2020/12/03 のログ
ご案内:「忘れられた名もなき遺跡」にリーゼロットさんが現れました。
ご案内:「忘れられた名もなき遺跡」にフラッドさんが現れました。
リーゼロット > 「ふぅ……」

リーゼロットは肺に溜まった空気を口から、押し出す。
足元には3体のオーク。
未踏破の遺跡と聞いて、一目散にやってきたのだが未だに、目的でもある錬金薬の素材は見つけられず、代わりにオークに襲われたのだった。
仕方なく、筋力強化の錬金薬を使ったために、ショートソードの一本は刃こぼれし、既に筋肉痛で身体が若干痛い。

リーゼロット > こんばんは、こちらこそよろしくお願いします!
フラッド > 偶然に見つけた遺跡、見た所魔物は住み着いてはいたがそれ故に探索もされていないと足を踏み入れたのは数刻前。
目ぼしいものを探すも何もなく、魔物であるオークに遭遇しては追い払う。
そんなことを何度か繰り返していれば争う音が聞こえそちらに向かい。

「ほう、俺以外にも客とはな」

音の聞こえた場所へとつけば倒れたオークと一人の少女の姿。
格好から冒険者かと興味深そうに見つめて。

リーゼロット > 「わひゃっ?!」

遺跡には誰もいないと踏んでいたリーゼロットが悲鳴を上げる。
現れた人影……男のようだ。その探るような視線を正面に受けつつ、こちらも様子を探る。
象牙色の髪にシャツとズボンに外套、野党ではなさそうだ。だが、以前に遺跡でひどい目にあったリーゼロットは警戒を緩めない。

(よ、弱気に出たらダメ……)

なるべく強気っぽく見えるように表情を整え……若干、頬が引きつっているが。
ゆっくりと、刃こぼれしてない方のショートソードの柄に手をかけ、バッグからいつでも強化薬であるキャンディを取り出す用意をする。
そして、現れた男の側面に回り込むようにゆっくりと、じわじわと距離を探り始め。

フラッド > 悲鳴を上げた少女を驚かせたようではあるが謝るような事はせず。
オークを複数倒せる腕があるのならばと注意深く見つめ。
眼帯が特徴的だと上から下と眺め。

「やるつもりか?」

驚いた声以外は何も言わず、強気っぽく見せてはいるが頬が引きつっているのに気が付けば思わずに笑みをこぼし。
そして剣に手をかけ側面に回り込もうとする動きを視線で追いかけ…そちらに手を向け。
火の玉を作り出せば少女に向けて様子見というように解き放つ。

リーゼロット > 上から下に眺められ、妙に気恥ずかしい。顔が赤くなり、灼熱感に頬が熱い。
そして、男が笑みをこぼすのを目で捉える。コンプレックスである尻を見られたのか、それとも……。と見当違いの思考を張り巡らせて。

「む……! な、なにが可笑し……うわぁっ?!」

男に言い返そうとして、セリフを途中まで吐いたと途中で飛来してくる火の玉。
悲鳴を上げつつ、すんでのところで地面に転がり、右に避ける。

「こ、この……っ!」

そう言うと同時に、腰に挿していたショートソードを抜剣。笑われたこともあり、その感情をバネに大地を蹴り上げ、男へと一閃させる。
悲しいことに、リーゼロットは戦闘の経験も実力も足りてない。男の放った火の玉が様子見だということには気がついていない。

フラッド > 少女の服装や武器に動きを重視するのか、それとも魔術を使えるのかと伺い。
何度か視線が動くと顔が赤くなっている事に気が付き。
強がったり恥ずかしがったりと面白いと見ていたが。

「何が?そのころころ変わる顔色だな。…反射神経はよいな」

様子見の火の玉はそれなりな速度であったが、悲鳴が上がったとはいえ避けた事には感心し。
追撃も行えるが次はどう来ると手だけを向け。

掛け声とともに抜刀し向かってくる姿から視線をそらさず、一閃される武器の軌道からも退くことはせず。

「腕は悪くはないようだが…俺に挑むには実力が足りんな」

振り抜かれたショートソードではなくその先、少女の腕を掴んで斬撃を止め。
返しだともう片手の爪を伸ばし、ブレストアーマーだけを切り裂こうと爪を振るう。

リーゼロット > 「っ?!」

双眸が驚愕に開かれる。抜き放った一閃は、男を切り裂くこともなく、あっさりと片手一本、リーゼロットの細腕を掴んだだけで止められてしまった。
そして、視界の隅から閃光、男の空いた手から放たれた剣ではなく、爪だ。
おそらくは、リーゼロットを傷つける意図のない一撃。

