2022/02/05 のログ
ご案内:「六畳半迷宮」にE・T・D・Mさんが現れました。
E・T・D・M > 今日の迷宮は六畳半しかない
六畳半というのは畳六つとその半分程度の大きさしか無いという事だ
異国において編まれたイグサの匂いが狭苦しい一室の中に立ち昇って
その名の語る通り部屋の中には畳が6にその半分が敷き詰められている

E・T・D・M > 否、申し訳ない、それは偽りだ
何故ならば今中央の畳一枚は剥がされており
その上には木彫りのローテーブルが一組置かれている故に
そしてその空間には、異国の家具である炬燵が一つ設置されていた
天板に挟み込まれた上から柔らかい水鳥の羽の詰まった羽毛がふかふかとした布団が垂れ込んでいる

E・T・D・M > そして磨き上げられた天板上には今も湯気が立ち昇る湯呑が一つ
更には藤編みの丸い籠に山盛りになった蜜柑が小山を築き上げていた
周囲の内壁は白い壁紙で覆われており、剥き出しの壁面は全て塞がれており
天井からは釣り下がった発光物質を孕んだ鉱石がてらてらと室内を照らし出していた

E・T・D・M > パッと見においては寛ぎの場に見えるかも知れない
周囲には魔物の気配も存在しないセーフティゾーン
だが少し冷静になって待って欲しい
そんな都合の良い空間が迷宮内部にあろうものか?否無い
肝は中央に据えられた異国の暖房器具だ
内部は堀炬燵式になっており、真下に柵で何重にも遮蔽された上で
赤熱した石が敷かれ、そこから放たれる熱量をもってじんわりと温まれるようになっている

E・T・D・M > だがその内側にこそ罠が潜んでいた
もしも束の間の休息を求めた冒険者が一歩でも踏み込んだとしよう
さすれば天板の裏側に擬態して潜伏している触手が奔るという寸法だ
にゅっと内側から這い出した何本かの生きたマニュピレーターが
自然経過によって冷え込んで行く天板上のお茶を新しいものに入れ替える
茶柱が立った、少し縁起が良い

E・T・D・M > キリギリスは春にはアリ達を馬鹿にするが
冬にはその暖かな家を妬んで覗き込む
此処の温もり空間が際立つように設えて
この六畳半周囲を取り囲む、というか外界だが
普段よりもその気温を調節して寒々しくしている
塩梅も良く曇り模様の空からは雪まで降っているようだ
迷宮探索というよりも雨宿りに踏み込むならばこの異様な空間を目撃することになる、ということである

E・T・D・M > さあ来い!冒険者達よ!
いやそんな都合良く事が運ぶ訳も無し
寧ろ凍てつく寒波の影響で自然界から追い立てられ
普通に周囲に棲息している動物達が洞窟内に避難して来たりもしている
栗鼠や野鼠の類ならまだマシだがデカい鹿までのしのし風雨の当たらない部屋の中に入り込んだ
蹄で畳が抉れる!イグサを喰むな喰うな!!その都度に布団の中から触手が出て来て追い払うが
文字通りの鼬ごっこ、半ば動物達の避難所と化しつつある、何だか獣臭い

E・T・D・M > でも其々の発露する体温が籠り立ち
室温自体が心持に上昇しているような気もした
普段ならば仁義無き殺し合いに走る肉食と草食も
寒さの前には膝を屈して一時的に停戦状態だ
熊や猪の類が固まって部屋の隅で寝転がっていた
中央の炬燵の天板上にも狐やヤマネコが丸くなり
その重量にぎしぎしと炬燵の骨組みが軋む悲鳴が囁くように蔓延する…

E・T・D・M > 飽和状態に陥ったその後は、出入りを繰り返すばかりとなるのだ
軽い小競り合いは時折に発生するが、変に血腥いのを忌避し
その都度に出て来る触手が仲裁をはかり、或るいは外にへと摘まみ出し
迷宮というよりも完全に動物達の風雨を凌ぐ場所として機能し
妙に和やかな空気が広がる侭に暫し維持される

