2022/04/17 のログ
ご案内:「貧民地区 裏通り」に肉檻さんが現れました。
■肉檻 > ごろつき達の喧騒や、艶やかに着飾った娼婦達の声から離れた貧民窟の裏通り。
時折抜け道として使う者の姿は見られるものの、人の往来は少なく静まり返った一角に。
誰が何の為に置いたのかも知れず、細い道の端に乱雑に積まれた木箱や樽の山の中、
僅かに差し込んだ明かりを受けてキラリと煌めく、拳大程の透き通った水晶玉が其処に転がっていた。
何時から其処に在ったのか、それこそ誰が何の為に置いたのかも定かではないものの、
薄汚れた裏通りの中では異彩を放つ程に傷や曇りひとつ無く、妖しげな煌めきを放ちながら。
通りがかった者の目を引こうとするかのように、其れは唯物言わずにその場に鎮座していた。
■肉檻 > もし、其れを間近で覗き込んだ者が居たならば垣間見る事が出来ただろうか。
透き通った水晶玉に映り込むのは貧民窟の裏通りの景色とは程遠く、
今にも脈打つ音が聞こえてきそうな程に生々しく蠢くピンク色の肉塊に覆われた異質な空間で。
その中心に見えるのは表通りで働く娼婦であろうか。
しかしその身に纏っていたであろうドレスは最早その役割を果たしておらず。
代わりにその裸身へと纏わり付いた肉塊が白い肌の上を舐め回すように蠢く度に、
ガクガクと腰を震わせながら悲鳴とも嬌声ともつかぬ声を絞り出していた。
しかし、その声が裏通りに漏れ出る事は決して無く。
このような地区で女が一人行方を眩ませたとて、気に留める者は何処にも居らず、
もう、どれくらいの間彼女がその場所に捕らわれているかも定かではない。
しかしながら"獲物"の反応は日に日に鈍くなり、搾り取れる糧の量も質も低下してゆく一方である。
だからこそ、"其れ"は新たな獲物が訪れるのをただ静かに待ち構えて居た。
■肉檻 > しかし、元より人の往来の少ない裏通りへと足を踏み入れる者の姿は終ぞ無く。
"其れ"が新たな獲物を手に入れ、用済みとなった捕らわれの娼婦が解放される事となるのはもう暫く先の出来事だった。
ご案内:「貧民地区 裏通り」から肉檻さんが去りました。