「……っ!」

それはリーゼロットのブレストアーマーを真っ二つに切り裂く。
どさり、とリーゼロットを守っていたレザー製の防具は地面に落ちる。そして、頭にかぶっていたフードはめくれ、魔族の特徴でもある羊状の角を晒すだろう。

「は、離し……てっ!」

どうにか掴まれた手を振りほどこうと、もがこうと試みる。彼女のその口には強化薬が練り込まれたキャンディが見えるだろうか。

フラッド > あと少し速度があれば、剣の刀身が長ければ腕を掴んで止めるなどは出来なかった。
ただ刃を受けたとしても傷がついたかと言えば答えは判らず。
少女は本気だろうが己としては戯れに近い行いで殺すつもりは毛頭なく。

「ほう……魔族だったか」

振るわれた爪は目的通りにブレストアーマーを真っ二つに引き裂く。
次はその下の衣服を切り裂いてやろうかと考えたが、爪を振るった余波でフードが外れてしまい。
その下に隠されていた羊状の角に正体を知っては軽い驚きをみせ。

「離せと言って話す馬鹿はおらんぞ。ん……?」

もがく少女を見つめては揶揄うように笑い、ふと口の中にキャンディが見え。
こんな状況で口にしているなら何かの薬か毒物。
薬なら気にはしないが毒で目の前で死なれても面白くはないと…掴んだ腕を引き寄せて一気に間合いを狭め、唇を重ねてキャンディを奪いにかかる。

リーゼロット > 「へっ? ……んんっ?!」

不意に強い力で引き寄せられる。そして近づく顔……重なる唇。
あまりの事態に何も抵抗できない。リーゼロットの脳内にはたくさんのハテナマークとビックリマークが少し。

「んんん~~~!!」

されるがままの一時。それから、ようやく思い出したようにジタバタしてみるが、先程の剣撃を片手で防いだのだ、びくともしないだろう。
男の目的はキャンディ位なことに気が付き、口の中でも抵抗をしてみるが、あっさりとそれは奪われてしまう。
男の口の中には、柑橘系の味がする飴の味がするだろうか。

(ああ……ボク、死んじゃうんだ……)

諦観が体の力を奪い、手にしたショートソードは、カラン……と寂しげな音を立てて地面に転がった。
これからどうなるか、という恐怖がリーゼロットの表情に出るだろう。

フラッド > 唇を奪い、いきなりの事で呆然としているのか抵抗をしない少女の咥内に舌を押し込む。
このままキャンディを奪うように舌で探るが見えなければ案外直ぐには奪う事が出来ず。
その間に正気に戻ったのか暴れ出す少女を拘束するように両手を動かし腕を抑え込みにかかり。
咥内でも抵抗が始まれば舌でそれを抑え込みキャンディを奪い取ってしまえば唇を離し。

「普通の味だな。緊張を解くために舐めていたか」

強化薬が練り込まれているとは思わずに味だけでそう判断し。
剣の落ちる音に少女を見直せば表情は恐怖に染まっている事に気が付き。

「殺しはせんから安心しろ。貴君が襲ってきそうだったゆえに迎え撃っただけだ」

正気に戻れというように軽く頬を数度叩き、殺さないことを告げて少女を解放して見下ろして。

リーゼロット > (し……舌……っ!)