ご案内:「六畳半迷宮」にフェリーチェさんが現れました。
フェリーチェ > フェリーチェは現在、魔石加工と金属細工をどちらも特注でこなせる職人探しの真っ最中である。
王都ほど人が集まれば技術的には熟せる者も居るのだろうが、個人的なコネも無ければ金もない。
そうなると辺鄙な山奥や辺境でやってる偏屈な職人に頼らざるを得なくなるわけで……。

「ふぅわっ、こんなに寒くなるなんて聞いてません。
 もう少し着込んでこないといけなかったんですね」

いつもの商売中の格好で山道をゆく少女は、白くなった息を手の平に吹き付けながら、風を避けるため切り立った岩場に沿って進み始める。
やがてそこに程よく冷たい風を凌げそうな洞窟を見つけ、小走りに近寄る。
なにやら動物たちもチラホラと見かけるが、やはり寒い外よりも快適なのだろうか?
出たり入ったりする番の鹿の間を割り入って中へと進めば……。

E・T・D・M > 「………!?」

温まるどころか温暖な室内を良い事にサカリ始めすらもした鹿を追い払ったその直後に、近づいて来る誰かの気配を察知する
まずいまずい!炬燵を中心に集っている大小様々の毛玉の塊を無理矢理に部屋の端にへと追い遣って
抜けた毛や潜り込んで来る動物達に荒らされぐちゃぐちゃになった炬燵布団と天板を整える
お茶を湯呑に入れ替え、茶請けを蜜柑から皿に乗ってつまようじの刺さった羊羹に変更した
目まぐるしく多くの触手を駆使して室内を整える早業僅か数秒

「………」

即ちはその進む歩みが明々と明かりの漏れる洞窟脇に寄る頃には
もう既に動員されていた有機の怪物は炬燵の中に引っ込んでしまっている
内部は隅彼処に動物達が居付き寝転んでおり、もしも少女が踏み込んで来たとしてもちらりと一瞥を向ける程度だ
そこには一見すれば平和そうな空間が設えられていた、茶菓子もあるよ

フェリーチェ > しまった……と、内部の光景を目にした少女は足を止める。
それは何も冒険者達が持つという危険察知の類によるものではない。
明らかに人の手の入った空間はこの山で仕事をする人たちの、言ってみれば休憩用の山小屋代わりに整えられた場所に見えた。
しかも、食べ物までも置いてあるのだから尚更だ。

「ご、ごめんください、勝手に入っちゃったんですけど……。
 あれ?怒られちゃうかも。
 でも動物も勝手に入れちゃう場所だし、うぅん、せめて靴だけでも」

産まれた国はもとより、この近辺でもあまり見かけない知識だけの畳に土足で踏み込んでしまった少女は、少し考え込みながらも山歩き用のショートブーツを脱いで、辛うじて岩になっている地面へ揃えて置く。
スカート部分を擦るように膝立ちになって畳の上を進み、自然と少女はいかにも暖かそうなコタツへ向かう。
が、中を覗き込むことはしなかった。
そうやって台形に据え付けてあるものと考えた人間が、中に温かい空間が広がっていることなど思い至る筈もなし。
そっと横に崩した正座のような格好で足をこたつ布団の上に置いて、不思議と熱を持つ布でぬくぬくと温まる。

E・T・D・M > 「………」

しんと静まり返った狭い室内は、その呼びかけに応じる事は無い
拒絶の叱り付けも、認容の許しすらも欠け落ちて、どちらつかずの沈黙ばかりが
結局のところはその踏み入れる足運びを受容するという次第になっている
周囲の動物達は新入りの立ち入りに応じて少し気遣い我が身をのけて寛ぎやすく場を譲っている趣すらも在った
だからこそ相手が土間に当たる岩肌の床面を抜けて跨ぎ登ってきたその歩みも、間も無くして安全に炬燵にへと辿り着ける
何も起きない、何もされない、少なくとも今のところは安全、その振る舞いだ
もう少し、後少し、まだ早い、じりじりと炙られるような焦燥感をパッと見家具如きが孕んでいるとはよもや思うまい

「………」

来た。十分以上に近づいて来た
炬燵との距離間は既にもうほぼ間近
柔らかく厚味を帯びた布団部分が座り込む相手の華奢な膝の形を受け止め柔く撓み…
瞬間に何気無い塩梅でするりと内側よりその重たい布団が持ち上げられた
こんにちは。そして凄く当たり前のようにその温もりに当たっている相手の膝の後ろにへと『それ』が廻り回る
即ちは自然に這い出して来た軟体、触手の二振りは即座に相手を逃さぬようにその靴を脱ぎ置いた素足の
あるいは靴下を穿いているその足首周りにくるりと巻き付く為に

