2021/11/13 のログ
ご案内:「無名遺跡」にトーラスさんが現れました。
■トーラス > 九頭龍山脈の麓にある、名前も存在も忘れ去られた遺跡群。
築き上げた古代王朝は既に滅び、誰に何の目的で作られたのかも分からなくなった遺跡は、
人々には見向きもされなくなった代わりに、魔族や魔物の住処として活用されている。
その内の一つ、ゴブリンが巣穴とする古代遺跡の中で中年冒険者の嘆息が零れ落ちた。
「全く……、ゴブリンと古代遺跡の重ね合わせで此処まで厄介事になるとはなぁ」
近隣の街道で乗合馬車が襲撃を受けて、乗客が誘拐された事件の調査依頼がギルドに寄せられて数日。
逃げ延びた御者の証言や先行した斥候のお陰で犯人であるゴブリン達の巣穴は早々に判明したものの、
そこから先に待ち受けていたのは何とも悲惨極まりない実情であった。
先ずは当の斥候を含む冒険者の一党が急襲するも、古代遺跡の罠に阻まれて命辛々逃げ帰り、
その後、別の一党がゴブリン数体を退治するが、巣には辿り着けず、誘拐された人々は確保されていない。
ゴブリンは然程に強くない魔族だが知恵が廻り、遺跡の罠の性能を十二分に引き出している。
酸性のスライムプールの罠で装備を溶かされた上で毒矢を浴びたらしき冒険者の末路を思い返しながら、
何とか確保した安全地帯で小休止を取るために、床の上に腰を降ろして肩を竦めた。
ご案内:「無名遺跡」からトーラスさんが去りました。