咥内に舌が押し込まれ、驚きと羞恥で頬がピンクに染まる。
そうこうして、ようやく男から開放され、ぺたん、と地面に尻を付ける。

「ああ……死ぬ前に姉さんに……えっ……えええ?!」

ほうけた顔が、ぺちぺちと頬を叩かれ一瞬でもとに戻る。冷静に考える。
単純な話で、警戒感が強すぎて相手に警戒させた挙げ句に、自分から切りかかったのだ。はたから見ればどちらが悪人か。

「ううっ……ごめんなさい……! ゆ、許して……ください……」

そして、心のなかで涙を流しながら、謝罪の言葉を……珍しく敬語で口にする。
リーゼロットの謝罪でこの眼の前にいる男はどう出るだろうか。

フラッド > 「何を驚く…先に襲うような仕草を見せたのは貴君でだろう」

何やら不穏な事を口にする少女が我に返れば呆れた口調で告げ。
確かに最初に驚かせたのは己ではあるが、その後に襲い掛かるような仕草を見せたのはお前だと告げ。

「別に怒って等はおらん。この場ではあれは正しい反応だ。
俺が悪人ならば死んではいたがな……。
で、許すかどうかは聞く事を聞いてからだ。
貴君の名とここに来た目的は?」

素直に謝罪をする姿に素直は良いことだと目元を緩め。
怒ってはいないが許すかは別問題、先ずは名前と目的を聞き出そうとして。

リーゼロット > 「う゛っ」

男の言葉がナイフとなり、リーゼロットの心の傷を更に深くした。

「ええっと、ボクはリーゼロット。この遺跡には錬金術に使う薬草を探しに来たんだ……」

なにか許す云々と大事な言葉を聞き逃したような気がしたが、しょぼくれたリーゼロットは、気にすることなく正直に名前と、ここに来た目的を話す。そして、男にも同じように名前と目的をおずおずと問いかけ。

フラッド > 「どうした?」

何やらダメージを受けているように見えているが全く気にせず早く話せとばかりに見つめて。

「リーゼロットは良い名だ。この遺跡に薬草?」

名前と目的を聞けばただの採取目的の冒険者かと瞳を細め。
つまりは己を討伐して名を高めに来た訳ではないなら許してもいいかと考え。

「俺はフラッドだ、この遺跡に宝を探しに来て貴君と遭遇した訳だ」

そうして少女の問いかけに隠すこともなく名と目的を名乗り返し。
ただ許すのも面白くはないともう一度少女を上から下と今度はじっくりと眺めて。

リーゼロット > 「そうそう! こいった未踏破の遺跡には珍しい薬草とかあったりするからね」

自分でも気に入ってる名前を褒められ、更には薬草の話に触れた瞬間にぱあっ、と嬉しそうに話し始める。
だが、未だ目的のものには巡り合ってないわけだが。

「う~ん、宝……かぁ。ボクが見てきたところには無かった、かな」

首をひねり、たどってきたルートを思い出しながら、それらしい場所がなかったか考えるリーゼロット。その姿に警戒心はなく。
先程の許す云々や自分をじっくりと見回しているフラッドにはまるで気がついだろう。

フラッド > 「それでこの遺跡という訳か。物好きというかなんというかだな」

先程までの死を恐れていた姿が嘘のように嬉しそうに話をする少女。
その変わり身の早さには関心と呆れを含んだ瞳で見つめてしまい。

「そうか。ならばもっと奥かオークどもの寝床辺りか…。
リーゼロットよ、俺の同行を許す。オーク共の寝床に踏み込むぞ。
そこにならばお互いの望むものもあるやもしれんぞ」

少女の言葉に少し考え、魔物の巣ならばあるだろうと見当をつけ。
それならばと少女に踏み込む事に付き合えと命じ、その警戒心のない姿に手を出すのも面白いかと笑みを浮かべて。

リーゼロット > 「えっ、良いのっ? じゃあ……フラッド、さん? 一緒に行こう!」

さっきまでのやらかしでぐんにょりしたリーゼロットとは打って変わり、元気いっぱいに立ち上がると、自らが先頭となり遺跡の奥へと歩み始めた。
先程のいざこざの負い目もあるが、完全にフラッドへの警戒心はなくなっている。
彼のもう一つの目的も気づくこともなく。

フラッド > 「さん…か。まあ、今はそれでよい」

先程までの様子と打って変わり元気になり、先頭を進み奥へと向かう後ろ姿に見ていて飽きないと笑みを浮かべ後を追い。
警戒心がすっかりなくなっている様子にその辺りを仕込むべきかと少しだけそんなことを考え。
直ぐに警戒心のなさに後悔することになると考えて。

リーゼロット > 【継続します】
フラッド > 【継続します】
ご案内:「忘れられた名もなき遺跡」からリーゼロットさんが去りました。
ご案内:「忘れられた名もなき遺跡」からフラッドさんが去りました。