2022/03/21 のログ
ご案内:「九頭龍の水浴び場 地下浴場」にシシィさんが現れました。
シシィ > さらさらと流れ、あふれる湯の音。
湿度を帯び、重たさを感じる湯気の中を、濡れた足音が歩む。

乳白色に立ち上る湯気が視界を狭める中、仄かな魔導灯の明かりが一種幻想的な雰囲気を醸し出している。

かすかに花に似た香りがするのは、いくつかある浴場それぞれに効能が違う薬湯が満たされているという事実もあるのだろう。
どこに向かうか、少し弛んだ足音が、しばらくして選んだのは、大浴場のそばに併設されている、地下というロケーションを有効活用した洞窟風の浴場。

湯気に浮かぶ女のシルエットがゆらゆらと影絵めいて揺れ動く。

「────は、……久しぶりですけど、やっぱり気持ちいい」

少しばかり商用で王都を離れていたような独り言は、誰にも聞き咎められることなく、ぼんやりと響く。
息苦しいような熱気は、でもふわふわとして心地よくもあるものだから、自然表情は穏やかなものを浮かべていた。

身を清め、つま先からゆっくりと湯の中に身を浸せば、染み入る熱に瞼をおろして。

シシィ > 「………逆上せる前に、行きましょう、か」

結構長く浸かっていたように思う。パシャリと湯をはね上げる様にして身を引き上げると、温まった体を自覚して。
少しだけ頬をはたくと、湯の熱に浸って心地よいけだるさを感じながら、地下浴場から立ち去るのだった

ご案内:「九頭龍の水浴び場 地下浴場」からシシィさんが去りました。