2021/02/07 のログ
ご案内:「街角キャンプ」にタン・フィールさんが現れました。
■タン・フィール > 住宅地や雑貨屋が並ぶ平民地区の一角に、
許可を得て空き地に建てられたテントからは、美味しそうな甘い匂い…とすら言える方向が漂っている。
「ふふーっ♪ いいにおい… これなら、どんな美味しくないお薬も、
あまーく…おいしく飲めるんじゃないかな?」
王都の各地にテントで店を開いている少年薬師の、住居 兼 店舗。
そのテントで、弱めた焚き火のとろ火で煮込まれている鍋の中身は、
チョコや飴菓子、果物にクリーム… 様々なニュアンスを感じる、
お菓子作りの最中のような甘い香りが漂って、とても薬作りの最中とは思えない。
その鍋の前でちょこんと座りながら鍋の中の煮詰まる薬の面倒を見ている少年薬師。
あたたかそうに焚き火の火にもあたりながら、穏やかな時間と香りにうっとりとまどろむ
なんらかの、そのままでは苦くて飲むのが困難な薬を、
甘く、おいしく摂取できるようにする研究中のようで、「開店中」の札の下がった
店の入口…テントの天幕の外側まで、お菓子屋さんのような甘い匂いと湯気は立ち込めていく。
その芳香に誘引された野良猫や小鳥の類はひとしきりその香りを楽しみ、勝手に発情し、
その場に居合わせた異性体と番となって去っていくのにも気づかずに。