2020/12/28 のログ
ご案内:「洞窟」にイーゴリさんが現れました。
■イーゴリ > 獣道を進んだ先、木々の合間に隠れた入口より入り込んだのが数時間前。
洞窟の一番奥深く、小部屋程度の広さを持った空間の中、荷物を置き、幾らか寛いだ姿でマントを下敷きにして小休止を取っている。
入口付近に置かれた明かりの魔道具は、狭い空間を照らすには十分。
且つ、侵入者の存在への知覚も補助してくれている。
「ギリギリ、って所かねェ…。」
満月を迎えるまで約1日。
この時期の常の予定より、少々ズレ込んだ移動日程になってしまった事へ、思わずぼやきが零れ落ち。
ご案内:「洞窟」にイーヴィアさんが現れました。
■イーヴィア > (旅は、予定外の事がつきものだ
"予定外の事が起こり得る"と言う事も予定に組み込んだ上で
備えや覚悟をするのが基本な訳だが、其れにしたって限度は在る
別に困る事ばかりではない、少なくとも今回は、良い意味での予定外だ
なにせ、想定に無い珍しい鉱石が、随分と手に入ったのだから。)
「―――――……やーれやれ、にしたって止め時見失うのは困ったもんだぜ。」
(森の小道、この時間に進みながらの独り言
本来ならば、とうに山を下り終えている筈だと言うのに
どう見たって山の一番深い所を抜けられても居ない
その原因は、ついぞ先刻まで調子に乗って掘りまくって居た
背中の重い荷物のせいだ
掘れば掘るほど当たりを引くものだから、すっかり引き延ばされて今の時間
野宿程度、別段今更慣れた物だが、其れにしたって場所は選びたいなぞと
そんな事を考えていた其の最中
ふと、視線の先、闇にぼんやり浮かび上がる物を見て、瞳を瞬かせ――
――暫くして、次第に足音が響き始める筈だ
洞窟の入り口から、ゆったりとした足取りで、奥へと近付いて来る気配が)。
■イーゴリ > 本来であれば、既に己が良く使う隠れ宿に辿り着き、籠り切りになっているのが、未だ洞窟の中だ。
周囲に誰が居なくとも、文句を口にしたくもなると言う物で。
溜息混じり、零しながらも外した防具と得物の点検をを行う事は忘れぬ。
痛みや弛みを確認、修正。
其れから弓に弦を付け直し、引いては放して撓りを確かめていれば、ふと耳に捉えた足音。
「―――――………。」
獣や魔物の類では無い足音に、二本の矢を手に、一本を先ずは弓へと番える。
ぎ、ぎ、と軋みの手前の様な音を僅かに鳴らしつつ、明かりの範囲へと相手の爪先が見えれば、其の半歩先へと威嚇の態で放ってしまおうと。
■イーヴィア > (洞窟の中は、一本道だった
天然の物か、其れとも初めは、獣か何かが掘り進めたのかも知れぬ
何れにしても、もしこの場の安全が確認できれば
外で野営をするよりも、余程快適となる筈だ
洞窟自体は思ったよりも深く、暫くは歩く事に為る
そのうち、僅かに道が開けた気配がした直ぐ後
奥の空間に、"明かり"が見えた事で、僅かに片眉を跳ね上げ――)
「―――――――…………!」
(たんっ、と、足元で音が鳴った
風切り音が耳に届いたのは、決して幻聴の類ではあるまい
歩みをその場で止め、明かりの方へと視線を凝らせば
恐らくは、其処に居るのだろう先客へと向けて、両掌を掲げて見せ。)
「――――――……ただの採掘帰りだ、野営場所を探してた。
争う気は無いぜ、まさか、獣ならずとも先客が居るとは思わなくてな」
(まずは、響かせる声。
敵意が無い事を示し、あくまで通りすがりだと告げては見る、が
明かりの中、見えている姿は屈強な青年の其れ
採掘にしては確り固められた武装の類も相まって
言葉通りに受け取って貰えるかは――相手と、運次第かも知れず)
■イーゴリ > こう言った洞窟の第一の利点は、侵入経路が限られている点だ。
次点で、一対多に持ち込まれ難い点だろうか。
無論、引っ繰り返せば欠点にもなり得るが、其れも考慮済み。
声の無い威嚇へ、勇み飛び込んでくる様な輩では無かったらしい。
二射目の矢を弓へと流れる様な挙動で番えつつ、掛けられた声に促される様、薄明かりに照らされる男の姿を改めて視認する。
採掘帰り、と言うには少々過剰戦力にも見えるが、場所が場所故に、其れが嘘であるとも断じれぬ。
矢を何時でも放てる様、弛めはしない儘、緩、と頭を傾げ。
「成程なァ。 成果は如何だったのかね。」
幼子の声音が飄と老獪染みた口調で宣った。