フェリーチェ > 「あっ、ごめんね、場所とっちゃっ……ひぁえ!?」

暖かさに安堵して力を抜いた緩み故か、足元に這うソレが生物的な動きだったのもあって小動物と一瞬見紛う。
踏みつけてしまったかも知れないと思い、お尻をモジモジさせて避けようとしたところで……シスタードレスから出た細い足首に巻き付くそれをはっきりと視認した。

「なんっ!?え、あっ、舌?」

正常バイアスが掛かって草食動物の長い舌に見えなくもないと考えるも、足が取られた状態は相手が何であれ危険すぎる。
大事な商売道具のボストンバッグを手放し、主に両手を使って四つん這いでコタツから離れようとする。
少女の小さな身体にとっては、炬燵の下から伸びてきて足を一周するほどの質量は十分すぎるほどの重荷となり、殆ど這いずるような格好だ。
牛かロバか……ちょっと違う感じもするけれど、炬燵の下に潜む動物から身を離しつつ正体を探ろうと、グイグイ足を引っ張りながら身体を横倒しにして覗き込もうとする。

E・T・D・M > 「……!」

捕獲…ひとまず、成功!?太腿に挟み込まれている脹脛からの下腿を無造作に引っ張った
折り畳まれている両足をぐうっと引き延ばすように手繰り込み
その爪先から寛げた厚手の布団の中にへと咥え込んでしまおうと
既に緩やかなアーチを描いて内側から掻き分けられた炬燵布団の隙間より
暖気を孕んだ風がかけたる相手の腹部回りにへと吹き付けられ
家具内部の空間は暖かであると言う事を物語る
だがしかして、相手の外観から測った耐久度の予想から、その力具合もそこまで強い訳ではない、骨でも折ったら大変だし
それが故にもしも相手が『見かけ以上』の膂力を備えているというならば、その力に屈さずに望み通りに這って炬燵から離れる事は容易だろう

「………」

綱引きの勝ち負けはさておいて、寝転び窺ったその内側に見えるものがある
それは赤熱した石明かりに照らし出された仄赤く暗い堀炬燵内部の空間であり
そこに天板の裏側から無気味なシャンデリアのように垂れさがった無数の触手であった
ごきげんよう、シスター。どうも。そしてその視野に入り込んだ瞬間においてびゅる、と
また愈々数を増して来た触手群はそのしつらえた隙間より外部にへと這い出し
逃げようとする相手の腹部、腰回りにへとぐるりと円を描くようにして
まるで蛇が獲物を捕らえるときのように巻き付いてしまおうとしているのが判る筈だ!

フェリーチェ > 引っ張られるだけでも抵抗の難しい小さな体では、巧みに絡みつく触手をどうこうできる術もなかった。
タイツ越しにぬるりとした感触が伝わって冷たいかと思いきや、漏れ出た暖かな空気に包まれて一瞬身体が身震いし、立てた腕はあっけなく崩折れる。
スカート部分が腰元まで捲れ上がって、細っこい太腿や股ぐらが丸出しになるも、身体が畳を擦る音が恐怖を助長してそれどころではない。

「きゃあぁ!!!!いや、なにこれっ!?
 やめてっ、なーなーしーてー!!」

何が起こったかまだ判然としないが、引きずり込まれる事だけは理解した。
それが得体のしれぬものが引き起こす恐ろしいことだということも……。
もはや足で踏ん張ることは出来ず、空いた両手を炬燵の天板付近に突っ張って耐えきろうとする。
そうして多少時間を稼げれば十分。少女の魔術は崩れた姿勢も悲鳴が優先される口も必要ない。

腰回りに絡みついたソレの、辛うじて自分の腹からズレた上空に蔦が複雑に絡み合うような真っ赤な魔法陣が形成される。
触手をまず睨みつけ、その魔法陣にも交互に目配せして位置関係を把握した少女は、瞬時に魔術を放つ。
十分に収束されているとは言い難いが、果物ナイフほどのサイズに形成された炎が魔法陣から触手へ向けて飛び出し……。

