。
「あら…私、女の子を抱くのは得意でしてよ…?
貴女に躾けられるかしら…♡」
遂には、掴まれていない方の手で己の服を脱ぎ始める。
するりするりと、衣服が、下着が落ち、健康的な女体が露になる。
そして、ネロに合わせたのか、その鳥めいた手足は人間のそれへと変じていた。
「逆に…貴女が私に躾けられるかもしれませんわよ♪」
ぺろりと舌先で唇を濡らすと、徐にネロの唇を奪う。
年若い少女特有の柔らかで弾力ある唇が重なり合い、互いを食み合う。
サシャはその感触を楽しんだ後、舌先をネロの口内へと滑り込ませようと伸ばす。
■ネロ >
「(…何か予定と違うわね)」
一方で魔王の娘もまた似たようなことを考えていた
魔力の塊をぶつけて一瞬で壁の染みにでもしてやろうと思っていたところ
妙にムラムラときてしまい、躾けてやろうという気持ちに
しかしそれならそれで、得意である
…と本人は思っているが、実際には飴などほとんどない鞭ばかりの躾
それこそ真性のマゾヒストこそは傅くであろうが…といった経験ばかり
故に
「──は、はぁ…!?
何アンタ勝手に自分から服なんて脱いで…!」
唐突に発情した様子の目の前の少女に困惑の表情を浮かべる魔王の娘
催淫の呪歌によって己が発している淫魔女王由来のフェロモンのせい、とは夢にも思わず
「んぅむ───!!?」
あっさりと先手を取られていた
ぷにっとした唇を柔らかな舌に割り開かれ、にゅるにゅるとその口内への侵入を許してしまう
■ネロ > -後日継続-
■サシャ > 【継続します】
ご案内:「魔族の国・エカルラート城」からネロさんが去りました。
ご案内:「魔族の国・エカルラート城」からサシャさんが去りました。