証拠を見せてみろ、とは言外に伝わるだろうか。
軽々とした物言いの癖、為す事は弓矢での脅迫である。
■イーヴィア > (――これが、同じ野宿の友で在るなら良いのだが
場所が場所だ、其れに今は盗賊の本拠点が在る
相手がどんな姿で在れ、其の類で無いと言う保証は無い
一応周囲に視線を巡らせては見る限り、他に何者かが居る訳では無さそうだが
此れが魔術だのの類で隠れているなら感知は出来ぬ
――まいったな、と、僅か溜息零しつつ。)
「――――――……それが、随分と当たり日でね。
何時掘り止めるか悩んじまう位には、良い成果だったよ。」
(――告げてから、此れはもしかしたら
言わずに置いた方が良かった奴だろうか、と思いもしたが
言ってしまった物は仕方がない、嘘を吐くよりはマシだろうと
背に背負った大きな荷物袋を開き、其の中を開いて鉱石を取り出して見せるだろう
――金、銀、そしてミスリル
本当に当たり日だったのだと、証明するには十分だが
この場所が、盗賊の本拠となっている現状
何処かから奪ってきたものではと問われると、中々証明に困って仕舞う所)
■イーゴリ > 今の己はと言えば、防具を完全に取り外してしまっている上に、口覆いも下げてしまっている。
見てくればかりは間違いなく子供ではあるが、外見なんぞ何の保証にもならぬ。
図らずしも、自身が其れを体現してしまっているのだが。
振れの無い鏃の照準に、下がらぬ構えの姿勢。
不審な動きをすれば、一息に放つつもりでは居るが――返される言葉に、其の背から降ろされる荷袋に、ちら、と視線が動く。
ややあって、中から取り出される鉱石と、外から流れ込む空気に混じる、外気に馴染み切らぬ土の匂いを捉えた。
「――――……如何やら、本当に大当たりだったようだね。」
ふ、と吐息を逃がすと同時、張り詰めさせていた弓を弛め遣る。
構えを解き、番えていた矢を矢筒に戻しながら、笑う声で応えを返して武器も降ろし、
「まあ、広い所でも無いが――お主も寛ぐが良いよ。」
等、我が物顔で嘯いて。
■イーヴィア > (見目なぞこの国では何のあてにもならない
子供とて、大の大人をいなせる力を持って居たりするのだ
其れに、盗賊団で在るならば、そういった幼子を配下に置いていても不思議は無い
実際、弓を構えるその動作に、僅かな淀みも無い
狙いは決してぶれる事なく此方に向けられ、腕が確かな事を感じさせる
――暫く、相手が判断に要する時間まで。
本当に鑑定をしようと思えば、近付く必要は在るだろう
けれど、そうでなくとも取り出した其れが
少なくとも何かの鉱物であるとは素人でも判る筈だ
其の辺に転がっている石ころとは違う、輝きを持つ物も在るのだ。)
「―――――……やれやれ、そっちが良いならそうさせて貰うさ。
雨風が凌げるだけでも御の字だからな。」
(どうやら――信用は得られたらしい
同席しても良いと許されれば、一息ついて、笑って見せよう
直ぐ傍に刺さった矢を引っこ抜き、相手に向けて渡そうとしながら
其の先端が"使える"か如何かを確かめて仕舞うのは、鍛冶屋の職業病。)
「――――……ちょいと手直しすりゃ問題無さそうだな。」
■イーゴリ > 男の取り出した鉱物が何なのか、よりも、虚実の判断する材料を増やしたい己。
実際、薄明りの中、石ころとは異なる輝きに、其れが素人目にも其の辺に転がっている物ではない、とは理解出来る。
土の中に隠されていた財宝だった、等であればお手上げではあるが、加工のされていなさそうな原石では、財宝とするには少々量が少ないだろう。
「まあまあ、そうぼやいてくれるなよ。
子供の一人旅なものでなァ。 警戒の一つや二つ、した所で過剰って事も無いだろう?」
空いた片手を幾度か閃かせ、悪びれた様子もなく嘯いた。
軽い調子の言の儘、平然と嘘を織り交ぜ告げつ、差し出される自身の放った矢を受け取って。
最中、零れた男の言葉に、はツ、と露出した片目が瞬く。
「お前さん、見た目に似合わず――――ああ、否、作る方かね。」
放った後の矢が再び使えるか如何かの判断など、ご同業か、はたまた製造に関わる者が殆どだろう。
然し、曖昧に口にした自身の言葉は何とも据わりの悪い物。
待たず、採掘帰り、との言を思い出して言い直す。
ニ、と悪戯気に持ち上がる口角は、己の台詞の成否を問いたがる種の物。