E・T・D・M > 「……!!!??」

あっつ!!!??阿鼻叫喚の劈く絹裂く少女の悲鳴の後を追いかけて、じゅわっ、と、音が立ち昇った
具体的には熱々の鉄板の上に大きなステーキ肉をいきなり乗っけたような音がだ
内包した水分が蒸発して水膨れて破裂し、あっという間に剥き出しの粘膜の一部は焼き爛れ
というよりも完全に水分を損ねて黒く炭化し、慌てて巻き付いていた腹回りから引っ込んで避難する
がたん!と奔る驚きの痙攣は堀炬燵自体にまで伝播して激しく眼前で鎮座する家具は揺らめき
瞬間に相手の全貌を炬燵空間にインさせようとする動きは滞った
即ちにおいてはぎりぎりの瀬戸際で踏ん張っているその攻防はほんの少しだけ相手にとっての優勢を譲る

「………」

だがしかして今の遣り取りにおいて感知した事が有る
魔力の扱いに関しては数百年、何か補助的な何かを相手は使用している!
…その身に宿した加護の詳細までは到底に解析するには時間が乏しい
でも、今もその足首周囲に絡みついて放さない、炎上から免れた最初に襲い掛かった触手の群はするりと
あられもなくなってしまわれているその白いおみあしの上を、らせんを描くように這い上がり始めた
腿の付け根にへと近づき及ぶ程にふぅっとその触手の末端に湛えられる魔力の増加を、果たして相手も感じるかどうか
術式を読み取ろうと魔力によって接続する鍵を作り、まだ随分露出しても皆までは見えない頑固な聖装の上より
その『紋』を『門』に見立てて接触しようという試みだ

フェリーチェ > 効果はあった、そう判断したのは間違いではなさそうだ。
しかし、喜んでばかりもいられないこともすぐに分かってしまった。
下半身をほぼ掌握されながらも突っ張っていた腕が、炬燵の振動でその正体の大きさを感じ取ってしまう。

「やだ、やだッ、ヤダッ!!!だめーーーーッ!!
 おいしくないから、わたし、おいしく、ない」

理性的に抵抗する意思を徐々に侵食する恐怖が、少女の目尻に涙をにじませる。
叫びすぎて呼吸が乱れ、懇願ですらつっかえてどうにも拙くなっていく。
そんな焦りをなんとか押し留めようと一度口を閉じてツバを飲み込み、登ってくる触手に再び魔術を行使しようとする。
だが、一度がむしゃらに魔術を使ったその身体はすでに加護の力が発動中。
太腿半ばまでのタイツとドロワーズの間の素肌は、ドロワの緩い隙間からの淡い青色に照らされて、そこに這う触手もまた少し青みがかった色合いに変化する。
触手がいよいよ体の上を登ってきている実感が生じれば、タダでさえ腹部の疼きが始まった身体に震えが込み上げて集中力を掻き乱される。

「はぁ、はぁ、はぁ、はっ、はな、離れなさい!!!」

無理をして叫んだ強い言葉と裏腹に、放つ魔術は狙いが甘くなるが故に、今度は小振りな水球をぶつけるもの。
自身の扱う以上の魔力の流れのせいで狙い自体も甘い。
パパパッと鋭い音を立てていくつかが畳を撃ち、それら全部を目で追うことも今の少女には困難で……。

「ひゃうっ!?んんぅ、あっ♪
 なんで、まだ大丈夫なくらいしか……うっんっ!?」

疼き方が想定以上に強くなっていくのが感じられる。
炬燵の中に入った足をじたばたと動かし、その荒っぽさはもう打つ手を無くしているのを白状するかの如く、天板や四脚にぶつかることを気にする様子もない。
ただただ、駄々っ子みたいにばたつかせ、力を込めるというには艶の乗りすぎた声で踏ん張り、気持ちの悪い触手を押しのけようと……。

E・T・D・M > 「…………」

ごめん、美味しそうなので頂きます。ゴチ。弾ける叫び声に幾ら拒絶されようとも縋りつく足回りの触手は全く逃げようとはしない
妖精。血統に秘められた存在の認識。熱された石の放つ光明により赤く照らされたその触手の表面が
その漏れ出る紋の光を吸った以上において、一瞬にしてその走行する毛細血管に沿って青々と染め直された。
即ちはその慎ましい腹部に描かれた加護の紋と同じ色彩に
丹念にその仕組みを読み取り続ける合間において、互いのパスを繋ごうと繰り返しに試行
まるで何十束も在る鍵を挿して捻るかのように、触手の末端は回転する
その干渉を今しも受け続けている相手も『自分の中の何かが開かれようとしている』事は理解出来る筈だ
クリック。クリック。またクリック。もしも成功した暁にはほんの一時的に
『紋』であり『門』としたその根底にへと直接に触れる事になる筈だ
今も副作用に煩わされているその強力無比な魔法の力も、しかして欠落した冷静さによって肝心の相手を殺傷するには至っていない
精々がその派手な威嚇に巻き込まれた周囲の動物達が、泡を喰ったようにこの部屋から一目散に逃げてしまう程度だ

「………」

離れない。此処からだし。ぎゅっと言葉の代わりに締め付ける触手は水球の難より逃れ尚もその細いタイツ越しの足にへと深く絡む
そしてその蹴り付けようとする足の裏側にへと、ぬるり、と、酷く粘り付いた音を立てて逆に触腕の一部が擦り寄った
まるで羽箒で擽るかのような仕草で靴を脱いだ足の土踏まずからその爪先まで撫で付けるかの如く
それもまた、魔力に繋いだパスが意味を成しているかを確認する為に
即ちは魔術を使ったその代償たる『疼き』にへと働きかけ、それを増幅させようとしているのだ
骨肉の細胞一片一片にまでしみこませ、その抵抗する力を少しでも削ぎ落してしまう下ごしらえに

フェリーチェ > 「ハッ……んっ、くぅ〜〜〜〜ッ!!」

かつて戯れに精彩を欠く魔術を無駄撃ちしたときのような、否、それ以上の何かが加護の文様が描かれた青く輝く下腹部から広がる。
一瞬力んで息を殺すも、お腹の奥から背中へと心地よいマッサージのように伝わったそれは、少女を身悶えさせるに充分すぎる。
突っ張っていた腕が緩み、両肩を畳に打ち付けるように左右に身体を捻り、触手の絡んだ足に擽られるような刺激が加わった瞬間腰が浮く。
強張った身体が軽く仰け反り、イヤイヤと無駄に抵抗するかのように首を振れば、人に会うため綺麗に梳いた髪が激しく乱れる。

炬燵の中の爪先はピンッと伸ばされ、既に何かを押しのけようとする力は失われている。
少女が細めた双眸で見つめる中空では、加護の文様よりも淡い光しか宿していないミミズののたくったような線が走っては消え、魔術として形を成すことはなかった。
その分、無駄に出ていく魔力で下腹部が明るく輝くのは何の皮肉か……。

抵抗する術を失ったことを自覚した少女は、無用な性感が押し寄せてピクピクと震えて力の籠もらなくなった手を、逃げ出し視界から消えていく動物たちへと伸ばす。

E・T・D・M > 「…………」

よしよしよし。目に見えて相手の抵抗の力が消えて行くのを見計らい
慎重に近づきすぎずに様子を窺っていた他の触手達もまた働き出した
先程はいきなりの痴漢行為に対して大火傷を喰う羽目となったその腹回りにへと
今一度に伸びる触手の腹がくるりと絡み直し、相手の体幹の上下を制御して、俯せになるように掘り炬燵の中にへと手繰り直す
もしも第三者が外から窺うならば、丁度一人の女の子が伏せの様な形で頭と肩口だけを布団から出して寝そべっている、そのような姿勢になる様にだ

「…………」

合間において踊る天板裏、散々蹴り付けられた根より新たな蔦が這い降りた
あたかも肉で出来たブラシのように粒粒とした凹凸に覆われたその形状は、拒絶に突っ撥ねようともがき続けているその両足の間にへと滑り込む
そして大人顔負けの魔力量とは裏腹に、見目通りに未熟な無毛の割れ目をドロワーズの厚手の生地の上から探り出し
こりゅっ♡ぬり♡こりゅんっ♡浮き上がった腰を追いかけ、あたかも試すかのような緩慢とした動きで柔軟なうねりをその股にへと擦り始めてしまう
明白に『或る意味』において『食べる』意図をあらわに相手に明かし
じゅる、と、吸い上げる様な粘る水音はその紋の近くでくぐもり立った
そこに蓄積されている魔力の在処を知った触手の腹がシスターの服装の上から紋を撫で付け
染み出る魔力の甘露を啜り上げて『味見』をする音がだ

フェリーチェ > 誰も見るものも居ないうえに炬燵の光にまぎれていた青い加護の文様が放つ光は、ドロワの白い布越しでもくっきりとその線が見えるほどに強くなっている。
軽い身体がたやすくひっくり返されれば、それが少女の身体の下から漏れるような様相になる。
ここまでのものは、魔術の使用を制限されてきた少女自身では体験したことのない領域。
叫びすぎて首に力を入れ損なったせいで頬を畳に擦るも、それすら痛みよりムズムズするような感触に変わってしまう。

それが……か弱い性感帯ならば、悲惨の一言。

「ひぅあぁーーーッ!!!
 つぁ♪おっ……くぅふっ!はっ、ふぁ、あぁ、や、やっ、やぁ〜〜♡」

ほんの数度擦れただけで、ドロワの上にしっとりと縦筋の形のシミが出来上がる。
息を詰まらせ、畳の縁に指を引っ掛け逃げようとするが、腰はもとより捕まった両足はビクビクと震えて踏ん張りがきかないどころではない。
触手の水分もあってドロワの股座は完全に張り付き、少女のぷっくりと膨らんだ肉厚な陰唇とその上端にこじんまりと突き出たクリの包皮の形状までくっきりと浮き出ている。
その震え具合たるや、じっくりと掻き回して蕩けた大人の性器とそう違いはないひくつき具合。
閉じた秘裂のその奥で膣が物欲しげに収縮し、どんどん浅く早くなる呼吸で腹部が痙攣し、身体が揺れる度に薄く猫目状に開いた割れ目から蜜が追加される。

既に食べられてしまうという恐怖を快感が塗りつぶさんとしており、乱れて統制の取れない感情の奔流で少女の目に溜まった涙がとうとう頬を伝う。

E・T・D・M > 「…………」

解析する。妖精の魔力の質と構成を知ると共にそれを利用する事にした
先程までの攻防から察するに、その媒体に言葉は要さず魔法陣を用いる術式なのだろう
故に吸収するだけではなく、送り返した。接触する鍵の触手を接点として放出する魔力は
まるで外付けの循環器官のように御互いの体を繋ぎ、互いの魔力を混ぜて食べ合う流れを作り出す
それが何を意味するかと問うならば、突如として『魔力』を押し付けられた相手の脳裏に未知の術式
知識に存在しない『魔法陣の知識』を押し付けるようにして共有してしまう
それが酷く淫らがましい、魔性達の中でも品性の欠如した淫魔が用いるような、性感性を痛烈に昂らせる為の術だという事も
使って。と、あたかも怪物の無き言葉の中に、蜂蜜のように甘ったるく蕩けかけている少女にへとかくに求めているかの様に

「…………」

その試行の過程の水面下でも、隠された布団の中では文字通りの『秘め事』が進行していた
暖かく広い内部空間内では両足にしがみついて拘束する触腕の群が刻一刻と増え続け
強制された伏せの姿勢から投げ出された細く華奢な脚線を、巻き付いた膝から下品なぐらいに左右にへと引っ張って拡げてしまう
椅子や机に凭れ掛けるかのように、足の裏を確り炬燵内の格子の上にへと立たせる様にして
何度も緩やかなピストンを継続していた触手は意図的にドロワーズやタイツの中にまで潜り込み
既に自らの分泌する体液でうるおい張り付いているその布を下に下にへとズラし込んでしまい
夥しくそこに群がる小さな蛇のような口吻つきの触手の末端は
ちゅっ♡ちゅるるるっ♡酷く『えっちな』音が布団の中に立て続けに曇り立った
性感の高まりと外部からの熱量によってとろとろに血行の良くなった腿や
そして剥き出しに晒されつつあるクリトリス回りに吸い付き
まるで飴玉のように甘やかして転がし回るいっそ優しさすら感じる程の慰撫を無理矢理に相手にへと与え始める
互いにおける分厚い抵抗となっている垣根をすり減らし、嫌悪の代わりに快感の情を植え付けてしまうが為に

フェリーチェ > かつて戦時の只中、道徳倫理お構いなしに構築された継承式の加護は、いまや祖国では逸失技術に他ならない。
それが、自身の魔力の流れを意識するだけで、"奇妙な付属品"まで含めてわかりやすく分解された構図が脳裏に浮かび上がってくる。

「ふわぁ……はっ、ははっ………」

一瞬脱力して喉奥から緩んだ呼気が漏れ、笑いがこみ上げてくる。
得体のしれぬ怪物が、自分を食らうのでなく弄ぶ心算だと理解してしまったがために。
捕まったまま震えて宙ぶらりんに近かった足が硬い面についても、その理解故に満足に抵抗する気力さえ無かったのだが……。

「ッーーーーーー♪
 うぅあッ……イッーーーーーーー♡
 あぁ、やめてっ、わたひっ、こわれンンンンッーーーアァ……ふぁあぁ〜、またッ♡」

大事なところへ直に触れた触手に、あまりにもたやすくイカされた瞬間、無意識に足を突っ張って格子で踏ん張ってしまう。
きゅっと締め付けた膣から蜜が迸り、割れ目がひくついて開くのを待つこと無く染み出すように汁が垂れる。
その垂れた汁さえ触手の粘液と混じってわからなくなり、それでもまた続けざまに溢れだすものだから、ドロワはもう既に下腹部周りはぐっちょりと水浸しの有様。
刺激に合わせて少女の腰が勝手にお尻を突き出すように持ち上がっては落ち、イジられる音のみならず水面を繰り返し叩くような音が炬燵の中から聞こえてくる。
下半分が包皮からまろびでた格好の真っ赤で小さな肉芽は、それ自体が別個の存在であるかのように、吸い付かれればツンと少しだけ尖り、愛撫する触手を追い回すようにヒクヒクと震えて皮の中から出ようとしている。

E・T・D・M > 「…………」

汗水を含有する体液によってぬかるんでいる為、ドロワーズとタイツを脱衣させてしまう事にはさしたる苦労も要さない
熟れ切った果実の皮を剥き上げるようにして、ずるんっと、肌理細やかなみずみずしい肌の上を滑らせる布を一気に脱がし切ってしまう
上は清らかなシスターの衣装に身を包みながらも、下半身を護るものの一切は欠け落ちてしまうという訳だ
じゅるるるるるっ♡故に自らを主張するクリトリスも恐ろしいまでに無防備さを曝け出し
その包皮が剝き上げられ、内包されていた肉の粒が凶悪なまでの肉のブラシに挟み込まれ
きゅっ♡にゅるっ♡と扱き挟まれてしまうのもまた時間の問題だった

「………」

果たして、どのようにしてこの術式を修得するに至ったのだろう
家では厳しさの冷や水を常に浴びせかけられていたのか、それともそこに優しさは在ったのか
何れにしても今ばかりはまるで甘過ぎる糖水の如きだ
小さな子供を相手に教えるかのように、執拗なまでに術式の限りを相手の頭の中にへと囁き続けている
合間に細い腰回りに比較して、敢てサイズ的に見合わぬ太い肉塊が選出されて鎌首を擡げ
背部よりその潤い切っている未熟な筋にへと、擦り寄る犬のように押し付けられた
ぬちゃ…♡と、互いに分泌する粘液を混ぜる淫音が一滴、しかし接してから直ぐ様に深い挿入に至る訳ではない
ほんの少しだけ、真下から軽く突き上げ末端の先っぽだけを膣穴にへと味合わせる
どれだけ衝き動かされる性交の振る舞いにその小さな尻を振り動かしても中深くには嵌り込まぬ位置を調節し
その浮かべた予感の正しさを物語るかのように、急激に粘膜接触から送り込まれる急激な魔力の強さが紋にへと干渉を始めた
その『水の入る器』にどれだけ入るかを試すかのように過剰量な程の魔力が
その力さえも相手にこの場を脱する為の機会を与えるのではなく
今しも教えている淫魔術の陣の実践を求めているも同然だった